ボノピオンパック

添付文書情報2022年11月改定(第14版)
商品情報
- 禁忌
- 1.タケキャブ、アモキシシリン及びフラジールの成分に対する過敏症の既往歴のある患者。
2.アタザナビル硫酸塩投与中、リルピビリン塩酸塩投与中の患者。
3.伝染性単核症のある患者[アモキシシリン水和物で紅斑性丘疹の発現頻度が高いとの報告がある]。
4.高度腎障害のある患者[アモキシシリン水和物の血中濃度が上昇することがあり、本製品では各製剤の投与量を調節できないため、本製品の使用を避ける]。
5.脳器質的疾患<脳膿瘍を除く>、脊髄器質的疾患のある患者[メトロニダゾールで中枢神経系症状が現れることがある]。
6.妊娠3カ月以内の婦人。
- 効能・効果
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.進行期胃MALTリンパ腫に対するヘリコバクター・ピロリ除菌治療の有効性は確立していない。
2.特発性血小板減少性紫斑病に対しては、ガイドライン等を参照し、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療が適切と判断される症例にのみ除菌治療を行う。
3.早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃以外には、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療による胃癌の発症抑制に対する有効性は確立していない。
4.ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に用いる際には、ヘリコバクター・ピロリが陽性であることを確認及び内視鏡検査によりヘリコバクター・ピロリ感染胃炎であることを確認する。
- 用法・用量
- プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合:ボノプラザンとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
- 慎重投与
- 1.【タケキャブ】:肝障害のある患者[ボノプラザンの代謝、排泄が遅延することにより血中濃度が上昇することがある]。
2.【タケキャブ】:腎障害のある患者[ボノプラザンの排泄が遅延することにより血中濃度が上昇することがある]。
3.【タケキャブ、アモキシシリン】:高齢者。
4.【アモキシシリン】:セフェム系抗生物質に対する過敏症の既往歴のある患者。
5.【アモキシシリン】:本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者。
6.【アモキシシリン】:経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状が現れることがあるので観察を十分に行う]。
7.【フラジール】:血液疾患のある患者[白血球減少、好中球減少が現れることがある]。
8.【フラジール】:脳膿瘍の患者[中枢神経系症状が現れることがある]。
9.【フラジール】:肝機能障害のある患者[血中濃度が上昇し、作用が増強する恐れがある]。
10.【フラジール】:コケイン症候群の患者[コケイン症候群の患者で重度肝毒性又は急性肝不全が発現し死亡に至ることがある]。
- 重要な基本的注意
- 1.【アモキシシリン】:ショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の発生を確実に予知できる方法はないが、事前にショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質によるアレルギー歴は必ず確認する)。
2.【フラジール】:白血球減少、好中球減少が現れることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど、患者の状態を十分に観察する。
3.【フラジール】:中枢神経障害が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、ふらつき、歩行障害、意識障害、構語障害、四肢のしびれ等の初期症状の発現に注意し、また、これらの初期症状が現れ、メトロニダゾールによる脳症が疑われた場合には、メトロニダゾールの投与を中止する。
4.【フラジール】:肝機能障害が現れることがあるので、定期的に肝機能検査を実施するなど、患者の状態を十分に観察する。
- 相互作用
- ボノプラザンは主として肝薬物代謝酵素CYP3A4で代謝され、一部CYP2B6、CYP2C19及びCYP2D6で代謝される。また、ボノプラザンは弱いCYP3A4阻害作用を有する。
ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を促進又は抑制する可能性がある。
1.併用禁忌:1).【タケキャブ】:アタザナビル硫酸塩<経口><レイアタッツ>[アタザナビル硫酸塩の作用を減弱する恐れがある(ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用によりアタザナビル硫酸塩の溶解性が低下し、アタザナビルの血中濃度が低下する可能性がある)]。
2).【タケキャブ】:リルピビリン塩酸塩<経口><エジュラント>[リルピビリン塩酸塩の作用を減弱する恐れがある(ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用によりリルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下する可能性がある)]。
2.併用注意:1).【タケキャブ】:CYP3A4阻害剤(クラリスロマイシン等)[ボノプラザンの血中濃度が上昇する可能性がある(クラリスロマイシンとの併用によりボノプラザンの血中濃度が上昇したとの報告がある)]。
2).【タケキャブ】:ジゴキシン<経口>、メチルジゴキシン<経口>[併用薬剤の作用を増強する可能性がある(ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用によりジゴキシンの加水分解が抑制され、ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
3).【タケキャブ】:イトラコナゾール、チロシンキナーゼ阻害剤(ゲフィチニブ、ニロチニブ、エルロチニブ)、ネルフィナビルメシル酸塩[併用薬剤の作用を減弱する可能性がある(ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用により併用薬剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
4).【タケキャブ】:CYP3A4で代謝される薬剤(ミダゾラム等)[併用薬剤の作用を増強する可能性がある(ボノプラザンのCYP3A4に対する弱い阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害される)]。
5).【アモキシシリン】:ワルファリンカリウム[ワルファリンカリウムの作用が増強される恐れがある(腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある)]。
6).【アモキシシリン】:経口避妊薬[経口避妊薬の効果が減弱する恐れがある(腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている)]。
7).【アモキシシリン】:プロベネシド[アモキシシリン水和物の血中濃度を増加させる(アモキシシリン水和物の尿細管分泌を阻害し、尿中排泄を低下させると考えられている)]。
8).【フラジール】:アルコール[腹部の疝痛、嘔吐、潮紅が現れることがあるので、投与期間中は飲酒を避ける(メトロニダゾールはアルコールの代謝過程においてアルデヒド脱水素酵素を阻害し、血中アセトアルデヒド濃度を上昇させる)]。
9).【フラジール】:リトナビル含有製剤<内用液>[ジスルフィラム-アルコール反応を起こす恐れがある(リトナビル含有製剤(内用液)はエタノールを含有するのでメトロニダゾールにより血中アセトアルデヒド濃度を上昇させる)]。
10).【フラジール】:ジスルフィラム[精神症状<錯乱等>が出現することがある(機序は不明)]。
11).【フラジール】:ワルファリン[ワルファリンの抗凝血作用を増強し出血等が現れることがある(メトロニダゾールはワルファリンの代謝を阻害し、その血中濃度を上昇させる)]。
12).【フラジール】:リチウム[リチウムの血中濃度が上昇しリチウム中毒が現れることがある(機序は不明)]。
13).【フラジール】:ブスルファン[ブスルファンの作用が増強されることがある(メトロニダゾールはブスルファンの血中濃度を上昇させることがある)]。
14).【フラジール】:5-フルオロウラシル[5-フルオロウラシルの作用が増強される可能性がある(メトロニダゾールは5-フルオロウラシルの血中濃度を上昇させることがある)]。
15).【フラジール】:シクロスポリン[シクロスポリンの作用が増強される可能性がある(メトロニダゾールはシクロスポリンの血中濃度を上昇させることがある)]。
16).【フラジール】:フェノバルビタール[メトロニダゾールの作用が減弱する可能性がある(フェノバルビタールはメトロニダゾールの代謝酵素を誘導し、その血中濃度を低下させることがある)]。
- 副作用
- 胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症:承認時までの試験では50例中8例(16.0%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎:臨床試験等の副作用発現頻度が明確となる試験を実施していない(承認時)。
タケキャブ、アモキシシリン及びフラジールでは、他にもそれぞれに副作用が認められている。
- 重大な副作用
- <タケキャブの重大な副作用>1.【タケキャブ】:ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.【タケキャブ】:汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
3.【タケキャブ】:肝機能障害(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
4.【タケキャブ】:中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
<アモキシシリンの重大な副作用>1.【アモキシシリン】:ショック、アナフィラキシー(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、眩暈、便意、耳鳴、発汗、喘鳴、呼吸困難、血管浮腫、全身潮紅・全身蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.【アモキシシリン】:アレルギー反応に伴う急性冠症候群(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
3.【アモキシシリン】:中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも0.1%未満)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、発熱、頭痛、関節痛、皮膚紅斑・皮膚水疱や粘膜紅斑・粘膜水疱、膿疱、皮膚緊張感・皮膚灼熱感・皮膚疼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
4.【アモキシシリン】:急性腎障害等の重篤な腎障害(0.1%未満)が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
5.【アモキシシリン】:顆粒球減少(0.1%未満)、血小板減少(頻度不明)が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
6.【アモキシシリン】:偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満)が現れることがあるので、腹痛、頻回の下痢が現れた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行う。
7.【アモキシシリン】:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等を伴う肝機能障害、黄疸(0.1%未満)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
8.【アモキシシリン】:間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT等の検査を実施し、間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
9.【アモキシシリン】:項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎(頻度不明)が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
<フラジールの重大な副作用>1.【フラジール】:末梢神経障害(0.1%未満)が現れることがあるので、観察を十分に行い、四肢のしびれ、四肢異常感等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.【フラジール】:脳症、痙攣、意識障害、構語障害、錯乱、幻覚、小脳失調等の中枢神経障害(頻度不明)が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
3.【フラジール】:項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎(頻度不明)が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
4.【フラジール】:中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
5.【フラジール】:急性膵炎(頻度不明)が現れることがあるので、腹痛、背部痛、悪心・嘔吐、血清アミラーゼ値上昇等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
6.【フラジール】:白血球減少、好中球減少(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
7.【フラジール】:出血性大腸炎(頻度不明)が現れることがあるので、腹痛、血便、頻回の下痢が現れた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
8.【フラジール】:肝機能障害(頻度不明)が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。コケイン症候群の患者で重度肝毒性又は急性肝不全が発現し死亡に至ったとの報告がある(フラジール)。
9.【フラジール】:QT延長、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
- <胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症>次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。
1.【胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症】消化器:(0.1~5%未満)下痢、腹部不快感、腹部膨満感。
2.【胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症】肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う]。
<タケキャブのその他の副作用>次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。
1.【タケキャブ】消化器:(0.1~5%未満)便秘、下痢、腹部膨満感、悪心。
2.【タケキャブ】過敏症:(0.1~5%未満)発疹[このような場合には投与を中止する]。
3.【タケキャブ】肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う]。
4.【タケキャブ】その他:(0.1~5%未満)浮腫、好酸球増多。
<アモキシシリンのその他の副作用>1.【アモキシシリン】過敏症:(0.1~5%未満)発熱、発疹、蕁麻疹、(頻度不明)そう痒[このような場合には投与を中止し適切な処置を行う]。
2.【アモキシシリン】血液:(0.1%未満)好酸球増多、貧血。
3.【アモキシシリン】肝臓:(0.1%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)。
4.【アモキシシリン】消化器:(0.1~5%未満)下痢、悪心、食欲不振、(頻度不明)黒毛舌。
5.【アモキシシリン】菌交代症:(0.1%未満)口内炎、大腸炎(カンジダ、非感受性のクレブシエラ等による)[このような場合には投与を中止するなど適切な処置を行う]。
6.【アモキシシリン】ビタミン欠乏症:(0.1%未満)ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)。
7.【アモキシシリン】その他:(頻度不明)梅毒患者の場合;ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応(発熱、全身倦怠感、頭痛等の発現、病変部悪化)。
<フラジールのその他の副作用>1.トリコモナス症(膣トリコモナスによる感染症)、嫌気性菌感染症、感染性腸炎、細菌性膣症、アメーバ赤痢、ランブル鞭毛虫感染症:1).【フラジール(トリコモナス症、嫌気性菌感染症、感染性腸炎、細菌性膣症、アメーバ赤痢、ランブル鞭毛虫感染症)】過敏症:(5%以上又は頻度不明)発疹[症状が現れた場合には投与を中止する]。
2).【フラジール(トリコモナス症、嫌気性菌感染症、感染性腸炎、細菌性膣症、アメーバ赤痢、ランブル鞭毛虫感染症)】消化器:(5%以上又は頻度不明)舌苔、食欲不振、悪心、胃不快感、下痢、腹痛、味覚異常。
3).【フラジール(トリコモナス症、嫌気性菌感染症、感染性腸炎、細菌性膣症、アメーバ赤痢、ランブル鞭毛虫感染症)】肝臓:(5%以上又は頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、総ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇。
4).【フラジール(トリコモナス症、嫌気性菌感染症、感染性腸炎、細菌性膣症、アメーバ赤痢、ランブル鞭毛虫感染症)】生殖器:(5%以上又は頻度不明)Candidaalbicans出現。
5).【フラジール(トリコモナス症、嫌気性菌感染症、感染性腸炎、細菌性膣症、アメーバ赤痢、ランブル鞭毛虫感染症)】その他:(5%以上又は頻度不明)暗赤色尿、発熱。
2.ヘリコバクター・ピロリ感染症:1).【フラジール(ヘリコバクター・ピロリ感染症)】過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒感[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。
2).【フラジール(ヘリコバクター・ピロリ感染症)】血液:(頻度不明)好塩基球増多[投与中は定期的に血液学的検査を行うことが望ましく、また、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う]。
3).【フラジール(ヘリコバクター・ピロリ感染症)】消化器:(頻度不明)下痢、胸やけ、悪心、上腹部痛、味覚異常、口腔アフタ、舌炎、鼓腸、黒色便。
4).【フラジール(ヘリコバクター・ピロリ感染症)】精神神経系:(頻度不明)うつ病、頭痛、浮動性眩暈、不安定感。
5).【フラジール(ヘリコバクター・ピロリ感染症)】その他:(頻度不明)眼精疲労、疲労、しびれ感。
- 高齢者への投与
- 次の点に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
1.一般に高齢者では肝機能、腎機能等の生理機能が低下しているので、慎重に投与する(また、アモキシシリン水和物による副作用が発現しやすい)。
2.高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向が現れることがある(アモキシシリンによる)。
- 妊婦・産婦・授乳婦等への投与
- 1.胎児に対する安全性は確立していないので、特に妊娠3カ月以内は経口投与をしない。妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。
1).メトロニダゾールでは、妊婦への経口投与により胎盤関門を通過して胎児へ移行することが報告されており、胎児に対する安全性は確立していないので、特に妊娠3カ月以内は経口投与をしない。
2).ボノプラザンでは、動物試験(ラット)において、40mg/日でのヒトにおけるボノプラザンの曝露量(AUC)の約28倍を超える曝露量で、胎仔体重低値及び胎盤重量低値、外表異常(肛門狭窄及び尾異常)、並びに内臓異常(膜性部心室中隔欠損及び鎖骨下動脈起始異常)が認められている。
2.授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させる。
1).メトロニダゾールでは、授乳婦への経口投与により母乳中へ移行することが報告されている。
2).ボノプラザンでは、動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
- 小児等への投与
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
- 取扱い上の注意
- 薬剤交付時:PTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用する。
- その他の注意
- 1.ヘリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意:アモキシシリン水和物及びメトロニダゾールの服用中や投与終了直後では、13C-尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があるため、13C-尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週以降の時点で実施することが望ましい。
2.その他:1).タケキャブ:(1).【タケキャブ】:マウス及びラット2年間経口投与がん原性試験において、20mg/日でのヒトにおけるボノプラザンの曝露量(AUC)と等倍程度の曝露量で胃神経内分泌腫瘍が、約300倍で胃腺腫(マウス)が、また、約13倍以上(マウス)及び約58倍以上(ラット)で肝臓腫瘍が認められている。
(2).【タケキャブ】:タケキャブの投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与する。
(3).【タケキャブ】:海外における複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されており、特に、高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で、骨折のリスクが増加した。
(4).【タケキャブ】:海外における主に入院患者を対象とした複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターを投与した患者においてクロストリジウム・ディフィシルによる胃腸感染のリスク増加が報告されている。
2).アモキシシリン:ラットにアモキシシリン水和物(2000mg/kg/日)、ランソプラゾール(15mg/kg/日以上)を4週間併用経口投与した試験で、アモキシシリン水和物を単独あるいは併用投与した動物に結晶尿が認められているが、結晶はアモキシシリン水和物が排尿後に析出したものであり、体内で析出したものではないことが確認されている。
3).フラジール:(1).【フラジール】:マウスに長期経口投与した場合、肺腫瘍が、またラットでは乳房腫瘍の発生が報告されているが、ハムスターの生涯投与試験では腫瘍はみられていないとの報告がある。
(2).【フラジール】:メトロニダゾールの注射剤において、メトロニダゾール500mgの単回点滴静注直後の血液透析により、投与量の約45%が除去されたとの報告がある。
3.本製品に包装されている個々の製剤を単独、もしくは本製品の効能・効果以外の目的に使用しない。また、用法・用量のとおり、同時に服用する。
1.ボノプラザン、アモキシシリン水和物及びメトロニダゾール併用時の血中濃度
健康成人男子を対象にボノプラザン20mg、アモキシシリン水和物750mg(力価)及びメトロニダゾール250mgを1日2回朝食後及び夕食後に7日間投与(投与最終日は朝食後1回)した時、投与7日目の薬物動態学的パラメータは次表のとおりである。
ボノプラザン未変化体
→図表を見る(PDF)
アモキシシリン未変化体
→図表を見る(PDF)
メトロニダゾール未変化体
→図表を見る(PDF)
2.薬物間相互作用
外国健康成人を対象に1日目及び9日目にミダゾラム2mgを単回経口投与し、2~10日目にボノプラザンとして20mgを1日2回反復経口投与した試験の結果、ミダゾラムのAUC(0-inf)及びCmaxは、単独投与時と比較してボノプラザンとの併用時にいずれも1.9倍増加する。
(参考)
1.ボノプラザン単独投与時の肝障害患者及び腎障害患者における薬物動態
(1)肝障害患者
肝機能正常者、並びに軽度、中等度及び高度肝障害者を対象にボノプラザンの薬物動態に及ぼす肝障害の影響を検討した外国で実施した臨床試験において、ボノプラザンのAUC(0-inf)及びCmaxは、軽度、中等度及び高度肝障害者では肝機能正常者と比較してそれぞれ1.2~2.6倍及び1.2~1.8倍高い。
(2)腎障害患者
腎機能正常者、軽度、中等度及び高度腎障害者、並びに末期腎不全(ESRD)患者を対象にボノプラザンの薬物動態に及ぼす腎障害の影響を検討した外国で実施した臨床試験において、ボノプラザンのAUC(0-inf)及びCmaxは、軽度、中等度及び高度腎障害者では腎機能正常者と比較してそれぞれ1.3~2.4倍及び1.2~1.8倍高く、腎機能の低下に伴い増加し、また、ESRD患者におけるAUC(0-inf)及びCmaxは、腎機能正常者と比較してそれぞれ1.3倍及び1.2倍高い。
2.フラジールの薬物動態
(1)胎児への移行
分娩開始初期からメトロニダゾール内服錠200mgを3時間ごとに投与して、母子の血中濃度を測定したとき、胎盤関門を通過して胎児に移行することが認められた。(外国人によるデータ)
(2)母乳中への移行
平均年齢22.5歳の母親及び生後5日の新生児10例を選び、母親にメトロニダゾール内服錠200mgを経口投与し、4時間ごとに授乳して母乳中及び新生児の血中への移行を測定した。母乳中の平均濃度は4時間3.4μg/mL、8時間2.2μg/mL、12時間1.8μg/mLで母親の血中と同程度に移行したが、新生児の血中濃度は痕跡~0.4μg/mLと極めて微量であった。(測定法:polarography)(外国人によるデータ)
ボノプラザン又はランソプラゾールと、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌が不成功であった50例を対象とした臨床試験において、ボノプラザン20mg、アモキシシリン水和物及びメトロニダゾールの3剤を1日2回7日間経口投与した場合の除菌率は次表のとおりである。
→図表を見る(PDF)
1.抗菌作用
アモキシシリン水和物はヘリコバクター・ピロリに対し殺菌的な抗菌作用を示す。
2.作用機序
アモキシシリン水和物は細菌の細胞壁合成を阻害することにより効果を発揮する。
ボノプラザンは酸による活性化を必要とせず、可逆的でカリウムイオンに競合的な様式でH+,K+‐ATPaseを阻害する。ボノプラザンは塩基性が強く胃壁細胞の酸生成部位に長時間残存して胃酸生成を抑制する。ボノプラザンは抗ヘリコバクター・ピロリ活性及びヘリコバクター・ピロリウレアーゼ阻害活性は示さない。
メトロニダゾールはヘリコバクター・ピロリ菌体内のニトロ還元酵素系の反応によって還元を受け、ニトロソ化合物(R‐NO)に変化する。このR‐NOがヘリコバクター・ピロリに対する殺菌作用を示す。また、反応の途中で生成したヒドロキシラジカルがDNAを切断し、DNAらせん構造の不安定化を招く。
アモキシシリン水和物及びメトロニダゾールとの3剤療法におけるボノプラザンの役割は胃内pHを上昇させることにより、アモキシシリン水和物及びメトロニダゾールの抗菌活性を高めることにあると考えられる。
- 一包可:
- 分割:
- 粉砕:
- 製造販売会社
- 武田薬品
- 販売会社
おくすりのQ&A
製品インタビューフォームの苛酷試験などの結果に高分子量分子種の増加が認められる、と記載されている場合、どう捉えれば良いか分かりません。知りたいポイントは冷...
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