診療点数・診療報酬・レセプト・処方箋・薬価・添付文書のことを調べるならしろぼんねっと

バラクルード錠0.5mg

販売名
バラクルード錠0.5mg
識別コード
BMS 1611
薬価
0.5mg1錠 625.60円
製造メーカー
ブリストル・マイヤーズスクイブ

添付文書情報2021年07月改定(第13版)

商品情報

薬効分類名
抗ウイルス剤
一般名
エンテカビル水和物錠
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
本剤を含むB型肝炎に対する治療を終了した患者で、肝炎の急性増悪が報告されているため、B型肝炎に対する治療を終了する場合には、投与終了後少なくとも数カ月間は患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行う(経過に応じて、B型肝炎に対する再治療が必要となることもある)。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
本剤投与開始に先立ち、HBV DNA、HBV DNAポリメラーゼあるいはHBe抗原により、ウイルスの増殖を確認する。
用法・用量
本剤は、空腹時(食後2時間以降かつ次の食事の2時間以上前)に経口投与する。エンテカビルとして0.5mgを1日1回経口投与する。なお、ラミブジン不応(ラミブジン投与中にB型肝炎ウイルス血症が認められる又はラミブジン耐性変異ウイルスを有するなど)患者には、エンテカビルとして1mgを1日1回経口投与することが推奨される。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.本剤は、投与中止により肝機能の悪化もしくは肝炎の重症化を起こすことがあるので、本内容を患者に説明し、患者が自己の判断で投与を中止しないように十分指導する。
2.本剤は食事の影響により吸収率が低下するので、空腹時(食後2時間以降かつ次の食事の2時間以上前)に投与する。
3.腎機能障害患者では、高い血中濃度が持続する恐れがあるので、次を参考にして、クレアチニンクリアランス50mL/min未満の患者並びに血液透析又は持続携行式腹膜透析を施行されている患者では、投与間隔の調節が必要である。腎機能障害患者における用法・用量の目安:クレアチニンクリアランス30mL/min以上50mL/min未満;通常用量0.5mgを2日に1回、ラミブジン不応患者1mgを2日に1回、クレアチニンクリアランス10mL/min以上30mL/min未満;通常用量0.5mgを3日に1回、ラミブジン不応患者1mgを3日に1回、クレアチニンクリアランス10mL/min未満;通常用量0.5mgを7日に1回、ラミブジン不応患者1mgを7日に1回、血液透析又は持続携行式腹膜透析(CAPD)患者;通常用量0.5mgを7日に1回、ラミブジン不応患者1mgを7日に1回(血液透析日は透析後に投与する)。
慎重投与
1.腎機能障害のある患者[高い血中濃度が持続する恐れがある]。
2.肝移植患者[シクロスポリン又はタクロリムス等の腎機能を抑制する可能性のある免疫抑制剤が投与されている肝移植患者では、本剤の投与開始前と投与中に腎機能の観察を十分に行う]。
3.非代償性肝硬変患者[国内における使用経験が少ない]。
重要な基本的注意
1.本剤によるB型慢性肝疾患の治療は、投与中のみでなく投与終了後も十分な経過観察が必要であり、経過に応じて適切な処置が必要なため、B型慢性肝疾患の治療に十分な知識と経験を持つ医師のもとで使用する。
2.腎機能障害作用のある薬剤又は尿細管分泌により排泄される薬剤と本剤を併用する場合には、副作用の発現に注意し、患者の状態を十分に観察する。
3.本剤の投与中は定期的に肝機能検査を行うなど十分注意する。
4.抗HIV療法を受けていないHIV/HBVの重複感染患者のB型肝炎に対して本剤を投与した場合、薬剤耐性HIVが出現する可能性があるため、抗HIV療法を併用していないHIV/HBV重複感染患者には本剤の投与を避けることが望ましい。
5.本剤による治療により他者へのHBV感染が避けられることは証明されていない旨を患者に説明する。
相互作用
エンテカビルは主に腎から排泄されるため、腎機能を低下させる薬剤や尿細管分泌により排泄される薬剤と併用した場合には、本剤又は併用薬剤の血中濃度が上昇する可能性があるため、このような薬剤と併用する場合には副作用の発現に注意し、患者の状態を十分に観察する。なお、ラミブジン、アデホビルピボキシル又はフマル酸テノホビルジソプロキシルと本剤を併用した場合に、相互作用は認められなかった。本剤を主に腎から排泄される薬剤又は腎機能に影響する薬剤と併用投与した場合の相互作用は、これまでのところ知られていない。
副作用
副作用の概要(承認時まで):<国内臨床試験>国内で実施した臨床試験において、本剤0.1mg(承認外用量)、0.5mgを1日1回投与されたヌクレオシド類縁体未治療の患者134例中17.2%に中等度以上の副作用が認められた。主な副作用は頭痛(5.2%)、下痢(2.2%)、鼻咽頭炎(1.5%)等であった。また、副作用としての臨床検査値の異常は、15.7%に認められ、主なものは、リパーゼ増加(6.0%)、ALT(GPT)上昇(3.7%)、血中ブドウ糖増加(3.0%)、AST(GOT)上昇(2.2%)、血中ビリルビン増加(1.5%)、血中アミラーゼ増加(1.5%)、尿中蛋白陽性(1.5%)等であった。なお、治療中に発現した肝機能に関連する臨床検査値異常は、ALT(GPT)(>10×ULN(基準値上限)かつ>2×投与前値)が4.5%、ALT(GPT)(>3×投与前値)が4.5%、アミラーゼ(>3×投与前値)が0.7%、リパーゼ(>3×投与前値)が0.7%であった。
また、国内で実施した臨床試験において、本剤0.5mg、1mgを1日1回投与されたラミブジン不応の患者84例中29.8%に中等度以上の副作用が認められた。主な副作用は鼻咽頭炎(8.3%)、頭痛(4.8%)、下痢(2.4%)、背部痛(2.4%)、不眠症(2.4%)等であった。また、副作用としての臨床検査値の異常は、26.2%に認められ、主なものは、リパーゼ増加(13.1%)、ALT(GPT)上昇(8.3%)、AST(GOT)上昇(6.0%)等であった。
なお、治療中に発現した肝機能に関連する臨床検査値異常は、ALT(GPT)(>10×ULNかつ>2×投与前値)が3.6%、ALT(GPT)(>3×投与前値)が3.6%、リパーゼ(>3×投与前値)が1.2%であった。
<海外臨床試験>海外で実施した臨床試験において、本剤0.5mgを1日1回投与されたヌクレオシド類縁体未治療の患者679例中、中等度以上の副作用は不眠症(1%未満)、頭痛(2%)、浮動性眩暈(1%未満)、傾眠(1%未満)、悪心(1%未満)、下痢(1%未満)、消化不良(1%未満)、嘔吐(1%未満)、疲労(1%)等であった。また、治療中に発現した肝機能に関連する臨床検査値異常は、ALT(GPT)(>10×ULNかつ>2×投与前値)が2%、ALT(GPT)(>3×投与前値)が5%、ALT(GPT)(>2×投与前値)かつ総ビリルビン(>2×ULNかつ>2×投与前値)が1%未満、アルブミン(<2.5g/dL)が1%未満、アミラーゼ(>3×投与前値)が2%、リパーゼ(>3×投与前値)が12%、血小板数(<50000/mm3)が1%未満であった。
また、海外で実施した臨床試験において、本剤1mgを1日1回投与されたラミブジン不応の患者183例中、中等度以上の副作用は頭痛(4%)、下痢(1%)、消化不良(1%)、疲労(3%)等であった。また、治療中に発現した肝機能に関連する臨床検査値異常は、ALT(GPT)(>10×ULNかつ>2×投与前値)が2%、ALT(GPT)(>3×投与前値)が4%、ALT(GPT)(>2×投与前値)かつ総ビリルビン(>2×ULNかつ>2×投与前値)が1%未満、アミラーゼ(>3×投与前値)が2%、リパーゼ(>3×投与前値)が18%、血小板数(<50000/mm3)が1%未満であった。
重大な副作用
1.重大な副作用
1).肝機能障害(頻度不明):本剤での治療中にAST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)することがあるので、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇が認められた場合、より頻回に肝機能検査を行うなど、観察を十分に行い、検査値等の経過から、肝機能障害が回復する兆候が認められない場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
2).投与終了後の肝炎の悪化:本剤の投与終了により肝炎悪化が認められることがあるので、本剤の投与を終了する場合には、投与終了後少なくとも数カ月間は患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行う。ヌクレオシド類縁体未治療の患者を対象とした海外での臨床試験において、本剤投与終了後の観察期間中にALT上昇[>10×ULNかつ>2×参照値](GPT上昇[>10×ULNかつ>2×参照値])が6%(28/476)の患者に認められた。これらの試験において、HBe抗原陽性の患者での投与終了後のALT上昇[>10×ULNかつ>2×参照値](GPT上昇[>10×ULNかつ>2×参照値])発現率は2%(4/174)、HBe抗原陰性の患者での投与終了後のALT上昇[>10×ULNかつ>2×参照値](GPT上昇[>10×ULNかつ>2×参照値])発現率は8%(24/302)であった。また、ラミブジン不応の患者を対象とした海外での臨床試験において、本剤投与終了後の観察期間中にALT上昇[>10×ULNかつ>2×参照値](GPT上昇[>10×ULNかつ>2×参照値])が12%(6/52)の患者に認められた。
(参照値:投与前又は投与終了時のいずれか低い値)3).アナフィラキシー様症状:アナフィラキシー様症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
4).乳酸アシドーシス:乳酸アシドーシスが現れることがあり、死亡例も報告されているので、乳酸アシドーシスが疑われる臨床症状及び検査値異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
2.重大な副作用(類薬)脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝):死亡例を含む脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)が、ヌクレオシド類縁体の単独又は抗HIV薬との併用療法で報告されている。
3.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う(副作用(全てのグレード)の発現率)。
1).ヌクレオシド類縁体未治療患者(1).胃腸障害:(ヌクレオシド類縁体未治療患者)下痢(6.0%)、悪心(4.5%)、便秘(3.7%)、上腹部痛(3.0%)。
(2).全身障害及び投与局所様態:(ヌクレオシド類縁体未治療患者)倦怠感(1.5%)。
(3).感染症及び寄生虫症:(ヌクレオシド類縁体未治療患者)鼻咽頭炎(3.0%)。
(4).筋骨格系及び結合組織障害:(ヌクレオシド類縁体未治療患者)筋硬直(2.2%)。
(5).神経系障害:(ヌクレオシド類縁体未治療患者)頭痛(14.2%)、浮動性眩暈(3.0%)。
(6).皮膚及び皮下組織障害:(ヌクレオシド類縁体未治療患者)発疹(頻度不明)、脱毛(頻度不明)。
(7).臨床検査:(ヌクレオシド類縁体未治療患者)AST上昇(GOT上昇)(3.7%)、ALT上昇(GPT上昇)(3.7%)、血中ビリルビン増加(6.0%)、血中アミラーゼ増加(10.4%)、リパーゼ増加(10.4%)、血中ブドウ糖増加(6.0%)、血中乳酸増加(23.1%)、BUN上昇(6.7%)、尿潜血陽性(4.5%)、尿中白血球陽性(3.0%)、白血球数減少(8.2%)、好酸球数増加(0.7%)。
2).ラミブジン不応患者(1).胃腸障害:(ラミブジン不応患者)下痢(3.6%)、悪心(6.0%)、便秘(2.4%)、上腹部痛(2.4%)。
(2).全身障害及び投与局所様態:(ラミブジン不応患者)倦怠感(14.3%)。
(3).感染症及び寄生虫症:(ラミブジン不応患者)鼻咽頭炎(13.1%)。
(4).筋骨格系及び結合組織障害:(ラミブジン不応患者)筋硬直(3.6%)。
(5).神経系障害:(ラミブジン不応患者)頭痛(20.2%)、浮動性眩暈(3.6%)。
(6).皮膚及び皮下組織障害:(ラミブジン不応患者)発疹(頻度不明)、脱毛(頻度不明)。
(7).臨床検査:(ラミブジン不応患者)AST上昇(GOT上昇)(9.5%)、ALT上昇(GPT上昇)(8.3%)、血中ビリルビン増加(10.7%)、血中アミラーゼ増加(11.9%)、リパーゼ増加(19.0%)、血中ブドウ糖増加(9.5%)、血中乳酸増加(17.9%)、BUN上昇(9.5%)、尿潜血陽性(7.1%)、尿中白血球陽性(8.3%)、白血球数減少(15.5%)、好酸球数増加(7.1%)。
高齢者への投与
本剤は主に腎から排泄されるが、高齢者では若年者よりも腎機能が低下していることが多いため、患者の腎機能を定期的に観察しながら投与間隔を調節するなど慎重に投与する。
妊婦・産婦・授乳婦等への投与
1.妊婦への投与:1).妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。生殖発生毒性試験において、ラットでは母動物毒性及び胚毒性・胎仔毒性が認められ、ウサギでは胚・胎仔のみに毒性が認められた。ラット及びウサギの曝露量は、ヒト1mg投与時の曝露量のそれぞれ180倍及び883倍に相当する]。
2).妊娠の可能性がある婦人に対しては避妊するよう指導する[胎児の発育に影響を及ぼす恐れがある]。
3).新生児のHBV感染を防止するため適切な処置を行う[本剤が母体から新生児へのHBV感染に及ぼす影響についてはデータがない]。
2.授乳婦への投与:授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を中止させる[動物実験(ラット)で、乳汁中に移行することが報告されている(本剤がヒトの乳汁中に分泌されるか否かは不明である)]。
小児等への投与
小児等に対する安全性と有効性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
その他の注意
1.がん原性:2年間がん原性試験がマウス(エンテカビルとして:0.004、0.04、0.4及び4mg/kg/日)とラット(エンテカビルとして、雄:0.003、0.02、0.2及び1.4mg/kg/日、雌:0.01、0.06、0.4及び2.6mg/kg/日)で行われている。雄マウスの0.04mg/kg以上、雌マウスの4mg/kgの投与量で肺腺腫の発生率上昇が観察された。雌雄マウスの最高用量群で肺癌の発生率上昇が観察された。腫瘍発生に先立ち肺胞細胞増殖が認められたが、ラット、イヌ及びサルでこのような変化が観察されていないことから、肺腫瘍はマウスに特有な所見であり、ヒトの安全性との関連は低いと考えられた。これ以外に高用量群で、雄マウスの肝癌、雌マウスの良性血管腫瘍、雌雄ラットの脳神経膠腫、並びに雌ラットの肝腺腫及び肝癌の発生率が上昇した。これらは、臨床用量での曝露量と比べて高い曝露量で観察されたことから、ヒトの安全性に関連を持つものではないと考えられた。
2.変異原性:培養ヒトリンパ球にin vitroで染色体異常を誘発したが、微生物を用いた復帰突然変異試験(Ames試験)、哺乳類細胞を用いた遺伝子突然変異試験及びシリアンハムスター胚細胞を用いた形質転換試験で、遺伝毒性は認められていない。また、ラットを用いた経口投与による小核試験とDNA修復試験も陰性を示している。
3.生殖毒性:ラットの生殖発生毒性試験において受胎能への影響は認められなかった。
げっ歯類及びイヌを用いた毒性試験において精上皮変性が認められた。なお、臨床用量での曝露量と比べて高い曝露量で1年間投与したサルでは、精巣の変化は認められなかった。

1.血中濃度
(1)健康成人(日本人データ)
エンテカビル0.5mg及び1mgを健康成人男子に経口投与したとき、エンテカビルは速やかに吸収され、投与後0.5~1.5時間で最高血漿中濃度(Cmax)に到達した。エンテカビルを1日1回反復投与した時の定常状態におけるCmaxと血漿中濃度時間曲線下面積(AUC)は線形性を示した。本剤の薬物動態は投与後6~10日で定常状態に到達し、累積係数は約2であった。定常状態におけるCmax及び血漿中トラフ濃度(Cmin)は0.5mg投与時で6.4及び0.3ng/mL、1mg投与時で11.6及び0.5ng/mLであった(表1、添付文書の図1)。
表1.健康成人男子にエンテカビル0.5mg及び1mgを1日1回14日間反復経口投与した時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

図1.健康成人男子にエンテカビル0.5mg及び1mgを1日1回14日間反復経口投与した時の平均血漿中濃度推移(平均値+標準偏差)

(2)B型慢性肝炎患者(日本人データ)
国内試験におけるB型慢性肝炎患者(n=142)の血漿中濃度成績を用いて母集団薬物動態解析を実施した結果、全身クリアランス(Cltot/F)の平均値(標準偏差)は投与量が0.5mg及び1mgでそれぞれ442.4(81.3)mL/min及び447.7(79.3)mL/min、AUC0-24hはそれぞれ19.6(4.1)ng・h/mL及び38.3(6.5)ng・h/mLで、健康成人と同程度であった。
(3)食事の影響(外国人データ)
エンテカビルを食事とともに投与すると吸収率が低下する。
エンテカビル0.5mgを標準高脂肪食(945kcal、脂肪54.6g)又は軽食(379kcal、脂肪8.2g)とともに経口投与したとき、吸収(tmax)はわずかに遅延し(食事とともに投与:1~1.5時間、絶食時:0.75時間)、Cmaxは44~46%、AUCは18~20%低下した(〈用法・用量に関連する使用上の注意〉の項参照)。
2.分布
経口投与後におけるエンテカビルのみかけの分布容積は体内の総水分量より大きいことから、エンテカビルの多くは組織へ移行し、広範囲に分布すると考えられた。In vitroにおけるヒト血清蛋白結合率は約13%であった。
3.代謝
エンテカビルはチトクロームP450(CYP450)の基質ではなく、また本剤によるCYP450の阻害や誘導の作用も観察されなかった。ヒトで観察される血中濃度の約10,000倍以上の濃度でCYP1A2、2C9、2C19、2D6、3A4、2B6及び2E1に対する阻害は認められず、約340倍以上の濃度で1A2、2C9、2C19、3A4、3A5及び2B6の誘導は認められなかった。代謝物としてはヒト(外国人)と動物(ラット、イヌ、サル)でわずかにグルクロン酸抱合体と硫酸抱合体が認められた。
4.排泄(日本人データ)
エンテカビルは主に糸球体ろ過と尿細管分泌により腎から排泄される。日本人の健康成人男子にエンテカビル0.5mg及び1mgを1日1回反復経口投与した時の定常状態における未変化体の尿中排泄率(%UR)は78~80%で、腎クリアランス(ClR)は366~372mL/minであり、用量に依存しなかった。終末消失相半減期は0.5mg及び1mgでそれぞれ平均96.6及び83.3時間であった。
5.特殊集団
国内試験におけるB型慢性肝炎患者の血漿中濃度成績を用いて母集団薬物動態解析を実施した結果、本剤の全身クリアランスに対して腎機能が有意(p<0.001)に影響する因子であった。性別(男性116例、女性26例)、肝機能、年齢(24~68歳)との関連性は認められなかった。
(1)腎機能障害患者における薬物動態(外国人データ)
エンテカビル1mgを腎機能障害患者に単回投与した時の薬物動態パラメータを表2に示す。腎機能の低下に応じて本剤の曝露量は増加した。クレアチニンクリアランスが50mL/min未満の患者には、本剤の投与間隔を調節することが推奨される(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)。
表2.腎機能障害患者にエンテカビル1mgを単回経口投与した時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

(2)肝機能障害患者における薬物動態(外国人データ)
中等度から重度の肝機能障害患者にエンテカビル1mgを単回投与した時の薬物動態は肝機能が正常な成人と同様であり、肝機能障害患者において、用法・用量の調節の必要はないと考えられる。
(3)肝移植患者における薬物動態(外国人データ)
肝移植患者における本剤の安全性及び有効性は不明である。しかし、小規模のパイロット試験では、肝移植後シクロスポリン(n=5)又はタクロリムス(n=4)を常時服用しているHBV感染患者のエンテカビルの曝露量は腎機能が正常である成人の約2倍であった。曝露量の増加は肝移植患者の腎機能の低下によるものと考えられた。シクロスポリン又はタクロリムス等の腎機能を抑制する可能性のある免疫抑制剤が投与されている肝移植患者では、本剤の投与開始前と投与中に患者の腎機能の観察を十分に行う必要がある(〈用法・用量に関連する使用上の注意〉の項参照)。
6.相互作用(外国人データ)
エンテカビルは主に腎から排泄されるので、腎機能を低下させるような薬剤や尿細管分泌が競合するような薬剤と併用した場合には、本剤又は併用薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。ラミブジン、アデホビルピボキシル又はフマル酸テノホビルジソプロキシルと本剤を併用した場合、相互作用は認められなかった。エンテカビルの薬物動態はCYP450による代謝を受ける薬剤、CYP450の誘導剤又は阻害剤との併用による影響を受けないものと考えられた。

1.B型慢性肝炎
ヌクレオシド類縁体未治療のB型慢性肝炎患者に対するエンテカビルの用量反応性試験は国内及び海外で実施された。22週投与時のウイルス学的、生化学的及び血清学的効果を表3に示す。
表3.ヌクレオシド類縁体未治療患者に対するエンテカビル0.5mg1日1回22週投与時のウイルス学的、生化学的及び血清学的効果
→図表を見る(PDF)

ヌクレオシド類縁体未治療のB型慢性肝炎患者に対するエンテカビルの臨床効果は国内及び海外の臨床試験で評価された。48週投与時のウイルス学的、生化学的、血清学的及び組織学的効果を表4に示す。国内で実施したヌクレオシド類縁体未治療患者を対象とした臨床第2相試験(AI463‐053)において、本剤0.5mgを1日1回投与した際、主要評価項目である48週目のPCR法によるlog10HBV DNA量が2以上減少又は検出限界(400copies/mL)未満となった患者の割合は100%であった。
表4.ヌクレオシド類縁体未治療患者に対するエンテカビル0.5mg1日1回48週投与時のウイルス学的、生化学的、血清学的及び組織学的効果
→図表を見る(PDF)

ラミブジン不応のB型慢性肝炎患者に対するエンテカビルの臨床効果は国内及び海外臨床試験で評価された。48週投与時のウイルス学的、生化学的、血清学的及び組織学的効果を表5に示す。国内で実施したラミブジン不応患者を対象とした臨床第2相試験(AI463‐052)において、本剤1mgを1日1回投与した際、主要評価項目である48週目のPCR法によるlog10HBV DNA量が2以上減少又は検出限界(400copies/mL)未満となった患者の割合は93%であった。
表5.ラミブジン不応患者に対するエンテカビル1mg1日1回48週投与時のウイルス学的、生化学的、血清学的及び組織学的効果
→図表を見る(PDF)

国内で臨床試験(AI463‐053)を終了したヌクレオシド類縁体未治療患者及び臨床試験(AI463‐052)を終了したラミブジン不応患者に継続試験(AI463‐060)でそれぞれ本剤0.5mg及び1mgを1日1回投与したときの組織学的改善率を表6、線維化ステージの改善率を表7に示す。
表6.組織学的改善率(100週、148週)a
→図表を見る(PDF)

表7.線維化ステージ改善率(148週a)
→図表を見る(PDF)

2.B型肝硬変
代償性肝硬変を伴うB型慢性肝炎患者に対するエンテカビルの臨床効果は海外臨床第3相試験の投与前肝生検において肝硬変が確認された患者において評価された。
ヌクレオシド類縁体未治療(HBe抗原陽性)患者を対象とした海外臨床試験(AI463‐022)において、本剤0.5mg投与を受けた代償性肝硬変患者25例中、48週目のHBV DNAの投与前値からの平均変化量は-6.2log10copies/mL、HBV DNA陰性化率(300copies/mL未満)は96%、ALT正常化率(基準値上限×1.0倍以下)は60%、HBe抗原セロコンバージョン率は32%、組織学的改善率は76%であった。また、ヌクレオシド類縁体未治療(HBe抗原陰性)患者を対象とした海外臨床試験(AI463‐027)において本剤0.5mg投与を受けた代償性肝硬変患者19例中、48週目のHBV DNAの投与前値からの平均変化量は-5.2log10copies/mL、HBV DNA陰性化率(300copies/mL未満)は95%、ALT正常化率(基準値上限×1.0倍以下)は79%、組織学的改善率は74%であった。ラミブジン不応患者を対象とした海外臨床試験(AI463‐026)において、本剤1mg投与を受けた代償性肝硬変患者14例中、48週目のHBV DNAの投与前値からの平均変化率は-5.5log10copies/mL、HBV DNA陰性化率(300copies/mL未満)は21%、ALT正常化率(基準値上限×1.0倍以下)は50%、組織学的改善率は50%であった。
非代償性肝硬変患者を対象とした海外臨床試験(AI463‐048)の中間報告において、本剤1mg投与を受けた34例中、24週目のHBV DNAの投与前値からの平均変化量は-4.20log10copies/mL、HBV DNA陰性化率(300copies/mL未満)は47%、ALT正常化率(基準値上限×1.0倍以下)は50%であった。

1.作用機序
エンテカビルはグアノシンヌクレオシド類縁体であり、HBV DNAポリメラーゼに対して強力かつ選択的な阻害活性(Ki値:0.0012μM)を有する。本剤は細胞内でリン酸化され、活性を有するエンテカビル三リン酸に変化する。エンテカビル三リン酸は、天然基質デオキシグアノシン三リン酸との競合により、HBV DNAポリメラーゼの(1)プライミング、(2)mRNAからマイナス鎖DNA合成時の逆転写、及び(3)HBV DNAのプラス鎖合成の3種すべての機能活性を阻害する。エンテカビル三リン酸の細胞性DNAポリメラーゼα、β、δ及びε並びにミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対する阻害作用は弱い(Ki値:18~約160μM)。
2.抗ウイルス活性
エンテカビルはHBVをトランスフェクトしたヒト肝HepG2細胞におけるHBV DNA合成を阻害し、そのEC50値は0.004μMであった。HIV‐1の標準株及び臨床分離株に対するエンテカビルのEC50値は0.026~10μMを超える濃度であり、HIV量を感染に必要な最低量で試験した場合に、1μM未満での阻害活性が認められた。細胞培養試験において、エンテカビルはμMレベルの高濃度でM184I変異を選択した。また、M184V変異を有するHIVは、エンテカビルに対する感受性低下を示した。
エンテカビルをウッドチャック肝炎ウイルスに慢性感染したウッドチャック及びアヒルB型肝炎ウイルスに感染したアヒルに毎日又は週1回反復投与したとき、ウイルスDNA量の著明な(4~8log10)減少が認められた。ウッドチャックを用いた長期維持投与試験では、エンテカビルを0.5mg/kg(臨床用量1mg相当)で週1回、3年間反復経口投与した結果、投与期間中のウイルスDNA量は検出限界以下で維持された(PCR法)。また、3年間の投与ではいずれの動物においてもHBV DNAポリメラーゼに耐性を示す変化は認められず、エンテカビルの治療によりこれらの動物の生存期間延長及び肝細胞癌の発症抑制が示された。
3.薬剤耐性
(1)In vitro試験
HBV DNAポリメラーゼのアミノ酸残基に特徴的な変異(rtM204V/I、rtL180M)を有するラミブジン耐性HBVでは、エンテカビルに対する感受性が野生型に比較して1/8以下に低下したが、1mg投与時の血漿中エンテカビル濃度を反映する細胞外濃度において、細胞内エンテカビル三リン酸はラミブジン耐性型HBV DNAポリメラーゼ活性を十分に阻害する濃度を超えているものと考えられた。アデホビルの耐性変異であるrtN236T又はrtA181Vをコードした組換えウイルスにおいては、エンテカビルに対する感受性が維持されていた。エンテカビル治療が無効であったラミブジン不応患者から得られたHBV分離株はin vitroでアデホビルに対する感受性を有していたが、ラミブジンに対する感受性は認められなかった。ラミブジン耐性変異(rtL180M及びrtM204Vのアミノ酸置換)に加えて、rtA181Cのアミノ酸置換が伴うことにより、エンテカビルに対する感受性が野生型に比較して1/16~1/122に低下した。
(2)In vivo試験
国内臨床試験において、エンテカビルを最大148週投与したヌクレオシド類縁体未治療患者164例(AI463‐047、‐053試験及び継続試験‐060)及びラミブジン不応患者81例(AI463‐052試験及び継続試験‐060)から得られた評価可能(HBV DNA量400コピー/mL以上)な検体のエンテカビル耐性関連遺伝子変異(ETVr)を検討した(表8及び9)。なお、ヌクレオシド類縁体未治療患者164例中66例及びラミブジン不応患者81例中41例は、試験開始時より継続して承認用量0.5mg及び1mgを投与したが、他の症例は継続試験‐060に移行するまで、低用量を投与した。
なお、海外でも同様の傾向であった。
表8.ヌクレオシド類縁体未治療患者を対象とした国内臨床試験で確認されたエンテカビル耐性変異*
→図表を見る(PDF)

表9.ラミブジン不応患者を対象とした国内臨床試験で確認されたエンテカビル耐性変異*
→図表を見る(PDF)

また、海外臨床試験におけるエンテカビル耐性データの統合解析を実施した結果、本剤の治療期間中にエンテカビル耐性関連遺伝子変異であるrtA181Cのアミノ酸置換が1461例中5例に認められた。rtA181Cのアミノ酸置換は、ラミブジン耐性関連遺伝子変異(rtL180M及びrtM204Vのアミノ酸置換)の存在下においてのみ認められた。

一包可:不可
分割:不可
粉砕:不明
製造販売会社
ブリストル・マイヤーズスクイブ
販売会社
 

おくすりのQ&A

解決済回答1

モーラステープについて

いつもお世話になっております。...

薬価・添付文書 

受付中回答1

変更調剤について

初歩的な内容となり申し訳ごさいません。
外用薬での変更調剤について教えていただきたいです。
外用薬でも
後発→後発別メーカー
へ変更可能でしたか?...

薬価・添付文書 

受付中回答4

ヒルドイドソフト軟膏について

「手術創部ケロイド予防のため使用」とコメントで査定されると思いますか?
意見をいただきたいです。おねがいします

薬価・添付文書 製品

受付中回答1

サルプレップ

サルプレップの適応が「大腸内視鏡検査時の前処置における腸管内容物の排除」なっておりますが、本剤使用しての検査中に偶発的にポリープ等発見し、その切除等の手術...

薬価・添付文書 製品

受付中回答0

サルプレップ

サルプレップの適応が「大腸内視鏡検査時の前処置における腸管内容物の排除」なっておりますが、本剤使用しての検査中に偶発的にポリープ等発見し、その切除等の手術...

薬価・添付文書 製品

わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!

質問する

このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。