リフキシマ錠200mg
添付文書情報2024年03月改定(第3版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 肝性脳症における高アンモニア血症の改善。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は抗酸菌に対しても抗菌活性を示し、他のリファマイシン系抗菌薬と交差耐性を示す可能性があり、他のリファマイシン系抗菌薬に対する結核菌の耐性化を防ぐため、肺結核及びその他の結核症を合併している肝性脳症患者における高アンモニア血症に対しては、他の治療法を選択すること。
- 用法・用量
- 通常、成人及び小児にはリファキシミンとして1回400mgを1日3回食後に経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
国内臨床試験において、本剤の12週間を超える使用経験はないため、12週間を超えて投与する際はその必要性を慎重に判断すること。
- 肝機能障害患者
- 本剤は難吸収性製剤であるが、耐性菌の発現等を防ぐため、治療に際しては効果を十分に確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
9.3.1. 重度肝機能障害患者:本剤は主に肝で代謝されるため、AUCが増大することがある〔16.1.2参照〕。
- 相互作用
- 本剤はチトクロームP450 3A4(CYP3A4)により代謝され、CYP3A4を誘導する作用がある。本剤は各種トランスポーター[P-糖タンパク(P-gp)、有機アニオン輸送ポリペプチド1A2(OATP1A2)、OATP1B1及びOATP1B3]の基質である〔16.4、16.7.1参照〕。
10.2. 併用注意:1). シクロスポリン〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が上昇し本剤の効果が増強するおそれがある(シクロスポリンのP-gp、CYP3A4、OATP阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する)]。
2). エチニルエストラジオール〔16.7.3参照〕[エチニルエストラジオールの血中濃度を低下させるおそれがある(本剤のCYP3A4誘導作用により、エチニルエストラジオールの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 偽膜性大腸炎(クロストリディオイデス・ディフィシル関連下痢症)(頻度不明):腹痛、頻回な下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(1%未満)発疹、湿疹。
2). 消化器:(1~5%未満)便秘、下痢、悪心、腹痛、(1%未満)上腹部痛、腹部不快感、痔出血。
3). 肝臓:(1~5%未満)高ビリルビン血症、(1%未満)ALP上昇。
4). 精神神経系:(1%未満)めまい、味覚異常、肝性脳症悪化、頭蓋内動脈瘤。
5). 循環器:(1%未満)高血圧、動悸。
6). その他:(1%未満)声帯炎症、敗血症、背部痛、発熱、尿中血陽性。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット及びウサギ)において、胎盤通過性及び胎仔骨格異常(胎仔不完全骨化、胎仔過剰肋骨の発生頻度増加等)が認められている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている)。
- 小児等
- 9.7.1. 小児等に対しては、本剤を適切に経口投与できると判断された場合にのみ投与すること。
9.7.2. 5歳未満の患者に投与する場合には、観察を十分に行い、慎重に投与すること(これらの患者に投与した臨床試験は実施していない)。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
開封後は湿気、光を避けて保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報本剤の投与により、尿が橙赤色となることがある。
16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人
健康成人男性に、本剤550mg、1,100mg及び1,650mgを空腹時単回投与した結果、最大血漿中濃度到達時間及び血漿中半減期等の薬物動態パラメータは次のとおりであった。
注)本剤の承認された用法及び用量は、リファキシミンとして1回400mgを1日3回食後に経口投与である。
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16.1.2 肝性脳症患者
日本人肝性脳症患者に、本剤400mgを1日3回14日間食後経口投与した臨床試験における、Child‐Pugh分類別の薬物動態パラメータ(投与8~14日目に測定)を次表に示す。[9.3参照]
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16.1.3 小児肝性脳症患者
日本人小児肝性脳症患者21例に、本剤400mgを1日3回12週間投与し、得られた103点の血漿中薬物濃度データを用いて母集団薬物動態解析を行った。その結果、薬物動態に影響を及ぼす共変量はなく、1回400mgを1日3回投与したときの定常状態のシミュレーションにより推定された1日のうちの1回目投与時の薬物動態パラメータは次のとおりであった。
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16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男性8例に、本剤550mgを食後(高脂肪食:900kcal以上、脂質35%以上)又は空腹時に投与した結果、Cmaxは同様であったが、食後投与で吸収(Tmax)が遅延し(空腹時:1.0時間、食後:3.0時間)、AUC0-∞が58.1%増加した。本検討は本剤とは異なる製剤(275mg錠)にて実施した。
注)本剤の承認された用法及び用量は、リファキシミンとして1回400mgを1日3回食後に経口投与である。
16.3 分布
健康被験者及び肝性脳症の既往がある肝機能障害患者に本剤550mgを反復経口投与した後のリファキシミンの血漿タンパク結合率は健康被験者で67.5±3.7%、肝機能障害患者で62.0±4.4%であった(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、リファキシミンとして1回400mgを1日3回食後に経口投与である。
16.4 代謝
in vitro試験において、次が報告されている。[10.参照]
・ヒト肝ミクロソーム及びCYP分子種発現系を用いてリファキシミンの代謝を評価した結果、リファキシミンは主にCYP3A4で代謝された。
・肝代謝酵素誘導試験において、リファキシミンはCYP1A2を誘導しなかったが、CYP2B6及びCYP3A4に対して弱い誘導作用を示した。
・リファキシミンはCYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4を阻害しなかった。
16.5 排泄
16.5.1 健康被験者へ14C標識した本剤400mgを単回経口投与した場合、総放射能の回収率は96.94%であった。そのうち、96.62%が糞便中からほぼ未変化体として回収され、0.32%は経口投与後48時間以内に尿中から回収された(外国人データ)。
16.5.2 肝性脳症患者に本剤600mg/日、1,200mg/日及び2,400mg/日を7日間反復経口投与した場合、最終投与後24時間までの尿中未変化体排泄率は投与量の0.06~0.1%であった(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、リファキシミンとして1回400mgを1日3回食後に経口投与である。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 in vitro試験成績
in vitro試験において、次が報告されている。[10.参照]
・リファキシミンはP‐gp、OATP1A2、OATP1B1及びOATP1B3の基質であった。
・リファキシミンはP‐gp、多剤耐性関連タンパク2(MRP2)、MRP4、胆汁酸塩排出ポンプ(BSEP)及び乳癌耐性タンパク(BCRP)に対して阻害作用を示した。また、リファキシミンはOATP1A2、OATP1B1及びOATP1B3に対して阻害作用を示したが、OATP2B1は阻害しなかった。
16.7.2 リファキシミンの薬物動態に及ぼす併用薬の影響
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16.7.3 併用薬の薬物動態に及ぼすリファキシミンの影響
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注)本剤の承認された用法及び用量は、リファキシミンとして1回400mgを1日3回食後に経口投与である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内II/III相試験(成人)
肝性脳症患者を対象とし、ラクチトールを対照とした無作為化並行群間比較試験(評価者盲検)を実施した(本剤の用法・用量は、本剤400mgを1日3回14日間食後経口投与)。血中アンモニア濃度、PSE指数及び肝性脳症昏睡度の変化は次のとおりであった。
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国内第II/III相試験及び国内第III相試験において本剤を投与した157例中21例(13.4%)に副作用が認められた。発現した主な副作用は、便秘4例(2.5%)、下痢2例(1.3%)等であった。
17.1.2 国内第II/III相試験(小児)
18歳未満の小児肝性脳症患者[肝硬変、胆道閉鎖症、門脈圧亢進症(バンチ症候群を含む)、先天性門脈欠損症(門脈大循環短絡を含む)、Wilson病、尿素サイクル異常症(慢性期)、リジン尿性蛋白不耐症のいずれかを有する者]を対象とし、非対照非盲検試験を実施した(本剤の用法・用量は、本剤400mgを1日3回12週間経口投与)。5歳以上の患者が組み入れられ、血中アンモニア濃度及び肝性脳症昏睡度の変化は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
国内第II/III相試験(小児)において本剤を投与した21例中3例(14.3%)に副作用が認められた。発現した副作用は、腹痛、悪心、血中ビリルビン増加各1例(4.8%)であった。
18.1 作用機序
リファキシミンは、細菌のDNA依存性RNAポリメラーゼに結合し、RNA合成を阻害することが示唆されている。
18.2 抗菌活性
リファキシミンは、好気性グラム陽性菌、通性嫌気性グラム陰性菌などに対し抗菌活性を示した。
18.3 血中アンモニア濃度抑制作用
ラット肝性脳症モデルにおいて、リファキシミンは昏睡の発症及び静脈血中アンモニア濃度を用量依存的に抑制した。
18.4 耐性
18.4.1 リファキシミンに対する耐性は、主にDNA依存性RNAポリメラーゼ遺伝子の点突然変異により発生することが示唆されている。
18.4.2 他のリファマイシン系抗菌薬であるリファンピシンについても、DNA依存性RNAポリメラーゼ遺伝子の点突然変異が耐性に寄与しているが、in vivo試験において、リファキシミン投与後における結核菌のリファキシミン及びリファンピシンに対する感受性低下は認められなかった。
- 一包可:不明
バラ包装
- 分割:可能
- 粉砕:可能
- 製造販売会社
- あすか製薬
- 販売会社
- 武田薬品
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