クリスマシンM静注用1000単位
添付文書情報2021年01月改定(第1版)
商品情報
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- 効能・効果
- 血液凝固第9因子欠乏患者の出血傾向を抑制する。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は「乾燥濃縮人血液凝固第9因子」であり、「乾燥人血液凝固第9因子複合体」ではないので、バイパス効果は期待できない。そのため、血液凝固第8因子に対する阻止抗体(インヒビター)を有する患者の出血に対しては使用しないこと。
- 用法・用量
- 本剤を日局注射用水10mL(1000国際単位製剤)で溶解し、通常1回血液凝固第9因子400~1200国際単位を静脈内に緩徐に注射する。用量は、年齢・症状に応じ適宜増減する。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
8.2. 本剤の原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体、抗HIV-2抗体、抗HTLV-1抗体陰性で、かつALT値でスクリーニングを実施している。更に、HBV、HCV及びHIVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。本剤は、以上の検査に適合した血漿を原料として、マウスモノクローナル抗体ゲル処理等により人血液凝固第9因子を濃縮・精製した製剤であり、ウイルス不活化・除去を目的として、製造工程においてリン酸トリ-n-ブチル(TNBP)/ポリソルベート80処理、ウイルス除去膜によるろ過処理、凍結乾燥の後、60℃、72時間の加熱処理を施しているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。
8.2.1. 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること〔9.1.1、9.1.2、9.5妊婦の項参照〕。
8.2.2. 肝炎ウイルス感染等のウイルス感染のリスクについては完全には否定できないので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
8.2.3. 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
8.3. 患者の血中に血液凝固第9因子に対するインヒビター発生するおそれがある。
本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビター発生を疑い、血液凝固第9因子回収率や血液凝固第9因子に対するインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。
8.4. 大量投与によりDICを起こす危険性を完全には否定できないので、観察を十分に行うこと。
8.5. マウスたん白質に対する抗体を産出する可能性を完全には否定できないので、観察を十分に行うこと〔9.1.3参照〕。
9.1.1. 溶血性貧血・失血性貧血の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある)〔8.2.1参照〕。
9.1.2. 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、持続性貧血を起こすことがある)〔8.2.1参照〕。
9.1.3. マウスたん白質に対し過敏症の既往歴のある患者:観察を十分に行うこと〔8.5参照〕。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシー(頻度不明)。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~5%未満)顔面潮紅、蕁麻疹、(頻度不明)発熱等。
2). その他:(頻度不明)悪寒、腰痛。
- 高齢者
- 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
- 妊婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない(感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある))〔8.2.1参照〕。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 他の製剤と混注しないこと。
14.1.2. 溶解した液を注射器に移す場合、フィルターの付いたセットを用いること。
14.1.3. 一度溶解したものは1時間以内に使用すること。
14.1.4. 使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しない(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていない)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 溶解時に沈殿の認められるものは使用しないこと。
14.2.2. 輸注速度が速すぎるとチアノーゼ、動悸を起こすことがあるので、ゆっくり注入すること。
14.3. 薬剤交付時の注意14.3.1. 子供の手の届かない所へ保管すること。
14.3.2. 使用済の医療機器等の処理については、主治医の指示に従うこと。
本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与又は処方した場合は、医薬品名(販売名)、製造番号(ロット番号)、投与又は処方した日、投与又は処方を受けた患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。
16.1 血中濃度
全国20施設25症例の血友病B患者に本剤約50国際単位/kgを静脈内に単回投与して、投与後の第IX因子活性の生体内回収率及び血中半減期を測定した。
その結果、生体内回収率は、上昇期待値に対する実上昇値の最高値比をとったとき、69.0±20.1%となり、血中半減期は、第II相1次回帰直線から、20.3時間であった。ただし、生体内回収率は、本剤投与前8日以内に同種製剤が投与された2例を除外して算出し、血中半減期については、この2例に加え、経時的測定値におけるバラツキが大きかった1例を除外して算出した。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
承認時までに実施された血友病B患者23例を対象とした長期多回静脈内投与試験における出血部位別の止血効果は、次のとおりであった。なお、予防のために投与された1例を除外した。
→図表を見る(PDF)
また、全観察期間を通じて、全23例に副作用は認められなかった。
18.1 作用機序
血漿中の血液凝固第IX因子を補い、出血傾向を抑制する。
- 製造販売会社
- 日本血液製剤機構
- 販売会社
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