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サムチレール内用懸濁液15%

販売名
サムチレール内用懸濁液15%
薬価
750mg5mL1包 1471.10円
製造メーカー
GSK

添付文書情報2024年08月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
その他の化学療法剤
一般名
アトバコン液
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
1). ニューモシスチス肺炎。
2). ニューモシスチス肺炎の発症抑制。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈効能共通〉本剤は、副作用によりスルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤(ST合剤)の使用が困難な場合に使用すること。
5.2. 〈効能共通〉本剤を食後に投与できない患者では、代替治療を検討すること。
5.3. 〈効能共通〉投与開始時及び投与中に下痢が認められている場合には、本剤の吸収が低下し、効果が減弱する可能性があるため、下痢が認められている患者では、代替治療を検討すること。
5.4. 〈ニューモシスチス肺炎の治療〉重症のニューモシスチス肺炎患者(肺胞気・動脈血酸素分圧較差[(A-a)DO2]が45mmHgを超える患者)での本剤の使用に関する成績は、十分に検討されていない(また、他の治療法で効果が得られなかった重症のニューモシスチス肺炎患者における本剤の有効性を示すデータは限られている)。
5.5. 〈ニューモシスチス肺炎の治療〉本剤は他の真菌又は細菌、マイコバクテリア又はウイルス疾患の治療に有効ではない。
5.6. 〈ニューモシスチス肺炎の発症抑制〉ニューモシスチス肺炎のリスク(CD4+細胞数が目安として200/mm3未満、ニューモシスチス肺炎の既往歴がある等)を有する患者を対象とすること〔8.2参照〕。
用法・用量
〈ニューモシスチス肺炎の治療〉
通常、成人には1回5mL(アトバコンとして750mg)を1日2回21日間、食後に経口投与する。
〈ニューモシスチス肺炎の発症抑制〉
通常、成人には1回10mL(アトバコンとして1500mg)を1日1回、食後に経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
本剤は絶食下では吸収量が低下するため、食後に投与すること〔16.2.1参照〕。
肝機能障害患者
8.1. 〈効能共通〉重度肝機能障害があらわれることがあるので、必要に応じ肝機能検査を行うこと〔11.1.2参照〕。
8.2. 〈ニューモシスチス肺炎の発症抑制〉ニューモシスチス肺炎リスク患者はしばしば免疫不全状態で生命を脅かす恐れのある様々な日和見感染症に罹患の可能性がある為、ニューモシスチス肺炎以外の原因も慎重に評価し原因に応じ適宜他の追加薬剤の治療を考慮すること〔5.6参照〕。
9.2.1. 重度腎障害のある患者:臨床試験では除外されている。
9.3.1. 重度肝障害のある患者:臨床試験では除外されている。
相互作用
10.2. 併用注意:1). リファンピシン〔16.7.2参照〕[リファンピシンとの併用により本剤の血漿中濃度が約53%低下しt1/2は約33時間短縮した(機序は不明である)]。
2). リファブチン〔16.7.3参照〕[リファブチンとの併用により本剤の血漿中濃度が約34%低下しt1/2は約14時間短縮した(機序は不明である)]。
3). テトラサイクリン塩酸塩〔16.7.6参照〕[テトラサイクリンの併用で本剤の血漿中濃度は約40%低下した(機序は不明である)]。
4). メトクロプラミド〔16.7.6参照〕[メトクロプラミドの併用で本剤の血漿中濃度は約58%低下した(機序は不明である)]。
5). ジドブジン〔16.7.5参照〕[ジドブジンの併用によりみかけの経口クリアランスは約25%低下しAUCは約33%増加した(機序は不明である)]。
6). アセトアミノフェン、ベンゾジアゼピン系薬剤、アシクロビル、オピオイド系鎮痛薬、セファロスポリン系抗生物質、止しゃ薬、緩下剤〔16.7.7参照〕[臨床試験において本剤の血漿中濃度のわずかな減少<平均3.8μg/mL以下>が報告されているが、因果関係は不明である(機序は不明である)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)。
11.1.2. 重度肝機能障害(頻度不明)〔8.1参照〕。
11.1.3. 無顆粒球症、白血球減少(いずれも頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 血液:(頻度不明)貧血。
2). 過敏症:(頻度不明)血管性浮腫、気管支痙攣、咽喉絞扼感。
3). 精神神経系:(頻度不明)頭痛、不眠症。
4). 消化器:(頻度不明)悪心・嘔吐、下痢。
5). その他:(頻度不明)肝酵素上昇、低ナトリウム血症、アミラーゼ上昇、発疹、発熱。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(ラットではヒトでの推定血漿中濃度の約3倍の曝露量において生殖発生毒性はみられなかったが、ウサギでは、ヒトでの推定血漿中濃度の約3/4の曝露量において母動物毒性(母動物体重低値及び母動物摂餌量低値)に関連すると考えられる流産及び軽度な胎仔体長低値・胎仔体重低値がみられ、また、ラット及びウサギでは単回経口投与により胎盤を通過して胎仔に分布することが報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
凍結を避けて保存すること。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報マウスのがん原性試験において、種特異的と考えられる肝薬物代謝酵素の誘導に関連した肝臓腫瘍増加がみられた。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に本剤の750及び1500mg(各群10例)を食後にそれぞれ単回経口投与した時の血漿中アトバコン濃度推移を添付文書の図1に、薬物動態パラメータを表1に示す。
図1 健康成人男性に本剤の750及び1500mgを食後にそれぞれ単回経口投与した時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差(各群10例))
1)投与後0~24時間

図1 健康成人男性に本剤の750及び1500mgを食後にそれぞれ単回経口投与した時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差(各群10例))
2)投与後0~336時間

表1 健康成人男性に本剤の750及び1500mgを食後にそれぞれ単回経口投与した時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.2 反復投与
HIV患者(9~19例)に本剤500注1)、750及び1000mg注1)を1日1回食後に反復経口投与した時のCavg,ss(平均値±標準偏差)は、それぞれ11.7±4.8、12.5±5.8及び13.5±5.1μg/mLであり、血漿中濃度は500~1000mgの範囲では投与量に比例した増加がみられなかった。また、HIV患者5例に本剤750mgを1日2回食後に反復経口投与した時の血漿中アトバコンのCavg,ssは21.0±4.9μg/mL、Cmax,ssは24.0±5.7μg/mL、Cmin,ssは16.7±4.6μg/mLであった(外国人データ)。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
(1)健康成人16例に本剤750mgを単回経口投与した時のCmax及びAUC0-∞は食後投与で約2.5~3.5倍に増加した(外国人データ)。[7.参照]
表2 絶食下及び食後の健康成人男性に本剤の750mgを単回経口投与した時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

(2)HIV患者(19~21例)に本剤500mg注1)を反復経口投与した時のAUCssは食後投与で280±114μg・hr/mL、絶食下で162±78μg・hr/mLであり、Cmax,ssは食後投与で15.1±6.1μg/mL、絶食下で8.4±3.8μg/mLであった(外国人データ)。[7.参照]
16.2.2 バイオアベイラビリティ
HIV患者9例に本剤750mgを食後に単回経口投与した時の絶対的バイオアベイラビリティは47±15%であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
HIV患者9例に約37mgを単回静脈内投与注1)した時のVzは0.62±0.19L/kgであった(外国人データ)。
16.3.2 血漿蛋白結合率
In vitroでのヒト血漿蛋白結合率は99.9%超であり、約1~90μg/mLの範囲で一定であった。
16.5 排泄
16.5.1 HIV患者9例に約37mgを単回静脈内投与注1)した時のCLは10.4±5.5mL/min、t1/2は62.5±35.3時間であった(外国人データ)。
16.5.2 健康成人4例に14C標識体750mgを単回経口投与した試験において、ほとんどの被験者で投与量の94%以上が糞中に21日間以内に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能低下者
本剤の薬物動態は検討していない。
16.6.2 肝機能低下者
本剤の薬物動態は検討していない。
16.6.3 小児
小児患者(年齢:3ヵ月~12歳)注1)11例にアトバコン錠を投与した。成人とほぼ同用量である40mg/kgを投与した時のCavg,ssは14.28~15.60μg/mL、t1/2は約57~61時間であった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 フェニトイン
健康成人12例に本剤1000mg注1)をフェニトイン600mgと単回併用投与した時のフェニトインの薬物動態にアトバコンは影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.2 リファンピシン
HIV患者13例に本剤750mgを12時間ごと、リファンピシン600mgを24時間ごとに併用経口投与した時の血漿中アトバコンのCavg,ssは併用で約53%低下し、t1/2は約33時間短縮した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 リファブチン
健康成人24例に本剤750mgを1日2回及びリファブチン300mgを食後に1日1回14日間併用経口投与した時の血漿中アトバコンのAUCssは併用で約34%低下し、t1/2は約14時間短縮した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 スルファメトキサゾール・トリメトプリム
軽度~中等度のニューモシスチス肺炎を発症したAIDS患者19例に本剤1000mg注1)を1日1回、スルファメトキサゾール・トリメトプリム(1600mg・320mg)を1日3回併用投与した時の血漿中アトバコンのCavg,ssは単独群では10.7±5.9μg/mL、併用群では10.6±7.7μg/mLであった(外国人データ)。
16.7.5 ジドブジン
HIV患者14例にアトバコン錠750mgを12時間ごと注2)、ジドブジン200mgを8時間ごとに併用投与した時のアトバコンのCmax,ss、Cmin,ss及びCavg,ssはいずれも併用による影響はみられなかった。一方、ジドブジンのみかけの経口クリアランスは併用により約25%低下し、AUCは約33%増加した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.6 テトラサイクリン及びメトクロプラミド
血漿中アトバコン濃度はテトラサイクリンの併用で約40%低下した。また、血漿中アトバコンのCssは、メトクロプラミドの併用で約58%低下した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.7 定常状態における血漿中アトバコン濃度と併用薬との関係
有効性を検討した臨床試験2試験において、ニューモシスチス肺炎患者にアトバコン錠750mgを1日3回注2)21日間経口投与した時の血漿中アトバコンのCssは、アセトアミノフェン、ベンゾジアゼピン系薬剤、アシクロビル、オピオイド系鎮痛薬、セファロスポリン系抗生物質、止しゃ薬及び緩下剤の併用でわずかに減少(7種の併用薬で平均3.8μg/mL以下)し、メトクロプラミド及びリファンピシンの併用で有意に減少(それぞれ平均8.1及び8.9μg/mL)した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.8 その他の薬剤(血漿蛋白結合率が高く治療域の狭い薬剤)
アトバコンは、高い血漿蛋白結合率(99%超)を示すことから、血漿蛋白結合率が高く治療域の狭い他の薬剤と併用する場合には慎重に行うこと。なお、アトバコンはキニーネ、フェニトイン、ワルファリン、スルファメトキサゾール、インドメタシン、ジアゼパムのin vitro血漿蛋白結合に影響を及ぼさないことから、蛋白結合の結合置換により著しい薬物相互作用が発現する可能性は低いと考えられる。
16.8 その他
16.8.1 血漿中濃度と臨床効果の関係
(1)軽度~中等度のニューモシスチス肺炎を発症したAIDS患者133例にアトバコン錠750mgを1日3回注2)21日間経口投与した時の血漿中アトバコンのCssは13.9±6.9μg/mLであった。また、血漿中アトバコン濃度と臨床効果との間に相関が確認された(外国人データ)。
(2)軽度~中等度のニューモシスチス肺炎を発症したAIDS患者69例に本剤1000mg注1)を1日1回、750mgを1日2回、1500mgを1日1回及び1000mg注1)を1日2回経口投与した時のCavg,ss(中央値)は、それぞれ9.6、22.5、18.1及び26.5μg/mLであった。食後のHIV患者5例に750mgを1日2回反復経口投与した時の血漿中アトバコンのCavg,ssは21.0±4.9μg/mLであった(外国人データ)。
注1)本剤を治療に用いる場合の承認用量は、成人には1回5mL(アトバコンとして750mg)、1日2回21日間食後に経口投与である。本剤を発症抑制に用いる場合の承認用量は、成人には1回10mL(アトバコンとして1500mg)、1日1回食後に経口投与である。
注2)アトバコン錠は販売されていない。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈ニューモシスチス肺炎の治療〉
17.1.1 海外第III相試験
軽症から中等症(肺胞気・動脈血酸素分圧較差[(A‐a)DO2]が45mmHg以下かつPaO2が60mmHg以上)のニューモシスチス肺炎を有するAIDS患者を対象としてアトバコン錠をST合剤と比較した多施設共同、無作為化、二重盲検試験において、アトバコン250mg錠1回3錠を1日3回注)、又はST合剤錠(スルファメトキサゾール・トリメトプリム(800mg・160mg))1回2錠を1日3回、21日間投与した。有効率を表1に示した。ニューモシスチス肺炎の確定診断例322例の21日間の治療期間中及び4週間の追跡期間中の死亡は、アトバコン錠群が11/160例(7%)、ST合剤群が1/162例(0.6%)で、両群の死亡率に有意な差(p=0.003)が認められた。投与終了4週から8週後の追跡期間中の死亡は、アトバコン錠群が2例、ST合剤群が3例であった。アトバコン錠群の死因は、ニューモシスチス肺炎が4例、細菌感染症が6例、クリプトコッカス髄膜炎、播種性のヒストプラスマ症、HIVの合併症が各1例であった。ST合剤群の死因は、ニューモシスチス肺炎、栄養失調、肺アスペルギルス症、播種性カポジ肉腫が各1例であった。
表1 ST合剤との比較試験における臨床成績
→図表を見る(PDF)

アトバコン錠投与群で発現した主な副作用は、発疹19%(38/203例)、悪心17%(35/203例)、嘔吐11%(22/203例)、頭痛7%(14/203例)及び下痢7%(14/203例)であった。
17.1.2 海外第II相試験
トリメトプリム又はサルファ剤に不耐容の軽症から中等症のニューモシスチス肺炎を有するAIDS患者を対象としアトバコン錠とペンタミジンを比較した多施設共同、無作為化、非盲検試験において、アトバコン250mg錠1回3錠を1日3回注)、又はペンタミジンイセチオン酸塩(静注)3~4mg/kgを1日1回、21日間投与した。初回治療集団での有効率を表2に示した。
表2 ペンタミジンとの比較試験における臨床成績
→図表を見る(PDF)

アトバコン錠投与群で発現した主な副作用は、発疹12%(9/73例)、悪心11%(8/73例)、嘔吐8%(6/73例)、発熱7%(5/73例)、頭痛7%(5/73例)及び下痢5%(4/73例)であった。
〈ニューモシスチス肺炎の発症抑制〉
17.1.3 海外第III相試験
ニューモシスチス肺炎のリスク(CD4+細胞数が200/mm3以下又はニューモシスチス肺炎の既往歴がある)がある患者を対象にジアフェニルスルホン(ダプソン)と比較した多施設共同、無作為化、非盲検試験において、本剤1500mgを1日1回、又はダプソン100mgを1日1回投与した。試験終了/中止30日後までのニューモシスチス肺炎の発症率を表3に示した。
表3 ダプソンとの比較試験における臨床成績
→図表を見る(PDF)

17.1.4 海外第III相試験
ニューモシスチス肺炎のリスク(CD4+細胞数が200/mm3未満又はニューモシスチス肺炎の既往歴がある)がある患者を対象にペンタミジン吸入と比較した多施設共同、無作為化、非盲検試験において、本剤1500mgを1日1回経口投与、又はペンタミジン300mgを1ヵ月ごとに1回吸入投与した。試験終了/中止30日後までのニューモシスチス肺炎の発症率を表4に示した。
表4 ペンタミジン吸入との比較試験における臨床成績
→図表を見る(PDF)

本剤投与群における副作用発現頻度は、51%(90/175例)であった。主な副作用は、発疹23%(41/175例)、下痢19%(34/175例)、悪心10%(18/175例)、そう痒症6%(10/175例)及び腹痛5%(8/175例)であった。
注)アトバコン錠は販売されていない。

18.1 作用機序
アトバコンの作用部位はミトコンドリア呼吸鎖であることが示唆されており、P. cariniiミトコンドリアの電子伝達系複合体III(complex III)を0.015μMのIC50で抑制した。アトバコンは、ミトコンドリア内膜蛋白質ユビキノンのチトクロームb(complex IIIの構成成分)への結合を阻害し、その結果としてATPレベルを顕著に低下させることにより抗P. jirovecii活性を示すと考えられている。
18.2 In vitro及びin vivo活性
In vitroにおいて、ヒト胎児肺線維芽細胞に感染させたP. cariniiの増殖を抑制し、そのMICは約0.3μM、3H‐p‐aminobenzoate取込みを指標としたときIC50は1.4μMであった。デキサメタゾン誘発免疫不全ラットにおいて予防的反復経口投与により潜伏感染しているP. cariniiの再活発化を完全に抑制し、治療的反復経口投与により、ラット肺病巣のP. cariniiシスト数を用量依存的に軽減した。
18.3 薬剤耐性
アトバコン無効例の複数のニューモシスチス肺炎患者から分離したP. jiroveciiのチトクロームbDNA配列を解析したところ、ユビキノンが結合するQ0部位に耐性に関連すると思われる変異が数種類認められた。しかし、これらの変異はアトバコン無効例の一部でしか認められていないことから、臨床におけるアトバコン耐性に関してのチトクロームb遺伝子変異の意義は明らかではない。

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