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バルトレックス顆粒50%

販売名
バルトレックス顆粒50%
薬価
50%1g 286.60円
製造メーカー
GSK

添付文書情報2020年12月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
抗ウイルス剤
一般名
バラシクロビル塩酸塩顆粒
禁忌
本剤の成分あるいはアシクロビルに対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
1). 単純疱疹。
2). 造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制。
3). 帯状疱疹。
4). 水痘。
5). 性器ヘルペスの再発抑制。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈性器ヘルペスの再発抑制〉本剤の投与により、セックスパートナーへの感染を抑制することが認められている。ただし、本剤投与中もセックスパートナーへの感染リスクがあるため、コンドームの使用等が推奨される〔17.3参照〕。
5.2. 〈性器ヘルペスの再発抑制〉性器ヘルペスの発症を繰り返す患者(免疫正常患者においては、おおむね年6回以上の頻度で再発する者)に対して投与すること〔17.1.8、17.1.9参照〕。
用法・用量
[成人]
〈単純疱疹〉
通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。
〈造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制〉
通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。
〈帯状疱疹〉
通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。
〈水痘〉
通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。
〈性器ヘルペスの再発抑制〉
通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。
[小児]
〈単純疱疹〉
通常、体重10kg未満の小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日3回、体重10kg以上の小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日2回経口投与する。ただし、1回最高用量は500mgとする。
〈造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制〉
通常、体重10kg未満の小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日3回、体重10kg以上の小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日2回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。ただし、1回最高用量は500mgとする。
〈帯状疱疹〉
通常、小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日3回経口投与する。ただし、1回最高用量は1000mgとする。
〈水痘〉
通常、小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日3回経口投与する。ただし、1回最高用量は1000mgとする。
〈性器ヘルペスの再発抑制〉
通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始することが望ましい。
7.2. 〈効能共通〉腎障害を有する成人患者におけるクレアチニンクリアランスに応じた本剤の投与間隔及び投与量の目安は次のとおりである、また、血液透析を受けている患者に対しては、患者の腎機能、体重又は臨床症状に応じ、クレアチニンクリアランス10mL/min未満の目安よりさらに減量(250mgを24時間毎等)することを考慮すること(また、血液透析日には透析後に投与すること)〔8.2、9.2.1、9.8高齢者の項、13.1、16.6.1、16.6.3参照〕[1)クレアチニンクリアランス≧50mL/min:単純疱疹、造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制には、500mgを12時間毎、2)クレアチニンクリアランス≧50mL/min:帯状疱疹、水痘には、1000mgを8時間毎、3)クレアチニンクリアランス≧50mL/min:性器ヘルペスの再発抑制には、500mgを24時間毎、なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを12時間毎、4)クレアチニンクリアランス30~49mL/min:単純疱疹、造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制には、500mgを12時間毎、5)クレアチニンクリアランス30~49mL/min:帯状疱疹、水痘には、1000mgを12時間毎、6)クレアチニンクリアランス30~49mL/min:性器ヘルペスの再発抑制には、500mgを24時間毎、なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを12時間毎、7)クレアチニンクリアランス10~29mL/min:単純疱疹、造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制には、500mgを24時間毎、8)クレアチニンクリアランス10~29mL/min:帯状疱疹、水痘には、1000mgを24時間毎、9)クレアチニンクリアランス10~29mL/min:性器ヘルペスの再発抑制には、250mgを24時間毎、なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを24時間毎、10)クレアチニンクリアランス<10mL/min:単純疱疹、造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制には、500mgを24時間毎、11)クレアチニンクリアランス<10mL/min:帯状疱疹、水痘には、500mgを24時間毎、12)クレアチニンクリアランス<10mL/min:性器ヘルペスの再発抑制には、250mgを24時間毎、なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを24時間毎]。なお、腎障害を有する小児患者における本剤の投与間隔及び投与量調節の目安は確立していない。
7.3. 〈単純疱疹〉本剤を5日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。ただし、初発型性器ヘルペスは重症化する場合があるため、本剤を10日間まで使用可能とする。
7.4. 〈帯状疱疹〉目安として、皮疹出現後5日以内に投与を開始することが望ましい。
7.5. 〈帯状疱疹〉本剤を7日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。
7.6. 〈水痘〉目安として、皮疹出現後2日以内に投与を開始することが望ましい。
7.7. 〈水痘〉成人の水痘においては本剤を5~7日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替え、小児の水痘においては本剤を5日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。
7.8. 〈性器ヘルペスの再発抑制〉免疫正常患者において、性器ヘルペスの再発抑制に本剤を使用している際に性器ヘルペスの再発が認められた場合には、1回500mg1日1回投与(性器ヘルペスの再発抑制に対する用法及び用量)から1回500mg1日2回投与(単純疱疹の治療に対する用法及び用量)に変更し治癒後は必要に応じ1回500mg1日1回投与(性器ヘルペスの再発抑制に対する用法及び用量)の再開を考慮すること。また、再発抑制に対して本剤を投与しているにもかかわらず頻回に性器ヘルペス再発を繰り返すような患者に対しては、症状に応じて1回250mg1日2回又は1回1000mg1日1回投与に変更することを考慮すること〔17.1.8、17.1.9参照〕。
7.9. 〈性器ヘルペスの再発抑制〉本剤を1年間投与後、投与継続の必要性について検討することが推奨される〔17.1.8、17.1.9参照〕。
肝機能障害患者
8.1. 〈効能共通〉各効能又は効果に対し設定された用法及び用量で投与した場合、本剤投与時のアシクロビル曝露は、アシクロビル経口製剤投与時よりも高いことから、副作用の発現に留意すること。
8.2. 〈効能共通〉意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。なお、腎機能障害患者では、特に意識障害等があらわれやすいので、患者の状態によっては自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること〔7.2、9.2.1参照〕。
8.3. 〈水痘〉治療上の有益性と危険性を勘案して投与すること(本剤の使用経験は少ない)。
9.1.1. 免疫機能の低下した患者:水痘の治療において、悪性腫瘍、自己免疫性疾患などの免疫機能低下した患者に対する有効性及び安全性は確立していない(本剤の使用
経験がない)。
9.1.2. 脱水症状をおこしやすいと考えられる患者(腎障害のある患者又は腎機能低下している患者、高齢者、水痘患者等):適切な水分補給を行うこと〔9.2.1、9.8高齢者の項参照〕。
9.2.1. 腎障害のある患者、腎機能低下している患者:投与間隔及び投与量を調節し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(本剤の活性代謝物であるアシクロビルの曝露量が増加した場合には、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性が高い)。
適切な減量投与が行われなかったために過量投与の状態となった腎障害患者において、精神神経症状や腎機能障害が発現した症例が報告されている〔7.2、8.2、9.1.2、11.1.3、11.1.4、13.1、16.6.1参照〕。
9.3.1. 肝障害のある患者:肝障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない〔16.6.2参照〕。
相互作用
活性代謝物のアシクロビルは、OAT1、MATE1及びMATE2-Kの基質である〔16.7.1参照〕。
10.2. 併用注意:1). プロベネシド[本剤の活性代謝物のアシクロビルの排泄が抑制され、アシクロビルの平均血漿中濃度曲線下面積<AUC>が48%増加するとの報告があるので、特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること(プロベネシドは尿細管分泌に関わるOAT1及びMATE1を阻害するため、活性代謝物のアシクロビルの腎排泄が抑制されると考えられる)]。
2). シメチジン[本剤の活性代謝物のアシクロビルの排泄が抑制され、アシクロビルのAUCが27%増加するとの報告があるので、特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること(シメチジンは尿細管分泌に関わるOAT1、MATE1及びMATE2-Kを阻害するため、活性代謝物のアシクロビルの腎排泄が抑制されると考えられる)]。
3). ミコフェノール酸 モフェチル[本剤の活性代謝物のアシクロビルとの併用により、アシクロビル及びミコフェノール酸 モフェチル代謝物の排泄が抑制され、両方のAUCが増加するとの報告があるので、特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること(活性代謝物のアシクロビルとミコフェノール酸 モフェチル代謝物が尿細管分泌で競合すると考えられる)]。
4). テオフィリン[本剤の活性代謝物のアシクロビルとの併用によりテオフィリンの中毒症状があらわれることがある(機序は不明であるが、本剤の活性代謝物のアシクロビルがテオフィリンの代謝を阻害するためテオフィリンの血中濃度が上昇することが考えられる)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(呼吸困難、血管性浮腫等)があらわれることがある。
11.1.2. 汎血球減少(0.73%)、無顆粒球症(0.24%)、血小板減少(0.36%)、播種性血管内凝固症候群(DIC)(頻度不明)、血小板減少性紫斑病(頻度不明)。
11.1.3. 急性腎障害(0.12%)、尿細管間質性腎炎(頻度不明)〔9.2.1、9.8高齢者の項、13.1参照〕。
11.1.4. 精神神経症状(1.09%):意識障害(昏睡)、せん妄、妄想、幻覚、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症等があらわれることがある(一般に精神神経症状は本剤の投与中止により回復する)〔9.2.1、9.8高齢者の項、13.1参照〕。
11.1.5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。
11.1.6. 呼吸抑制、無呼吸(いずれも頻度不明)。
11.1.7. 間質性肺炎(頻度不明)。
11.1.8. 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)。
11.1.9. 急性膵炎(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹、そう痒、光線過敏症。
2). 肝臓:(0.5%以上)肝機能検査値上昇。
3). 消化器:(0.5%以上)腹痛、下痢、腹部不快感、嘔気、(0.5%未満)嘔吐。
4). 精神神経系:(0.5%以上)頭痛、(0.5%未満)めまい、(頻度不明)意識低下。
5). 腎臓・泌尿器:(0.5%以上)腎障害、(0.5%未満)排尿困難、(頻度不明)尿閉。
高齢者
投与間隔及び投与量を調節し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(本剤は、活性代謝物のアシクロビルに変換された後、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため血中アシクロビル濃度が高濃度で持続し、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性が高い)。適切な減量投与が行われなかったために過量投与の状態となった高齢者において、精神神経症状や腎機能障害が発現した症例が報告されている〔7.2、9.1.2、11.1.3、11.1.4、13.1、16.6.3参照〕。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。活性代謝物のアシクロビルにおいて、動物実験(ラット)の妊娠10日目に、母動物に腎障害のあらわれる大量(200mg/kg/day以上)を皮下投与した実験では、胎仔頭部異常及び胎仔に尾の異常が認められたと報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤投与後、活性代謝物のアシクロビルがヒト乳汁中へ移行することが報告されている)〔16.3.2参照〕。
小児等
9.7.1. 動物実験(ラット)でバラシクロビルを経口投与したときの活性代謝物であるアシクロビルの曝露量は、成熟動物に比べて幼若動物で大きいことが報告されている。
9.7.2. 低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報海外において、バラシクロビル(錠剤)高用量(8g/日)を用い、重度免疫不全患者(特に進行性HIV感染症患者)におけるCMV感染症予防に対する臨床試験が実施されており、この試験において、バラシクロビルが長期間にわたり投与された患者で、腎不全、微小血管溶血性貧血及び血小板減少(ときに併発)の発現が認められている。また、これらの症状はバラシクロビルの投与を受けていない同じ基礎疾患、合併症等を有する患者においても発現が認められている。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. Ames試験及びラット骨髄細胞染色体異常試験では陰性であったが、マウス骨髄小核試験では、高用量(経口投与、500mg/kg、アシクロビルのヒト血漿中濃度の26~51倍相当)において小核出現頻度の軽度増加を認めた。
15.2.2. マウスリンフォーマ細胞を用いた遺伝子突然変異試験では、代謝活性化系の存在下で1000μg/mL以上の濃度において弱い遺伝毒性(変異コロニー頻度の増加)を示した。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
6例の健康成人にバラシクロビル500mg又は1000mg(錠剤)を単回経口投与した場合、その活性代謝物であるアシクロビルに主に肝臓において速やかに代謝され、血漿中アシクロビル濃度推移及び薬物動態パラメータは次記のとおりであった。
図 健康成人にバラシクロビル500mg又は1000mgを単回経口投与した場合の血漿中バラシクロビル及びアシクロビル濃度

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16.1.2 反復投与
バラシクロビル500mgを1日2回(12時間毎)又は1000mg(錠剤)を1日3回(8時間毎)6日間反復経口投与した場合、数回の投与で血漿中アシクロビル濃度は定常状態に達し、トラフ濃度の平均はそれぞれ0.22~0.29μg/mL及び0.94~1.18μg/mLであり蓄積性は認められなかった。
16.1.3 生物学的同等性
12例の健康成人にバラシクロビル500mg(顆粒剤1g又は錠剤1錠)を単回経口投与した場合、その活性代謝物である血漿中アシクロビル濃度の推移及び薬物動態パラメータは次記のとおりであった。両製剤は生物学的に同等である。
図 健康成人にバラシクロビル500mg(顆粒剤1g又は錠剤1錠)を単回経口投与した場合の血漿中アシクロビル濃度

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16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
食事によりアシクロビルの最高血漿中濃度到達時間は僅かに遅延したが、AUCに有意な差を認めなかった(外国人データ)。
16.2.2 バイオアベイラビリティ
健康成人にバラシクロビル1000mgを単回経口投与した場合のアシクロビルの生物学的利用率は54.2%であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
In vitroでのバラシクロビル及びアシクロビル(活性代謝物)の血漿蛋白結合率は、それぞれ13.5~17.9及び22~33%であった。
16.3.2 乳汁中濃度
ヒトにバラシクロビル500mg経口投与後、アシクロビルの乳汁中Cmaxは、母体血清中Cmaxの0.5~2.3倍(中央値:1.4)を示し、アシクロビルの乳汁中AUCは、母体血清中AUCの1.4~2.6倍(中央値:2.2)を示した(外国人データ)。[9.6参照]
16.4 代謝
ヒト肝において、バラシクロビルの加水分解活性は高かった。
16.5 排泄
6例の健康成人にバラシクロビル1000mg(錠剤)を単回経口投与した場合、主な排泄経路は尿中であり、24時間以内の尿中に未変化体、アシクロビル及び9‐カルボキシメトキシメチルグアニン(既知のアシクロビルの代謝物)がそれぞれ投与量の0.4%、43.1%及び5.0%排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
透析患者(クレアチニンクリアランス値平均0.93mL/min)にバラシクロビル1000mgを単回経口投与した場合の薬物動態パラメータは次のとおりであった。また、4時間の透析により血漿中のアシクロビルは約70%が除去された。[7.2、9.2.1、13.2参照]
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16.6.2 肝機能障害患者
健康成人及び肝機能障害患者にバラシクロビル1000mgを単回経口投与した場合、アシクロビルの薬物動態パラメータに大きな違いは認められず、バラシクロビルは肝機能障害患者においても十分にアシクロビルへ加水分解された。この結果から、肝機能障害患者における用量調節は必要ないと考えられる(外国人データ)。[9.3.1参照]
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16.6.3 高齢者
高齢者(平均72歳、クレアチニンクリアランス値平均57mL/min)にバラシクロビルを経口投与した場合、健康成人に比べ血漿中アシクロビルのCmax及びAUCはそれぞれ15~20%及び30~50%増加した。この変化は高齢者での加齢に伴う腎機能低下によると考えられた(外国人データ)。[7.2、9.8参照]
16.6.4 小児等
小児水痘患者(1~9歳)にバラシクロビル25mg/kg(顆粒剤50mg/kg)注)を1日3回5日間反復経口投与した場合の初回投与時の血漿中アシクロビル濃度推移及び薬物動態パラメータ、ならびに投与5日目の血漿中アシクロビル濃度は次記のとおりであった。投与5日目の血漿中アシクロビル濃度に反復投与による蓄積性は認められなかった。
注)水痘における本剤の承認用量は、通常、小児には体重1kg当たりバラシクロビルとして1回25mgを1日3回経口投与である。
図 小児水痘患者(1~9歳)にバラシクロビル25mg/kgを1日3回5日間反復経口投与した場合の血漿中アシクロビル濃度

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16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro
本剤の活性代謝物であるアシクロビルは、OAT1、OAT2、MATE1及びMATE2‐Kの基質であった。[10.参照]
16.7.2 吸収過程における相互作用(in situ)
ラット小腸にバラシクロビル0.01mMを含む緩衝液を灌流した時、バラシクロビルの小腸透過係数はペプチドトランスポーター(PEPT)1の基質として知られるβ‐ラクタム系抗生物質(アモキシシリン、アンピシリン、セファドロキシル、セファラジン;各々5mM)の高濃度の共存下で有意に低下したことから、バラシクロビルの吸収過程にはPEPT1が関与していることが示された。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈単純疱疹〉
17.1.1 国内第II相試験
成人単純疱疹患者を対象とした本剤の用量設定試験(計56施設、152例)の結果は次のとおりである(錠剤の成績)。
本剤の有効率(1回500mg1日2回5日間投与)は90.0%(36/40例)であった。
本剤との関連性が疑われた副作用(臨床検査値異常を含む)の発現状況は次のとおりである。
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17.1.2 国内第III相試験
成人単純疱疹患者を対象とした本剤のアシクロビル対照二重盲検比較試験(計59施設、300例、アシクロビル投与群:1回200mg1日5回5日間投与)の結果は次のとおりである(錠剤の成績)。
本剤の有効率(1回500mg1日2回投与)は95.9%(141/147例)であった。
本剤又はアシクロビルとの関連性が疑われた副作用(臨床検査値異常を含む)の発現状況は次のとおりである。
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〈造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制〉
17.1.3 国内第III相試験
成人及び小児造血幹細胞移植患者を対象とした本剤の非対照非盲検試験(計11施設、40例)の結果(臨床効果)は次のとおりである(錠剤及び顆粒剤の成績)。
成人には本剤を1回500mg1日2回、小児には1回25mg/kg1日2回(1回最高用量は500mg)注)、造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日までの計43日間投与することにより、投与期間中の単純疱疹の発症を認めなかった。本試験において、副作用はみられなかった。
注)造血幹細胞移植患者における本剤の承認用量は、通常、体重10kg未満の小児には1回25mg/kgを1日3回、体重10kg以上の小児には1回25mg/kgを1日2回経口投与である。
〈帯状疱疹〉
17.1.4 国内第II相試験
皮疹出現後72時間以内の成人帯状疱疹患者を対象とした本剤の用量設定試験(計56施設、183例)の結果は次のとおりである(錠剤の成績)。
本剤の有効率(1回1000mg1日3回7日間投与)は89.1%(49/55例)であった。
本剤との関連性が疑われた副作用(臨床検査値異常を含む)の発現状況は次のとおりである。
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17.1.5 国内第III相試験
皮疹出現後72時間以内の成人帯状疱疹患者を対象とした本剤のアシクロビル対照二重盲検比較試験(計58施設、202例、アシクロビル投与群:1回800mg1日5回7日間投与)の結果は次のとおりである(錠剤の成績)。
本剤の有効率(1回1000mg1日3回投与)は87.3%(89/102例)であった。
本剤又はアシクロビルとの関連性が疑われた副作用(臨床検査値異常を含む)の発現状況は次のとおりである。
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17.1.6 海外臨床試験
無作為化二重盲検比較試験において、50歳以上の免疫機能が正常な成人帯状疱疹患者を対象に、本剤1000mg1日3回7日間投与(384例)又は14日間投与(381例)、アシクロビル800mg1日5回7日間投与(376例)した3群間で帯状疱疹に伴う疼痛の消失推移を比較した。その結果、本剤7日間投与群及び14日間投与群はアシクロビル投与群に比べPHN(帯状疱疹後神経痛、Post Herpetic Neuralgia)を含む帯状疱疹に伴う疼痛消失までの期間を有意に短縮した(p=0.001及びp=0.03、Cox比例ハザードモデル)。また、疼痛消失までの日数(中央値)は本剤7日間投与群で38日、本剤14日間投与群で44日、アシクロビル7日間投与群で51日であった。なお、本剤7日間投与群と14日間投与群の間には、有意な差が認められなかった(錠剤の成績)。

〈水痘〉
17.1.7 国内臨床試験
本剤の非対照非盲検試験(計10施設、43例)の結果は次のとおりである。
小児水痘患者に本剤を1回25mg/kg1日3回、5日間投与することにより、前胸部の皮疹数は、顕著な増加を認めることなく、投与2日目以後は減少を続ける推移を示した。なお、本試験の結果とアシクロビルを1回20mg/kg1日4回、5日間投与した試験における前胸部の皮疹数の推移とを比較した結果は次のとおりである。

バラシクロビル試験
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アシクロビル試験
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本剤との関連性が疑われた副作用(臨床検査値異常を含む)の発現状況は次のとおりである。
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〈性器ヘルペスの再発抑制〉
17.1.8 海外臨床試験
成人免疫正常患者及びHIVに重複感染し免疫不全状態にある成人患者を対象とした用量設定試験の結果は次のとおりである(錠剤の成績)。[5.2、7.8、7.9参照]
性器ヘルペスの未再発率、プラセボ群又はアシクロビル投与群と比較した再発リスク低下率は次のとおりであった。
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なお、年間6回以上性器ヘルペスの再発を繰り返す免疫正常患者に対して、本剤1000mg1日1回投与注)(269例)又は本剤250mg1日2回投与(274例)した場合の、52週間投与時の未再発率は、それぞれ48%、51%であり、プラセボ群と比較した再発リスク低下率(95%信頼区間)は、それぞれ78%(71~83)、79%(73~84)であった。
注)性器ヘルペスの再発抑制における本剤の承認用量は、通常、1回500mgを1日1回経口投与である。
本剤との関連性が疑われた副作用(臨床検査値異常を含む)の発現状況は次のとおりである。
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17.1.9 海外臨床試験
成人免疫正常患者及びHIVに重複感染し免疫不全状態にある成人患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験の結果は次のとおりである(錠剤の成績)。[5.2、7.8、7.9参照]
性器ヘルペスの未再発率、プラセボ群又はアシクロビル投与群と比較した再発リスク低下率は次のとおりであった。
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本剤との関連性が疑われた副作用(臨床検査値異常を含む)の発現状況は次のとおりである。
→図表を見る(PDF)

17.2 製造販売後調査等
〈帯状疱疹〉
国内において実施された特定使用成績調査において、成人帯状疱疹患者に本剤を投与(平均2944mg/日×7.2日)した316例の帯状疱疹に伴う疼痛の消失推移を検討した。その結果、疼痛消失までの日数(中央値)は35日であり、PHN移行率(皮疹発現90日後の疼痛残存率)は24.7%(78/316例)であった(錠剤の成績)。

17.3 その他
海外において実施された、性器ヘルペスの年間再発回数が9回以下の成人免疫正常患者を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検比較試験(1484例)の結果は次のとおりである(錠剤の成績)。[5.1参照]
8ヵ月投与時のセックスパートナーへのHSV‐2による性器ヘルペス初感染発症率は、本剤1回500mg1日1回投与群で0.5%(4/743例)、プラセボ投与群で2.2%(16/741例)であった。
本剤との因果関係が疑われた副作用(臨床検査値異常を含む)の発現状況は次のとおりである。
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注)性器ヘルペスの再発抑制における本剤の承認用量は、通常、1回500mgを1日1回経口投与である。

18.1 作用機序
バラシクロビルはアシクロビルのL‐バリルエステルであり、経口投与後、主に肝初回通過効果によりアシクロビルに変換されて抗ウイルス作用を発現する。アシクロビルは、単純ヘルペスウイルスあるいは水痘・帯状疱疹ウイルスが感染した細胞内に入ると、ウイルス性チミジンキナーゼにより一リン酸化された後、細胞性キナーゼによりリン酸化され、アシクロビル三リン酸(ACV‐TP)となる。ACV‐TPは正常基質であるdGTPと競合してウイルスDNAポリメラーゼによりウイルスDNAの3’末端に取り込まれると、ウイルスDNA鎖の伸長を停止させ、ウイルスDNAの複製を阻害する。
アシクロビルリン酸化の第一段階である一リン酸化は感染細胞内に存在するウイルス性チミジンキナーゼによるため、ウイルス非感染細胞に対する障害性は低いものと考えられる。
18.2 抗ウイルス作用
18.2.1 単純ヘルペスウイルスに対する作用
バラシクロビルの活性代謝物であるアシクロビルは、単純ヘルペスウイルス1型及び2型のin vitroにおける増殖を抑制し、IC50はそれぞれ0.01~1.25μg/mL及び0.01~3.20μg/mLであった。また、単純ヘルペスウイルス1型を鼻面に接種したマウスに、バラシクロビル1mg/mLを飲水に溶解し4日間投与すると、皮膚の病巣の悪化が抑制された。
18.2.2 水痘・帯状疱疹ウイルスに対する作用
バラシクロビルの活性代謝物であるアシクロビルは、水痘・帯状疱疹ウイルスのin vitroにおける増殖を抑制し、IC50は0.17~7.76μg/mLであった。また、サル水痘ウイルスを気道に接種したサルにバラシクロビル200及び400mg/kg/日を1日3回に分割し連続10日間経口投与したところ、皮疹の発現が抑制され、血中ウイルス価が減少した。

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