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エジュラント錠25mg

販売名
エジュラント錠25mg
識別コード
TMC 25
薬価
25mg1錠 2019.20円
製造メーカー
ヤンセンファーマ

添付文書情報2023年08月改定(第5版)

商品情報

薬効分類名
抗ウイルス剤
一般名
リルピビリン塩酸塩錠
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. リファンピシン投与中、カルバマゼピン投与中、フェノバルビタール投与中、フェニトイン投与中、ホスフェニトイン投与中、デキサメタゾン<全身投与><単回投与を除く>投与中、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品摂取中(St.John’s Wort)、プロトンポンプ阻害剤投与中(オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、エソメプラゾール、ボノプラザンフマル酸塩、アスピリン・ボノプラザンフマル酸塩)の患者〔10.1参照〕。
効能・効果
HIV-1感染症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈併用薬共通〉本剤による治療にあたっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。
5.2. 〈カボテグラビル経口剤以外の抗HIV薬併用時〉抗HIV薬の治療経験がなく、HIV-1 RNA量100000copies/mL以下の患者に使用すること〔17.1.1、17.1.2参照〕。
5.3. 〈カボテグラビル経口剤以外の抗HIV薬併用時〉海外臨床第3相試験の併合解析において本剤によるウイルス学的失敗例では、エファビレンツによるウイルス学的失敗例よりも、ラミブジン/エムトリシタビンへの耐性変異の発現割合が高かった(また、ベースラインCD4陽性リンパ球数少ない被験者[<200cells/μL]では、ベースラインCD4陽性リンパ球数が多い被験者(≧200cells/μL)と比べてウイルス学的失敗例の割合が高かった)。本剤による治療開始時には、これらの情報について考慮すること〔17.1.1、17.1.2参照〕。
5.4. 〈カボテグラビル経口剤併用時〉本剤は、ウイルス学的失敗の経験がなく、切り替え前6ヵ月間以上においてウイルス学的抑制が得られており、リルピビリン及びカボテグラビルに対する耐性関連変異を持たず、本剤への切り替えが適切であると判断される抗HIV薬既治療患者に使用すること〔17.1.3-17.1.5参照〕(ウイルス学的抑制:ヒト免疫不全ウイルス[HIV]-1 RNA量が50copies/mL未満)。
5.5. 〈カボテグラビル経口剤併用時〉本剤は次の場合に使用すること[1)長期作用型の薬剤であるリルピビリン注射剤の投与に先立って、経口導入としてリルピビリンへの忍容性を確認する、2)リルピビリン注射剤を予定するスケジュール通りに投与できない場合の代替薬として使用する]。
用法・用量
通常、成人にはリルピビリンとして1回25mgを1日1回食事中又は食直後に経口投与する。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈併用薬共通〉本剤とリファブチンを併用する場合は、本剤を50mg1日1回に増量すること(なお、リファブチンの併用を中止した場合は、本剤を25mg1日1回に減量すること)〔10.2、16.7参照〕。
7.2. 〈カボテグラビル経口剤以外の抗HIV薬併用時〉非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)を2剤併用したときの有用性が示されていないので、他のNNRTIとの併用は避けることが望ましい。
7.3. 〈カボテグラビル経口剤併用時〉カボテグラビル経口剤併用時、リルピビリン注射剤及びカボテグラビル注射剤の併用療法の経口導入として用いる場合には、本剤をカボテグラビル経口剤との併用により1ヵ月間(少なくとも28日間)を目安に経口投与し、リルピビリン及びカボテグラビルに対する忍容性を確認すること。
7.4. 〈カボテグラビル経口剤併用時〉カボテグラビル経口剤併用時、リルピビリン注射剤を投与予定日の7日後までに投与できない場合は、本剤による代替投与が可能であるが、次の点に留意すること[1)本剤による代替投与可能な期間は2ヵ月間までであること(本剤による代替期間が2ヵ月間を超える場合は、他の抗HIV薬へ切り替えることを考慮すること)、2)リルピビリン注射剤を再開する際にはリルピビリン注射剤の電子添文を参照すること]。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
8.1.1. 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
8.1.2. 本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
8.1.3. 本剤を処方どおりに毎日服用すること。また、担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。
8.1.4. 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に担当医に相談すること。
8.2. 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている(投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染に対する炎症反応(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等が発現することがあり、また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること)。
9.1.1. 不整脈を起こしやすい患者:低カリウム血症、著しい徐脈、急性心筋虚血、うっ血性心不全、先天性QT延長症候群等の患者では、QT延長により不整脈が発現するおそれがある(本剤75mg及び300mg投与時にQT延長が認められている)〔10.2、17.3.1参照〕。
9.1.2. B型及び/又はC型肝炎ウイルス重複感染患者:定期的な肝機能検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと(海外第3相試験において、これらの患者では、肝臓関連有害事象(臨床検査値異常を含む)の発現頻度が非重複感染患者より高かった[重複感染患者33.3%(18/54例)、非重複感染患者4.9%(31/632例)])。
相互作用
本剤は主にCYP3Aにより代謝される。
10.1. 併用禁忌:1). リファンピシン<リファジン>〔2.2、16.7参照〕[本剤の血中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがある(これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される)]。
2). カルバマゼピン<テグレトール>、フェノバルビタール<フェノバール等>、フェニトイン<アレビアチン等>、ホスフェニトイン<ホストイン>〔2.2参照〕、デキサメタゾン<全身投与><単回投与を除く><デカドロン等>〔2.2参照〕、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)〔2.2参照〕[本剤の血中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがある(これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される)]。
3). プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール<オメプラール、オメプラゾン>、ランソプラゾール<タケプロン>、ラベプラゾール<パリエット>、エソメプラゾール<ネキシウム>、ボノプラザンフマル酸塩<タケキャブ>、アスピリン・ボノプラザンフマル酸塩<キャブピリン>)〔2.2、16.7参照〕[本剤の血中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがある(胃内のpH上昇により、本剤の吸収が低下する)]。
10.2. 併用注意:1). リファブチン〔7.1、16.7参照〕[本剤の血中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがある(リファブチンのCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される)]。
2). H2遮断剤(ファモチジン、シメチジン、ニザチジン、ラニチジン)〔16.7参照〕[本剤の血中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤は、本剤投与の12時間以上前又は4時間以上後に投与すること(胃内のpH上昇により、本剤の吸収が低下する)]。
3). 制酸剤<PPI・H2ブロッカー以外>(乾燥水酸化アルミニウムゲル、沈降炭酸カルシウム等)[本剤の血中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤は、本剤投与の2時間以上前又は4時間以上後に投与すること(胃内のpH上昇により、本剤の吸収が低下する)]。
4). クラリスロマイシン、エリスロマイシン[本剤の血中濃度が上昇する可能性があるため、代替としてアジスロマイシン等を考慮すること(これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。
5). メサドン〔16.7参照〕[メサドンの血中濃度が低下することがある(機序不明)]。
6). QT延長を起こすことが知られている薬剤(アミオダロン、ソタロール等)〔9.1.1、17.3.1参照〕[QT延長、心室性頻拍<Torsade de Pointesを含む>が発現するおそれがある(本剤75mg及び300mg投与時にQT延長が認められている)]。
7). ヌクレオシド/ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤(NRTI/NtRTI):①. ジダノシン[本剤(食直後投与)とジダノシン400mg1日1回(空腹時投与)を併用したとき、本剤及びジダノシンの薬物動態に影響はみられなかった(本剤とジダノシンを併用するときは用量を調節する必要はないが、ジダノシンは空腹時に服用することが望ましいため、本剤服用(食事中又は食直後)の1時間前又は2時間後にジダノシンを投与するなど本剤と同時に投与しないこと)]。
②. テノホビル[テノホビル(フマル酸テノホビルジソプロキシル300mg1日1回)を併用したとき、テノホビルのCmax及びAUCがそれぞれ19%及び23%増加したが、本剤とテノホビルを併用するとき、用量を調節する必要はない(機序不明)]。
8). プロテアーゼ阻害剤(PI):①. ダルナビル/リトナビル[ダルナビル/リトナビル800/100mgを1日1回併用したとき、本剤のCmax及びAUCがそれぞれ79%及び130%増加したが、ダルナビル/リトナビルと併用する場合には、用量を調節する必要はない(ダルナビル/リトナビルのCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。
②. ロピナビル・リトナビル配合剤[ロピナビル・リトナビル400・100mgを1日2回併用したとき、本剤のCmax及びAUCがそれぞれ29%及び52%増加したが、ロピナビル・リトナビルと併用する場合には、用量を調節する必要はない(ロピナビル・リトナビルのCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。
③. 他のPI<ダルナビル・リトナビル・ロピナビル以外>(アタザナビル/リトナビル、ホスアンプレナビル/リトナビル)[PIとの併用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性があり、また、本剤は、PIの血中濃度に影響を与えないと推察される(PIのCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。
9). インテグラーゼ阻害剤:ラルテグラビル[ラルテグラビル400mgを1日2回併用したとき、本剤の薬物動態に影響を与えなかったが、ラルテグラビルのCmax及びAUCがそれぞれ10%及び9%増加したが、ラルテグラビルと併用する場合には、用量を調節する必要はない(機序不明)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 〈カボテグラビル経口剤以外の抗HIV薬併用時〉①. 〈カボテグラビル経口剤以外の抗HIV薬併用時〉免疫系障害:(5%未満)免疫再構築症候群。
②. 〈カボテグラビル経口剤以外の抗HIV薬併用時〉代謝及び栄養障害:(5%未満)食欲減退、(頻度不明)体脂肪再分布/体脂肪蓄積。
③. 〈カボテグラビル経口剤以外の抗HIV薬併用時〉精神障害:(5%以上)不眠症、異常な夢、うつ病、(5%未満)睡眠障害、抑うつ気分。
④. 〈カボテグラビル経口剤以外の抗HIV薬併用時〉神経系障害:(5%以上)頭痛、浮動性めまい、(5%未満)傾眠。
⑤. 〈カボテグラビル経口剤以外の抗HIV薬併用時〉胃腸障害:(5%以上)悪心、腹痛、嘔吐、(5%未満)腹部不快感、口内乾燥。
⑥. 〈カボテグラビル経口剤以外の抗HIV薬併用時〉皮膚及び皮下組織障害:(5%以上)発疹。
⑦. 〈カボテグラビル経口剤以外の抗HIV薬併用時〉一般・全身障害及び投与部位の状態:(5%以上)疲労。
⑧. 〈カボテグラビル経口剤以外の抗HIV薬併用時〉臨床検査:(5%以上)低リン酸血症、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、白血球数減少、AST増加、ALT増加、高ビリルビン血症、総コレステロール増加、低血糖、高血糖、LDLコレステロール増加、膵型アミラーゼ増加、リパーゼ増加、(5%未満)ALP増加、ヘモグロビン減少、トリグリセリド増加。
2). 〈カボテグラビル経口剤併用時〉①. 〈カボテグラビル経口剤併用時〉精神・神経系:(1~10%未満)頭痛、不安、異常な夢、不眠症、浮動性めまい、(1%未満)うつ病、傾眠。
②. 〈カボテグラビル経口剤併用時〉消化器:(1~10%未満)悪心、下痢、(1%未満)嘔吐、腹痛、鼓腸。
③. 〈カボテグラビル経口剤併用時〉皮膚:(1~10%未満)発疹。
④. 〈カボテグラビル経口剤併用時〉筋骨格:(1~10%未満)筋肉痛。
⑤. 〈カボテグラビル経口剤併用時〉全身症状:(1~10%未満)発熱、疲労、無力症、倦怠感。
⑥. 〈カボテグラビル経口剤併用時〉肝臓:(頻度不明)肝機能障害。
⑦. 〈カボテグラビル経口剤併用時〉臨床検査:(1%未満)体重増加、トランスアミナーゼ上昇、リパーゼ増加、(頻度不明)総ビリルビン上昇。
カボテグラビル製剤併用時の経口剤及び注射剤における発現頻度。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(本剤は主として肝臓で代謝されるが、一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある)。
授乳婦
9.5.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.5.2. 妊娠中期及び妊娠後期の妊婦に本剤を投与したとき、出産後と比較し、リルピビリンの血中濃度低下が認められている〔16.6.4参照〕。
授乳を避けさせること(リルピビリンは、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されているが、ヒトにおける乳汁への移行は不明である)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
20.1. 本剤は遮光保存する必要があるため、服用直前にボトルから取り出すよう指導すること。

16.1 血中濃度
16.1.1 日本人における成績
健康成人に本剤25mgを食後に単回経口投与したとき、血漿中リルピビリン濃度は投与後5時間(中央値)に最高血漿中濃度[144.3ng/mL(平均値)]に達し、約43時間(平均値)の消失半減期で消失した。
平均AUC∞は4542ng・h/mLであった(表1、添付文書の図1)。
表1 日本人健康成人に本剤25mgを食後単回経口投与したときの血漿中リルピビリンの薬物動態パラメータ
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図1 日本人健康成人に本剤25mgを食後単回経口投与したときの血漿中リルピビリン濃度-時間推移(平均値+標準偏差、n=8)

16.1.2 外国人における成績
健康成人に本剤25mgを食後に単回経口投与したとき、血漿中リルピビリン濃度は投与後4~5時間(中央値)に最高血漿中濃度[109ng/mL(平均値)]に達し、約45時間(平均値)の消失半減期で消失した。平均AUC∞は3403ng・hr/mLであった(添付文書の図2)。
図2 外国人健康成人に本剤25mgを単回経口投与したときの血漿中リルピビリン濃度-時間推移(平均値+標準偏差、n=34~35)

抗HIV薬による治療経験のないHIV‐1感染患者に、本剤25mgを1日1回反復経口投与した第III相試験の成績を用いた母集団薬物動態解析より得た血漿中リルピビリンの薬物動態パラメータ(推定値)を表2に示す。HIV‐1感染患者における血漿中リルピビリンの曝露量は健康成人より低値であった。
表2 外国人HIV‐1感染患者における血漿中リルピビリンの薬物動態パラメータ推定値[第III相試験(C209及びC215試験)の96週時併合解析]
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16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人に本剤75mgを、空腹時に単回経口投与したときの血漿中リルピビリンのAUCは、食直後に単回経口投与したときと比較して約40%低かった。また、高蛋白質栄養飲料摂取後に本剤75mgを経口投与したときの血漿中リルピビリンのAUCは、食直後(標準食)に経口投与したときと比較して50%低かった。(外国人データ)
16.3 分布
In vitro試験におけるリルピビリンの血漿蛋白結合率は約99.7%であり、主にアルブミンに結合した(平衡透析法)。
16.4 代謝
In vitro試験で、リルピビリンは主にCYP3Aにより代謝された。
16.5 排泄
健康成人に14C‐リルピビリン(液剤)150mgを単回経口投与したとき、投与した総放射能の85%(平均値)が糞中、6.1%(平均値)が尿中から回収された。糞中及び尿中の未変化体の割合は、それぞれ投与量の25%(平均値)及び1%未満であった。(外国人データ)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
軽度肝機能障害(Child‐PughスコアA、8例)及び中等度肝機能障害(Child‐PughスコアB、8例)患者に本剤25mgを1日1回反復経口投与したときの血漿中リルピビリンのAUC24は、健康成人と比較してそれぞれ47%及び5%高かった(表3)。軽度肝機能障害及び中等度肝機能障害患者に本剤を投与するとき、用量を調節する必要はない。なお、重度肝機能障害患者(Child‐PughスコアC)を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)
表3 健康成人及び肝機能障害患者に本剤25mgを反復経口投与したときの血漿中リルピビリンの薬物動態パラメータ
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16.6.2 B型肝炎ウイルス及び/又はC型肝炎ウイルス重複感染患者
母集団薬物動態解析の結果、B型肝炎ウイルス及び/又はC型肝炎ウイルスとHIV‐1の重複感染患者の血漿中リルピビリンのAUC24及びC0に、臨床上問題となる影響はなかった。(外国人データ)
16.6.3 腎機能障害患者
腎機能障害患者を対象とした試験は実施していないが、リルピビリンの腎排泄は限定的であるため、腎機能障害によりリルピビリンの排泄にほとんど影響を及ぼさないと推察される。リルピビリンは血漿蛋白結合率が高いことから、血液透析や腹膜透析により除去される可能性は低い。(外国人データ)
16.6.4 妊婦、産婦への投与
妊娠中期のHIV‐1感染患者(15例)に、本剤25mgを1日1回投与したとき、リルピビリンのCmax、AUC24h及びCminは、出産後(6~12週;11例)と比較してそれぞれ21%、29%及び35%減少し、妊娠後期(13例)では、それぞれ20%、31%及び42%減少した。(外国人データ)[9.5.2参照]
16.7 薬物相互作用
本剤と主な薬剤の併用による薬物動態への影響を次表に示す(表4及び表5)。(外国人データ)[7.1、10.参照]
なお、アバカビル、エムトリシタビン、ラミブジン、サニルブジン、ジドブジンは主に腎排泄型であり、本剤と排泄経路が異なる。本剤はこれらの薬剤と相互作用を示さないと推察される。
表4 併用薬投与時のリルピビリン(150mg1日1回投与)の薬物動態パラメータの比
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表5 リルピビリン製剤(150mg1日1回)投与時の併用薬の薬物動態パラメータの比
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17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈カボテグラビル経口剤以外の抗HIV薬併用時〉
17.1.1 抗HIV薬の使用経験のないHIV‐1感染患者を対象とした海外臨床試験(第III相試験):C209試験(ECHO試験)及びC215試験(THRIVE試験)
抗HIV薬の使用経験のないHIV‐1感染患者1368例を対象とし、リルピビリン(RPV)25mg及び背景治療(BR)の1日1回投与と、エファビレンツ(EFV)600mg及びBRの1日1回投与の無作為割付け、二重盲検の実薬対照による臨床第III相比較試験を2試験実施した。両試験はBRを除き同一のデザインであり、ECHO試験のBRはTDF/FTCとし、THRIVE試験ではABC/3TC、AZT/3TC、TDF/FTCから医師がBRを選択した。両試験の併合解析において両群の患者背景及び疾患特性に偏りはみられず、RPV+BR群686例の年齢中央値は36歳(範囲18-78)、男性が76%、人種は白人が61%、黒人又はアフリカ系アメリカ人24%、アジア人11%、その他が2%、規制により聴取不可が1%であった。ベースラインのHIV RNA量中央値は5.0log10copies/mL(範囲2-7)、CD4陽性リンパ球数の中央値は249cells/μL(範囲1-888)、BRはTDF/FTCが80.2%、AZT/3TCが14.7%、ABC/3TCが5.1%であった。48週及び96週時の臨床成績を表1及び2に示す。[5.2、5.3参照]
表1 48週及び96週時の臨床成績の概要
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表2 ベースラインHIV RNA量別、ベースラインCD4陽性リンパ球数別、BR別48週及び96週時のウイルス学的効果注1)(HIV RNA量<50copies/mL)及びウイルス学的失敗例注2)
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48週時のCD4陽性リンパ球数のベースラインからの増加量の平均値はRPV+BR群で192cells/μL、EFV+BR群で176cells/μLであった[推定された投与群間差は17.9(95%信頼区間2.1~33.6)]。また、96週時のCD4陽性リンパ球数のベースラインからの増加量の平均値はRPV+BR群で228cells/μL、EFV+BR群で219cells/μLであった[推定された投与群間差は11.3(95%信頼区間-6.8~29.4)]。
17.1.2 抗HIV薬の使用経験のないHIV‐1感染患者を対象とした海外臨床試験(第IIb相試験):C204試験
抗HIV薬の使用経験のないHIV‐1感染患者368例を対象とし、3用量のRPV(25mg、75mg、150mg)及びBRの1日1回投与とEFV600mg及びBRの1日1回投与の無作為割付け、実薬対照による臨床第IIb相比較試験を実施した。96週時までを用量設定相(RPV投与群のみ盲検化)、96週以降を長期投与相(非盲検)とした。BRはAZT/3TC、TDF/FTCから医師がBRを選択した。96週までのウイルス学的効果(HIV RNA量<50copies/mL)を表3に、96週以降240週までのウイルス学的効果を表4に示す。96週時におけるウイルス学的効果が認められた被験者の割合はRPV25mg+BR群(N=93)で76.3%、EFV+BR群(N=89)で70.8%であった。CD4陽性リンパ球数のベースラインからの増加量の平均値はRPV25mg+BR群で146cells/μL、EFV+BR群で160cells/μLであった。96週時においてウイルス学的効果が認められた被験者のうち、RPV+BR群では74%、EFV+BR群では81%が、240週時もウイルス学的効果を維持していた。[5.2、5.3参照]
表3 96週まで(用量設定相)のウイルス学的効果注1)(HIV RNA量<50copies/mL)
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表4 96週以降240週まで(長期投与相)のウイルス学的効果注1)(HIV RNA量<50copies/mL)
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本剤25mgが投与された93例の安全性評価を行った。本剤の有害事象は90.3%(84/93例)に認められた。主な有害事象は、悪心31例(33.3%)、上気道感染17例(18.3%)、頭痛16例(17.2%)、浮動性めまい12例(12.9%)、単純ヘルペス10例(10.8%)等であった。
〈カボテグラビル経口剤併用時〉
17.1.3 国際共同第III相試験(FLAIR:201584試験)
抗レトロウイルス療法による治療経験のない成人HIV‐1感染症患者を対象にインテグラーゼ阻害剤(INSTI)を含む1日1回1錠のレジメンからリルピビリンとカボテグラビルの併用療法に切り替えた後のウイルス学的抑制の維持の評価を目的としたランダム化非盲検比較試験に629例が組み入れられた。組み入れられた被験者にドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン配合錠[HLA‐B*5701陽性被験者では、ドルテグラビルと核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)2剤]を1日1回、20週間経口投与した。HIV‐1 RNA量が50copies/mL未満であった被験者566例(日本人患者20例を含む)のうち、リルピビリンとカボテグラビルの併用投与群(RPV+CAB群)に283例、ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン配合錠[HLA‐B*5701陽性被験者では、ドルテグラビルと核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)2剤]を継続する群(継続投与群)に283例が割り付けられた。RPV+CAB群に割り付けられた被験者には、リルピビリン経口剤25mgとカボテグラビル経口剤30mgを1日1回、少なくとも4週間併用経口投与した後、リルピビリン注射剤(1ヵ月目900mg、2ヵ月目以降600mg)とカボテグラビル注射剤(1ヵ月目600mg、2ヵ月目以降400mg)を1ヵ月間隔で44週間臀部筋肉内に併用投与した。両群の患者背景及び疾患特性に偏りはみられずRPV+CAB群の年齢中央値は34歳(範囲19-68歳)、女性22%、人種は白人76%、黒人又はアフリカ系アメリカ人17%、アジア人4%、その他が3%であった。ベースラインのCD4陽性リンパ球数350cells/mm3未満は7%であった。
主要評価項目である投与48週時のHIV‐1 RNA量が50copies/mL以上であった被験者の割合は、継続投与群の2.5%に対して、RPV+CAB群で2.1%であり、調整した群間差の95%信頼区間の上限値(2.1%)は、非劣性マージン(6%)より小さく、継続投与群に対するRPV+CAB群の非劣性が示された。48週時までにウイルス学的失敗の基準(HIV‐1 RNA量が200copies/mL未満に抑制された後、2回の連続するHIV‐1 RNA量の測定結果が200copies/mL以上)を満たした被験者はRPV+CAB群で1.4%(4/283例)、継続投与群で1.1%(3/283例)であった。48週時のベースライン特性別のHIV‐1 RNA量が50copies/mL以上であった被験者の割合は、RPV+CAB群及び継続投与群で同程度であった。日本人集団における主要評価項目である投与48週時のHIV‐1 RNA量が50copies/mL以上であった被験者は、RPV+CAB群(8例)及び継続投与群(12例)両群ともに0例であった。[5.4参照]
副作用発現頻度は、RPV+CAB群で83%(236/283例)であった。主な副作用は、注射部位疼痛78%(221/283例)、注射部位結節15%(43/283例)、注射部位硬結13%(37/283例)、注射部位腫脹8%(22/283例)、注射部位そう痒感6%(16/283例)、頭痛5%(14/283例)、発熱5%(13/283例)、注射部位紅斑4%(12/283例)、注射部位熱感3%(8/283例)及び体温上昇3%(8/283例)であった。日本人集団において2例以上にみられた副作用は、注射部位疼痛88%(7/8例)、倦怠感38%(3/8例)であった。
なお、本試験における試験成績の要約を表5に、ベースラインの特性別の48週時のHIV‐1 RNA量が50copies/mL以上の被験者の割合を表6に示した。
表5 試験成績の要約
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表6 ベースラインの特性別の48週時のHIV‐1 RNA量が50copies/mL以上の被験者の割合
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17.1.4 海外第III相試験(ATLAS:201585試験)
抗レトロウイルス療法により、少なくとも6ヵ月間ウイルス学的に抑制されている成人HIV‐1感染症患者616例を対象としたランダム化非盲検試験において、リルピビリンとカボテグラビルの併用投与群(RPV+CAB群)に308例、現行のレジメンを継続する群(継続投与群)に308例が割り付けられた。RPV+CAB群に割り付けられた被験者には、リルピビリン経口剤25mgとカボテグラビル経口剤30mgを1日1回、少なくとも4週間併用経口投与した後、リルピビリン注射剤(1ヵ月目900mg、2ヵ月目以降600mg)とカボテグラビル注射剤(1ヵ月目600mg、2ヵ月目以降400mg)を1ヵ月間隔で44週間臀部筋肉内に併用投与した。両群の患者背景及び疾患特性に偏りはみられずRPV+CAB群の年齢中央値は40歳(範囲21-74歳)、女性32%、人種は白人69%、黒人又はアフリカ系アメリカ人20%、アジア人7%、その他が3%であった。ベースラインのCD4陽性リンパ球数350cells/mm3未満は7%であった。
主要評価項目である投与48週時のHIV‐1 RNA量が50copies/mL以上であった被験者の割合は、継続投与群の1.0%に対して、RPV+CAB群で1.6%であり、調整した群間差の95%信頼区間の上限値(2.5%)は、非劣性マージン(6%)より小さく、継続投与群に対するRPV+CAB群の非劣性が示された。48週時までにウイルス学的失敗の基準(HIV‐1 RNA量が200copies/mL未満に抑制された後、2回の連続するHIV‐1 RNA量の測定結果が200copies/mL以上)を満たした被験者はRPV+CAB群で1.0%(3/308例)、継続投与群で1.3%(4/308例)であった。48週時のベースライン特性別のHIV‐1 RNA量が50copies/mL以上であった被験者の割合は、RPV+CAB群及び継続投与群で同程度であった。[5.4参照]
副作用発現頻度は、RPV+CAB群で83%(255/308例)であった。主な副作用は、注射部位疼痛74%(227/308例)、注射部位結節12%(36/308例)、注射部位硬結9%(29/308例)、注射部位腫脹7%(22/308例)、注射部位紅斑4%(12/308例)、疲労4%(11/308例)、発熱4%(11/308例)、注射部位内出血3%(10/308例)、悪心4%(11/308例)、頭痛4%(11/308例)及び不眠症3%(8/308例)であった。
なお、本試験における試験成績の要約を表7に、ベースラインの特性別の48週時のHIV‐1 RNA量が50copies/mL以上の被験者の割合を表8に示した。
表7 試験成績の要約
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表8 ベースラインの特性別の48週時のHIV‐1 RNA量が50copies/mL以上の被験者の割合
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17.1.5 海外第III相試験(ATLAS‐2M:207966試験)
抗レトロウイルス療法により、ウイルス学的に抑制されている成人HIV‐1感染症患者1045例を対象としたランダム化非盲検試験において、リルピビリンとカボテグラビルを1ヵ月間隔で併用投与する群(1ヵ月間隔投与群)に523例、2ヵ月間隔で併用投与する群(2ヵ月間隔投与群)に522例が割り付けられた。
割付け前にリルピビリンとカボテグラビルの併用療法以外の治療を受けていた被験者には、リルピビリン経口剤25mgとカボテグラビル経口剤30mgを1日1回、少なくとも4週間併用経口投与した。1ヵ月間隔投与群では、リルピビリン注射剤(1ヵ月目900mg、2ヵ月目以降1ヵ月間隔で600mg)とカボテグラビル注射剤(1ヵ月目600mg、2ヵ月目以降1ヵ月間隔で400mg)を44週間臀部筋肉内に併用投与した。2ヵ月間隔投与群では、リルピビリン注射剤(1、2ヵ月目及び以降2ヵ月間隔で900mg)とカボテグラビル注射剤(1、2ヵ月目及び以降2ヵ月間隔で600mg)を44週間臀部筋肉内に併用投与した。1ヵ月間隔投与群及び2ヵ月間隔投与群の患者背景及び疾患特性に偏りはみられず、年齢の中央値はいずれも42.0歳、性別は両群ともに男性が70%以上で、人種も70%以上が白人であり、CD4陽性リンパ球数350cells/mm3未満は、それぞれ5%及び7%であった。
主要評価項目である投与48週時のHIV‐1 RNA量が50copies/mL以上であった被験者の割合は、1ヵ月間隔投与群の1.0%に対して、2ヵ月間隔投与群で1.7%であり、調整した群間差の95%信頼区間の上限値(2.2%)は、非劣性マージン(4%)より小さく、1ヵ月間隔投与群に対する2ヵ月間隔投与群の非劣性が示された。48週時までにウイルス学的失敗の基準(HIV‐1 RNA量が200copies/mL未満に抑制された後、2回の連続するHIV‐1 RNA量の測定結果が200copies/mL以上)を満たした被験者は1ヵ月間隔投与群で0.4%(2/523例)、2ヵ月間隔投与群で1.5%(8/522例)であった。48週時のベースライン特性別のHIV‐1 RNA量が50copies/mL以上であった被験者の割合は、両群で同程度であった。[5.4参照]
副作用発現頻度は、1ヵ月間隔投与群で76%(399/523例)、2ヵ月間隔投与群で77%(400/522例)であった。1ヵ月間隔投与群の主な副作用は、注射部位疼痛68%(358/523例)、注射部位結節17%(87/523例)、注射部位硬結7%(37/523例)、注射部位不快感8%(40/523例)、注射部位腫脹5%(26/523例)、発熱5%(25/523例)、注射部位そう痒感5%(24/523例)、疲労4%(19/523例)、注射部位紅斑3%(15/523例)及び注射部位血腫3%(14/523例)であり、2ヵ月間隔投与群の主な副作用は、注射部位疼痛70%(364/522例)、注射部位結節10%(54/522例)、注射部位硬結8%(40/522例)、注射部位不快感7%(34/522例)、注射部位腫脹6%(32/522例)、注射部位そう痒感5%(26/522例)及び発熱4%(19/522例)であった。
なお、本試験における試験成績の要約を表9に、ベースラインの特性別の48週時のHIV‐1 RNA量が50copies/mL以上の被験者の割合を表10に示した。
表9 試験成績の要約
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表10 ベースラインの特性別の48週時のHIV‐1 RNA量が50copies/mL以上の被験者の割合
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17.3 その他
17.3.1 QT間隔に対する影響
健康成人60例を対象に本剤25mg(臨床用量)を1日1回反復経口投与し、本剤の定常状態時のQTcF間隔に及ぼす影響を検討した結果、QTcF間隔に対し臨床的に有意な影響は認められなかった(プラセボとの差の最大値:2.2ms)[プラセボ及び陽性対照(moxifloxacin400mg1日1回)を用いた無作為割付クロスオーバー試験]。
なお、健康成人におけるQT/QTc評価試験において、高用量のリルピビリン(75mg及び300mg)注)を1日1回反復経口投与したとき、QTcF間隔のベースラインからの変化量のプラセボとの差の平均値(95%信頼区間の上限)はそれぞれ10.7(15.3)ms及び23.3(28.4)msであった。(外国人データ)[9.1.1、10.2参照]
注)本剤の承認された1日用量は25mgである。

18.1 作用機序
リルピビリンはジアリルピリミジン骨格を有し、HIV‐1に作用するNNRTIである。リルピビリンは、HIV‐1逆転写酵素(RT)を非競合的に阻害し、ヒトDNAポリメラーゼα、β及びγを阻害しない。
18.2 抗ウイルス作用
T細胞株に急性感染させた野生型(WT)HIV‐1実験室株のIIIBに対するリルピビリンの50%有効濃度(EC50)の中央値は、0.73nmol/L(0.27ng/mL)であった。
リルピビリンはHIV‐1臨床分離株のgroup Mに対して0.07~1.01nmol/L(0.03~0.37ng/mL)、group Oに対して2.88~8.45nmol/L(1.06~3.10ng/mL)のEC50値を示した。
リルピビリンは、NRTI/NtRTI(アバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、サニルブジン及びテノホビル)、プロテアーゼ阻害剤(アンプレナビル、アタザナビル、ダルナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル及びtipranavir)、NNRTI(エファビレンツ、エトラビリン及びネビラピン)、融合阻害剤(enfuvirtide)及びCCR5阻害剤(マラビロク)との併用により相加作用を示した。NRTIであるラミブジン及びジドブジン、インテグラーゼ阻害剤であるラルテグラビルとは相加又は相乗作用を示した。
18.3 薬剤耐性
異なる由来及びサブタイプのWT又はNNRTI耐性HIV‐1株を用いたin vitro耐性獲得試験において、リルピビリン耐性株が出現した。この耐性株で最も高頻度で出現したアミノ酸変異はL100I、K101E、V108I、E138K、V179F、Y181C、H221Y、F227C及びM230Iであった。
生物学的カットオフ値(BCO)を超えるFC値[表現型耐性の指標であるEC50値の比(各種分離株に対するEC50値/WT HIV‐1株に対するEC50値)]を示した株を、リルピビリン耐性とした。
第III相試験の48週時併合解析において、本剤投与群のウイルス学的失敗例72例のうち62例にベースライン時からの耐性変異が認められた。NNRTI耐性を示すアミノ酸変異は主に、V90I、L100I、K101E、E138K、E138Q、V179I、Y181C、V189I、H221Y及びF227Cが認められた。48週時に認められた変異は96週時にも認められた。ベースライン時にみられたV90I及びV189Iは本試験で効果に影響を及ぼさなかった。リルピビリン投与期間にE138Kのアミノ酸変異が最も高い頻度で発現し、多くがM184Iのアミノ酸変異を伴っていた。
In vitro及びin vivoでの検討結果から、ベースライン時にK101E、K101P、E138A、E138G、E138K、E138R、E138Q、V179L、Y181C、Y181I、Y181V、Y188L、H221Y、F227C、M230I及びM230Lのアミノ酸変異を有する株は、リルピビリンの抗ウイルス効果に影響を及ぼす可能性があると考えられた。
18.4 交差耐性
リルピビリンは、RTにK103N及びY181C等のNNRTI耐性関連アミノ酸変異を1個導入した67株のうち64株(96%)に抗ウイルス作用を示した。リルピビリンへの感受性の低下をもたらした単一のアミノ酸変異はK101P、Y181I及びY181Vであった。K103Nのアミノ酸変異は、単一でリルピビリンに対する感受性が低下しなかったが、K103N及びL100Iの二重変異では、リルピビリンに対する感受性が7倍低下した。
エファビレンツ及びネビラピンのどちらか一方若しくは両方に耐性を示す4786株のHIV‐1組換え型臨床分離株のうち62%の株は、リルピビリンに対して感受性を維持(FC値≦BCO)していた。
第III相試験の48週時併合解析において、RPV+BR群のウイルス学的失敗62例中31例が表現型耐性検査にて本剤に対する感受性が低下していた。これらのうち28例はエトラビリン、27例はエファビレンツ、14例はネビラピンへの耐性を示した。48週時に認められた交差耐性は96週時にも認められた。
第III相試験の96週時併合解析において、本剤に耐性を示したRPV+BR群のウイルス学的失敗例の中では、ベースラインHIV RNA量が>100,000copies/mLの被験者よりもベースラインHIV RNA量が≦100,000copies/mLの被験者の方が、表現型交差耐性を示した被験者数は少なかった。本剤に耐性を示すウイルス学的失敗例において、ベースラインのHIV RNA量が≦100,000copies/mLの被験者5例のうち、3例はエファビレンツ、4例はエトラビリン、1例はネビラピンへの耐性を示した。ベースラインのHIV RNA量が>100,000copies/mLの被験者30例のうち、27例はエファビレンツ、28例はエトラビリン、15例はネビラピンへの耐性を示した。

一包可:不可

遮光保存する必要があるため、服用直前にボトルから取り出すよう指導する。

分割:不可
粉砕:不可

遮光保存する必要があるため、服用直前にボトルから取り出すよう指導する。

製造販売会社
ヤンセンファーマ
販売会社
 

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