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注射用アナクトC2,500単位

販売名
注射用アナクトC2,500単位
薬価
2,500単位1瓶(溶解液付) 310060.00円
製造メーカー
KMバイオロジクス

添付文書情報2023年03月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
血漿分画製剤
一般名
乾燥濃縮人活性化プロテインC注射用

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効能・効果
先天性プロテインC欠乏症に起因する次の疾患:1)深部静脈血栓症、急性肺血栓塞栓症、2)電撃性紫斑病。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤は先天性プロテインC(PC)欠乏症の患者に使用すること。
先天性PC欠乏症とは次の項目のいずれかに該当するものである。
なお、健康な低出生体重児、新生児、乳児でもPC活性および血液凝固第7因子活性が低いことが知られているので、先天性PC欠乏症の診断には留意すること。
・ PC活性が60%以下であり、かつ、血液凝固第7因子との活性比又は抗原比が0.7未満である場合。
・ PC活性が60%以下であり、かつ、血栓症の既往歴がある場合。
・ PC活性が60%以下であり、かつ、同一家系内に先天性PC欠乏症患者がいる場合。
・ PC活性が60%を超え80%以下の場合は、血液凝固第7因子との活性比又は抗原比が0.7未満で、かつ、血栓症の既往歴があるか、同一家系内に先天性PC欠乏症患者がいる場合。
・ 遺伝子解析により、PC欠乏症の診断がなされている場合。
5.2. 先天性PC欠乏症に起因する電撃性紫斑病の患者とは5.1に示す先天性PC欠乏症に該当し、かつ皮膚壊死を伴う紫斑等の皮膚所見を呈している患者である。
なお、電撃性紫斑病の徴候を呈している患者で、明らかな基礎疾患がないにもかかわらず汎発性血管内血液凝固症候群(DIC)様の臨床検査異常が認められ、先天性PC欠乏症が起因すると疑われる場合には、原則として初回発症時においては、先天性PC欠乏症の診断結果を待たずに本剤の投与を開始することを考慮する(この場合においても可能な限り、本剤投与前にPC活性を測定すること)。
5.3. 先天性活性化プロテインC不応症であるホモ接合体factor 5 Leiden mutationの患者に対する本剤の効果は期待できない。
用法・用量
〈深部静脈血栓症、急性肺血栓塞栓症〉
本剤を添付の日局注射用水で溶解し、通常1日に活性化プロテインC200~300単位/kg体重を輸液(5%ブドウ糖液、生理食塩液、電解質液等)に加え、24時間かけて点滴静脈内投与する。
なお、原則として6日間投与しても症状の改善が認められない場合は投与を中止すること。年齢及び症状に応じて適宜減量する。
〈電撃性紫斑病〉
本剤を添付の日局注射用水で溶解し、次のとおり投与する。
なお、原則として6日間投与しても症状の改善が認められない場合は投与を中止すること。
1). 投与1日目:活性化プロテインC100単位/kg体重を緩徐に静脈内投与し、その後、600~800単位/kg体重を輸液(5%ブドウ糖液、生理食塩液、電解質液等)に加え、24時間かけて点滴静脈内投与する。
2). 投与2日目以降:1日に活性化プロテインC600~900単位/kg体重を輸液(5%ブドウ糖液、生理食塩液、電解質液等)に加え、24時間かけて点滴静脈内投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 症状の改善が認められた後、再発・再燃することがあるので、その場合には本剤の再投与を考慮すること。
7.2. 本剤の臨床試験において、6日間を超えた投与経験はない。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際しては感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているものの、ヒトの血液を原材料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを患者又はその家族に対して説明し、その理解を得るよう努めること。
8.2. 他剤による抗凝固療法施行中に本剤を使用する場合や、本剤の使用中に新たに他剤を併用したり、休薬したりする場合には、凝固能の変動に注意すること〔10.2参照〕。
8.3. 本剤の原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体、抗HIV-2抗体及び抗HTLV-1抗体陰性で、かつALT値でスクリーニングを実施している。さらに、HBV、HCV及びHIVについては個別の試験血漿で、HAV及びヒトパルボウイルスB19についてはプールした試験血漿で核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。本剤はイムノアフィニティークロマトグラフィー処理、ウイルス除去膜処理によって原材料由来のウイルスを除去し、さらに65℃96時間の乾燥加熱処理を施した製剤であるが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。
8.3.1. 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること〔9.1.1、9.1.2、9.5妊婦の項参照〕。
8.3.2. 肝炎ウイルス感染等のウイルス感染の危険性を完全には否定できないので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
8.3.3. 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
8.4. アナフィラキシーを起こす可能性があるので、観察を十分に行うこと。
8.5. マウスたん白質に対して過敏症の患者に投与する場合は観察を十分に行い、また、同たん白質に対する抗体を産生する可能性を完全には否定できないので、観察を十分に行うこと(本剤は、抗プロテインCマウスモノクローナル抗体をリガンドとしたイムノアフィニティークロマトグラフィーにより精製されており、マウス抗体が残存する可能性を完全には否定できない)。
8.6. DICに対する第3相臨床試験において電解質低下(ナトリウム低下、カリウム低下、クロル低下)傾向が認められたので、観察を十分に行うこと。
9.1.1. 溶血性貧血・失血性貧血の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある)〔8.3.1参照〕。
9.1.2. 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、持続性貧血を起こすことがある)〔8.3.1参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:1). ワルファリンカリウム〔8.2参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ワルファリンカリウムとの併用時に、凝固能が変動した場合にはワルファリンカリウムの投与量を調節するなど適切な処置を行うこと(ワルファリンカリウム服用中の患者においては、凝固因子の産生が抑制されている)]。
2). ヘパリン、低分子ヘパリン(ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、ダルテパリンナトリウム等)〔8.2参照〕[本剤の作用を増強することがある(ヘパリンはアンチトロンビン等を介して凝固系プロテアーゼを阻害する)]。
3). 血栓溶解剤(モンテプラーゼ<遺伝子組換え>製剤)〔8.2参照〕[出血傾向が増強することがある(活性化プロテインCが有するPAI-1活性阻害作用によりt-PA活性を増強させる)]。
4). たん白分解酵素阻害剤(メシル酸ナファモスタット、メシル酸ガベキサート、アプロチニン)〔8.2参照〕[本剤の作用を減弱するおそれがある(活性化プロテインCはたん白分解酵素であり、その阻害剤により活性を低下させる)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量や投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 肝臓:(1~5%未満*)AST上昇、ALT上昇、総ビリルビン上昇、(1%未満*)LAP上昇、Al-P上昇。
2). 血液:(1%未満*)好酸球増多、白血球減少、ヘモグロビン量低下、ヘマトクリット値減少、出血、赤血球減少。
3). 腎臓:(1~5%未満*)BUN上昇、(1%未満*)腎機能障害、尿酸低下、クレアチニン上昇。
4). 泌尿器:(1%未満*)血尿・尿潜血。
5). 消化器:(1%未満*)嘔気・嘔吐。
6). 心臓:(1%未満*)動悸、心室性期外収縮。
7). 体液電解質:(1%未満*)カリウム上昇、クロル上昇。
8). 脂質たん白質代謝:(1%未満*)総コレステロール低下、総たん白質減少、トリグリセライド上昇。
9). その他:(1~5%未満*)頭痛、(1%未満*)倦怠感、熱感、注射部違和感、胸内苦悶。
*)発現頻度は未承認の治験成績、使用成績調査の成績を含む。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない(感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある))〔8.3.1参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 溶解時に不溶物の認められるものは使用しないこと。
14.1.2. 5%ブドウ糖液、生理食塩液、電解質液等の輸液以外の他の製剤と混注しないこと。
14.1.3. 本剤は、アミノ酸類の輸液と混合すると、添加されている抗酸化剤により活性化プロテインC活性の顕著な低下が認められるので、抗酸化剤が添加されている製剤(亜硫酸水素ナトリウムが添加されている製剤、ピロ亜硫酸ナトリウムが添加されている製剤等)と混合しないこと。
14.1.4. 本剤を溶解後、輸液に加える際、汚染に注意すること。
14.1.5. 一度溶解したものは速やかに使用すること。
14.1.6. 使用後の残液は再使用しないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 通常5%ブドウ糖液、生理食塩液、電解質液等と混合して点滴静脈内投与する。
14.2.2. 本剤を静脈内投与する場合には2~3mL/分の速度で緩徐に投与すること。
本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を使用した場合は、医薬品名(販売名)、その製造番号又は製造記号(ロット番号)、使用年月日、使用した患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報経口避妊薬服用者は活性化プロテインC不応症になり易いことが報告されており、経口避妊薬服用者への本剤の投与には注意を要する。

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人男子6例を対象に薬物動態試験を実施した結果、静脈内投与(60単位/kg体重)の3例では、血漿中活性化プロテインC濃度の半減期は平均でα相:8.8分、β相:71.5分であった。また、点滴静脈内投与(37.5単位/kg体重/3時間)の3例では、投与開始後1時間でほぼ定常状態に達し、定常状態濃度は投与前に対して平均で14.0ng/mL上昇した。
16.1.2 先天性プロテインC欠乏症患者の病態時における薬物動態を検討する目的で、深部静脈血栓症4例及び急性肺血栓塞栓症1例を対象に非盲検非対照の市販後臨床試験を実施した。先天性プロテインC欠乏症患者に本剤300単位/kg体重/24時間を6日間点滴静注した時、血漿中総クリアランスは5.2±1.5mL/min/kg(平均値±標準偏差)であり、健康成人の血漿中総クリアランス4.3±0.3mL/min/kg(平均値±標準偏差)との間に大きな差は認められなかった。定常状態の血漿中活性化プロテインC濃度の平均値は10.9ng/mLであった。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈深部静脈血栓症、急性肺血栓塞栓症〉
17.1.1 国内第II相臨床試験(PC‐4‐B)
先天性プロテインC欠乏症に起因する深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症患者5例に本剤200~300単位/kg体重を24時間点滴静脈内投与(3~6日)する非盲検非対照試験を実施した。
本剤の有効率は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)

副作用は、安全性解析対象(電撃性紫斑病症例を含む)20例中2例(10%)に好酸球増多がみられた。
〈電撃性紫斑病〉
17.1.2 国内第II相臨床試験(PC‐8)
先天性プロテインC欠乏症の電撃性紫斑病患者3例に1日目は100単位/kg体重を静脈内投与した後に600~800単位/kg体重/日を点滴静脈内投与、2~6日目は600~900単位/kg体重/日を24時間点滴静脈内投与する非盲検非対照試験を実施した。有効性解析対象2エピソードともに著明改善で有効率は2/2エピソード(100%)であった。
安全性解析対象3エピソードに副作用はみられなかった。
17.2 製造販売後調査等
〈深部静脈血栓症、急性肺血栓塞栓症〉
17.2.1 国内使用成績調査
判定不能を除く有効性解析対象のうち、深部静脈血栓症患者38エピソード及び急性肺血栓塞栓症患者11エピソードでの有効率はそれぞれ26/38エピソード(68.4%)及び5/11エピソード(45.5%)であった。
安全性解析対象104例中15例(14.4%)に副作用45件が発現した。主な副作用は、AST上昇4件(3.8%)、ALT上昇4件(3.8%)であった。
〈電撃性紫斑病〉
17.2.2 国内使用成績調査
先天性プロテインC欠乏症に起因する電撃性紫斑病患者での有効率(改善率)は41/49エピソード(83.7%)であった。
安全性解析対象24例中6例(25.0%)に副作用13件が発現した。発現した副作用は、貧血、低ナトリウム血症、出血、紫斑、電撃性紫斑病、血尿、腎出血、発熱、血中クロル増加、血中ナトリウム増加、血中尿素増加、C‐反応性蛋白増加、硬膜外血腫各1件(4.2%)であった。

18.1 作用機序
18.1.1 抗凝固作用
本剤は、トロンビンにより活性化されたヒト血液凝固第V因子(FVa)及び第VIII因子(FVIIIa)を選択的に不活化することにより、抗凝固作用を示した。両因子の不活化はリン脂質の存在下でのみ認められ、コファクターであるプロテインSで促進された(in vitro)。
18.1.2 血小板凝集抑制作用
本剤は、血小板におけるトロンビン生成を抑制することにより、ヒト血小板凝集抑制作用を示した(in vitro)。
18.1.3 PAI‐1活性の阻害作用
本剤は、線溶系の生理的阻害因子であるPAI‐1の活性を阻害した(in vitro)。
18.1.4 深部静脈血栓症に対する作用
本剤は、マウスの下大静脈結紮による深部静脈血栓モデルにおいて、血栓形成を抑制した(in vivo)。

製造販売会社
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