オフロキサシン錠100mg「ツルハラ」
添付文書情報2022年08月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分又はレボフロキサシン水和物に対し過敏症の既往歴のある患者〔9.1.2参照〕。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.3. 小児等〔9.7小児等の項参照〕。
- 効能・効果
- 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管炎・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(前立腺炎<急性症>、前立腺炎<慢性症>)、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、子宮頸管炎、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、ハンセン病。
(効能又は効果に関連する注意)
〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、感染性腸炎、副鼻腔炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
- 用法・用量
- 〈腸チフス、パラチフス以外〉
通常、成人に対して、オフロキサシンとして1日300~600mgを2~3回に分割して経口投与する。ハンセン病については、オフロキサシンとして1日400~600mgを2~3回に分割して経口投与する。なお、感染症の種類及び症状により適宜増減する。
ハンセン病については、原則として他の抗ハンセン病剤と併用する。
〈腸チフス、パラチフス〉
オフロキサシンとして1回200mgを1日4回、14日間経口投与する。
- 腎機能障害患者
- 8.1. 〈効能共通〉本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2. 〈効能共通〉意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
8.3. 〈効能共通〉大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること〔9.1.4、11.1.19参照〕。
8.4. 〈ハンセン病〉「ハンセン病診断・治療指針」(厚生省・(財)藤楓協会発行)を参考に治療を行うことが望ましい。
8.5. 〈ハンセン病〉ハンセン病の場合、本剤による治療についての科学的データの蓄積が少ないことを含め、患者に十分な説明を行い、インフォームド・コンセントを得ること。
9.1.1. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣を起こすことがある〔11.1.3参照〕。
9.1.2. 他のキノロン系抗菌薬に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、レボフロキサシンに対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)〔2.1参照〕。
9.1.3. 重症筋無力症の患者:症状を悪化させることがある〔11.1.18参照〕。
9.1.4. 大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくは大動脈瘤のリスク因子のある又は大動脈解離のリスク因子のある患者(マルファン症候群等):必要に応じて画像検査の実施を考慮すること(海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある)〔8.3、11.1.19参照〕。
9.2.1. 重度腎機能障害患者(クレアチニン・クリアランス30mL/min未満):高い血中濃度の持続が認められている〔16.6.1参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). フェニル酢酸系非ステロイド性消炎鎮痛薬又はプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛薬(フルルビプロフェン等)[痙攣を起こすおそれがある(中枢神経におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている)]。
2). アルミニウム含有の制酸薬<経口>又はマグネシウム含有の制酸薬<経口>等、鉄剤<経口>[本剤の効果が減弱されるおそれがあるので、これらの薬剤は本剤投与1~2時間後に投与する(これらの薬剤とキレートを形成し、本剤の吸収が低下すると考えられている)]。
3). クマリン系抗凝固薬(ワルファリン)[ワルファリンの作用を増強しプロトロンビン時間の延長が認められたとの報告がある(ワルファリンの肝代謝を抑制、又は蛋白結合部位での置換により遊離ワルファリンが増加する等と考えられている)]。
4). 副腎皮質ホルモン剤<経口剤及び注射剤>(プレドニゾロン<経口剤及び注射剤>、ヒドロコルチゾン<経口剤及び注射剤>等)〔11.1.15参照〕[腱障害のリスクが増大するとの報告があるので、これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること(機序不明)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)(初期症状:紅斑、悪寒、呼吸困難等)。
11.1.2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。
11.1.3. 痙攣(頻度不明)〔9.1.1参照〕。
11.1.4. QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)(いずれも頻度不明)。
11.1.5. 急性腎障害、間質性腎炎(いずれも頻度不明)。
11.1.6. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)(初期症状:嘔気・嘔吐、食欲不振、倦怠感、そう痒等)。
11.1.7. 無顆粒球症(頻度不明)(初期症状:発熱、咽頭痛、倦怠感等)。
11.1.8. 汎血球減少症(頻度不明)。
11.1.9. 血小板減少(頻度不明)。
11.1.10. 溶血性貧血(頻度不明)(症状:ヘモグロビン尿)。
11.1.11. 間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明)(症状:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等、処置方法:副腎皮質ホルモン剤投与等)。
11.1.12. 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)(症状:腹痛、頻回の下痢等)。
11.1.13. 横紋筋融解症(頻度不明):急激な腎機能悪化を伴うことがある(症状:筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等)。
11.1.14. 低血糖(頻度不明):低血糖性昏睡に至る例も報告されているので、十分に注意すること(糖尿病患者(特にスルホニルウレア系薬剤投与中やインスリン製剤投与中の患者)、腎機能障害患者、高齢者であらわれやすい)。
11.1.15. アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害(頻度不明):腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(臓器移植の既往のある患者であらわれやすい)〔9.8.1、10.2参照〕。
11.1.16. 錯乱、せん妄、抑うつ等の精神症状(頻度不明)。
11.1.17. 過敏性血管炎(頻度不明)(症状:発熱、腹痛、関節痛、紫斑、斑状丘疹、皮膚生検で白血球破砕性血管炎等)。
11.1.18. 重症筋無力症悪化(頻度不明)〔9.1.3参照〕。
11.1.19. 大動脈瘤、大動脈解離(いずれも頻度不明)〔8.3、9.1.4参照〕。
11.1.20. 末梢神経障害(頻度不明):しびれ、筋力低下、痛み等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~5%未満*)発疹等、(0.1%未満*)浮腫、蕁麻疹、熱感、そう痒等、(頻度不明)光線過敏症。
2). 精神神経系:(0.1~5%未満*)不眠、頭痛、(0.1%未満*)振戦、しびれ感、めまい、眠気、(頻度不明)幻覚、興奮、不安、意識障害、錐体外路障害。
3). 泌尿器:(0.1~5%未満*)BUN上昇、クレアチニン上昇等、(頻度不明)血尿、尿閉、無尿、頻尿。
4). 肝臓:(0.1~5%未満*)AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇等。
5). 血液:(0.1~5%未満*)白血球減少、好酸球増多等、(0.1%未満*)貧血等。
6). 消化器:(0.1~5%未満*)悪心、嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛、消化不良、腹部不快感、(0.1%未満*)口内炎、舌炎、口渇、便秘、腹部膨満感。
7). 感覚器:(0.1%未満*)耳鳴、味覚異常、視覚異常。
8). その他:(0.1%未満*)倦怠感、発熱、動悸、(頻度不明)胸痛、関節痛、関節障害、筋肉痛、脱力感、発汗、高血糖。
*)発現頻度は使用成績調査を含む。
- 高齢者
- 9.8.1. 〈効能共通〉高齢者の場合、腱障害があらわれやすいとの報告がある〔11.1.15参照〕。
9.8.2. 〈効能共通〉高齢者の場合、用量に留意し、慎重に投与すること(本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある)〔16.5参照〕。
9.8.3. 〈ハンセン病〉ハンセン病の高齢者の場合、観察を十分に行うこと(投与が長期に及ぶことが多い)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験では、催奇形作用
は認められなかったが、胎仔発育抑制、胎仔骨格変異の出現が認められている)〔2.2参照〕。
授乳しないことが望ましい(ヒト母乳中へ移行することがある)。
- 小児等
- 投与しないこと(小児等を対象とした臨床試験は実施していない、動物実験(幼若犬、幼若ラット)で関節異常が認められている)〔2.3参照〕。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人にオフロキサシンを単回経口投与した場合、血清中濃度は投与量に相関して推移した。
単回経口投与におけるオフロキサシンの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.1.2 生物学的同等性試験
オフロキサシン錠100mg「ツルハラ」とタリビッド錠100mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(オフロキサシン100mg)を健康成人男子に絶食時単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
→図表を見る(PDF)
血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.5 排泄
健康成人に単回経口投与した場合、尿中濃度は投与量に相関して推移した。オフロキサシン100mg食後投与の場合、尿中濃度は投与後2~4時間で最高(115μg/mL)に達し、12~24時間では36μg/mLであった。尿中には投与後48時間までに投与量の90%以上が未変化体のまま排泄され、糞中には投与後48時間までに投与量の約4%が排泄された。[9.8.2参照]
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者での体内動態
クレアチニン・クリアランス値(Ccr)により3群に分け、オフロキサシン200mgを単回経口投与した場合、腎機能の低下に伴い、血清中濃度の生物学的半減期の延長及び尿中排泄率の低下が認められた。[9.2.1参照]
→図表を見る(PDF)
16.6.2 透析患者での体内動態
血液透析患者8例にオフロキサシン200mgを単回経口投与し、投与2時間後から4時間透析を実施した(ダイアライザー:CL‐S15W)。透析前後で血清中濃度は2.51μg/mLから1.64μg/mLに低下した(除去率:34.7%)。
透析終了44時間後も透析終了時の約50%の残存がみられた。
18.1 作用機序
オフロキサシンは、細菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼIVに作用し、DNA複製を阻害する。抗菌作用は殺菌的であり、MIC濃度において溶菌が認められた(in vitro)。
18.2 抗菌作用
オフロキサシンは嫌気性菌を含むグラム陽性菌群及びグラム陰性菌群に対し、広範囲な抗菌スペクトルを有し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、腸球菌属ならびに大腸菌、肺炎桿菌、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属を含む腸内細菌科、緑膿菌を含むブドウ糖非発酵グラム陰性菌群、淋菌、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属等に対して優れた抗菌活性を示した(in vitroあるいはマウス)。また、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)に対しても抗菌力を示した(in vitro)。オフロキサシンは実験的マウス感染症に対して優れた感染防御効果を示した。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
- 製造販売会社
- 鶴原製薬
- 販売会社
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