ロタリックス内用液
添付文書情報2023年01月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 接種不適当者予防接種を受けることが適当でない者
- 2.1. 明らかな発熱を呈している者。
2.2. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者。
2.3. 本剤の接種後に本剤又は本剤の成分によって過敏症を呈したことがある者。
2.4. 腸重積症発症を高める可能性のある未治療先天性消化管障害(メッケル憩室等)を有する者。
2.5. 腸重積症の既往のある者。
2.6. 重症複合型免疫不全(SCID)を有する者〔8.4、9.1.4参照〕。
2.7. 前記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者。
- 効能・効果
- ロタウイルスによる胃腸炎の予防。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤はロタウイルスG1P[8]、G2P[4]、G3P[8]、G4P[8]、G9P[8]に対する予防効果が示唆されている。
5.2. 他のウイルスに起因する胃腸炎を予防することはできない。
- 用法・用量
- 乳児に通常、4週間以上の間隔をおいて2回経口接種し、接種量は毎回1.5mLとする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 接種対象者・接種時期
生後6週から初回接種を開始し、少なくとも4週間の間隔をおいて2回目の接種を完了し、遅くとも生後24週までには接種を完了させること(また、早期産児においても同様に接種することができる)。
なお、初回接種は生後14週6日までに行うことが推奨されている。
7.2. 接種方法
接種直後にワクチンの大半を吐き出した場合は、改めて本剤1.5mLを接種させることができる。
7.3. 同時接種
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる〔14.1.1参照〕。
- 肝機能障害を有する者
- 8.1. 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
8.2. 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
8.3. 被接種者及びその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、また接種後の健康監視に留意し、体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
8.4. 本剤の接種が開始される生後6週時点においては免疫不全症の診断は困難であり、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症以外の免疫不全者に対して、本剤の有効性及び安全性の臨床データはないので、免疫機能に異常がある疾患を有する者及びそのおそれがある者、免疫抑制をきたす治療中の者、近親者に先天性免疫不全症の者がいる者に本剤を接種する場合は、免疫不全症を疑わせる症状の有無に十分注意し、慎重に接種すること〔2.6、9.1.4、17.1.5参照〕。
8.5. 被接種者の保護者に、腸重積症を示唆する症状(腹痛、反復性の嘔吐、血便排泄、腹部膨満感、高熱)を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。海外の市販後安全性調査では、本剤接種後に生じた腸重積症例のほとんどが初回接種から7日以内に報告されている。また、海外の疫学研究では、初回及び2回目接種後7日間における腸重積症発現のリスクが報告されている〔11.2、15.1.3参照〕。
8.6. 本剤と他のロタウイルスワクチンの互換性に関する安全性、免疫原性、有効性のデータはない。
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
9.1.1. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者〔9.2腎機能障害を有する者、9.3肝機能障害を有する者の項参照〕。
9.1.2. 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者。
9.1.3. 過去にけいれんの既往がある者。
9.1.4. 免疫機能に異常がある疾患を有する者及びそのおそれがある者、免疫抑制をきたす治療中の者、近親者に先天性免疫不全症の者がいる者〔2.6、8.4、17.1.5参照〕。
9.1.5. 胃腸障害(重度又は慢性の胃腸疾患、感染原因を問わない感染性胃腸炎等)を有する乳児:予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること(胃腸障害を有する乳児(重度胃腸疾患を有する乳児又は慢性胃腸疾患を有する乳児、感染原因を問わない感染性胃腸炎を有する乳児等)を対象とした本剤の有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない)。
腎機能障害を有する者:接種要注意者である〔9.1.1参照〕。
肝機能障害を有する者:接種要注意者である〔9.1.1参照〕。
- 副作用
- 次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副反応アナフィラキシー(頻度不明)。
- 11.2. その他の副反応1). 全身症状:(5%以上)易刺激性[海外臨床試験での頻度:1~10%未満]、(0.1~5%未満)発熱。
2). 消化器:(0.1~5%未満)下痢[海外臨床試験での頻度:1~10%未満]、食欲不振、嘔吐、血便排泄、(頻度不明)*鼓腸、*腹痛[*:海外臨床試験での頻度:0.1~1%未満]、※腸重積症、胃腸炎。
3). 呼吸器:(0.1~5%未満)咳嗽/鼻漏。
4). 皮膚:(頻度不明)皮膚炎[海外臨床試験での頻度:0.1~1%未満]。
※)メキシコでの大規模市販後安全性調査では、本剤の初回接種から31日間における腸重積症の発症頻度の増加が示唆されており、そのほとんどが初回接種後7日以内に認められている〔8.5参照〕。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤接種時の注意14.1.1. 接種時(1). 重度急性発熱性疾患にかかっている者は接種を延期すること(ただし、軽微な感染症(感冒等)の場合は接種を延期する必要はない)。
(2). 下痢又は嘔吐の症状を呈している者は接種を延期すること。
(3). 他の薬剤とは混合しないこと〔7.3参照〕。
(4). 本剤の接種前後において、母乳を含めた食物や飲料の摂取に制限はない。
14.1.2. 接種経路:本剤は経口接種だけに限り、絶対に注射してはならない。
外箱開封後は、遮光して保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. ワクチン接種を受けた者と接触した際には手洗い等を実施し注意する(例:おむつ交換後の手洗い等)(ワクチン由来ウイルスの糞便中への排泄が、本剤接種後約7日をピークに平均で10日間認められており、また、本剤の水平伝播を検討した海外臨床試験で、本剤未接種者の糞便中にワクチン由来株が検出されている)〔17.1.7参照〕。
15.1.2. ラテンアメリカ及びフィンランドにおける大規模臨床試験では、腸重積症の発現状況を評価することを主要目的として、63225例(本剤31673例、プラセボ31552例)の乳児に投与したところ、各回のワクチン接種後31日間の腸重積症についての相対リスクは0.85(95%信頼区間:0.30,2.42)で、本ワクチン接種による腸重積症の発現リスクの増大は認められなかった〔17.1.6参照〕。
15.1.3. 海外で行われた観察研究のメタアナリシスにおいて、本剤接種後7日間の腸重積症の相対リスクは、初回接種後は4.68(95%信頼区間:2.62,8.35)、2回目接種後は1.83(95%信頼区間:1.31,2.56)であった〔8.5、17.1.6参照〕。
15.2. 非臨床試験に基づく情報本剤にブタサーコウイルス1型(PCV-1)のDNA断片及びウイルス粒子の混入が認められているが、PCV-1が動物の病気の原因となること及びヒトへの感染や病気の原因となることは知られていない。なお、本剤の接種によりPCV-1の存在が安全性上問題となるとの報告はない。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(有効性(予防効果)を検討した二重盲検比較試験:Rota‐056試験)
生後6~14週の健康乳児765例に対する二重盲検比較試験において、本剤もしくはプラセボを1ヵ月間隔で合計2回経口接種を行った。
(1)主要評価項目
主要な解析時点であるロタウイルス胃腸炎が28件以上集積された時点、及び全被験者が生後2歳児になるまでの時点における医療機関への受診が必要なロタウイルス胃腸炎に対する予防効果は次記のとおりであった。
表1 ロタウイルス胃腸炎に対するワクチン予防効果
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(2)副次評価項目
医療機関への受診が必要な重症ロタウイルス胃腸炎(Vesikari scoreが11点以上)に対するロタウイルス胃腸炎が28件以上集積された時点、及び全被験者が生後2歳児になるまでの時点における予防効果は次記のとおりであった。
表2 重症ロタウイルス胃腸炎に対するワクチン予防効果
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G1型及び非G1型に対する医療機関への受診が必要なロタウイルス胃腸炎の予防効果(95%信頼区間:p値、条件付正確検定によるp値(両側検定、症例数の条件下))については、ロタウイルス胃腸炎が28件以上集積された時点において、それぞれ91.6%(31.0、99.8:p=0.014)及び78.9%(49.4、92.0:p<0.001)であった。同様に、生後2歳時までは、それぞれ84.6%(50.0、96.3:p<0.001)及び76.1%(47.0、89.9:p<0.001)であった。
G1型及び非G1型に対する医療機関への受診が必要な重症ロタウイルス胃腸炎の予防効果(95%信頼区間:p値、条件付正確検定によるp値(両側検定、症例数の条件下))については、ロタウイルス胃腸炎が28件以上集積された時点において、それぞれ100%(24.0、100.0:p=0.025)及び92.8%(44.2、99.8:p=0.005)であった。同様に、生後2歳時までは、それぞれ91.6%(31.0、99.8:p=0.014)及び91.6%(31.0、99.8:p=0.014)であった。
本剤接種症例508例中、接種後8日間(接種当日を含む)における副反応の発現頻度は12.2%(62/508例)であった。主なものは、易刺激性/ぐずり7.3%(37/508例)、下痢3.5%(18/508例)、咳嗽/鼻漏3.3%(17/508例)であった。
17.1.2 海外第III相試験(有効性(予防効果)を検討した大規模臨床試験:Rota‐036試験)
健康乳児3874例(本剤群2572例、プラセボ群1302例)を対象とした二重盲検比較試験におけるロタウイルス胃腸炎及び重症ロタウイルス胃腸炎(Vesikari scoreが11点以上)に対する型別の予防効果は次記のとおりであった。
本剤接種後8日間(接種当日を含む)の安全性調査を行った914例における副反応の発現頻度は57.8%(528/914例)であった。主なものは、易刺激性/ぐずり43.2%(395/914例)、発熱25.6%(234/914例)、食欲不振22.1%(202/914例)であった。
表3 ロタウイルス型別の予防効果
→図表を見る(PDF)
17.1.3 海外第III相試験(早期産児を対象に安全性を検討した臨床試験:Rota‐054試験)
在胎27~36週で出生した早期産児(1009例)を対象とした二重盲検試験において、主要評価項目である重篤な有害事象の発現頻度に本剤群とプラセボ群で違いは認められず、また安全性プロファイルも同様であった。
本剤接種後31日間(接種当日を含む)における副反応の発現頻度は8.5%(57/670例)であった。主なものは、発熱3.4%(23/670例)、易刺激性/ぐずり1.0%(7/670例)、胃腸炎1.0%(7/670例)であった。
17.1.4 海外第III相試験(3年までの有効性を検討した臨床試験:Rota‐028/029/030試験)
健康乳児10519例(本剤群5263例、プラセボ群5256例)を対象とした二重盲検比較試験において、副次評価項目である3歳になるまでの流行株による重症ロタウイルス胃腸炎に対する予防効果(95%信頼区間:p値)は96.9%(88.3、99.6:p<0.001)であった。
本剤群における重篤な有害事象の発現頻度1868/10000(1001/5359例)であり、主なものは細気管支炎319.1/10000(171/5359例)、胃腸炎253.8/10000(136/5359例)、上気道感染235.1/10000(126/5359例)であった。
17.1.5 海外第II相試験(HIV感染乳児を対象に安全性を検討した臨床試験:Rota‐022試験)
無症候性又は軽症のHIV感染乳児(100例)を対象とした二重盲検試験において、主要評価項目である接種後の有害事象(グレード2又は3の発熱、嘔吐又は下痢)の発現頻度は、本剤群52.0%(26/50例)とプラセボ群56.0%(28/50例)で同様であった。
本剤接種後31日間(接種当日を含む)における副反応の発現頻度は2.0%(1/50例)であり、腹痛1例であった。[8.4、9.1.4参照]
17.1.6 海外第III相試験(腸重積症発症リスクを検討した大規模臨床試験:Rota‐023試験)
健康乳児63225例(本剤群31673例、プラセボ群31552例)を対象に、各接種後31日以内での腸重積症発症を安全性主要評価項目とした二重盲検試験において、本剤群ではプラセボ群と比較して腸重積症発症リスクの増加は認められず(表4参照)、また、1歳時までの相対リスクは0.28(95%信頼区間:0.10、0.81)であった。有効性の主要評価項目である1歳になるまでの重症ロタウイルス胃腸炎(Vesikari scoreが11点以上)に対する予防効果は84.7%(95%信頼区間:71.7、92.4:p<0.001)であった(有効性評価部分集団17867例:本剤群9009例、プラセボ群8858例)。[15.1.2、15.1.3参照]
本剤接種後の重篤な有害事象の発現頻度は506.9/10000(468/9233例)であり、主なものは胃腸炎126.7/10000(117/9233例)、肺炎110.5/10000(102/9233例)、細気管支炎67.2/10000(62/9233例)であった。
表4 接種後31日以内における腸重積症発症リスク増加に関する安全性の要約
→図表を見る(PDF)
17.1.7 海外第III相試験(双生児を対象にワクチン株の水平伝播を検討した臨床試験:Rota‐052試験)
健康双生児(100組、計200例)を対象とした二重盲検試験(双生児の一方に本剤、他方にプラセボを接種)において、プラセボ接種者18.8%(95%信頼区間:10.9、29.0)の糞便検体にワクチン由来株が認められた(主要評価項目)。また、安全性プロファイルは本剤接種群とプラセボ群において同様であり、ワクチン株の水平伝播と胃腸症状などに関連性は認められなかった。
副反応の発現頻度は本剤接種群2.0%(2/100例)であり、発熱1例、鼻づまり1例であった。[15.1.1参照]
17.2 製造販売後調査等
17.2.1 国内製造販売後臨床試験(沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ(ソークワクチン)混合ワクチン(DPT‐IPVワクチン)との同時接種を検討した製造販売後臨床試験:Rota‐079試験)
生後6~12週の健康乳児(同時接種群147例、交互接種群145例)に対する非盲検比較試験において、本剤を生後2及び3ヵ月時に、DPT‐IPVワクチンを生後3、4及び6ヵ月時に接種する同時接種群と、本剤を生後2及び3.5ヵ月時に、DPT‐IPVワクチンを生後3、4.5及び6ヵ月時に接種する交互接種群で、DPT‐IPVワクチンの免疫原性及び安全性を評価した。本剤との同時接種によりDPT‐IPVワクチンの各抗原の免疫原性(主要評価項目)への影響は認められなかった。
同時接種群147例中、接種後8日間(接種当日を含む)における副反応の発現頻度は、50.3%(74/147例)であった。主なものは、易刺激性/ぐずり34.7%(51/147例)、発熱19.0%(28/147例)、下痢12.9%(19/147例)であった。交互接種群145例の副反応の発現状況は、同時接種群と同様であった。
- 一包可:
- 分割:
- 粉砕:
- 製造販売会社
- GSK
- 販売会社
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