アメナリーフ錠200mg

添付文書情報2020年12月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. リファンピシン投与中の患者〔10.1、16.7.1参照〕。
- 効能・効果
- 帯状疱疹。
- 用法・用量
- 通常、成人にはアメナメビルとして1回400mgを1日1回食後に経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始すること。なお、目安として皮疹出現後5日以内に投与を開始することが望ましい。
7.2. 本剤は、原則として7日間使用すること(改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、速やかに他の治療に切り替えること)。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1. 免疫機能の低下を伴う患者:悪性腫瘍や自己免疫性疾患など免疫機能低下を伴う患者に対する有効性及び安全性は確立していない。
- 相互作用
- アメナメビルはCYP3Aで代謝される。またCYP3A及び2B6を誘導する〔16.4参照〕。
10.1. 併用禁忌:リファンピシン<リファジン>〔2.2、16.7.1参照〕[相互に血中濃度が低下し、本剤及びこの薬剤の作用が減弱するおそれがある(本剤及びこの薬剤のCYP3A誘導作用により相互に代謝が促進されると考えられる)]。
10.2. 併用注意:1). CYP3Aの基質となる薬剤(ミダゾラム、ブロチゾラム、ニフェジピン等)〔16.7.1参照〕[これらの薬剤の血中濃度が低下し、これらの薬剤の作用を減弱するおそれがある(本剤のCYP3A誘導作用によりこれらの薬剤の代謝が促進されると考えられる)]。
2). CYP3Aを阻害する薬剤(リトナビル、クラリスロマイシン等)〔16.7.1参照〕、グレープフルーツジュース[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある(これらの薬剤が本剤の代謝を阻害すると考えられる)]。
3). シクロスポリン〔16.7.1参照〕[本剤の血中濃度が低下し本剤の作用が減弱するおそれがある(機序は不明である)]。
4). CYP3Aを誘導する薬剤(リファブチン、カルバマゼピン、フェノバルビタール等)、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[相互に血中濃度が低下し、本剤及びこれらの薬剤の作用が減弱するおそれがある(本剤及びこれらの薬剤のCYP3A誘導作用により相互に代謝が促進されると考えられる)]。
5). CYP2B6の基質となる薬剤(エファビレンツ)[この薬剤の血中濃度が低下し、この薬剤の作用を減弱するおそれがある(本剤のCYP2B6誘導作用によりCYP2B6の基質となる薬剤の代謝が促進されると考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 多形紅斑(頻度不明)。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(1%未満)薬疹(紅斑、湿疹、発疹等)。
2). 精神神経系:(頻度不明)味覚異常、頭痛、傾眠、めまい。
3). 腎臓:(1%以上)NAG増加、α1ミクログロブリン増加、(1%未満)BUN増加、尿中蛋白陽性、(頻度不明)血中クレアチニン増加。
4). 血液:(1%以上)FDP増加、(1%未満)好塩基球数増加、好酸球数増加、リンパ球数増加、赤血球数減少、白血球数減少、白血球数増加、血小板数増加、(頻度不明)ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、貧血。
5). 肝臓:(1%未満)ALP増加、肝機能異常、肝機能検査異常、肝酵素上昇、ALT増加、直接ビリルビン増加、血中ビリルビン増加、(頻度不明)γ-GTP増加、AST増加。
6). 消化器:(1%未満)下痢、胃炎、悪心、(頻度不明)腹部不快感、腹痛、便秘、放屁、嘔吐、口渇、食欲減退。
7). 循環器:(1%以上)QT延長、(1%未満)高血圧、血圧上昇、ST上昇、(頻度不明)心拍数増加。
8). その他:(1%未満)血中尿酸増加、尿糖陽性、歯周炎、歯膿瘍、アミラーゼ増加、血中クロール減少、(頻度不明)倦怠感、血中カリウム増加、浮腫、発熱、鼻咽頭炎、四肢痛、血中コレステロール増加、総蛋白減少。
- 高齢者
- 一般に、生理機能が低下している〔16.6.4参照〕。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(マウス)において胎盤に移行することが報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(マウス)において乳汁中に移行することが報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人(各6例)にアメナメビル100、300、600mgを空腹時に単回経口投与したとき注)、アメナメビルの薬物動態パラメータは次のとおりであった。
図 単回投与時の平均血漿中未変化体濃度の推移
表 単回投与時の薬物動態パラメータ
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16.1.2 反復投与
健康成人(各6例)に朝食後アメナメビル300、600mgを1日1回、7日間反復経口投与したとき注)、アメナメビルの薬物動態パラメータは次のとおりであった。
表 反復投与時の薬物動態パラメータ
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16.1.3 母集団薬物動態解析
帯状疱疹患者から得られたアメナメビルの血漿中薬物濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を実施した。アメナメビル400mgを投与された帯状疱疹患者の定常状態における薬物動態パラメータの推定値は、Cmaxが1.94μg/mL、AUCが22.94μg・h/mLであった。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人(24例)に本剤800mgを空腹時に投与したとき注)、アメナメビルのCmax及びAUCは食後投与と比較してそれぞれ約0.64倍及び0.52倍に減少した(外国人データ)。
16.3 分布
In vitro試験において、アメナメビルを50~5000ng/mLの濃度範囲でヒト血漿に添加したときの蛋白結合率は、約75%であり、主にアルブミンと結合した。また、50~5000ng/mLの濃度範囲でヒト血液に添加したときの血球移行率は、46.7~49.5%であった。
16.4 代謝
アメナメビルは主にCYP3Aによって代謝され、ジメチルベンゼン基のメチル基が水酸化された代謝物が生成する。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人(6例)に14C‐アメナメビル200mgを単回経口投与したとき注)、投与後168時間までの放射能排泄率は、糞中74.6%、尿中20.6%であった(外国人データ)。
また、健康成人(各6例)にアメナメビルを1200mg、2400mgを単回経口投与したとき注)、未変化体の累積尿中排泄率は4.6%及び5.8%であり、その主な代謝物の累積尿中排泄率は4.8%及び6.5%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
クレアチニンクリアランス値の低下が軽度、中等度、高度の腎機能障害患者(各8例)に本剤400mgを単回経口投与したとき、健康成人(9例)と比較して、アメナメビルのAUCinfが軽度障害では20%、中等度障害では35%、高度障害では78%高値であり、経口クリアランスではそれぞれ18%、19%、43%低値であった。一方で、腎機能障害はアメナメビルのCmaxには影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
健康成人:Ccr>80mL/min、軽度:50≦Ccr≦80mL/min、中等度:30≦Ccr<50mL/min、高度:Ccr<30mL/min
16.6.2 血液透析患者
血液透析患者(クレアチニンクリアランス中央値5.9mL/min、最小値~最大値3.7~9.2mL/min、9例)に本剤400mgを単回投与し、投与24時間後から4時間の透析を実施したとき、アメナメビルのCmax及びAUC24h(平均値±標準偏差)はそれぞれ1.59±0.44μg/mL及び23.89±8.40μg・h/mLであった。ダイアライザによる除去率(平均値±標準偏差)は30.7±4.8%であったが、透析中の血漿中アメナメビルの消失半減期(中央値)の15.2時間は、透析前(14.7時間)及び後(12.4時間)と比較して短縮しなかった。[13.1参照]
16.6.3 肝機能障害患者
中等度肝機能障害患者(Child‐Pugh分類B、8例)に、本剤400mgを単回経口投与したとき、健康成人(8例)に比べて、アメナメビルのCmax及びAUCinfはそれぞれ91.0%、95.7%であった(外国人データ)。
16.6.4 高齢者
健康非高齢者(20歳以上45歳未満、各6例)と健康高齢者(65歳以上80歳未満、各6例)にアメナメビルとして300mg又は600mgを経口投与したとき注)のアメナメビルの薬物動態パラメータは、300mg群では年齢による影響を受けなかったが、600mg群では高齢者では非高齢者より血漿中濃度が1日目及び7日目でそれぞれ18%、10%高値であり、腎クリアランスがそれぞれ21%ずつ低値であった。[9.8参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 臨床薬物相互作用試験
健康成人に本剤と各種薬剤を併用投与したときの薬物動態パラメータへの影響は次のとおりであった(外国人データ)。[2.2、10.1、10.2参照]。
表 アメナメビルが併用薬の薬物動態に及ぼす影響
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表 併用薬がアメナメビルの薬物動態に及ぼす影響
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16.7.2 In vitro試験
アメナメビルはin vitroでの検討において、BCRP、MATE1、MATE2‐K及びURAT1に対する阻害作用を示し、50%阻害濃度はそれぞれ94.6、39.1、47.0及び>100μmol/Lであった。
注)本剤の承認された用法・用量は「通常、成人にはアメナメビルとして1回400mgを1日1回食後に経口投与する。」である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
帯状疱疹による皮疹出現後72時間以内の患者における本剤(400mgを1日1回朝食後に7日間経口投与)の有効性及び安全性を検討することを目的とした、バラシクロビル塩酸塩(1000mgを1日3回毎食後に7日間経口投与)を対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験の結果は次のとおりであった。主要評価項目である治験薬投与開始4日目までに新皮疹形成停止が認められた被験者の割合(新皮疹形成停止率)について、バラシクロビル塩酸塩に対する本剤の非劣性が検証された(非劣性マージン10%)。
副作用は、本剤400mg群で10.0%(25/249例)で認められた。主な副作用は、フィブリン分解産物増加2.0%(5/249例)、心電図QT延長1.6%(4/249例)、α1ミクログロブリン増加1.2%(3/249例)、β‐NアセチルDグルコサミニダーゼ増加1.2%(3/249例)であった。
表 帯状疱疹患者における有効性(FAS)
→図表を見る(PDF)
17.3 その他
17.3.1 QT延長の影響
健康成人(40例)に本剤400mg、1200mg又は2400mgを単回経口投与したとき注)の心電図に対する影響を評価した結果、本剤はQTc間隔の延長を示さなかった。
注)本剤の承認された用法・用量は「通常、成人にはアメナメビルとして1回400mgを1日1回食後に経口投与する。」である。
18.1 作用機序
アメナメビルは、ヘルペスウイルスのヘリカーゼ・プライマーゼ複合体のDNA依存的ATPase活性、ヘリカーゼ活性及びプライマーゼ活性を阻害することにより、ヘルペスウイルスのDNA複製を阻害する。単純ヘルペスウイルス1型のヘリカーゼ・プライマーゼ複合体のDNA依存的ATPase活性、ヘリカーゼ活性及びプライマーゼ活性を、それぞれ0.078μmol/L(50%阻害濃度)、0.1μmol/L及び0.03μmol/L以上の濃度で阻害した。また、水痘・帯状疱疹ウイルスのDNA複製を0.03μmol/L以上の濃度で阻害した。
18.2 抗ウイルス作用
水痘・帯状疱疹ウイルスに対して抗ウイルス作用(培養細胞におけるウイルス増殖抑制作用)を示し、そのEC50値は0.038~0.10μmol/Lであった。また、水痘・帯状疱疹ウイルスのアシクロビル低感受性株に対して抗ウイルス活性を維持し、交差耐性は認められなかった。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
粉砕後試験:性状及び含量の変化は認めなかった。ただし、粉砕後の性状は、白色の粉末にコーティング成分由来の淡黄色の粉末を認めた。なお、粉砕投与時の有効性及び安全性の評価は実施していない。
- 製造販売会社
- マルホ
- 販売会社
おくすりのQ&A
製品インタビューフォームの苛酷試験などの結果に高分子量分子種の増加が認められる、と記載されている場合、どう捉えれば良いか分かりません。知りたいポイントは冷...
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