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イナビル吸入懸濁用160mgセット

販売名
イナビル吸入懸濁用160mgセット
薬価
160mg1瓶 4241.50円
製造メーカー
第一三共

添付文書情報2019年10月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
抗ウイルス剤
一般名
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物吸入剤
警告
本剤の使用にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること〔5.1-5.4参照〕。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
A型インフルエンザウイルス感染症又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 抗ウイルス薬の投与が全てのA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療に必須ではないことを踏まえ、本剤の使用の必要性を慎重に検討すること〔1.警告の項参照〕。
5.2. 本剤の予防投与における有効性及び安全性は確立していない〔1.警告の項参照〕。
5.3. 本剤はC型インフルエンザウイルス感染症には効果がない〔1.警告の項参照〕。
5.4. 本剤は細菌感染症には効果がない〔1.警告の項、8.2参照〕。
用法・用量
成人及び小児には、ラニナミビルオクタン酸エステルとして160mgを日本薬局方生理食塩液2mLで懸濁し、ネブライザを用いて単回吸入投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 症状発現後、可能な限り速やかに投与を開始することが望ましい(症状発現から48時間を経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
7.2. 本剤を吸入する際には、ジェット式ネブライザを使用する(添付のネブライザ吸入器を使用する際に、事前にコンプレッサーとの適合性を確認する)。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている。
異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、1)異常行動の発現のおそれがあること、2)自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること、について患者・家族に対し説明を行うこと。
なお、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている〔11.1.3参照〕。
8.2. 細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがあるので、細菌感染症の場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと〔5.4参照〕。
8.3. 本剤投与後に失神やショック症状があらわれるおそれがある。この失神やショック症状はインフルエンザウイルス感染症に伴う発熱、脱水等の全身状態の悪化及び本剤による可能性がある。患者には吸入法を十分に理解させ、くつろいだ状態(例えば座位等)で吸入するよう指導すること〔11.1.1参照〕。
9.1.1. 慢性呼吸器疾患(気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患等)を有する患者:患者の状態を十分に観察しながら投与すること(インフルエンザウイルス感染症により気道過敏性が亢進することがあり、気管支攣縮や呼吸機能低下があらわれるおそれがある)〔11.1.2参照〕。
9.1.2. 基礎疾患(糖尿病を含む慢性代謝性疾患、慢性腎機能障害、慢性心疾患)を有する患者、あるいは免疫低下状態の患者等:患者の状態を十分に観察しながら投与すること(使用経験が少ない)。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明):失神、呼吸困難、蕁麻疹、血圧低下、顔面蒼白、冷汗等があらわれることがある。本剤投与後に失神やショック症状があらわれた場合には、患者に仰臥位をとらせ安静を保つとともに、補液を行うなど適切な処置を行うこと〔8.3参照〕。
11.1.2. 気管支攣縮(頻度不明)、呼吸困難(頻度不明)〔9.1.1参照〕。
11.1.3. 異常行動(頻度不明):因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある〔8.1参照〕。
11.1.4. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、多形紅斑(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明*)蕁麻疹、発疹、紅斑、そう痒。
2). 消化器:(0.5%未満)嘔吐、(頻度不明*)下痢、胃腸炎、悪心、腹痛、口内炎、腹部膨満、食欲減退、腹部不快感。
3). 精神神経系:(頻度不明*)めまい、頭痛。
4). 血液:(頻度不明*)白血球数増加。
5). 肝臓:(頻度不明*)ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇、肝機能異常。
6). 泌尿器:(頻度不明*)尿蛋白。
7). その他:(頻度不明*)CRP上昇、尿中ブドウ糖陽性。
*:同一成分含有の製剤において認められている副作用のため頻度不明。
高齢者
患者の状態を十分に観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い〔16.6.2参照〕。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている)。
適用上の注意
14.1. 薬剤投与時の注意添付のネブライザ吸入器は再使用しないこと。

16.1 血中濃度
16.1.1 血漿中濃度
〈成人〉
健康成人男性8例にラニナミビルオクタン酸エステルとして160mgをネブライザを用いて単回吸入投与したときの活性代謝物ラニナミビルの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
ラニナミビルの血漿中濃度推移

血漿中ラニナミビルの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

〈小児〉(参考:イナビル吸入粉末剤)
4~12歳の小児のインフルエンザウイルス感染症患者19例に吸入粉末剤をラニナミビルオクタン酸エステルとして20mg又は40mg単回吸入投与したときの活性代謝物ラニナミビルの血漿中濃度は次のとおりであった。
ラニナミビルの血漿中濃度(吸入粉末剤投与)
→図表を見る(PDF)

16.3 分布
16.3.1 組織移行
健康成人男性24例にラニナミビルオクタン酸エステルとして160mgをネブライザを用いて単回吸入投与したときの活性代謝物ラニナミビルの血漿、肺胞粘液及び肺胞マクロファージ中濃度推移並びに薬物動態パラメータの推定値は次のとおりであった。
ラニナミビルの血漿、肺胞粘液及び肺胞マクロファージ中濃度推移
各測定時点6例(ただし、0.5時間、2時間、3.5時間後の血漿中濃度は24例)

ラニナミビルの薬物動態パラメータの推定値
→図表を見る(PDF)

ラットに14C‐ラニナミビルオクタン酸エステル水和物を単回経気管投与したところ、放射能は主な標的組織である気管や肺に高濃度に認められ、肺中放射能濃度は消失半減期23.2時間で推移した。放射能は中枢神経系(脳・脊髄)にはほとんど認められなかった。
16.3.2 蛋白結合率(超遠心法)
ヒト血漿蛋白結合率は、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物では67~70%、活性代謝物ラニナミビルでは0.4%以下であった(in vitro)。
16.4 代謝
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物は、吸入投与後、気管及び肺において加水分解により活性代謝物ラニナミビルに変換されると推測される。
16.5 排泄
健康成人男性8例に吸入粉末剤をラニナミビルオクタン酸エステルとして40mg単回吸入投与したとき、活性代謝物ラニナミビルの投与144時間後までの累積尿中排泄率は投与量の23.1%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
クレアチニンクリアランス(CLcr)値により規定された腎機能低下者13例に吸入粉末剤をラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを単回吸入投与したところ、活性代謝物ラニナミビルのt1/2に変化は認めず、AUC0-infは、腎機能正常者と比較して、軽度(CLcr:50~80mL/min)、中等度(CLcr:30~50mL/min)及び重度(CLcr:30mL/min未満)の腎機能低下者でそれぞれ1.1倍、2.0倍、4.9倍であった。
16.6.2 高齢者
健康な高齢者(65歳以上)6例に吸入粉末剤をラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与したところ、非高齢者(20~45歳)と比較して、活性代謝物ラニナミビルのTmax及びt1/2に変化は認めず、Cmaxが0.5倍、AUC0-infが0.8倍であった。[9.8参照]
注)本剤の承認された用法及び用量は、ネブライザによる160mg単回吸入投与である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(成人及び10歳以上の小児)
成人及び10歳以上の小児(534例)を対象にプラセボ対照無作為化単盲検並行群間比較試験を実施した。主要評価項目であるインフルエンザ罹病時間(全てのインフルエンザ症状が「なし」又は「軽度」に改善し、それらが21.5時間以上持続するまでの時間)についての結果は次のとおりであり、プラセボに対するラニナミビルオクタン酸エステル160mgの優越性が検証された(層別一般化Wilcoxon検定:P=0.0024)。また、副作用発現頻度は、ラニナミビルオクタン酸エステル160mg群で2.2%(6/268例)であった。主な副作用は、下痢0.7%(2/268例)であった。
インフルエンザ罹病時間
→図表を見る(PDF)

インフルエンザ罹病時間に係るKaplan‐Meier推定値

17.1.2 国内第III相試験(10歳未満の小児)
10歳未満の小児(173例;0歳1例、1~6歳117例、7~9歳55例)を対象に非対照非盲検試験を実施した。主要評価項目であるインフルエンザ罹病時間(咳及び鼻症状の2症状が「なし」又は「軽度」に改善し、かつ体温が37.4℃以下となって、それらが21.5時間以上持続するまでの時間)の中央値[95%信頼区間]は49.0[43.0、61.0]時間であった。また、副作用発現頻度は、1.7%(3/173例)であった。認められた副作用は、便秘、悪心及び嘔吐が各0.6%(1/173例)であった。
インフルエンザ罹病時間に係るKaplan‐Meier推定値

18.1 作用機序
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物はプロドラッグであり、加水分解により活性代謝物ラニナミビルに変換された後、抗ウイルス作用を示す。
ラニナミビルは、A型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを選択的に阻害し、新しく形成されたウイルスの感染細胞からの遊離を阻害することにより、ウイルスの増殖を抑制する。
18.2 抗ウイルス作用(in vitro)
ラニナミビルはA型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを低濃度(実験室株IC50:2.32~38.8nM、臨床分離株IC50:1.29~26.5nM)で阻害した。また、ラニナミビルは、オセルタミビルリン酸塩耐性株(IC50:5.62~48.9nM)や、インフルエンザA型(H1N1)pdm09ウイルス(IC50:0.41nM)及び高病原性鳥インフルエンザA型(H5N1)ウイルス(IC50:0.28~2.1nM)に対しても抗ウイルス作用(ノイラミニダーゼ阻害活性)を示した。
18.3 抗ウイルス作用(in vivo)
A型インフルエンザウイルスのマウス感染モデルでは、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物の単回経鼻投与により、6.6~660μg/kgで有意な肺中ウイルス力価の減少、21~190μg/kgで有意な生存数の増加といった治療効果が認められた。
B型インフルエンザウイルスのフェレット感染モデルでは、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物の単回経鼻投与(24μg/kg及び240μg/kg)は、鼻腔洗浄液中のウイルス力価を低下させた。
また、インフルエンザA型(H1N1)pdm09ウイルスのマウス感染モデルにおいて、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物700μg/kgの単回経鼻投与で有意な肺中ウイルス力価の減少が認められた。
高病原性鳥インフルエンザA型(H5N1)ウイルスのマウス感染モデルにおいても、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物の単回経鼻投与は、75μg/kg以上の投与量で感染3日後の、750μg/kg以上の投与量で感染6日後までの肺中ウイルス力価を減少させた。
18.4 耐性
インフルエンザウイルス感染症に対するラニナミビルオクタン酸エステル水和物の効果を検討した国内臨床試験8試験(国際共同試験の1試験含む)で、1,917例の患者から分離したインフルエンザウイルス株において活性代謝物ラニナミビルに対する感受性が低下した株は認められなかった。

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