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点滴静注用ホスカビル注24mg/mL

販売名
点滴静注用ホスカビル注24mg/mL
薬価
6g250mL1瓶 10743.00円
製造メーカー
クリニジェン

添付文書情報2019年03月改定(第11版)

商品情報

薬効分類名
抗ウイルス剤
一般名
ホスカルネットナトリウム水和物注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.本剤の投与により腎障害が現れるので、頻回に血清クレアチニン値等の腎機能検査を行い、腎機能に応じた用量調節を行う。
2.本剤は、電解質異常に伴う発作を誘発することがあるので、定期的に血清電解質を測定するなど、観察を十分に行い、慎重に投与する。
禁忌
1.本剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.クレアチニンクリアランス値が0.4mL/分/kg未満の患者[腎障害を増悪させることがある]。
3.ペンタミジンイセチオン酸塩投与中の患者。
効能・効果
1.後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎。
2.造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症及びサイトメガロウイルス感染症。
3.造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.本剤は、先天性もしくは新生児サイトメガロウイルス感染症を効能・効果とはしていない。
2.本剤は、サイトメガロウイルス感染が確認された患者において、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。
3.本剤は、造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症及び造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症において、他剤の治療効果が不十分又は忍容性に問題があると考えられる場合に投与する。
4.本剤をサイトメガロウイルス非感染者に感染予防の目的で使用しない。
用法・用量
1.後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎、造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症:
1).初期療法:ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて8時間ごとに1日3回、又は1回体重1kgあたり90mgを、2時間以上かけて12時間ごとに1日2回、それぞれ点滴静注する。なお、初期療法は2~3週間以上行う。
2).維持療法:初期療法に続く維持療法には、ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり90~120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注する。維持療法中に再発が認められた場合は、初期療法の用法・用量により再投与することができる。
2.造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症:
1).初期療法:ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて12時間ごとに1日2回点滴静注する。初期療法は1~2週間以上行う。
2).維持療法:ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり90~120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注する。維持療法中に再発が認められた場合は、初期療法の用法・用量により再投与することができる。
3.造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎:ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて8時間ごとに1日3回点滴静注する。
なお、本剤による腎障害を軽減するため、本剤による治療中には水分補給を十分に行い、利尿を確保する。
<投与法及び希釈調製法>
本剤を中心静脈より投与する場合は希釈せずに用いるが、末梢静脈より投与する場合には、血管への刺激を軽減するため、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液にて2倍に希釈して用いる(12mg/mL)。なお、本剤の血漿中濃度の過剰な上昇により、本剤の毒性が増強することがあるので、点滴速度に十分注意し、点滴静注以外では投与しない。
また、点滴速度を調節するため、点滴ポンプを使用することが望ましい。
<用量の調節>
本剤の用量は、各患者の腎機能に応じて個別に調節する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.サイトメガロウイルス血症に対して本剤を投与する場合には、臓器特異的感染症状の出現に関し注意深く経過観察を行い、なお、感染症状が出現した場合には、速やかにサイトメガロウイルス感染症に対する本剤投与量への変更等、適切な処置を行う。
2.本剤の投与により重度腎障害を起こすことがあるので、本剤投与中は、血清クレアチニン値を初期療法期には少なくとも隔日に、維持療法期では週に一度は測定し、腎機能に応じて投与量を調節する。なお、本剤投与中にクレアチニンクリアランス値が0.4mL/分/kg以下になった場合には休薬し、腎機能が回復するまで投与しない。
3.本剤の腎障害を軽減するため、本剤初回投与前及び毎回の点滴静注時には適切な水分補給を行う(通常、本剤初回投与前及びその後本剤を点滴静注する毎にあわせて生理食塩液0.5~1L/回、最大2.5L/日までを点滴静注する)。
4.利尿薬を併用する場合にはチアジド系利尿薬を用いる。
5.本剤は点滴静注によってのみ投与する(局所投与等、他の投与方法では使用しない)。
慎重投与
1.腎障害のある患者[腎障害を増悪させることがある]。
2.低カルシウム血症、低マグネシウム血症、低カリウム血症等の電解質異常のある患者[本剤のキレート作用によりカルシウム及びマグネシウムの血清中濃度の低下を更に増強することがあり、また、血清中カリウム濃度を更に低下させることがある]。
3.中枢神経系異常・心機能異常のある患者[本剤による電解質異常により症状を悪化させることがあるので、慎重に観察を行い、血清電解質の補正など適切な処置を行う]。
重要な基本的注意
1.本剤の後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎に対する使用に際しては、患者又はそれに代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用する。
1).国内で実施された臨床試験の科学的なデータは少ない。
2).本剤は後天性免疫不全症候群<エイズ>患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎の根治療法薬ではないことから、症状が進行・再発する可能性があるので、定期的に眼科学的検査を受ける必要がある。
3).後天性免疫不全症候群(エイズ)のサイトメガロウイルス網膜炎で、腎障害、電解質異常に伴う発作が現れ重篤な転帰をとることがあるので、口周囲ヒリヒリ感、四肢しびれ、知覚異常等が現れた場合は直ちに担当医に報告する。
2.後天性免疫不全症候群<エイズ>患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎に対しては、本剤の投与により重篤な副作用が報告されていること及び本剤ではサイトメガロウイルス網膜炎を完治できないことを念頭におき、患者の精神面も含めて治療の要否を慎重に考える。
3.本剤は体内の2価陽イオンとキレートを形成し、血清中カルシウム濃度低下、血清中マグネシウム濃度低下を来すとの報告があり、また、血清中カリウム濃度低下を来すことが報告されているので、本剤投与中は、定期的に血清電解質の測定を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う。
4.ショック等の重篤な過敏反応の発現を予測するため、十分な問診を行い、また、ショック等の重篤な過敏反応が現れた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行う。
5.泌尿・生殖器に局所刺激性による泌尿器刺激感・生殖器刺激感、泌尿器潰瘍・生殖器潰瘍が現れることがあるので、排尿後は洗浄・清拭等により衛生状態に注意する。
相互作用
1.併用禁忌:ペンタミジンイセチオン酸塩<ベナンバックス>[腎障害の増強、低カルシウム血症が起こることがあり、なお、海外で本剤とペンタミジンイセチオン酸塩静注の併用で重篤な低カルシウム血症が発現し死亡した症例が報告されている(相加的に副作用
(腎障害、低カルシウム血症)が増強する)]。
2.併用注意:1).血清カルシウム濃度に影響を及ぼす薬剤(ループ利尿薬等(フロセミド等))[低カルシウム血症が起こることがある(本剤のキレート作用により、低カルシウム血症を呈しやすくなる)]。
2).腎毒性を有する薬剤(アミノグリコシド系抗生物質(ゲンタマイシン硫酸塩、アミカシン硫酸塩等)、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、バンコマイシン塩酸塩、アムホテリシンB、シクロスポリン、タクロリムス水和物、メトトレキサート、シスプラチン等)[腎障害を増強することがある(相加的に副作用(腎障害)が増強する)]。
副作用
米国で実施された後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎に対する比較臨床試験総症例188例中152例(80.9%)に何らかの副作用が認められた。主な症状は嘔気(30.9%、58件)、貧血(28.7%、54件)、血清クレアチニン上昇(18.6%、35件)、嘔吐(17.0%、32件)、低マグネシウム血症(14.4%、27件)、低カリウム血症(13.8%、26件)、知覚異常(12.2%、23件)、低カルシウム血症(11.7%、22件)、頭痛(11.2%、21件)、発熱(10.6%、20件)であった。
造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症及び感染症については、副作用発現頻度が明確となる試験を実施していない。
重大な副作用
1.重大な副作用:次のような症状が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
1).ショック:本剤の投与中に、発熱・悪寒、発疹等を初発症状とし、戦慄、顔面蒼白、チアノーゼ、呼吸困難等のショック様症状を発現した症例が報告されている。
2).急性腎不全(1~10%)。
3).心不全(1%未満)、心停止(1%未満)、血栓性静脈炎(1~10%)。
4).痙攣発作(1~10%)、テタニー(1%未満)。
5).呼吸抑制(1%未満)。
6).麻痺性イレウス(1%未満)。
7).失語症(1%未満)、痴呆(1%未満)。
8).横紋筋融解症(頻度不明)。
9).敗血症(1~10%)。
2.その他の副作用:頻度は米国で実施された後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎に対する比較臨床試験成績に基づく。
1).血液:(10%以上)貧血、血中ヘモグロビン減少、顆粒球減少、(1~10%未満)白血球減少、血小板減少、(1%未満)血栓症、(頻度不明)白血球増多。
2).循環器:(1~10%未満)高血圧、心電図異常、心悸亢進、浮腫、潮紅、(1%未満)徐脈、期外収縮、低血圧、(頻度不明)心室性不整脈、QT間隔延長。
3).呼吸器:(1%未満)呼吸困難、喉頭炎。
4).過敏症:(1~10%未満)発疹、そう痒。
5).皮膚:(1~10%未満)皮膚潰瘍形成、(1%未満)皮膚障害、多汗。
6).腎臓:(10%以上)クレアチニンクリアランス低下、血清クレアチニン上昇等の腎機能異常、(1~10%未満)尿毒症、排尿困難、尿道障害、多尿、(1%未満)蛋白尿、中毒性ネフロパシー、腎尿細管障害、夜間頻尿、抗利尿ホルモン異常、(頻度不明)腎臓痛、尿崩症。
7).代謝異常:(1~10%未満)アシドーシス、Al-P上昇、(1%未満)血液量過多、LDH上昇、体重減少、アミラーゼ上昇、CK上昇(CPK上昇)。
8).電解質異常:(10%以上)低マグネシウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、(1~10%未満)低リン酸血症、高リン酸血症、低ナトリウム血症、(1%未満)高カルシウム血症[定期的に血清電解質を測定するなど観察を十分に行い、口周囲のヒリヒリ感、四肢のしびれ感、知覚異常等の発現又は電解質異常が認められた場合には適切な処置を行う]。
9).消化器:(10%以上)悪心・嘔吐、(1~10%未満)下痢、食欲不振、腹痛、便秘、消化不良、味覚倒錯、(1%未満)腸炎、膵炎、鼓腸放屁、口渇、口内乾燥。
10).精神神経系:(10%以上)知覚異常、頭痛、(1~10%未満)眩暈、不随意筋収縮、無力症、錯乱、知覚減退、神経障害、抑うつ、不安、疲労、倦怠感、精神病、神経過敏、興奮、攻撃性、振戦、運動失調、(1%未満)緊張亢進、ジスキネジー、末梢神経障害、反射亢進、昏迷、協調異常、EEG異常、傾眠、健忘[特に中枢神経系疾患の既往歴のある患者には注意する]。
11).泌尿・生殖器:(頻度不明)局所刺激性による性器刺激、陰茎潰瘍、外陰膣潰瘍[排尿後は洗浄・清拭等により衛生状態に注意する]。
12).肝臓:(1~10%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ-GTP上昇、A/G比異常。
13).筋肉:(頻度不明)ミオパシー、筋炎、筋脱力、筋肉痛。
14).注射部位:(1~10%未満)注射部位疼痛、(1%未満)注射部位炎症。
15).その他:(10%以上)発熱、(1~10%未満)悪寒、感染症、(1%未満)視覚異常、疼痛、網膜剥離、複視、耳鳴、耳痛。
高齢者への投与
高齢者では、腎機能が低下している場合が多いので、腎機能に注意し、慎重に投与量を設定する。
妊婦・産婦・授乳婦等への投与
1.妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている]。
2.授乳婦:本剤を投与中の婦人には授乳を避けさせる[授乳中のラット(75mg/kg投与)の乳汁中薬物濃度が母体血中濃度の3倍に達したとの報告がある]。
小児等への投与
1.低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用
経験がない)。
2.動物実験で、本剤の歯あるいは骨への沈着は、成熟動物より幼若・成長期の動物に多いことが報告されており、ヒトでも同様の作用が予想されるので、小児には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。
取扱い上の注意
1.投与時:急速静脈内投与しない。
2.配合変化:本剤は配合変化を起こすことが知られているので、希釈液には生理食塩液及び5%ブドウ糖注射液以外は使用しない(また、同一カテーテルを通じて、他剤や補液を同時に投与しない)。
3.開封後:本剤は保存剤が添加されていないので、開封後は24時間以内に使用する。
1.貯法:8℃以下では結晶が析出することがあるので、このような場合には微温湯で加温する。
2.注意:誤って薬液が皮膚や目に触れた場合は、局所刺激及び灼熱感が生じることがあるので、このような場合には、流水で洗浄する。
3.配合禁忌:本剤の希釈液には生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液以外は使用しない。
その他の注意
変異原性試験:CHO細胞を用いた染色体異常試験、マウス培養細胞を用いた形質転換試験及びマウスを用いた小核試験で変異原性が認められた。

参考(海外データ)
1.血漿中動態
サイトメガロウイルス網膜炎の後天性免疫不全症候群患者に本剤を60mg/kg(1時間注入、1日3回、3週間)又は90mg/kg(2時間注入、1日2回、2週間)の用量で反復静脈内注入したときの血漿中ホスカルネット濃度は、注入終了時に約600μmol/Lの最高濃度を示し、その後約3時間の半減期で血漿中より消失し、反復投与による蓄積傾向は認められなかった。
2.半減期
本剤を後天性免疫不全症候群患者(n=6)の静脈内に3日間持続注入後の血漿中ホスカルネット濃度の半減期は、0.45±0.32時間(α相)、3.3±1.3時間(β相)であった。血漿中ホスカルネットの半減期は、腎障害の重症度に比例して長くなり、24時間のクレアチニンクリアランス値が44~90mL/分の患者における半減期は2~8時間と報告されている。
3.分布容積
定常状態における平均分布容積は0.3~0.6L/kgの範囲であった。
4.血漿蛋白結合率
in vitro試験では、血漿中ホスカルネット濃度1~1000μmol/Lで14~17%が血漿蛋白と結合する。
5.脳脊髄液への移行
後天性免疫不全症候群患者に本剤を56~213mg/kgの用量で静脈内注入時の脳脊髄液中のホスカルネット濃度は、ほぼ50~250μmol/Lで、この濃度は血漿中濃度の10~70%に相当した。
6.クリアランス
本剤を後天性免疫不全症候群患者に反復静脈内注入したときの血漿クリアランス(2臨床試験)は130±44(n=12)及び178±48mL/分(n=10)で、連続注入したときの血漿クリアランス(2臨床試験)は152±59(n=12)及び214±25mL/分(n=5)であった。
腎機能が正常な患者の静脈内に本剤を連続注入したとき、注入終了後12時間以内に投与量の79~92%が未変化体として尿中に排泄され、尿中排泄データより腎からの排泄機構には糸球体濾過と尿細管分泌の関与が示唆された。血漿からのホスカルネットのクリアランスは、患者のクレアチニンクリアランスに比例していたので、患者の腎機能(クレアチニンクリアランス)に応じて、投与量を個別に調整することが必要である(「参考:用量調節ガイド」参照)。
7.薬物暴露と腎機能低下との関連
本剤で初期療法を受けている患者データの解析から、ホスカルネットに対する累積暴露(血漿中ホスカルネット濃度-時間曲線下面積)と投与終了時における腎機能(血清クレアチニン)低下との関連性が示唆されている。
8.薬物動態学的な相互作用
ジドブジン及びガンシクロビルとの併用による薬物動態学的相互作用の可能性は少ないことが報告されている。

1.臨床効果
(1)国内症例
後天性免疫不全症候群患者(先天性免疫不全症候群患者1例を含む)におけるサイトメガロウイルス網膜炎に対し、初期療法期では11眼中8眼(9例)に有効(眼底所見改善度「不変」以上)であり、このうち「著明改善」(網膜炎スコアの減少率76%以上)は6眼であった。また、維持療法期では4眼中4眼(3例)に有効であった。
継続観察期に移行した2例で、再燃・再発はみられなかった。
(2)外国症例
後天性免疫不全症候群患者に発症したサイトメガロウイルス網膜炎に対する有効率は、初期療法期:87%(82/94例)、維持療法期:89%(40/45例)であった。
2.標準的投与量
体重別の標準的投与量は次表のとおりである。
<標準的投与量>
→図表を見る(PDF)

3.安全性参考情報(海外)
(1)米国で実施された比較臨床試験
1)有害事象として貧血が33%報告されている。通常、輸血により対処が可能で、本剤の投与を中止した症例は1%未満(1/188)であった。また、顆粒球減少が17%報告されているが、投与を中止した症例は1%(2/188)で好中球減少によるものであった。
2)本剤とジドブジンの併用投与において、耐容性は良好であったが、貧血に対する相加効果が認められることがあった。しかし、併用投与による骨髄抑制の増強は認められなかった。
(2)水分補給による腎障害の軽減
1)多施設共同臨床試験において、本剤初回投与前に0.75L及びその後本剤を点滴静注する毎にあわせて0.5~0.75L/回の生理食塩液を点滴静注したところ、腎障害が軽減できたことが報告されている。
2)本剤投与時に水分補給を行わなかった症例をレトロスペクティブに、1.5~2.5L/日の水分補給を行った症例をプロスペクティブに調査したところ、前者では腎障害(投与前値に比して25%以上の血清クレアチニン上昇)が66%に発現したのに対し、後者では13%と有意に少なく、充分な水分補給により本剤による腎障害を軽減または予防できることが示唆された。

1.抗ウイルス作用
ホスカルネットナトリウムは、サイトメガロウイルスの各種分離株のin vitroでの増殖を300~400μmol/Lで完全に抑制した。また、in vitroでヒトヘルペスウイルス6に対するIC50は49±2μmol/Lであった。in vivoにおいてホスカルネットナトリウムはサイトメガロウイルス感染マウスの死亡率を減少させた。
2.作用機序
ホスカルネットナトリウムは、DNAポリメラーゼのピロリン酸結合部位に直接作用して、DNAポリメラーゼ活性を抑制し、サイトメガロウイルス及びヒトヘルペスウイルス6の増殖を抑制する。
3.耐性
野生型サイトメガロウイルスをホスカルネットナトリウム添加培地で継代培養することにより、ウイルスDNAポリメラーゼ遺伝子の突然変異に基づくホスカルネット耐性サイトメガロウイルス株が分離されている。したがって、ホスカルネットナトリウムに対する臨床応答が認められない場合には、耐性変異株の出現する可能性があるので、臨床分離株のホスカルネットナトリウムに対する感受性試験を行うことが望ましい。
なお、サイトメガロウイルス網膜炎を発症した後天性免疫不全症候群患者でなされた薬剤耐性の検討において、ホスカルネットナトリウムに対する耐性株は分離されなかったとの報告がある。また、ガンシクロビル耐性サイトメガロウイルス株がホスカルネットナトリウムに対して感受性を示したとの報告もあり、これまでの報告ではホスカルネットナトリウムがヒトで薬剤耐性及び交叉耐性を生じにくいことが示されている。

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