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プレバイミス点滴静注240mg

販売名
プレバイミス点滴静注240mg
薬価
240mg12mL1瓶 18228.00円
製造メーカー
MSD

添付文書情報2020年09月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
抗ウイルス剤
一般名
レテルモビル注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
同種造血幹細胞移植患者の感染管理に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに投与すること。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 次の薬剤を投与中の患者:ピモジド投与中、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン投与中、ジヒドロエルゴタミン投与中、メチルエルゴメトリン投与中、エルゴメトリン投与中〔10.1参照〕。
効能・効果
同種造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制。
用法・用量
通常、成人にはレテルモビルとして480mgを1日1回、約60分かけて点滴静注する。シクロスポリンと併用投与する場合にはレテルモビルとして240mgを1日1回、約60分かけて点滴静注する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 錠剤と注射剤は医師の判断で切り替えて使用することができる。ただし、臨床試験において注射剤の長期投与の経験はなく、注射剤の添加剤ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンは腎機能障害のある患者で蓄積し、腎機能の悪化等を引き起こす恐れがあることから、注射剤の投与は最小限の期間とし、経口投与可能な患者には、経口投与を選択すること〔9.2.1参照〕。
7.2. 同種造血幹細胞移植の移植当日から移植後28日目までを目安として投与を開始すること(投与期間は、患者のサイトメガロウイルス感染症の発症リスクを考慮しながら、移植後100日目までを目安とすること)。
サイトメガロウイルス血症又はサイトメガロウイルス感染症が確認された場合には、本剤の投与を中止し、サイトメガロウイルスに対する治療等、適切な対応を行うこと〔17.1.1参照〕。
生殖能を有する者
長期間に亘り点滴静注製剤を継続して使用する場合には、添加剤ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの蓄積により腎機能障害の悪化等を引き起こすおそれがあるため、定期的に腎機能検査を実施する等観察を十分に行うこと〔15.2.2参照〕。
9.2.1. 中等度腎機能障害又は重度腎機能障害(クレアチニンクリアランス<50mL/min)のある患者:定期的に腎機能検査を実施する等観察を十分に行うこと(添加剤ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの蓄積により腎機能障害の悪化等を引き起こすおそれがある)〔15.2.2参照〕。
9.3.1. 重度<Child-Pugh分類C>の肝機能障害のある患者:レテルモビルの血漿中濃度が上昇するおそれがある〔16.6.2参照〕。
妊娠可能な女性:妊娠可能な女性に対しては、本剤が胎児に悪影響を及ぼす可能性があることを十分に説明し、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。
相互作用
レテルモビルは有機アニオン輸送ポリペプチド1B1/3(OATP1B1/3)、P-糖蛋白(P-gp)及びUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1/3(UGT1A1/3)の基質である。レテルモビルはCYP3Aの時間依存的な阻害作用、並びに乳癌耐性蛋白(BCRP)及びOATP1B1/3の阻害作用を有する。また、レテルモビルはCYP2C9及びCYP2C19の誘導作用を有する可能性がある〔16.7.1参照〕。
10.1. 併用禁忌:1). ピモジド<オーラップ>〔2.2参照〕[併用により、ピモジドの血漿中濃度が上昇しQT延長及び心室性不整脈を引き起こすおそれがある(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される)]。
2). エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン<クリアミン配合錠>、ジヒドロエルゴタミン、メチルエルゴメトリン<パルタンM>、エルゴメトリン〔2.2参照〕[併用により、これら麦角アルカロイドの血漿中濃度が上昇し麦角中毒を引き起こすおそれがある(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される)]。
10.2. 併用注意:1). CYP3Aの基質(フェンタニル、キニジン、ミダゾラム等)〔16.7.2参照〕[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される)]。
2). ボリコナゾール〔16.7.2参照〕[併用により、ボリコナゾールの血漿中濃度が低下し、併用時は、ボリコナゾールの治療効果を減弱させるおそれがあるため、患者の状態を十分に観察することが推奨される(レテルモビルの併用により、CYP2C9及びCYP2C19が誘導されると考えられる)]。
3). CYP2C9又はCYP2C19の基質:①. CYP2C9の基質又はCYP2C19の基質(フェニトイン、ワルファリン等)[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が低下するおそれがある(レテルモビルの併用
により、CYP2C9又はCYP2C19が誘導されると予測される)]。
②. CYP2C9又はCYP2C19の基質(フェニトイン)[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が低下するおそれがあるので、フェニトインとの併用時は、頻繁に血中フェニトイン濃度をモニタリングすること(レテルモビルの併用により、CYP2C9又はCYP2C19が誘導されると予測される)]。
③. CYP2C9又はCYP2C19の基質(ワルファリン)[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が低下するおそれがあるので、ワルファリンとの併用時は、頻繁にINRをモニタリングすること(レテルモビルの併用により、CYP2C9又はCYP2C19が誘導されると予測される)]。
4). リファンピシン〔16.7.2参照〕[併用により、レテルモビルの血漿中濃度が低下する(リファンピシンの併用により、P-gp及びUGT1A1/3が誘導されると考えられる)。また、リファンピシンとの併用終了翌日に単独投与したレテルモビルの血漿中濃度がさらに低下するので、リファンピシンとの併用終了後レテルモビルの有効性が減弱する可能性がある(リファンピシンの併用により、P-gp及びUGT1A1/3が誘導されると考えられる)]。
5). アトルバスタチン〔16.7.2参照〕[併用により、アトルバスタチンの血漿中濃度が上昇するので、併用時は、アトルバスタチンの副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること(レテルモビルの併用により、CYP3A、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害される)]。
6). シンバスタチン[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるので、併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること(レテルモビルの併用により、CYP3A、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害されると予測される)]。
7). ロスバスタチン、フルバスタチン[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるので、併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること(レテルモビルの併用により、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害されると予測される)]。
8). プラバスタチン、ピタバスタチン[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるので、併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること(レテルモビルの併用により、OATP1B1/3が阻害されると予測される)]。
9). シクロスポリン〔16.7.2参照〕[併用により、レテルモビル及びシクロスポリンの血中濃度が上昇するので、レテルモビルとの併用時及び中止時には、頻繁にシクロスポリンの血中濃度をモニタリングし、シクロスポリンの用量を調節すること(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害され、シクロスポリンの併用により、OATP1B1/3が阻害される)]。
10). タクロリムス、シロリムス〔16.7.2参照〕[併用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇するので、レテルモビルとの併用時及び中止時には、頻繁に併用薬剤の血中濃度をモニタリングし、これらの薬剤の用量を調節すること(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害される)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 胃腸障害:(5%以上)悪心、(1%以上5%未満)下痢、嘔吐。
2). 免疫系障害:(1%未満)過敏症。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、本剤投与の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠中に本剤を投与するか、本剤投与中の患者が妊娠した場合は、本剤投与による催奇形性等が生じる可能性があることについて、患者に十分説明すること)。
妊娠ラット及びウサギの器官形成期に投与したとき、臨床曝露量(480mg静脈内投与)のそれぞれ11倍及び1.7倍の母動物毒性を示す用量で骨格奇形、胎仔体重減少等が認められた。妊娠ラットに着床から分娩後まで投与した試験では、臨床曝露量の2.2倍まで胚・胎仔毒性は認められなかった〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物試験(ラット)で乳汁移行が認められている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 希釈前に、変色や不溶性異物がないか、各バイアルを確認すること(本剤は無色澄明の溶液であり、また、製品由来の少量の半透明又は白色の微粒子を含むことがある)。バイアル内の溶液に変色や濁り、又は異物(少量の半透明又は白色の微粒子以外)が認められた場合は使用しないこと。バイアルを振盪しないこと。
14.1.2. 480mgの場合は2バイアルから24mLを、240mgの場合は1バイアルから12mLを採取し、日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液250mLの点滴バッグに添加し、振盪せず静かに混和すること。本剤のバイアルは1回使い切りであり、残液は使用しないこと。
14.1.3. 混和後、本剤の希釈液は無色~黄色澄明の溶液となる。投与前の希釈液に変色や不溶性異物がないか目視により確認すること(変色や濁り、又は異物(少量の半透明又は白色の微粒子以外)が認められる場合には、希釈液を廃棄すること)。
14.1.4. 希釈液は、室温保存(2~30℃)では24時間以内に、冷蔵保存(2~8℃)した場合は48時間以内に使用すること(なお、これらの時間には点滴終了までの時間が含まれる)。
14.2. 配合変化本剤は他剤と配合したとき、濁りや不溶性異物が生じることがあるので、配合適性についてはデータが限られているが、次の薬剤は配合禁忌であり、同一の輸液ラインを通して同時に注入しないこと(主な配合禁忌薬剤:アミオダロン塩酸塩、アムホテリシンBリポソーム、アズトレオナム、セフェピム塩酸塩、シプロフロキサシン、シクロスポリン、ジルチアゼム塩酸塩、フィルグラスチム<遺伝子組換え>、ゲンタマイシン硫酸塩、レボフロキサシン、リネゾリド、ミダゾラム、オンダンセトロン塩酸塩、パロノセトロン塩酸塩)。
14.3. 薬剤投与時の注意14.3.1. 必ず0.2μmインラインフィルター(ポリエーテルスルホン、ポリスルホン又は正荷電ナイロン製)を使用して投与すること。
14.3.2. 本剤はポリウレタンを含有する輸液チューブで投与しないこと。
外箱開封後は遮光して保存すること。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. 動物試験(ラット)において、臨床曝露量の3倍以上の曝露量で精巣毒性(精細管変性、精子数低値、精子運動性低下、異常精子発現率増加、受胎能への影響等)が認められた。ラット精巣毒性に対する無毒性量での曝露量は、臨床曝露量と同程度であった。雄マウス及びサルでは、動物における最高用量[臨床曝露量(480mg静脈内投与)のそれぞれ3.5倍及び2.1倍]まで精巣への影響は認められなかった。第3相試験ではレテルモビルに関連した精巣毒性を示唆する所見は認められなかった。
15.2.2. 添加剤であるヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンをラット及びイヌへ静脈内投与すると50mg/kgを超える用量で腎臓空胞化及び膀胱空胞化等の生理学的な適応性変化を引き起こすことが報告されている。

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人
日本人健康成人女性にレテルモビル240mg注)及び480mgを60分かけて単回静脈内投与した際の、レテルモビルの薬物動態パラメータを表1に示す。レテルモビルは、二相性の消失を示した。また、レテルモビルのAUC0-∞は、用量比を上回る上昇を示した。
表1 レテルモビルを単回静脈内投与した際の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

また、日本人健康成人女性にレテルモビル480mgを反復経口投与した際、AUC0-24hr及びCmaxの幾何平均比に基づく累積係数は、それぞれ0.97及び0.94であった。
16.1.2 同種造血幹細胞移植患者
同種造血幹細胞移植患者350例(うち、日本人同種造血幹細胞移植患者23例)から得られた血漿中レテルモビル濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を実施した。日本人同種造血幹細胞移植患者にレテルモビルを480mg、シクロスポリンを併用投与する場合はレテルモビルを240mgで1日1回静脈内投与した際の、レテルモビルの定常状態におけるAUC0-24hrを表2に示す。第III相国際共同試験(001試験)で得られた曝露量の範囲では、一貫した有効性が示されており、各投与方法における曝露量に、臨床的な違いは認められなかった。
表2 日本人同種造血幹細胞移植患者にレテルモビルを480mg、及びシクロスポリンを併用投与する場合はレテルモビルを240mgで1日1回静脈内投与した際の定常状態におけるAUC0-24hr
→図表を見る(PDF)

16.3 分布
母集団薬物動態解析から、日本人を含む同種造血幹細胞移植患者にレテルモビルを静脈内投与した際の、レテルモビルの定常状態における分布容積の平均値は、45.5Lと推定された。
In vitroデータより、レテルモビルは、ヒト血漿蛋白に対し、高い結合を示した(98.7%)。レテルモビルの血中と血漿中濃度比(血中/血漿)は0.56であり、検討した濃度範囲(0.1~10mg/L)で変わらなかった。
非臨床分布試験から、レテルモビルは、消化管、胆管及び肝臓の臓器並びに組織に高濃度に分布し、脳に低濃度に分布した。
16.4 代謝
外国人健康成人に、ラベル体で標識したレテルモビルを経口投与した際、血漿中レテルモビル関連物質の大部分は未変化体であり(96.6%)、主要代謝物は検出されなかった。レテルモビルは、UGT1A1/1A3を介したグルクロン酸抱合により、一部消失した。
16.5 排泄
母集団薬物動態解析から、日本人を含む同種造血幹細胞移植患者にレテルモビルを静脈内投与した際、レテルモビルの定常状態におけるクリアランスは、4.84L/hrと推定された。また、クリアランスの個体間変動は、24.6%と推定された。外国人健康成人に、ラベル体で標識したレテルモビルを経口投与した際、総放射能の93.3%は糞中から回収された。レテルモビルは主に未変化体として糞中に排泄され、少量(6%)はアシルグルクロン酸抱合体として排泄された。また、レテルモビルの腎排泄は、わずかであった(2%未満)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
外国人腎機能障害者に、レテルモビルを1日1回8日間反復経口投与した際、腎機能正常者(推算糸球体濾過量が90mL/min/1.73m2以上)と比較して、レテルモビルのAUC0-24hrは、中等度(推算糸球体濾過量が30~59mL/min/1.73m2)腎機能障害者では約1.9倍及び重度(推算糸球体濾過量が30mL/min/1.73m2未満)腎機能障害者では約1.4倍高かった。
16.6.2 肝機能障害者
外国人肝機能障害者に、レテルモビルを1日1回8日間反復経口投与した際、肝機能正常者と比較して、レテルモビルのAUC0-24hrは、Child‐Pugh分類に基づく中等度(Child‐Pugh B)肝機能障害者では約1.6倍及びChild‐Pugh分類に基づく重度(Child‐Pugh C)肝機能障害者では約3.8倍高かった。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験
In vitroデータから、レテルモビルは、OATP1B1/3、P‐gp、BCRP、UGT1A1及びUGT1A3の基質であることが示唆された。また、レテルモビルは、CYP3Aの時間依存的な阻害作用又は誘導作用、CYP2C8の可逆的な阻害作用、CYP2B6の誘導作用を有することが示唆された。また、レテルモビルは、排出トランスポーターであるP‐gp、BCRP、胆汁酸塩輸送ポンプ(BSEP)、多剤耐性関連蛋白(MRP2)、有機アニオントランスポーター(OAT3)及び肝取り込みトランスポーターであるOATP1B1/3の阻害作用を有することが示唆された。
16.7.2 臨床薬物相互作用試験
臨床薬物相互作用試験から得られた、レテルモビルの薬物動態に及ぼす併用薬の影響及び併用薬の薬物動態に及ぼすレテルモビルの影響についてそれぞれ表3及び表4に示す。[10.2参照]
表3 レテルモビルの薬物動態に及ぼす併用薬の影響
→図表を見る(PDF)

表4 併用薬の薬物動態に及ぼすレテルモビルの影響
→図表を見る(PDF)

注)本剤の用法・用量は、レテルモビルとして1日1回480mgを静脈内投与である。なお、シクロスポリンを併用投与する場合には、1日1回240mgを静脈内投与である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 第III相国際共同試験
日本人を含むCMV抗体陽性の成人同種造血幹細胞移植患者(無作為化された患者570例、うち日本人患者36例)を対象に、CMV感染症の発症抑制効果及び安全性を検討することを目的として、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験(001試験)を実施した。移植日から移植後28日までの期間にレテルモビル480mg(シクロスポリン併用時はレテルモビル240mg)又はプラセボの投与を開始し、1日1回、経口又は静脈内投与にて、移植後14週まで投与した。主要評価項目である移植後24週以内に臨床的に意味のあるCMV感染*が認められた被験者の割合は、レテルモビル群とプラセボ群の対比較において、統計学的に有意な差が認められた。
*臨床的に意味のあるCMV感染:CMV血症の確認及び被験者の臨床状態に基づく抗CMV薬による先制治療の開始、又は終末器官におけるCMV感染症の発症
表 第III相国際共同試験(001試験)における有効性(FAS)
→図表を見る(PDF)

移植後24週目までに、レテルモビルの投与を受けた373例中63例(16.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、悪心(7.2%)、下痢(2.4%)、嘔吐(1.9%)であった。
17.3 その他
17.3.1 心電図に及ぼす影響
TQT試験で、外国人健康成人38例を対象に、レテルモビルがQTc間隔に及ぼす影響をプラセボ及び陽性対照と比較検討した。レテルモビル960mgを単回静脈内投与注)したときのQTcP間隔(試験集団固有のべき係数で補正したQT間隔)のベースラインからの変化量のプラセボとの差[90%信頼区間]の最大値は、4.93[2.81、7.05]ms(投与後1時間)であった。
注)本剤の用法・用量は、レテルモビルとして1日1回480mgを静脈内投与である。なお、シクロスポリンを併用投与する場合には、1日1回240mgを静脈内投与である。

18.1 作用機序
レテルモビルはウイルスの複製に必要なCMVのDNAターミナーゼ複合体を阻害する。生化学的な検討及び電子顕微鏡所見から、レテルモビルは一単位長のゲノムの生成に影響し、ウイルス粒子の形成を阻害することが明らかとなった。
18.2 In vitro抗ウイルス作用
感染細胞培養系でのCMVの臨床分離株(74株)に対するレテルモビルのEC50値の範囲は0.7~6.1nMであった。
18.3 耐性ウイルス
18.3.1 細胞培養系
CMVのDNAターミナーゼのサブユニットはCMV遺伝子のUL51、UL56及びUL89領域にコードされる。細胞培養系にてレテルモビルに低感受性のCMV変異株を分離した。その結果、pUL51(P91S)、pUL56(C25F、S229F、V231A/L、N232Y、V236A/L/M、E237D、L241P、T244K/R、L254F、L257F/I、K258E、F261C/L/S、Y321C、C325F/R/W/Y、L328V、M329T、A365S、N368D、R369G/M/S)及びpUL89(N320H、D344E)に置換が認められた。これらの置換を発現した遺伝子組換えCMV変異株のEC50値は野生株と比較して1.6~9,300倍高値を示した。
18.3.2 臨床試験
外国人を対象とした第II相試験(020試験)では、131例の同種造血幹細胞移植患者に60、120又は240mgのレテルモビル又はプラセボを1日1回84日間投与し、レテルモビル群のうち予防不成功となり検体が得られた12例を対象に、UL56遺伝子の231~369位のアミノ酸配列を中心にDNAシークエンス解析を実施した。60mg投与群1例でレテルモビルに低感受性を示す置換(V236M)が検出された。
第III相国際共同試験(001試験)では、レテルモビル群のうち予防不成功となり検体が得られた50例を対象に、UL56及びUL89遺伝子のすべてのコード領域のDNAシークエンス解析を実施した。3例でレテルモビルに低感受性を示す4種類の置換がpUL56に検出された。1例でC325W及びR369Tが、他の2例で各々V236M及びE237Gの置換が検出された。
18.4 交差耐性
ガンシクロビルに耐性を示すpUL97又はpUL54領域に置換を有するCMVは、レテルモビルに感受性を示した。野生型と比較してガンシクロビルに対する感受性を2.1倍低下させるpUL56 E237G置換を有する遺伝子組換えCMV株を除き、レテルモビルに対し耐性を示す置換を有する各種遺伝子組換え株は、ホスカルネット及びガンシクロビルに対して感受性を示した。

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