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ファムシクロビル錠250mg「タカタ」

後発医薬品
販売名
ファムシクロビル錠250mg「タカタ」
識別コード
ファムシクロビル タカタ 250
薬価
250mg1錠 77.50円
製造メーカー
高田製薬

添付文書情報2025年03月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
抗ウイルス剤
一般名
ファムシクロビル錠
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
1). 単純疱疹。
2). 帯状疱疹。
用法・用量
〈単純疱疹〉
通常、成人にはファムシクロビルとして1回250mgを1日3回経口投与する。また、再発性の単純疱疹の場合は、通常、成人にはファムシクロビルとして1回1000mgを2回経口投与することもできる。
〈帯状疱疹〉
通常、成人にはファムシクロビルとして1回500mgを1日3回経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉腎機能障害患者では投与間隔をあけて減量することが望ましく、腎機能に応じた本剤の投与量及び投与間隔の目安は次のとおりである〔7.2、9.2腎機能障害患者、9.8高齢者の項、16.6.1参照〕[腎機能に応じた本剤の減量の目安(外国人における成績をもとに設定した);クレアチニンクリアランス≧60mL/分:通常用法・用量1回250mg1日3回の単純疱疹には1回250mg1日3回、クレアチニンクリアランス≧60mL/分:通常用法・用量1回1000mgを2回の単純疱疹には1回1000mgを2回、クレアチニンクリアランス≧60mL/分:通常用法・用量1回500mg1日3回の帯状疱疹には1回500mg1日3回、クレアチニンクリアランス40-59mL/分:通常用法・用量1回250mg1日3回の単純疱疹には1回250mg1日3回、クレアチニンクリアランス40-59mL/分:通常用法・用量1回1000mgを2回の単純疱疹には1回500mgを2回、クレアチニンクリアランス40-59mL/分:通常用法・用量1回500mg1日3回の帯状疱疹には1回500mg1日2回、クレアチニンクリアランス20-39mL/分:通常用法・用量1回250mg1日3回の単純疱疹には1回250mg1日2回、クレアチニンクリアランス20-39mL/分:通常用法・用量1回1000mgを2回の単純疱疹には500mg単回、クレアチニンクリアランス20-39mL/分:通常用法・用量1回500mg1日3回の帯状疱疹には1回500mg1日1回、クレアチニンクリアランス<20mL/分:通常用法・用量1回250mg1日3回の単純疱疹には1回250mg1日1回、クレアチニンクリアランス<20mL/分:通常用法・用量1回1000mgを2回の単純疱疹には250mg単回、クレアチニンクリアランス<20mL/分:通常用法・用量1回500mg1日3回の帯状疱疹には1回250mg1日1回]。
7.2. 〈効能共通〉血液透析患者には本剤250mgを透析直後に投与する(なお、次回透析前に追加投与は行わない)〔7.1、9.2腎機能障害患者、9.8高齢者の項、16.6.1参照〕。
7.3. 〈単純疱疹に対して1回250mgを1日3回投与する場合〉本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始すること。
7.4. 〈単純疱疹に対して1回250mgを1日3回投与する場合〉本剤は、原則として、1回250mgを1日3回5日間使用すること(改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、速やかに他の治療に切り替えること)。
7.5. 〈単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合〉単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合、単純疱疹(口唇ヘルペス又は性器ヘルペス)の同じ病型の再発を繰り返す患者であることを臨床症状に基づき確認すること。
7.6. 〈単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合〉本剤の服用は、初期症状発現後、速やかに開始することが望ましい[初期症状発現から6時間経過後に服用を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない]。また、臨床試験において、2回目の投与は、初回投与後12時間後(許容範囲として6~18時間後)に投与された〔8.3参照〕。
7.7. 〈単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合〉次回の再発分として処方する場合は、次の点に注意すること。
・ 単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与で次回の再発分として処方する場合、再発を繰り返す患者であることは、再発頻度が年間概ね3回以上などの病歴を参考に判断すること〔17.1.2参照〕。
・ 単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与で次回の再発分として処方する場合、再発の初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)を正確に判断可能な患者であることを確認すること。
・ 単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与で次回の再発分として処方する場合、再発頻度及び患者の腎機能の状態等を勘案し、本剤の処方時に、服用時の適切な用法・用量が選択可能な場合にのみ処方すること。
・ 単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与で次回の再発分として処方する場合、1回の再発分の処方に留めること。
7.8. 〈単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合〉国内臨床試験は、口唇ヘルペス又は性器ヘルペスの患者を対象に本剤の有効性及び安全性の検討を目的として実施された〔17.1.2参照〕。
7.9. 〈帯状疱疹〉本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始すること(なお、目安として、皮疹出現後5日以内に投与を開始することが望ましい)。
7.10. 〈帯状疱疹〉本剤は、原則として、7日間使用すること(改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、速やかに他の治療に切り替えること)。
腎機能障害患者
8.1. 〈効能共通〉意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
8.2. 〈効能共通〉急性腎障害があらわれることがあるので、腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.3参照〕。
8.3. 〈単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合〉初回の服用は初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)出現後6時間以内に服用すること、2回目は、初回服用後12時間後(許容範囲として6~18時間後)に服用すること、単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合、妊娠又は妊娠している可能性がある場合には、服用しないことを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認したうえで処方すること(単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合)〔7.6参照〕。
9.1.1. 免疫機能低下(造血幹細胞移植、臓器移植、HIV感染による)を伴う患者:有効性及び安全性は確立していない。
腎機能障害患者:投与間隔をあけて減量するなど注意すること(腎クリアランスの低下に伴い、高い血中濃度が持続するおそれがある)〔7.1、7.2、9.8高齢者の項、16.6.1参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:プロベネシド[プロベネシドと併用した場合、本剤の活性代謝物であるペンシクロビルは排泄が抑制され、ペンシクロビルの血漿中濃度半減期の延長及び血漿中濃度曲線下面積が増加するおそれがある(本剤の活性代謝物であるペンシクロビルは主として腎臓の尿細管分泌により排泄されることから、プロベネシドによりペンシクロビルの排泄が抑制される可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 精神神経症状(頻度不明):錯乱、幻覚、意識消失、痙攣、せん妄、脳症、意識障害(昏睡)、てんかん発作などがあらわれることがある。錯乱は主に高齢者であらわれることが報告されている〔9.8高齢者の項参照〕。
11.1.2. 重篤な皮膚障害(頻度不明):中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑等の重篤な皮膚反応があらわれることがある。
11.1.3. 急性腎障害(頻度不明)〔8.2参照〕。
11.1.4. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。
11.1.5. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):蕁麻疹、血圧低下、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.6. 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、血小板減少性紫斑病(いずれも頻度不明)。
11.1.7. 呼吸抑制(頻度不明)。
11.1.8. 間質性肺炎(頻度不明)。
11.1.9. 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)。
11.1.10. 急性膵炎(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、傾眠、めまい、(0.1%未満)鎮静、失見当識、意識障害。
2). 腎臓:(0.1~5%未満)尿中蛋白陽性、BUN増加、血中クレアチニン増加、尿中血陽性、(0.1%未満)尿失禁、尿円柱、尿中白血球、尿中赤血球。
3). 血液:(0.1~5%未満)白血球数増加、白血球数減少、赤血球数減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、好酸球増加、血小板数増加、(0.1%未満)血小板減少症、好中球減少、好中球増加、単球増加、リンパ球増加、リンパ球減少、ヘマトクリット増加。
4). 肝臓:(0.1~5%未満)ALT増加、AST増加、LDH増加、尿中ウロビリノーゲン増加、γ-GTP増加、ALP増加、黄疸。
5). 消化器:(0.1~5%未満)下痢、悪心、腹部不快感、腹痛、口渇、嘔吐、口唇乾燥、便秘、(0.1%未満)胃炎、白色便、口内炎、食欲減退。
6). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、(0.1%未満)蕁麻疹、(頻度不明)そう痒症。
7). 皮膚:(頻度不明)白血球破砕性血管炎。
8). 循環器:(0.1~5%未満)動悸、(0.1%未満)高血圧。
9). その他:(0.1~5%未満)CK増加、血中カリウム増加、倦怠感、発熱、尿糖陽性、(0.1%未満)浮腫、総蛋白減少、咳嗽、異常感、筋力低下、CK減少、口腔咽頭痛、(頻度不明)胸部不快感。
発現頻度は使用成績調査の結果を含む。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある)〔7.1、7.2、9.2腎機能障害患者の項、11.1.1、16.6.1、16.6.3参照〕。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること〔16.3.4参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている)〔16.3.4参照〕。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. 〈効能共通〉PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.1.2. 〈単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合〉次回の再発分として処方する場合は、湿気を避けるためにアルミ袋に入れて保存するよう指導すること。
14.2. 薬剤服用時の注意本剤は主薬の苦味を防ぐため、コーティングを施しているので、錠剤をつぶすことなく服用させること。
20.1. 外箱開封後、光を避けて保存すること。本剤は光により変色することがある(変色したものは使用しない)。
20.2. ピロー開封後、湿気を避けて保存すること。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. ラット及びイヌにそれぞれ10週間、6ヶ月間経口投与した結果、ラットでは500mg/kg/日以上の投与で、イヌでは150mg/kg/日以上の投与で、精子濃度低下、精巣重量減少・精巣萎縮が認められた。また、ヒトにおいて行われた、1回250mg1日2回18週間反復投与試験では、精子に対する影響は認められていない。
15.2.2. ラット及びマウスに2年間経口投与した結果、600mg/kg/日投与で雌ラットに乳腺腺がんの出現率の増加がみられた。
15.2.3. ペンシクロビルは、マウスリンパ腫培養細胞を用いた試験で、1000μg/mL以上で染色体異常の頻度を有意に増加させ、ヒトリンパ球を用いた試験では、250μg/mL以上で染色体異常の頻度を増加させた。また、マウスの小核試験では、骨髄毒性を示す500mg/kg以上を静脈内投与したときに、小核を有する多染性赤血球の出現率を増加させた。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人にファムシクロビル250、500、1000mgを単回経口投与したとき、ファムシクロビルは速やかに代謝され、血漿中には活性代謝物であるペンシクロビルが検出された。血漿中ペンシクロビルの薬物速度論的パラメータは次記の通りであった(表16‐1参照)。ペンシクロビルのCmax及びAUCは投与量の増加に伴って、用量相関的に増加した。
表16‐1 健康成人にファムシクロビルを単回経口投与したときのペンシクロビルの薬物速度論的パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.2 反復投与
健康成人にファムシクロビル750mg注)を1日3回5日間反復経口投与したとき、反復による蓄積性は認められず、薬物動態に変化は認められなかった。
注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人にはファムシクロビルとして1回250mg(単純疱疹)又は500mg(帯状疱疹)を1日3回経口投与する。また、再発性の単純疱疹の場合は、通常、成人にはファムシクロビルとして1回1000mgを2回経口投与することもできる。」である。
16.1.3 生物学的同等性試験
ファムシクロビル錠250mg「タカタ」とファムビル錠250mgをクロスオーバー法により、健康成人男子30名にそれぞれ1錠(ファムシクロビルとして250mg)を空腹時に単回経口投与し、投与前、投与後0.17、0.33、0.5、0.75、1、1.25、1.5、1.75、2、3、4、6及び8時間に前腕静脈から採血した。LC/MS/MSにより測定したペンシクロビル(ファムシクロビルの活性代謝物)の平均血漿中濃度の推移及びパラメータは次のとおりであり、統計解析にて90%信頼区間を求めた結果、評価パラメータの対数値の平均値の差はlog(0.80)~log(1.25)の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された。
図16‐1 血漿中濃度

表16‐2 薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 生物学的利用率
健康成人にファムシクロビル500mgを経口投与及びペンシクロビル400mgを静脈内投与して算出した絶対的生物学的利用率は77±8%であった(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
食事により血漿中ペンシクロビルのTmaxは僅かに遅延し、Cmax及びAUCは僅かに減少したが、臨床上特に問題となる変化ではなかった。
16.2.3 吸収部位
ラットに14C標識ファムシクロビルを投与した検討より、ファムシクロビルの吸収部位は小腸上部であり、胃からの吸収は少ないことが示唆されている。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
健康成人にペンシクロビル400mgを1時間静脈内投与したときの分布容積は、85.3±13.7Lであった(外国人データ)。
16.3.2 血漿蛋白結合率
ペンシクロビル:6.4~16.0%(in vitro)
16.3.3 血球移行性(血液/血漿比)
ペンシクロビル:1.07~1.17(in vitro)
16.3.4 乳汁及び胎児移行
授乳中ラットに14C標識ファムシクロビル40mg/kgを経口投与したとき、Tmax(投与後0.5時間)の乳汁中に、血漿中の約8倍の放射能濃度が認められたが、投与後24時間にはほとんど消失した。また、同用量を妊娠ラットに経口投与したとき、母獣の血漿中放射能濃度より低濃度であるが胎児への移行が認められた。[9.5、9.6参照]
16.4 代謝
ファムシクロビルは、経口投与後、脱アセチル化により6‐デオキシペンシクロビルを経て、ペンシクロビルに酸化される。
ヒト肝を用いた検討において、6‐デオキシペンシクロビルからペンシクロビルへの酸化的代謝活性は、ミクロゾームにはほとんど認められず、サイトゾールで高い活性を示した。またその反応にはアルデヒドオキシダーゼの関与が示唆された。
16.5 排泄
健康成人にファムシクロビル250~1000mgを単回経口投与したとき、ペンシクロビルの主な排泄経路は尿中であり、24時間以内の尿中にペンシクロビル及び6‐デオキシペンシクロビルがそれぞれ投与量の53.35~60.92%及び5.06~6.40%排泄され、ファムシクロビルは検出されなかった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
腎機能障害者にファムシクロビル500mgを単回経口投与したとき、腎機能の低下に伴い、ペンシクロビルのCmax及びAUCの増加、t1/2の延長及び尿中排泄率の減少が観察された(表16‐3参照)。クレアチニンクリアランス値の低下に従いペンシクロビルの腎クリアランスは直線的な低下を示し、ペンシクロビルの消失は腎機能低下の程度により影響を受けることが確認された(外国人データ)。[7.1、7.2、9.2、9.8参照]
表16‐3 腎機能障害者にファムシクロビル500mgを単回経口投与したときのペンシクロビルの薬物速度論的パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.6.2 肝機能障害者
代償性の慢性肝疾患患者にファムシクロビル500mgを単回経口投与したとき、健康成人に比べて、ペンシクロビルのCmaxの低下、Tmaxの延長がみられたものの、t1/2及びAUCには差を認めなかった。この結果から、肝障害のある患者における用量調節は必要ないと考えられた(外国人データ)。
16.6.3 高齢者
高齢者(65~73歳、クレアチニンクリアランス値平均85mL/min)にファムシクロビル250mgを単回経口投与したとき、ペンシクロビルのCmax及びAUCは健康成人(20~27歳、クレアチニンクリアランス値平均89mL/min)に比べて高かったものの、その変化の程度は小さかった。[9.8参照]
16.7 薬物相互作用
ファムシクロビルと、アロプリノール、テオフィリン又はジゴキシンとの併用投与により、ファムシクロビル及びこれら併用薬剤の薬物動態に臨床的に有意な変化は認められなかった。また、ファムシクロビルとシメチジン、プロメタジンとの併用投与により、ファムシクロビルの薬物動態に臨床的に有意な変化は認められなかった(外国人データ)。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈単純疱疹に対して1回250mgを1日3回投与する場合〉
17.1.1 国内第III相試験
国内で実施されたバラシクロビル塩酸塩対照二重盲検比較試験(計71施設、555例)において、「全ての単純疱疹の病変部位が治癒するまでの日数」で、ファムシクロビル(1回250mg1日3回投与)のバラシクロビル塩酸塩(1回500mg1日2回投与)に対する非劣性が検証された(ハザード比0.918、信頼区間0.774~1.088)。
また、Kaplan‐Meier曲線の比較では、ファムシクロビルとバラシクロビル塩酸塩の「全ての単純疱疹の病変部位の治癒率」の推移は概して相似しており、「全ての単純疱疹の病変部位が治癒するまでの日数」の50%点はいずれも6日であった(添付文書の図17‐1参照)。
図17‐1 治癒までの日数に関するKaplan‐Meier Plot

ファムシクロビル群の副作用発現頻度は8.9%(25/281例)であった。主な副作用は、傾眠2.1%(6/281例)、口渇1.1%(3/281例)であった。
〈単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合〉
17.1.2 国内第III相試験
国内で実施された再発性の単純疱疹(口唇ヘルペス又は性器ヘルペスの同じ病型の再発頻度が年間3回以上)患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(計96施設、有効性解析対象集団として373例)において、被験者に事前にファムシクロビル又はプラセボを配布され、再発の初期症状発現後6時間以内にファムシクロビル1000mg又はプラセボを服薬し、初回服薬から12時間後(許容範囲として6~18時間後)にファムシクロビル1000mg又はプラセボを服薬した。その結果、「単純疱疹のすべての病変部位が治癒するまでの時間」について、ファムシクロビル(1回1000mg2回投与)のプラセボに対する優越性が検証された(P=0.008、ハザード比1.33、95%信頼区間1.08~1.64)。[7.7、7.8参照]
ファムシクロビル群の副作用発現頻度は5.3%(14/263例)であった。主な副作用は、傾眠1.1%(3/263例)であった。
〈帯状疱疹〉
17.1.3 国内第III相試験
国内で実施されたアシクロビル対照二重盲検比較試験(計50施設、471例)において、病変部位が完全痂皮化するまでの日数で、ファムシクロビル(1回500mg1日3回投与)のアシクロビル(1回800mg1日5回投与)に対する非劣性が検証された(ハザード比1.080、信頼区間0.888~1.312)。また、ファムシクロビルとアシクロビルの完全痂皮化率の推移は概して相似しており、完全痂皮化までの日数の50%点はいずれも7日であった。
ファムシクロビル群の副作用発現頻度は10.7%(25/233例)であった。主な副作用は、ALT増加2.6%(6/233例)、頭痛1.7%(4/233例)、AST増加1.3%(3/233例)であった。

18.1 作用機序
ファムシクロビルは服用後速やかに代謝を受け活性代謝物ペンシクロビルに変換される。
ペンシクロビルはヘルペス群ウイルス感染細胞内において、ウイルス由来のチミジンキナーゼにより一リン酸化され、更に宿主細胞由来キナーゼにより三リン酸化体(PCV‐TP)となる。感染細胞内において、PCV‐TPはウイルスDNAポリメラーゼの基質の1つであるデオキシグアノシン三リン酸化体(dGTP)と競合的に拮抗することにより、ウイルスDNAポリメラーゼ阻害作用を示す。また、ウイルスDNAポリメラーゼの基質としてウイルスDNAに取り込まれることにより、ウイルスDNA鎖伸長阻害作用を示す。以上の作用によりウイルスの増殖を抑制すると考えられる。ペンシクロビルリン酸化の第一段階である一リン酸化は感染細胞内に存在するウイルス由来チミジンキナーゼによるため、ウイルス非感染細胞に対する影響は少ないものと考えられる。
また、単純ヘルペスウイルス1型及び2型感染細胞内におけるPCV‐TPの半減期はそれぞれ10時間及び20時間、水痘・帯状疱疹ウイルス感染細胞内におけるPCV‐TPの半減期は9.1時間であった。
18.2 抗ウイルス作用
活性代謝物ペンシクロビルは単純ヘルペスウイルス1型及び2型、水痘・帯状疱疹ウイルスに対して抗ウイルス作用(培養細胞におけるウイルス増殖抑制作用)を示し、そのIC50値は単純ヘルペスウイルス1型及び2型に対してはそれぞれ0.4~0.6μg/mL及び1.1~2.4μg/mL、水痘・帯状疱疹ウイルスに対しては1.9~5.1μg/mLであった。

一包可:不可
分割:不可
粉砕:不明

主薬の苦味を防ぐため、コーティングを施しているので、錠剤をつぶすことなく服用させる。

製造販売会社
高田製薬
販売会社
 

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