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オセルタミビルカプセル75mg「サワイ」

後発医薬品
販売名
オセルタミビルカプセル75mg「サワイ」
識別コード
オセルタミビル 75mg SW
薬価
75mg1カプセル 111.60円
製造メーカー
沢井製薬

添付文書情報2024年10月改定(第3版)

商品情報

薬効分類名
抗ウイルス剤
一般名
オセルタミビルリン酸塩カプセル
警告
1.1. 本剤の使用にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること〔5.1-5.4参照〕。
1.2. インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤の予防使用はワクチンによる予防に置き換わるものではない。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある者。
効能・効果
A型インフルエンザウイルス感染症又はB型インフルエンザウイルス感染症及びA型インフルエンザウイルス感染症又はB型インフルエンザウイルス感染症の予防。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈治療〉A型又はB型インフルエンザウイルス感染症と診断された患者のみが対象となるが、抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては必須ではないことを踏まえ、患者の状態を十分観察した上で、本剤の使用の必要性を慎重に検討し、特に、幼児及び高齢者に比べて、その他の年代ではインフルエンザによる死亡率が低いことを考慮すること〔1.1参照〕。
5.2. 〈予防〉原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である1)高齢者(65歳以上)、2)慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者、3)代謝性疾患患者(糖尿病等)、4)腎機能障害患者を対象とする〔1.1、7.4参照〕。
5.3. 〈効能共通〉本剤はA型又はB型インフルエンザウイルス感染症以外の感染症には効果がない〔1.1参照〕。
5.4. 〈効能共通〉本剤は細菌感染症には効果がない〔1.1、8.4参照〕。
用法・用量
〈治療〉
通常、成人及び体重37.5kg以上の小児にはオセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間経口投与する。
〈予防〉
成人
通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7~10日間経口投与する。
体重37.5kg以上の小児
通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、10日間経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈治療〉インフルエンザ様症状の発現から2日以内に投与を開始すること(症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
7.2. 〈予防〉インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始すること(接触後48時間経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
7.3. 〈予防〉インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して服用している期間のみ持続する。
7.4. 〈効能共通〉成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような投与法を目安とすること(外国人における成績による)〔8.2、9.2.1、16.6.2参照〕。
1). 〈治療〉成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような投与法を目安とすること;①Ccr>30mL/分:1回75mg1日2回、②10mL/分<Ccr≦30mL/分:1回75mg1日1回、③Ccr≦10mL/分:推奨用量は確立していない[Ccr:クレアチニンクリアランス]。
2). 〈予防〉成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような投与法を目安とすること;①Ccr>30mL/分:1回75mg1日1回、②10mL/分<Ccr≦30mL/分:1回75mg隔日、③Ccr≦10mL/分:推奨用量は確立していない[Ccr:クレアチニンクリアランス]。
腎機能障害患者
8.1. 抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている。異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、①異常行動の発現のおそれがあること、②自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること、について患者・家族に対し説明を行うこと。なお、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている〔11.1.7参照〕。
8.2. 本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎機能低下している場合には血漿中濃度が高くなるおそれがあるので、本剤の投与に際しては、クレアチニンクリアランス値に応じた用
法及び用量に関連する注意に基づいて、状態を観察しながら慎重に投与すること〔7.4、9.2.1、16.6.2参照〕。
8.3. 出血があらわれることがあるので、患者及びその家族に対して、血便、吐血、不正子宮出血等の出血症状があらわれた場合には医師に連絡するよう説明すること〔11.1.8、11.2参照〕。
8.4. 細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがあるので、細菌感染症の場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと〔5.4参照〕。
9.2.1. 高度腎機能障害患者:腎機能の低下に応じて用法及び用量を調節すること(血漿中濃度が増加する)〔7.4、8.2、16.6.2参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:1). ワルファリン[併用後にプロトロンビン時間が延長した報告があるので、併用する場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること(機序は不明である)]。
2). 経鼻弱毒生インフルエンザワクチン[経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの効果が得られないおそれがある(ワクチンウイルスの増殖が抑制され、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの効果が減弱する可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(頻度不明):蕁麻疹、顔面浮腫・喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 肺炎(頻度不明):異常が認められた場合にはX線等の検査により原因(薬剤性、感染性等)を鑑別し、適切な処置を行うこと。
11.1.3. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明):重篤な肝炎、著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいγ-GTP上昇、著しいAl-P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.4. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)。
11.1.5. 急性腎障害(頻度不明)。
11.1.6. 白血球減少、血小板減少(頻度不明)。
11.1.7. 精神・神経症状、異常行動(頻度不明):精神・神経症状(意識障害、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)があらわれることがあり、因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある〔8.1参照〕。
11.1.8. 出血性大腸炎、虚血性大腸炎(頻度不明):血便、血性下痢等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(0.1%以上*)発疹、(0.1%未満*)蕁麻疹、(頻度不明)※皮下出血、紅斑(多形紅斑を含む)、皮膚そう痒症。
2). 消化器:(0.1%以上*)下痢(0.9%)、腹痛(0.6%)、悪心(0.5%)、嘔吐、(0.1%未満*)口内炎(潰瘍性口内炎を含む)、食欲不振、腹部膨満、口腔内不快感、便異常、(頻度不明)口唇炎、※血便、※メレナ、※吐血、消化性潰瘍。
3). 精神神経系:(0.1%以上*)めまい、頭痛、不眠症、(0.1%未満*)傾眠、嗜眠、感覚鈍麻、(頻度不明)激越、振戦、悪夢。
4). 循環器:(0.1%未満*)動悸、(頻度不明)上室性頻脈、心室性期外収縮、心電図異常(ST上昇)。
5). 肝臓:(0.1%以上*)ALT増加、(0.1%未満*)γ-GTP増加、Al-P増加、AST増加。
6). 腎臓:(0.1%以上*)蛋白尿、(頻度不明)※血尿。
7). 血液:(0.1%以上*)好酸球数増加。
8). 呼吸器:(頻度不明)気管支炎、咳嗽、※鼻出血。
9). 眼:(0.1%未満*)眼痛、(頻度不明)視覚障害(視野欠損、視力低下)、霧視、複視、結膜炎。
10). その他:(0.1%以上*)低体温、(0.1%未満*)血中ブドウ糖増加、背部痛、胸痛、浮腫、(頻度不明)疲労、※不正子宮出血、耳障害(耳灼熱感、耳痛等)、発熱。
*)発現頻度は承認時までの臨床試験及び製造販売後調査の結果をあわせて算出した。
※)〔8.3参照〕。
高齢者
状態を観察しながら投与すること。一般に高齢者では、生理機能(腎機能、肝機能等)の低下や、種々の基礎疾患を有することが多い。国外で実施されたカプセル剤による臨床試験成績では、副作用の頻度及び種類は非高齢者との間に差は認められていない〔16.6.1参照〕。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている)〔16.3.1参照〕。
治療の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中へ移行することが報告されている)。
小児等
1歳未満の患児(低出生体重児、新生児、乳児)、腎機能障害を有する小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない〔15.2.1、15.2.2参照〕。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 国内で実施されたカプセル剤による第3相予防試験において、糖尿病が増悪したとの報告が1例ある。また、国外で実施されたカプセル剤による第3相予防試験では、糖代謝障害を有する被験者で糖尿病悪化又は高血糖が7例にみられた(外国人データ)。非臨床試験においては、臨床用量の100倍までの用量において糖代謝阻害は認められていない。
15.1.2. 国外で実施されたカプセル剤による慢性心疾患患者及び慢性呼吸器疾患患者を対象とした第3相治療試験において、インフルエンザ罹病期間に対する有効性ではプラセボに対し有意な差はみられていない。しかし、本剤投与によりウイルス放出期間を有意に短縮し、その結果、発熱、筋肉痛/関節痛又は悪寒/発汗の回復期間が有意に短縮した(外国人データ)。
15.1.3. 国外で実施されたカプセル剤による高齢者(65歳以上)を対象とした第3相治療試験において、本剤の投与によりインフルエンザ罹病期間をプラセボに比較して、約50時間(23%)短縮した(外国人データ)。
15.1.4. シーズン中に重複してインフルエンザに罹患した患者に本剤を繰り返して使用した経験はない。
15.1.5. 国内で実施されたカプセル剤による第3相予防試験において、6週間を超えて投与した経験はない(なお、国外ではドライシロップ剤及びカプセル剤による免疫低下者の予防試験において、12週間の投与経験がある)(外国人データ)。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. 幼若ラットの単回経口投与毒性試験において、オセルタミビルリン酸塩を394、657、788、920、1117、1314mg/kgの用量で単回経口投与した時、7日齢ラットでは薬物に関連した死亡が657mg/kg以上で認められた。
しかし、394mg/kgを投与した7日齢ラット及び1314mg/kgを投与した成熟ラット(42日齢)では死亡は認められなかった〔9.7小児等の項参照〕。
15.2.2. 幼若ラットの単回経口投与トキシコキネティクス試験において、毒性が認められなかった用量におけるオセルタミビルの脳/血漿中AUC比は、7日齢ラットで0.31(394mg/kg)、成熟ラット(42日齢)で0.22(1314mg/kg)であった〔9.7小児等の項参照〕。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男子28例にオセルタミビルとして37.5、75、150及び300mgを単回経口投与注)(絶食時)したときのオセルタミビル活性体の血漿中薬物動態パラメータは次のとおりであり、AUCinf及びCmaxは用量比例的に増加することが示された。
活性体の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

注)治療投与:成人及び体重37.5kg以上の小児に対して承認された用法及び用量は、1回75mgを1日2回、5日間投与である。
予防投与:成人に対して承認された用法及び用量は、1回75mgを1日1回、7~10日間投与である。体重37.5kg以上の小児に対して承認された用法及び用量は、1回75mgを1日1回、10日間投与である。
16.1.2 反復投与
日本人及び白人各14例の健康成人男子を対象とし、オセルタミビルとして75mg1日2回及び150mg1日2回を7日間反復投与注)(食後投与)したときの活性体の薬物動態パラメータ及び血漿中濃度トラフ値は次のとおりであった。日本人及び白人のいずれの用量においても投与開始7日目のAUC0-12h及びCmaxは同様であり、人種間における差は認められなかった。また、トラフ濃度の推移から活性体は投与開始後3日以内に定常状態に到達し、蓄積性は認められなかった(日本人及び外国人データ)。
投与開始7日目における活性体の薬物動態パラメータ
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活性体の血漿中濃度トラフ値
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16.1.3 生物学的同等性試験
オセルタミビルカプセル75mg「サワイ」とタミフルカプセル75を健康成人男子にそれぞれ1カプセル(オセルタミビルとして75mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中オセルタミビル濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
各製剤1カプセル投与時の薬物動態パラメータ
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血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
16.3.1 組織分布
雌雄ラットに[14C]‐オセルタミビル20mg/kgを単回経口投与した際、放射能は各組織に速やかに分布し、雌雄で類似していた。消化管を除くと肝臓、腎臓で高濃度を示し、標的組織の1つと考えられている肺では血漿の約2倍であったが、中枢神経系への移行は少なかった。雌において胎児への移行が認められ、移行放射能は母体側血漿の約1/2であった。放射能は投与48時間後までに各組織からほぼ完全に消失した。[9.5参照]
16.3.2 蛋白結合率
オセルタミビル及びその活性体のヒト、ラット、ウサギ及びイヌ血漿蛋白との結合率は、オセルタミビルでは全ての種類において50%以下の結合であったが、活性体ではいずれの種類においても平均で3%以下の弱いものであった(in vitro試験)。
16.4 代謝
オセルタミビルはヒトにおいて経口投与後速やかに主として肝臓で活性体に加水分解される。また、ヒト肝ミクロソームを用いた代謝試験において、P450による代謝は認められなかった(in vitro試験)。
16.5 排泄
16.5.1 尿中排泄
健康成人男子に対しオセルタミビルとして37.5~300mgを単回経口投与注)したとき、未変化体及び活性体あわせて投与48時間後までに70~80%が尿中に排泄された。
16.5.2 乳汁中移行
授乳ラットに[14C]‐オセルタミビル10mg/kgを単回経口投与した際、放射能は乳汁中に移行し、投与1時間後で最高濃度に達した。その後、血漿中とほぼ同様な推移で消失したが、乳汁中/血漿中濃度比は常に乳汁中において高かった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者(80歳以上)における薬物動態
年齢80歳以上の高齢者5例にオセルタミビルとして75mgを単回経口投与したときのオセルタミビル活性体の薬物動態パラメータは次のとおりであった。[9.8参照]
高齢者(80歳以上)の活性体の薬物動態パラメータ
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16.6.2 腎機能障害者における薬物動態
クレアチニンクリアランス(Ccr)値により規定された腎機能障害者を含む20例を対象とし、オセルタミビルとして100mg1日2回を6日間反復投与注)したときの活性体薬物動態は、次の表のとおり腎機能に依存した。高度な腎機能障害者においては投与量の調整が必要であると考えられた(外国人データ)。[7.4、8.2、9.2.1参照]
投与開始6日目における活性体の薬物動態パラメータ
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16.7 薬物相互作用
P450を介した薬物相互作用の検討において、オセルタミビルはヒト肝ミクロソームにおける各種P450基質の代謝に対してほとんど影響を与えなかった(in vitro試験)。
また、オセルタミビルは尿酸排泄促進薬のプロベネシドとの併用により腎クリアランスの低下、AUCinf及びCmaxの約2倍の増加が認められた。このことはアニオン型輸送過程を経て腎尿細管分泌されるオセルタミビルは同経路で排泄される薬剤との併用により競合的相互作用を生ずる可能性を示唆している。しかし、この競合による薬物動態の変化の割合は、投与量の調整が必要であるほど臨床的に重要ではない(外国人データ)。なお、インフルエンザウイルス感染症に伴う症状緩和のために併用される可能性がある薬物(抗ヒスタミン薬、マクロライド系抗生物質、NSAIDs等)及び心電図に影響を与える可能性のある薬剤(抗不整脈薬等)の多くの薬物との相互作用は検討されていない。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(治療試験)
プラセボを対照とした第III相臨床試験(JV15823)の5日間投与におけるインフルエンザ罹病期間(全ての症状が改善するまでの時間)に対する有効性を次に示す。
インフルエンザ感染症患者を対象とした二重盲検比較試験において、オセルタミビルリン酸塩により、罹病期間の短縮の他、重症度の低下、ウイルス力価の減少、体温の回復期間の短縮が認められた。
インフルエンザ罹病期間(時間)
→図表を見る(PDF)

オセルタミビルリン酸塩投与群の副作用は154例中51例(33.1%)に認められ、下痢10例(6.5%)、腹痛7例(4.5%)等であった。
17.1.2 海外第III相試験(治療試験)
欧米と南半球で実施されたプラセボを対照とした第III相臨床試験(WV15670/15671/15730)の5日間投与におけるインフルエンザ罹病期間(全ての症状が改善するまでの時間)に対する有効性を次に示す。
オセルタミビルリン酸塩により、罹病期間の短縮効果の他、重症度の低下、ウイルス放出期間の短縮、体温の回復期間の短縮が認められた(外国人データ)。
インフルエンザ罹病期間(時間)
→図表を見る(PDF)

17.1.3 国内第III相試験(予防試験)
プラセボを対照とした第III相臨床試験(JV15824)の42日間投与注5)におけるインフルエンザ感染症の発症抑制効果を次に示す。本試験は高齢者を含む健康成人308例(プラセボ:19歳-83歳、平均34.0歳、65歳以上の高齢者は10例、オセルタミビルリン酸塩:18歳-77歳、平均34.2歳、65歳以上の高齢者は11例)を対象とした。
国内二重盲検比較試験において、インフルエンザ感染症発症率はプラセボ群8.5%、オセルタミビルリン酸塩投与群1.3%であった。
注5)治療投与:成人及び体重37.5kg以上の小児に対して承認された用法及び用量は、1回75mgを1日2回、5日間投与である。
予防投与:成人に対して承認された用法及び用量は、1回75mgを1日1回、7~10日間投与である。体重37.5kg以上の小児に対して承認された用法及び用量は、1回75mgを1日1回、10日間投与である。
インフルエンザ感染症発症例(発症率)
→図表を見る(PDF)

オセルタミビルリン酸塩投与群の副作用は155例中34例(21.9%)に認められ、上腹部痛8例(5.2%)、下痢7例(4.5%)等であった。
17.1.4 海外第III相試験(予防試験)
米国において実施された健康成人(18歳以上)を対象としたプラセボ対照第III相臨床試験(WV15673/697)の42日間投与注5)におけるインフルエンザ感染症の発症抑制効果及び患者背景を次に示す。
二重盲検比較試験において、インフルエンザ感染症発症率はプラセボ群4.8%、オセルタミビルリン酸塩投与群1.2%であった(外国人データ)。
インフルエンザ感染症発症例(発症率)/季節的予防試験
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オセルタミビルリン酸塩投与群の因果関係が否定できない有害事象は520例中250例(48.1%)に認められた。
17.1.5 海外第III相試験(予防試験、高齢者)
高齢者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(WV15825、42日間投与注5))におけるインフルエンザ感染症発症率は非予防群4.4%、オセルタミビルリン酸塩投与群0.4%であった。ワクチン接種者におけるインフルエンザ感染症発症率は、プラセボ群5.0%、オセルタミビルリン酸塩投与群0.5%であった(外国人データ)。患者背景を次に示す。
季節的予防試験
→図表を見る(PDF)

オセルタミビルリン酸塩投与群の因果関係が否定できない有害事象は276例中40例(14.5%)に認められた。
17.1.6 海外第III相試験(患者接触後予防試験)
インフルエンザ感染症患者接触後のプラセボ対照二重盲検比較試験(WV15799、7日間投与)におけるインフルエンザ感染症発症率は非予防群12.0%、オセルタミビルリン酸塩投与群1.0%であった(外国人データ)。患者背景を次に示す。
患者接触後予防試験
→図表を見る(PDF)

オセルタミビルリン酸塩投与群の有害事象は494例中124例(25.1%)に認められ、嘔気27例(5.5%)、頭痛12例(2.4%)、上腹部痛9例(1.8%)等であった。
17.1.7 海外第III相試験(患者接触後予防試験)
インフルエンザ感染症患者接触後の予防群と非予防群のオープン比較試験(WV16193、10日間投与)におけるインフルエンザ感染症発症率は非予防群11.3%、オセルタミビルリン酸塩投与群1.8%であった(外国人データ)。患者背景を次に示す。
患者接触後予防試験
→図表を見る(PDF)

18.1 作用機序
オセルタミビルリン酸塩の活性体はヒトA型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを選択的に阻害し(IC50:0.1~3nM)、新しく形成されたウイルスの感染細胞からの遊離を阻害することにより、ウイルスの増殖を抑制する。
18.2 in vitro抗ウイルス作用
オセルタミビルリン酸塩はプロドラッグであり、代謝により活性体に変換された後、抗ウイルス作用を示す。
オセルタミビルリン酸塩の活性体はin vitroでのA型及びB型インフルエンザウイルスの複製を低濃度(実験室株IC50:0.6~155nM、臨床分離株IC50:<0.35μM)で阻害した。
18.3 in vivo抗ウイルス作用
マウス及びフェレットのA型及びB型インフルエンザウイルス感染モデルでは、オセルタミビルリン酸塩の経口投与(0.1~100mg/kg/日)により、用量に依存して生存数の増加、感染に伴う症状の減少、ウイルス力価の減少などの治療効果が認められた。また、ニワトリ感染モデルにおいてウイルス感染24時間前からの経口投与(10、100mg/kg、1日2回)で、生存率の上昇などウイルス感染に対する抑制効果が認められた。
18.4 耐性
耐性ウイルスは全てA型ウイルスに由来し、B型では出現が認められなかった。耐性を獲得したウイルスでは、マウス及びフェレットにおいて感染性の低下が認められ、感染部位での増殖、伝播力は低いと考えられる。耐性を獲得したウイルスでは、ノイラミニダーゼのアミノ酸変異が認められている。

一包可:不明

無包装状態試験:温度・湿度条件→性状変化(規格内)

分割:可能
粉砕:可能

脱カプセル後試験:規格内変化のみ

製造販売会社
沢井製薬
販売会社
 

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