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エピビル錠300

販売名
エピビル錠300
識別コード
GX EJ7
薬価
300mg1錠 1314.20円
製造メーカー
ヴィーブヘルスケア

添付文書情報2021年05月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
抗ウイルス剤
一般名
ラミブジン錠
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 膵炎を発症する可能性のある小児の患者(膵炎の既往歴のある小児、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法中の小児)では、本剤の適用を考える場合には、他に十分な効果の認められる治療法がない場合にのみ十分注意して行うこと(これらの患者で膵炎を疑わせる重度腹痛、悪心・嘔吐等又は血清アミラーゼ上昇、血清リパーゼ上昇、トリグリセリド上昇等があらわれた場合は、本剤の投与を直ちに中止すること)〔8.4、9.7小児等の項、11.1.2参照〕。
1.2. B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性B型慢性肝炎の場合、本剤の投与中止により、重症化するおそれがあるので注意すること〔9.1.1参照〕。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
次記疾患における他の抗HIV薬との併用療法:HIV感染症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 無症候性ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症に関する治療開始については、CD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量が指標とされている。よって、本剤の使用にあたっては、患者のCD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量を確認するとともに、最新のガイドラインを確認すること。
用法・用量
通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、ラミブジンとして1日量300mgを1日1回又は2回(150mg×2)に分けて経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤と他の抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定されない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、本剤若しくは併用している他の抗HIV薬の一部を減量又は休薬するのではなく、原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて一旦中止すること。
7.2. 本剤は単独投与しないこと。また、HIVは感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、他の抗HIV薬と併用すること〔18.3参照〕。
7.3. 本剤の薬剤耐性プロファイル等のウイルス学的特性はエムトリシタビンと類似しているので、本剤とエムトリシタビンを含む製剤を併用しないこと。また、エムトリシタビンを含む抗HIV療法においてウイルス学的効果が得られず、HIV-1逆転写酵素遺伝子のM184V/I変異が認められた場合、エムトリシタビンを本剤に変更するのみで効果の改善は期待できない〔18.3参照〕。
7.4. 腎機能低下したHIV感染症患者にラミブジンを300mg単回経口投与した時、クレアチニンクリアランス(Ccr)の低下につれてAUC増加及び最高血中濃度増加し、半減期延長し、見かけの全身クリアランスが減少した。
患者の腎機能に対応する本剤の減量の標準的目安を次に示す(外国人データ)〔9.2.1、9.8高齢者の項参照〕。
[患者の腎機能に対応する用法用量の目安]
1). Ccr≧50mL/分:ラミブジンの推奨用量300mgを1日1回又は2回(150mg×2)。
2). Ccr30~49mL/分:ラミブジンの推奨用量150mgを1日1回。
3). Ccr15~29mL/分:ラミブジンの推奨用量初回150mg、その後100mgを1日1回。
4). Ccr5~14mL/分:ラミブジンの推奨用量初回150mg、その後50mgを1日1回。
5). Ccr<5mL/分:ラミブジンの推奨用量初回50mg、その後25mgを1日1回。
ただし、透析患者に対するラミブジンの用法用量は算出されていない。
腎機能障害患者
8.1. 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
・ 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
・ 抗HIV療法による効果的なウイルス抑制は、性的接触による他者へのHIV感染の危険性を低下させることが示されているが、その危険性を完全に排除することはできないこと。
・ 抗HIV療法が、血液等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていないこと。
8.2. 重篤な血液障害、乳酸アシドーシス、脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)、横紋筋融解症、ニューロパシー、錯乱、痙攣、心不全があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.1、11.1.3-11.1.6参照〕。
8.3. 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている(投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染に対する炎症反応(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等が発現することがあり、また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること)。
8.4. 膵炎が発症する可能性があるので、血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等の生化学的検査を定期的に行うこと〔1.1、9.7小児等の項、11.1.2参照〕。
9.1.1. B型肝炎ウイルス感染を合併している患者:本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性B型慢性肝炎の場合、本剤の投与中止により、重症化するおそれがある〔1.2参照〕。
9.2.1. 腎機能障害(Ccrが50mL/min未満)を有する患者:Ccrを測定し、減量するか又は投与間隔を延長すること(高い血中濃度が持続するおそれがある)〔7.4参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:1). スルファメトキサゾール・トリメトプリム[本剤のAUCが43%増加し、本剤の全身クリアランスが30%・腎クリアランスが35%減少したとの報告がある(腎臓における排泄がトリメトプリムと競合すると考えられている)]。
2). ソルビトール[経口ソルビトール溶液(ソルビトールとして3.2g、10.2g、13.4g)とラミブジンの併用により、ラミブジンのAUCが減少<それぞれ18%・36%・42%減少>したとの報告がある(ソルビトールによりラミブジンの吸収が抑制されると考えられている)]。
副作用
次のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な血液障害:赤芽球癆(0.03%)、汎血球減少(0.6%)、貧血(6.1%)、白血球減少(2.2%)、好中球減少(0.8%)、血小板減少(1.2%)〔8.2参照〕。
11.1.2. 膵炎(0.3%):血清アミラーゼ上昇、血清リパーゼ上昇、トリグリセリド上昇等の検査値の上昇がみられた場合には、直ちに本剤の投与を中止すること。また、重度腹痛、悪心・嘔吐等の症状がみられた場合にも直ちに本剤の投与を中止し、生化学的検査(血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等)及び画像診断等による観察を十分行うこと〔1.1、8.4、9.7小児等の項参照〕。
11.1.3. 乳酸アシドーシス(0.5%)、脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)(0.3%):乳酸アシドーシス又は肝毒性が疑われる臨床症状や肝毒性が疑われる検査値異常が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること(特に、肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること)。本剤を含むNRTIの単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身倦怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸等)、肝毒性(脂肪沈着による重度肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されている〔8.2参照〕。
11.1.4. 横紋筋融解症(0.1%)〔8.2参照〕。
11.1.5. ニューロパシー(0.8%)、錯乱(頻度不明)、痙攣(0.1%)〔8.2参照〕。
11.1.6. 心不全(0.1%)〔8.2参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 血液:(1%未満)リンパ節症、平均赤血球容積増加(MCV増加)、リンパ球減少。
2). 消化器:(1%~14%未満)下痢、嘔気、腹痛、(1%未満)胃炎、消化不良、鼓腸放屁、嘔吐、食欲不振、(頻度不明)痔核、腹部痙直。
3). 全身症状:(1%~14%未満)体脂肪再分布/体脂肪蓄積(胸部脂肪増加、体幹部脂肪増加、末梢部脂肪減少、顔面脂肪減少、野牛肩、血清脂質増加、血糖増加)、(1%未満)倦怠感、発熱、頭痛、疼痛、体重減少、疲労、無力症、(頻度不明)体温調節障害。
4). 肝臓:(1%~14%未満)肝機能検査値異常(AST上昇、ALT上昇等)。
5). 腎臓:(1%未満)血清クレアチニン上昇。
6). 筋骨格:(1%未満)関節痛、筋肉痛、筋痙直、(頻度不明)骨痛。
7). 精神神経系:(1%~14%未満)末梢神経障害、(1%未満)めまい、睡眠障害、うつ病、不安感、(頻度不明)感情障害、錯感覚。
8). 代謝・内分泌系:(1%~14%未満)血中尿酸上昇、高乳酸塩血症、(1%未満)アミラーゼ上昇、(頻度不明)脱水(脱水症)。
9). 循環器:(頻度不明)心筋症。
10). 呼吸器:(1%未満)咳、肺炎、呼吸困難、咽頭痛、気管支炎、(頻度不明)鼻炎、副鼻腔炎、耳管炎、呼吸障害、上気道炎。
11). 過敏症:(頻度不明)アレルギー反応。
12). 皮膚:(1%~14%未満)発疹(皮膚炎、湿疹、皮疹を含む)、(1%未満)脱毛、皮膚そう痒、発汗、ざ瘡・毛嚢炎。
13). その他:(1%~14%未満)トリグリセリド上昇・血清コレステロール上昇、(1%未満)CK上昇、敗血症、血糖値上昇、(頻度不明)重炭酸塩上昇、重炭酸塩低下、血糖値低下、総蛋白上昇、総蛋白低下。
発現頻度には使用成績調査の結果を含む。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあり、本剤は、主として未変化体として腎から排泄される)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤はヒト胎盤を通過し、出生児の血清中ラミブジン濃度は、分娩時の母親の血清中及び臍帯血中の濃度と同じであることが報告されている(外国人データ)、動物実験(ウサギ)で胎仔毒性(早期胚死亡数増加)が報告されている)。
ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)を子宮内曝露又は周産期曝露された新生児及び乳児において、ミトコンドリア障害によると考えられる軽微で一過性血清乳酸値上昇が報告されており、非常にまれに発育遅延、てんかん様発作、他の神経疾患も報告されている。しかしながら、これら事象とNRTIの子宮内曝露、周産期曝露との関連性は確立していない。
授乳を避けさせること。
経口投与されたラミブジンはヒト乳汁中に排泄されることが報告されている(乳汁中濃度:<0.5-8.2μg/mL)(外国人データ)。
ラミブジンの母体血漿中濃度に対する乳汁中濃度の比は0.6~3.3であることが報告されている(外国人データ)。
乳児の血清中のラミブジン濃度は18~28ng/mLであったとの報告がある(外国人データ)。
小児等
小児等を対象とした本剤と他の抗HIV薬との併用投与の安全性及び有効性を指標とした臨床試験は実施していない。
膵炎を発症する可能性のある小児の患者(膵炎の既往歴のある小児、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法中の小児)では、本剤の適用を考える場合には、他に十分な効果の認められる治療法がない場合にのみ十分注意して行うこと〔1.1、8.4、11.1.2参照〕。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報遺伝毒性試験において弱い染色体異常誘発作用を示したとの報告がある。また、長期のがん原性試験において発がん性を認めなかったとの報告がある。
ヒト末梢血リンパ球を用いた染色体異常試験では300μg/mL以上で染色体異常試験陽性、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験では2000μg/mL以上で遺伝子突然変異試験陽性を示した。
マウス及びラットを用いた長期のがん原性試験では、臨床用量におけるヒト全身曝露量(AUC)の10倍(マウス)及び58倍(ラット)までの曝露量において、発がん性は認められなかった。

16.1 血中濃度
16.1.1 反復経口投与
HIV感染症患者6例に対し、ラミブジン150mg1日2回とジドブジン100mg1日4回を25日間以上連続経口投与した時のラミブジン、ジドブジンの血漿中薬物濃度の推移を添付文書の図‐1に、薬物動態パラメータを表‐1に示した。ラミブジンは投与約1.3時間後に最高血漿中濃度(Cmax)平均1.55μg/mLに達し、半減期は平均2.3時間であった。
図‐1 血漿中薬物濃度の推移(平均値±標準偏差、6例)

表‐1 薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

健康成人60例に300mgを1日1回及び150mgを1日2回、それぞれ7日間反復経口投与した時の血漿中濃度推移を添付文書の図‐2に示した。300mg1日1回投与した時の定常状態におけるAUC0-24は150mg1日2回投与した時と生物学的に同等であった(外国人データ)。
図‐2 血漿中薬物濃度の推移(平均値±標準偏差)

成人HIV感染症患者に2mg/kg注)を1日2回15日間経口投与した時、初回投与時では投与1.5時間後に最高血中濃度の1.5μg/mLに達し、半減期は2.6時間であり、15日間投与後では血中濃度は定常状態に達し、最高血中濃度は1.9μg/mLであった(外国人データ)。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
無症候性HIV感染症患者12例に対して、空腹時と食後(1,099kcal:脂肪75g、タンパク質34g、炭水化物72g)の2つの条件で、ラミブジン50mg注)を経口投与した。食後投与のラミブジンの最高血中濃度到達時間(Tmax)は3.2時間で、空腹時投与のTmaxの0.9時間と比較して遅くなり、食後投与での最高血中濃度は空腹時投与より約47%低かった。しかし、食後投与と空腹時投与のAUC間に有意な差はみられなかった(外国人データ)。
16.2.2 バイオアベイラビリティ
成人HIV感染症患者にカプセル製剤0.25~8mg/kg注)を単回経口投与した時の生物学的利用率は約82%であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 脳脊髄液への移行
成人HIV感染症患者に4~10mg/kg注)を1日2回2週間以上反復経口投与した時、投与2時間後の脳脊髄液中濃度は血中濃度の約6%であった(外国人データ)。
16.4 代謝
ヒトでの主代謝物はトランス‐スルホキシド体(1‐[(2R,5S)‐trans‐2‐hydroxymethyl‐1,3‐oxathiolan‐3‐oxide‐5‐yl]cytosine)であった(外国人データ)。
16.5 排泄
成人HIV感染症患者に2mg/kg注)を経口投与した時、投与後12時間尿中にトランス‐スルホキシド体が投与量の5.2%存在した。また、血中濃度が定常状態での未変化体排泄率は約73%であり、腎排泄がラミブジンの体内からの除去の主要な経路であることが示された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 小児等
小児HIV感染症患者に4mg/kg注)を単回経口投与した時、投与2.0時間後に最高血中濃度の1.1μg/mLに達し、半減期は2.0時間であり生物学的利用率は約66%であり、成人HIV感染症患者の生物学的利用率(約82%)より低い値を示した。小児で生物学的利用率が減少する機序はわかっていない。
添付文書の図‐3に示すように、小児患者では年齢が上がるにつれて全身クリアランスは減少した。
図‐3 ラミブジンの全身クリアランス(L/時/kg)と年齢の関係

ラミブジンのAUCは、8mg/kg/日注)を投与された小児患者と4mg/kg/日注)を投与された成人との間で同じ程度であった。また、脳脊髄液中のラミブジンの濃度は血中濃度の約13%であった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ジドブジン併用時の薬物動態
ラミブジンとジドブジンの併用投与を行った時、ジドブジンの最高血中濃度が28%上昇したが、ラミブジン及びジドブジンのAUCに有意な変化は認められなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、ラミブジンとして1日量300mgを1日1回又は2回(150mg×2)に分けて経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。」である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相試験
試験開始前のCD4リンパ球数が100~400/mm3の12歳以上のHIV感染症患者42例を対象とした多施設共同オープン試験(ラミブジン150mg1日2回投与とジドブジン100mg1日4回投与)で、有効性評価対象症例37例での臨床評価の概要は次のとおりである。
CD4リンパ球数は、試験開始時の平均220.8/mm3から4週後には約25/mm3増加し、8週後から24週後までの増加量は4.6~34.0/mm3で推移した。CD4リンパ球数の推移を添付文書の図‐1に示した。
CD4パーセントは、開始時の18.81%から4週後には20.03%へ有意に増加し、8週後から24週後まではほとんど変動なく約20%で推移した。血漿中HIV RNA量は、試験開始時の平均3.8log10copies/mLから4週後には1.6log10copies/mL有意に減少し、8週後から24週後までは0.7~1.2log10copies/mL減少した。血漿中HIV RNA量の推移を添付文書の図‐2に示した。
図‐1 CD4リンパ球数の推移(平均値±標準偏差)

図‐2 血漿中HIV RNA量の推移(平均値±標準偏差)

42例中30例(71.4%)に副作用が認められ、主な副作用は赤血球減少等の貧血(22件)、空腹時血糖値上昇(6件)、嘔気(4件)、食欲不振(3件)であった。
17.1.2 海外第III相試験(ジドブジンによる治療経験が4週間以内の患者群)
(1)試験A3001
CD4リンパ球数が200~500/mm3の12歳以上のHIV感染症患者366例を対象とした二重盲検比較試験(ラミブジン150mg1日2回投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群92例、ラミブジン300mg1日2回注)投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群94例、ラミブジン300mg1日2回注)投与群87例、ジドブジン200mg1日3回投与群93例)において薬剤を52週間投与した。ラミブジンとジドブジンの併用投与群ではCD4リンパ球数が、試験開始から24週以降もジドブジン単独投与群に比べ有意に増加していたが、ラミブジンの投与量による効果の差はなかった。24週間の治療中のCD4リンパ球数の推移を添付文書の図‐3に示した。また、血漿中HIV RNA量の減少についても同様であった。ラミブジンとジドブジンの併用療法はジドブジン単独療法よりもCD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量を有意に改善した。試験開始時からラミブジン投与24週間後の血漿中HIV RNA量の推移を添付文書の図‐4に示した。ラミブジンとジドブジンとの併用療法中の血漿ウイルスRNA測定値における変化に関する臨床上の意義は確立されていない。副作用発現頻度は、ラミブジン150mg1日2回投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群で70%(64例/92例)、ラミブジン300mg1日2回注)投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群で67%(63例/94例)及びラミブジン300mg1日2回注)投与群で55%(48例/87例)であった。主な副作用は、ラミブジン150mg1日2回投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群で嘔気45%(41例/92例)、頭痛30%(28例/92例)及び倦怠感・疲労25%(23例/92例)、ラミブジン300mg1日2回注)投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群で嘔気39%(37例/94例)、頭痛27%(25例/94例)及び倦怠感・疲労21%(20例/94例)、ラミブジン300mg1日2回注)投与群で頭痛20%(17例/87例)、嘔気14%(12例/87例)及びニューロパシー14%(12例/87例)であった。
(2)試験B3001
CD4リンパ球数が100~400/mm3の18歳以上のHIV感染症患者129例を対象とした二重盲検比較試験(ラミブジン300mg1日2回注)投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群65例、ジドブジン200mg1日3回投与群64例)において薬剤を48週間投与した。ジドブジン単独投与群では、試験開始から24週後にはCD4リンパ球数がほぼ投与前値に戻ったが、ラミブジンとジドブジンの併用投与群では、試験開始から48週後まで増加していた。24週間の治療中のCD4リンパ球数の推移を添付文書の図‐5に示した。また、血漿中HIV RNA量の減少についても同様であった。ラミブジンとジドブジンの併用療法はジドブジン単独療法よりもCD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量を有意に改善した。副作用発現頻度は、ラミブジンとジドブジンの併用群で62%(40例/65例)であった。主な副作用は、嘔気29%(19例/65例)、倦怠感・疲労15%(10例/65例)及び頭痛11%(7例/65例)であった。
図‐3 試験A3001におけるCD4リンパ球数の推移(平均値)

図‐4 試験A3001における血漿中HIV RNA量の推移(平均値)

図‐5 試験B3001におけるCD4リンパ球数の推移(平均値)

17.1.3 海外第III相試験(24週間以上のジドブジン療法を受けたことのある患者群)
(1)試験A3002
CD4リンパ球数が100~300/mm3の18歳以上のHIV感染症患者254例を対象とした二重盲検比較試験(ラミブジン150mg1日2回投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群84例、ラミブジン300mg1日2回注)投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群84例、ジドブジン200mg1日3回投与とザルシタビン0.75mg1日3回投与の併用群86例)において薬剤を52週間投与した。ラミブジンとジドブジンの併用投与群では、CD4リンパ球数が試験開始から24週以降もジドブジンとザルシタビンの併用投与群に比べ有意に増加していたが、ラミブジンの投与量による効果の差はなかった。24週間の治療中のCD4リンパ球数の推移を添付文書の図‐6に示した。ラミブジンとジドブジンの併用投与群では、血漿中HIV RNA量が試験開始から24週目までジドブジンとザルシタビンの併用投与群よりも減少していたが、その後は3群間に差は認められなかった。ラミブジンとジドブジンの併用療法はジドブジンとザルシタビンの併用療法よりもCD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量を有意に改善した。試験開始時からラミブジン投与24週間後の血漿中HIV RNA量の推移を添付文書の図‐7に示した。ラミブジンとジドブジンとの併用療法中の血漿ウイルスRNA測定値における変化に関する臨床上の意義は確立されていない。副作用発現頻度は、ラミブジン150mg1日2回投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群で65%(55例/84例)及びラミブジン300mg1日2回注)投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群で60%(50例/84例)あった。主な副作用は、ラミブジン150mg1日2回投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群で倦怠感・疲労19%(16例/84例)、嘔気17%(14例/84例)、ニューロパシー17%(14例/84例)及び頭痛15%(13例/84例)、ラミブジン300mg1日2回注)投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群で嘔気17%(14例/84例)、ニューロパシー17%(14例/84例)、頭痛15%(13例/84例)及び倦怠感・疲労14%(12例/84例)であった。
(2)試験B3002
CD4リンパ球数が100~400/mm3の18歳以上のHIV感染症患者223例を対象とした二重盲検比較試験(ラミブジン150mg1日2回投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群75例、ラミブジン300mg1日2回注)投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群75例、ジドブジン200mg1日3回投与群73例)において薬剤を24週間投与した。ラミブジンとジドブジンの併用投与群では、CD4リンパ球数がジドブジン単独投与群に比べ有意に増加していたが、ラミブジンの投与量による効果の差はなかった。24週間の治療中のCD4リンパ球数の推移を添付文書の図‐8に示した。血漿中HIV RNA量の減少についても同様であった。ラミブジンとジドブジンの併用療法はジドブジン単独療法よりもCD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量を有意に改善した。副作用発現頻度は、ラミブジン150mg1日2回投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群で40%(30例/75例)及びラミブジン300mg1日2回注)投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群で45%(34例/75例)であった。主な副作用は、ラミブジン150mg1日2回投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群で頭痛13%(10例/75例)、嘔気9%(7例/75例)及び下痢8%(6例/75例)、ラミブジン300mg1日2回注)投与とジドブジン200mg1日3回投与の併用群で嘔気11%(8例/75例)、嘔気・嘔吐8%(6例/75例)及び倦怠感・疲労8%(6例/75例)であった。
図‐6 試験A3002におけるCD4リンパ球数の推移(平均値)

図‐7 試験A3002における血漿中HIV RNA量の推移(平均値)

図‐8 試験B3002におけるCD4リンパ球数の推移(平均値)

17.1.4 海外第II/III相試験(投与回数の比較試験:EPV20001)
血漿中HIV RNA量が400copies/mL以上の抗HIV薬による治療経験がない18歳以上のHIV感染症患者554例を対象とした二重盲検比較試験(ジドブジン300mg1日2回とエファビレンツ600mg1日1回の併用による、ラミブジン300mg1日1回投与群278例又はラミブジン150mg1日2回投与群276例)において、48週間の治療中に血漿中HIV RNA量が検出限界(400copies/mL)未満であった患者の比率の推移を添付文書の図‐9に示した。投与48週後にHIV RNA量が400copies/mL未満であった患者の比率は、ラミブジン300mg1日1回投与群が67%、ラミブジン150mg1日2回投与群が65%であった。さらに、HIV RNA量が50copies/mL未満であった患者の比率では、それぞれ61%、63%であった。また、投与48週後のCD4リンパ球数の増加量(中央値)は、それぞれ144/mm3、146/mm3であった。
図‐9 血漿中HIV RNA量が400copies/mL未満の患者の比率
注1)Roche AMPLICOR HIV‐1 MONITOR
注2)治療が中止されることなく血漿中HIV RNA量が400copies/mL未満を達成しかつ維持された患者の比率

なお、本試験における試験成績の要約を表‐2に示した。
表‐2 試験成績の要約
→図表を見る(PDF)

17.1.5 海外第IV相試験(試験EPV40001)
治療経験がないアジア(タイ)人のHIV感染症患者159例を対象とした非盲検、無作為割付試験(ジドブジン300mg1日2回投与とアバカビル300mg1日2回投与の併用による、ラミブジン300mg1日1回投与群54例、又はラミブジン150mg1日2回投与群52例)において、投与48週後の血漿中HIV RNA量が400copies/mL未満であった患者の比率は、ラミブジン300mg1日1回投与群が61%、ラミブジン150mg1日2回投与群が75%であった。さらに、血漿中HIV RNA量が50copies/mL未満であった患者の比率では、それぞれ54%、67%であった。また、投与48週後のCD4リンパ球数の増加量(中央値)は、ラミブジン300mg1日1回投与群が166/mm3、ラミブジン150mg1日2回投与群が216/mm3であった。
(本試験では他にジドブジン300mg1日2回投与とアバカビル600mg1日1回投与の併用によるラミブジン150mg1日2回投与群として53例が組み入れられた。)
17.1.6 海外臨床試験(小児)
ラミブジン単独投与中の小児患者97例のうち14例(14%)に膵炎、13例(13%)に知覚異常及び神経障害が報告され、3例は投与を中止した。
小児患者(年齢3ヵ月~18歳)を対象としたラミブジン+ジダノシン併用投与群、ラミブジン+ジドブジン併用投与群及びラミブジン+ジドブジン+ジダノシン併用投与群の3群でのオープン試験による比較試験において、47例のうち7例(15%)に膵炎が発症した。なお各薬剤の投与量は、ラミブジンは4mg/kgを12時間毎に1日2回、ジドブジンは180又は90mg/m2を6時間毎に1日4回、ジダノシンは135mg/m2を12時間毎に1日2回である。ただしラミブジンの全身クリアランスと年齢の関係から、米国における3ヵ月から12歳までの小児に対する用法・用量はラミブジン1回4mg/kg1日2回(最高150mg1日2回)投与とされている。
小児における非比較対照第I/II相臨床試験の臨床検査値異常の抜粋を表‐3に示した。
表‐3 小児患者を対象とした非比較対照第I/II相臨床試験における臨床検査値異常の発現頻度
→図表を見る(PDF)

注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、ラミブジンとして1日量300mgを1日1回又は2回(150mg×2)に分けて経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。」である。

18.1 作用機序
ラミブジンは細胞内でリン酸化され、HIVを感染させた細胞内での半減期が約12時間の活性化型の三リン酸化体に変換される。ラミブジン‐三リン酸化体はHIVの逆転写酵素によりデオキシシチジン三リン酸の代わりにウイルスDNA鎖に取り込まれ、DNA鎖の伸長を停止させることによりHIVの複製を阻害する。また、ラミブジン三リン酸化体はHIVの逆転写酵素を競合的に阻害する。一方、in vitroで、ヒト末梢血リンパ球、リンパ球系・単球‐マクロファージ系の株化細胞及び種々のヒト骨髄前駆細胞に対するラミブジンの細胞毒性は弱かった。
18.2 抗ウイルス作用
In vitroでのラミブジンのHIV‐1(RF、GB8、U455及びIIIB)に対するIC50値は670nM以下、HIV‐2 RODに対するIC50値は40nMであった。
In vitroでアバカビル、ジダノシン、ネビラピン、ザルシタビン及びジドブジンとの相加又は相乗作用が認められた。また、in vitroにおいて、ラミブジンは単独で、ジドブジン耐性臨床分離株の平均p24抗原量を薬物無処置群に比べ66~80%低下させた。
18.3 薬剤耐性
ラミブジンを含む抗HIV薬で治療を受けたHIV‐1感染症患者で発現するラミブジン耐性HIV‐1には、HIV逆転写酵素の活性部位に近い184番目のアミノ酸のメチオニンからバリンへの変異(M184V)がみられる。このM184V変異の結果、ウイルスのラミブジンに対する感受性は著明に低下し、in vitroでのウイルスの複製能力は低下する。
In vitroにおいて、ジドブジン耐性臨床分離株にラミブジン耐性変異を導入すると、ジドブジンに対する感受性は回復することが確認されている。また、抗HIV薬の治療経験のない患者にジドブジン及びラミブジンを併用することにより、ジドブジン耐性ウイルスの出現が遅延する。さらに、抗HIV薬(ラミブジンを含む)の多剤併用療法はM184V変異ウイルスを有する患者と同様、抗HIV薬の治療経験のない患者においても有効性が確認されている。[7.2、7.3参照]
18.4 交差耐性
ジドブジン及びサニルブジンは、ラミブジン耐性HIV‐1に対し抗ウイルス活性を維持する。
アバカビルはM184V変異のみが認められているウイルスに対しては、抗ウイルス活性を維持する。
また、ジダノシン及びザルシタビンは、M184V変異ウイルスに対して感受性が低下するというin vitroでの報告があるが、これらの感受性の低下と臨床効果の関係は明らかにされていない。

一包可:不明

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