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アクテムラ点滴静注用80mg

販売名
アクテムラ点滴静注用80mg
薬価
80mg4mL1瓶 14919.00円
製造メーカー
中外製薬

添付文書情報2020年04月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されない生物学的製剤
一般名
トシリズマブ(遺伝子組換え)注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 〈効能共通〉感染症本剤投与により、敗血症、肺炎等の重篤な感染症があらわれ、致命的経過をたどることがある。本剤はIL-6の作用を抑制し治療効果を得る薬剤である。IL-6は急性期反応(発熱、CRP増加等)を誘引するサイトカインであり、本剤投与によりこれらの反応は抑制されるため、感染症に伴う症状が抑制される。そのため感染症の発見が遅れ、重篤化することがあるので、本剤投与中は患者の状態を十分に観察し問診を行うこと。症状が軽微であり急性期反応が認められないときでも、白血球数、好中球数の変動に注意し、感染症が疑われる場合には、胸部X線、CT等の検査を実施し、適切な処置を行うこと〔2.1、8.3、8.5、9.1.1、11.1.2参照〕。
1.2. 〈効能共通〉治療開始に際しては、重篤な感染症等の副作用があらわれることがあること及び本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含めて患者に十分説明し、理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ本剤を投与すること。
1.3. 〈関節リウマチ及び多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎〉本剤の治療を行う前に、少なくとも1剤の抗リウマチ薬の使用を十分勘案すること(また、本剤についての十分な知識といずれかの疾患の治療経験をもつ医師が使用すること)〔5.1参照〕。
1.4. 〈全身型若年性特発性関節炎及び成人スチル病〉本剤についての十分な知識といずれかの疾患の治療の経験をもつ医師が使用すること。
1.5. 〈サイトカイン放出症候群〉本剤についての十分な知識と腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群の治療の知識・経験をもつ医師が使用すること。
禁忌
2.1. 重篤な感染症を合併している患者[感染症が悪化するおそれがある]〔1.1、8.3、8.5、9.1.1、11.1.2参照〕。
2.2. 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔8.6、9.1.3、11.1.2参照〕。
2.3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
1). 既存治療で効果不十分な次記疾患:関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎、成人スチル病。
2). キャッスルマン病に伴う諸症状及び検査所見(C反応性タンパク高値、フィブリノーゲン高値、赤血球沈降速度亢進、ヘモグロビン低値、アルブミン低値、全身倦怠感)の改善(ただし、リンパ節の摘除が適応とならない患者に限る)。
3). 腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈関節リウマチ及び多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎〉過去の治療において、少なくとも1剤の抗リウマチ薬による適切な治療を行っても、効果不十分な場合に投与すること〔1.3参照〕。
5.2. 〈全身型若年性特発性関節炎及び成人スチル病〉過去の治療において、副腎皮質ステロイド薬による適切な治療を行っても、効果不十分な場合に投与すること。
5.3. 〈全身型若年性特発性関節炎及び成人スチル病〉重篤な合併症としてマクロファージ活性化症候群(MAS)を発症することがあるので、MASを合併している患者ではMASに対する治療を優先させ本剤の投与を開始しないこと(また、本剤投与中にMASが発現した場合は、投与を中止し、速やかにMASに対する適切な治療を行うこと)。
5.4. 〈サイトカイン放出症候群〉本剤の投与にあたっては、学会のガイドライン等の最新の情報を参考に適応患者を選択し、その他の対症療法の実施とともに使用すること。
用法・用量
〈関節リウマチ及び多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎〉
通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kgを4週間隔で点滴静注する。
〈全身型若年性特発性関節炎、成人スチル病及びキャッスルマン病〉
通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kgを2週間隔で点滴静注する。なお、症状により1週間まで投与間隔を短縮できる。
〈サイトカイン放出症候群〉
通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)として体重30kg以上は1回8mg/kg、体重30kg未満は1回12mg/kgを点滴静注する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉血清中トシリズマブ濃度が維持されない状態で投与を継続すると、抗トシリズマブ抗体が発現する可能性が高くなるため、用法・用量を遵守すること。
7.2. 〈効能共通〉本剤と他の抗リウマチ生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。
7.3. 〈全身型若年性特発性関節炎及び成人スチル病〉症状改善が不十分であり、かつC反応性タンパク<CRP>を指標としてIL-6作用の抑制効果が不十分と判断される場合に限り、投与間隔を短縮できる。
7.4. 〈キャッスルマン病〉投与毎にCRPを測定し、症状改善が不十分と判断される場合に限り、CRPを指標として投与間隔を短縮できる。
肝機能障害患者
8.1. 〈効能共通〉本剤投与中はアナフィラキシーショック、アナフィラキシーに対する適切な薬物治療(アドレナリン、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬等)や緊急処置を直ちに実施できるようにしておくこと(また、投与終了後も症状のないことを確認すること)〔11.1.1参照〕。
8.2. 〈効能共通〉本剤投与中又は投与当日にInfusion Reaction(発熱、悪寒、嘔気、嘔吐、頭痛、発疹等)が発現する可能性があるため、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置(抗ヒスタミン薬、解熱鎮痛薬の投与等)を行うこと。
8.3. 〈効能共通〉感染症を合併している患者に本剤を投与することにより、感染症が重篤化するおそれがあるため、次記の点に留意すること〔1.1、2.1、8.5、9.1.1、11.1.2参照〕。
8.3.1. 〈効能共通〉投与開始に際しては、肺炎等の感染症の有無を確認すること。なお、キャッスルマン病、全身型若年性特発性関節炎、多関節に活動性の若年性特発性関節炎、関節リウマチ、成人スチル病、CRSの臨床症状(発熱、悪寒、倦怠感、リンパ節腫脹等)は感染症症状と類似のため鑑別を十分行うこと(CRS:サイトカイン放出症候群)。
8.4. 〈効能共通〉抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルス再活性化が報告されているので、本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること〔9.1.2参照〕。
8.5. 〈効能共通〉本剤投与により、急性期反応(発熱、CRP増加等)、感染症状が抑制され、感染症発見が遅れる可能性があるため、急性期反応が認められないときでも、白血球数、好中球数を定期的に測定し、白血球数変動、好中球数変動及び喘鳴、咳嗽、咽頭痛等の症状から感染症が疑われる場合には、胸部X線、CT等の検査を実施し適切な処置を行うこと。また、呼吸器感染のみならず皮膚感染や尿路感染等の自他覚症状についても注意し、異常が見られる場合には、速やかに担当医師に相談するよう、患者を指導すること〔1.1、2.1、8.3、9.1.1、11.1.2参照〕。
8.6. 〈効能共通〉本剤投与に先立って結核に関する十分な問診(結核の既往歴、結核患者との濃厚接触歴等)及び胸部X線検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。
本剤投与中は、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに担当医師に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合は本剤を投与せず、結核の治療を優先すること〔2.2、9.1.3、11.1.2参照〕。
8.7. 〈効能共通〉本剤投与中は、生ワクチン接種により感染するおそれがあるので、生ワクチン接種は行わないこと。
8.8. 〈効能共通〉臨床試験において胸膜炎(感染症が特定できなかったものを含む)が報告されている。治療期間中に胸膜炎(所見:胸水貯留、胸部痛、呼吸困難等)が認められた場合には、その病因を十分に鑑別し、感染症でない場合も考慮して適切な処置を行うこと。
8.9. 〈効能共通〉総コレステロール値増加、トリグリセリド値増加、LDLコレステロール値増加等の脂質検査値異常があらわれることがあるので、投与開始3カ月後を目安に、以後は必要に応じて脂質検査を実施し、臨床上必要と認められた場合には、高脂血症治療薬の投与等の適切な処置を考慮すること。
8.10. 〈効能共通〉臨床試験において心障害が認められていることから、患者の状態を十分に観察し、必要に応じて心電図検査、血液検査、胸部エコー等を実施すること〔9.1.8、11.1.6参照〕。
8.11. 〈効能共通〉他の抗リウマチ生物製剤から本剤に切り替える際には、感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
8.12. 〈全身型若年性特発性関節炎、成人スチル病及びキャッスルマン病〉本剤を休薬・中止する際には、IL-6の作用が過剰に発現し病態が悪化する可能性が否定できないので、必要に応じて副腎皮質ステロイド薬の追加・増量等の適切な処置を考慮すること。
9.1.1. 感染症(重篤な感染症は除く)を合併している患者又は感染症が疑われる患者。
〈効能共通〉感染症<重篤な感染症は除く>を合併している患者又は感染症が疑われる患者:感染症を合併している場合は感染症の治療を優先すること(感染症が悪化するおそれがある)〔1.1、2.1、8.3、8.5、11.1.2参照〕。
〈サイトカイン放出症候群〉感染症<重篤な感染症は除く>を合併しているサイトカイン放出症候群患者又は感染症が疑われる患者:治療上の有益性と危険性を考慮し、治療方針を十分に検討すること。
9.1.2. B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性):最新のB型肝炎治療ガイドラインを参考に肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。抗リウマチ生物製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている〔8.4参照〕。
9.1.3. 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部X線上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者。
(1). 結核の既感染者では、結核を活動化させる可能性が否定できない〔2.2、8.6、11.1.2参照〕。
(2). 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として本剤の投与開始前に適切に抗結核薬を投与すること〔2.2、8.6、11.1.2参照〕[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。
9.1.4. 易感染性の状態にある患者:投与を避けることが望ましい(なお、リンパ球数減少が遷延化した場合(目安として500/μL)は、投与を開始しないこと)、日和見感染を含む感染症を誘発するおそれがある。
9.1.5. 間質性肺炎の既往歴のある患者:定期的に問診を行うなど、注意すること(間質性肺炎が増悪又は再発することがある)〔11.1.3参照〕。
9.1.6. 腸管憩室のある患者〔11.1.4参照〕。
9.1.7. 白血球減少、好中球減少、血小板減少のある患者:白血球減少、好中球減少、血小板減少が更に悪化するおそれがある〔11.1.5参照〕。
9.1.8. 心疾患を合併している患者:定期的に心電図検査を行いその変化に注意すること(臨床試験において心障害が認められている)〔8.10、11.1.6参照〕。
肝機能障害患者:トランスアミナーゼ値上昇に注意するなど観察を十分に行うこと〔10.2、11.1.7、15.1.2参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:肝機能障害を起こす可能性のある薬剤(抗リウマチ薬<DMARD>)〔9.3肝機能障害患者の項、11.1.7、15.1.2参照〕[肝機能障害があらわれることがある(機序不明)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシーショック(0.1%)、アナフィラキシー(0.1%):血圧低下、呼吸困難、意識消失、めまい、嘔気、嘔吐、そう痒感、潮紅等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬を投与するなど適切な処置を行うとともに症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔8.1参照〕。
11.1.2. 感染症:肺炎(3.3%)、帯状疱疹(2.0%)、感染性胃腸炎(0.7%)、蜂巣炎(1.4%)、感染性関節炎(0.5%)、敗血症(0.6%)、非結核性抗酸菌症(0.4%)、結核(0.1%)、ニューモシスチス肺炎(0.3%)等の日和見感染を含む重篤な感染症があらわれ、致命的経過をたどることがある〔1.1、2.1、2.2、8.3、8.5、8.6、9.1.1、9.1.3参照〕。
11.1.3. 間質性肺炎(0.5%):関節リウマチ患者では、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかにCT及び速やかに血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-D-グルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと〔9.1.5参照〕。
11.1.4. 腸管穿孔(0.2%):本剤投与により、憩室炎等の急性腹症の症状(腹痛、発熱等)が抑制され、発見が遅れて穿孔に至る可能性があるため、異常が認められた場合には、腹部X線、CT等の検査を実施するなど十分に観察し、適切な処置を行うこと〔9.1.6参照〕。
11.1.5. 無顆粒球症(0.1%未満)、白血球減少(4.5%)、好中球減少(1.6%)、血小板減少(2.1%)〔9.1.7参照〕。
11.1.6. 心不全(0.2%)〔8.10、9.1.8参照〕。
11.1.7. 肝機能障害(頻度不明):AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある〔9.3肝機能障害患者の項、10.2、15.1.2参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 抵抗機構:(1%以上)ヘルペスウイルス感染、(0.1~1%未満)インフルエンザ、口腔カンジダ症、耳下腺炎、創傷感染。
2). 呼吸器:(1%以上)上気道感染[鼻咽頭炎、上気道炎等](10.7%)、気管支炎、咽喉頭疼痛、(0.1~1%未満)咳嗽、副鼻腔炎、鼻炎、鼻漏、胸膜炎、喀血、喘息、咽頭不快感、咽頭紅斑、鼻閉、鼻出血、(0.1%未満)気管支拡張症。
3). 代謝:(1%以上)コレステロール増加(4.9%)、トリグリセリド増加、高脂血症、高コレステロール血症、LDL増加、(0.1~1%未満)LDH上昇、HDL増加、高トリグリセリド血症、血中尿酸増加、CK上昇、総蛋白減少、糖尿病増悪、血中カリウム減少、血糖増加、血中リン増加、血清フェリチン減少、(0.1%未満)血中リン減少、血中カルシウム減少。
4). 肝臓:(1%以上)肝機能異常、ALT上昇、AST上昇、(0.1~1%未満)γ-GTP上昇、ビリルビン増加、Al-P上昇、脂肪肝、胆石症。
5). 循環器:(1%以上)高血圧、(0.1~1%未満)血圧上昇、血圧低下、動悸、T波逆転、T波振幅減少、上室性期外収縮、心室性期外収縮、(0.1%未満)ST部分上昇、ST部分下降、T波振幅増加。
6). 血液・凝固:(0.1~1%未満)リンパ球数減少、貧血、白血球数増加、フィブリノゲン減少、好酸球数増加、フィブリン分解産物増加[FDP増加、Dダイマー増加]、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、リンパ節炎、リンパ節腫脹、好中球数増加、赤血球数減少、(0.1%未満)TAT増加。
7). 消化器:(1%以上)口内炎、下痢、胃腸炎、腹痛、(0.1~1%未満)悪心、便秘、嘔吐、腹部不快感、口唇炎、腹部膨満、食欲不振、胃ポリープ・腸ポリープ、逆流性食道炎、痔核、消化不良、舌炎、胃潰瘍、急性膵炎、歯周病、齲歯、歯痛、(0.1%未満)口渇。
8). 精神神経:(1%以上)頭痛、(0.1~1%未満)浮動性めまい、感覚減退、不眠症、末梢性ニューロパシー。
9). 耳:(0.1~1%未満)中耳炎、眩暈、突発難聴、外耳炎、耳鳴、(0.1%未満)耳不快感。
10). 眼:(0.1~1%未満)結膜炎、麦粒腫、眼乾燥、結膜出血、霰粒腫、白内障、眼瞼炎、(0.1%未満)硝子体浮遊物、網膜出血。
11). 皮膚:(1%以上)発疹[湿疹、痒疹、丘疹等]、皮膚そう痒症、皮膚白癬、皮膚感染、(0.1~1%未満)爪感染、蕁麻疹、紅斑、皮膚潰瘍、皮下出血、嵌入爪、ざ瘡、皮膚乾燥、皮膚水疱、皮膚角化症、脱毛症、皮膚嚢腫。
12). 筋・骨格:(0.1~1%未満)関節痛、背部痛、筋痛[筋痛、肩こり]、四肢痛、骨粗鬆症、骨密度減少、頚部痛、若年性関節炎増悪。
13). 泌尿器:(0.1~1%未満)膀胱炎、尿路感染、BUN増加、尿中赤血球陽性、腎盂腎炎、尿糖、尿蛋白、腎結石、NAG増加、頻尿、(0.1%未満)尿中白血球陽性。
14). 生殖器:(0.1~1%未満)腟感染、性器出血、(0.1%未満)子宮頚管ポリープ。
15). その他:(1%以上)膿瘍、発熱、(0.1~1%未満)浮腫、倦怠感、免疫グロブリンG減少、胸痛、胸部不快感、季節性アレルギー、CRP増加、悪寒、潮紅、アレルギー性鼻炎、気分不良、ほてり、注射部位反応[注射部位紅斑、注射部位腫脹、注射部位血腫、注射部位疼痛、注射部位静脈炎、注射部位発疹等]、血栓性静脈炎、*DNA抗体陽性、体重増加、*抗核抗体陽性[*:関節リウマチ第3相2試験でのDNA抗体の推移は、217例において陰性化10例(4.6%)、陽性化0例であり、抗核抗体の推移は216例において陰性化24例(11.1%)、抗核抗体陽性化18例(8.3%)である]、(0.1%未満)リウマチ因子陽性、発汗障害。
副作用の発現頻度は製造販売後調査を含む。
高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(カニクイザルにおいて本剤は胎盤関門を通過することが報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト乳汁への移行は不明である)。
小児等
低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 希釈時及び希釈後に泡立つような激しい振動を与えないこと(本剤はポリソルベートを含有しているので、泡立ちやすい)。
14.1.2. 用時調製し、調製後は速やかに使用すること(また、残液は廃棄すること)。
14.1.3. 希釈方法:本剤の各バイアル中のトシリズマブ濃度は20mg/mLである。患者の体重から換算した必要量を体重25kg以下の場合は50mL、25kgを超える場合は100~250mLの日局生理食塩液に加え、希釈する。
<<体重あたりの換算式>>抜き取り量(mL)=体重(kg)×8(mg/kg)/20(mg/mL)。
8(mg/kg):サイトカイン放出症候群患者で体重30kg未満の場合は12mg/kgとする。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 本剤は無菌・パイロジェンフリーのインラインフィルター(ポアサイズ1.2ミクロン以下)を用い独立したラインにて投与すること。
14.2.2. 他の注射剤<日局生理食塩液以外>、輸液<日局生理食塩液以外>等と混合しないこと。
14.2.3. 投与開始時は緩徐に点滴静注を行い、患者の状態を十分に観察し、異常がないことを確認後、点滴速度を速め1時間程度で投与する。
外箱開封後は遮光して保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 本剤投与により抗トシリズマブ抗体発現したとの報告がある(国内臨床試験・疾患別、関節リウマチ:601例中18例(3.0%)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎:19例中1例(5.3%)、全身型若年性特発性関節炎:128例中11例(8.6%)[以上、効能追加時]、キャッスルマン病:35例中1例(2.9%)[承認時])。
15.1.2. 本邦において、本剤と抗リウマチ薬<DMARD>との併用療法における有効性及び安全性は確立していない。なお、海外の関節リウマチを対象とした臨床試験では、トランスアミナーゼ値上昇の発現頻度が本剤単剤療法時に比べてDMARD併用療法時で高かった。関節リウマチを対象とした臨床試験では、基準値の3倍を超えるALT上昇あるいは基準値の3倍を超えるAST上昇の発現頻度は、DMARD併用療法:本剤8mg/kg+DMARD群103/1582例(6.5%)、プラセボ+DMARD群18/1170例(1.5%)、単剤療法:本剤8mg/kg群6/288例(2.1%)、MTX単剤群14/284例(4.9%)で、これらの異常は一過性で肝炎や肝不全に伴うものではなかった〔9.3肝機能障害患者の項、10.2、11.1.7参照〕。
15.1.3. 国内の臨床試験では2.9年(投与期間0.1~8.1年の中央値)まで、海外の関節リウマチを対象とした臨床試験では4.6年(投与期間0.0~5.8年の中央値)までの期間で実施されており、これらの期間を超えた本剤の長期投与時の安全性は確立していない。
15.1.4. 関節リウマチを対象とした本剤の海外臨床試験において、本剤8mg/kg投与時の重篤な感染症の発現頻度が体重100kgを超える患者群で高い傾向が認められたため、海外における1回投与量の上限は800mgとされている。
15.1.5. 関節リウマチを対象とした海外臨床試験において、本剤との因果関係は不明であるが脱髄関連疾患が認められたとの報告がある。
15.1.6. 海外の関節リウマチ患者を対象とした二重盲検比較試験における悪性腫瘍の発現率は、本剤投与群では1.60/100人・年(95%信頼区間:1.04-2.37、投与期間の中央値:0.5年、被験者数:2644例、延べ投与:1560人・年)、比較対照薬投与群(メトトレキサートあるいはDMARD)では1.48/100人・年(95%信頼区間:0.74-2.65、投与期間の中央値:0.5年、被験者数:1454例、延べ投与:743人・年)であった。二重盲検比較試験を含む海外長期継続投与試験における悪性腫瘍の発現率は、1.62/100人・年(投与期間の中央値:4.6年、被験者数:4009人、延べ投与:14994人・年)であった(外国人データ)。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. 動物実験(マウス)において、gp130を介したシグナル伝達が心筋細胞の保護作用を有することが報告されている。gp130を介してシグナル伝達に関与するサイトカインは複数知られており、IL-6もその一つである。本薬はIL-6の作用を阻害することから、心臓への影響は否定できない。
15.2.2. 本薬はヒトとカニクイザルのIL-6レセプターに対しては中和活性を示すが、マウス及びラットのIL-6レセプターに対しては中和活性を示さない。このため、がん原性試験は実施されていない。
15.2.3. ヒト肝細胞を用いたin vitro試験において、IL-6が肝薬物代謝酵素(CYPs)発現を抑制することが報告されていることから、ヒト肝細胞にIL-6をトシリズマブ共存下で添加したところ、CYPsの発現に変化は認められなかった。また、炎症反応を有する患者では、IL-6の過剰産生によりCYPsの発現が抑制されているとの報告がある。関節リウマチ患者を対象とした臨床試験において、本剤投与後にIL-6阻害に伴ってCYP3A4、CYP2C19及びCYP2D6発現量が増加することが示唆された。このことから、過剰のIL-6によって抑制されていたCYPsの発現が本剤投与により回復し、炎症反応の改善に伴って併用薬の効果が減弱する可能性は否定できない。

16.1 血中濃度
〈健康成人〉
16.1.1 単回投与
健康成人男性5例を対象に、0.15、0.50、1.0、2.0mg/kg注)を単回投与した(1時間点滴静注)。Cmaxは投与量に比例して上昇したものの、投与量の増加に伴ってCLtotalは減少し、t1/2及びMRTが延長したことから、トシリズマブの体内動態に非線形性が認められた。
表1 単回投与時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

注)本剤の承認用量は、1回8mg/kg(ただし、体重30kg未満のサイトカイン放出症候群は1回12mg/kg)である。
〈関節リウマチ〉
16.1.2 単回投与
関節リウマチ患者31例を対象に、8mg/kgを単回投与した(1時間点滴静注)。血清中トシリズマブ濃度を添付文書の図1に示した。このときの薬物動態パラメータはAUClast=19852±5749μg・hr/mL(平均値±SD、以下同様)、t1/2=133±25.7hr、CLtotal=0.4±0.1mL/hr/kg及びVd,ss=78.5±16.8mL/kgであった。
図1 関節リウマチ患者における単回投与時の血清中トシリズマブ濃度推移(平均値±SD)

16.1.3 反復投与
(1)第I/II相試験(用量相関性の検討)
関節リウマチ患者15例(1群5例)を対象に、2、4あるいは8mg/kg注)を2週間隔にて投与した(2時間点滴静注)。CLtotalは投与量の増加にともなって減少し、t1/2は延長したことから非線形性の体内動態が認められた。
表2 関節リウマチ患者における反復投与時の薬物動態パラメータ
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(2)第III相試験
関節リウマチ患者157例を対象に、8mg/kgを4週間隔で13回投与した(1時間点滴静注)。血清中トシリズマブ濃度は初回投与以降上昇し、血清中トシリズマブ投与直前値は3回目投与4週間後(初回投与12週後、平均値±SD以下同様)で9.8±7.5μg/mL、6回目投与4週間後(初回投与24週間後)で12.3±8.6μg/mLであり、初回投与20週後以降ほぼ一定の値で推移した。
図2 関節リウマチ患者における反復投与時の血清中トシリズマブ濃度(投与直前値)推移(平均値±SD)

〈多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎〉
16.1.4 反復投与
多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者19例(3-19歳、中央値12歳)を対象に、8mg/kgを4週間隔で3回投与した(1時間点滴静注)。初回投与後の血清中トシリズマブ薬物動態パラメータの比較を表3に示した。7歳未満の群で血清中トシリズマブの消失速度の大きい症例が認められた。
表3 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者における反復投与時の薬物動態パラメータ
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〈全身型若年性特発性関節炎〉
16.1.5 反復投与
全身型若年性特発性関節炎患者(2-19歳、中央値8歳)を対象に、8mg/kgを2週間隔で3回反復投与し(1時間点滴静注)、その後有効性の認められた被験者を対象に6回(合計9回、初回投与後18週間)投与を行った。
初回投与後及び3回目投与後の血清中トシリズマブ薬物動態パラメータを表4に示した。7歳未満の群で血清中トシリズマブの消失速度の大きい症例が認められた。
血清中トシリズマブ濃度推移は初回投与8週から14週の範囲で定常状態となったと考えられ、血清中トシリズマブ濃度(投与直前値)は57.4μg/mL(初回投与18週後、例数:13)であった。
低体重、低身長及び低年齢のいずれかの因子を有する患者において、血清中トシリズマブ濃度の消失速度が大きくなることがあった。
表4 全身型若年性特発性関節炎患者における反復投与時の薬物動態パラメータ
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〈キャッスルマン病〉
16.1.6 反復投与
キャッスルマン病患者28例を対象に、8mg/kgを2週間隔で8回反復投与した(1時間点滴静注)。
血清中トシリズマブ濃度は8回目投与直前値で36.6±17.5μg/mLであり、初回投与以降上昇していた。初回投与後6回目投与までt1/2及びMRTは延長したが、投与6回目以降はほぼ一定の値を示した。
表5 キャッスルマン病患者における反復投与時の薬物動態パラメータ
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〈成人スチル病〉
16.1.7 反復投与
成人発症スチル病患者に、8mg/kgを2週間隔で反復投与した(1時間点滴静注)。血清中トシリズマブ濃度は初回投与後10週投与直前値で56.0±27.6μg/mLを示し、10週以降はほぼ一定の値を示した。
表6 成人発症スチル病患者における反復投与時の血清中トシリズマブ濃度
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〈サイトカイン放出症候群〉
16.1.8 反復投与
キメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群43例(日本人1例)を対象に、体重30kg以上の場合は8mg/kg、30kg未満の場合は12mg/kgを投与した(1時間点滴静注)。
初回投与時の血清中トシリズマブ濃度のCmaxは43.2~210μg/mL(日本人:122μg/mL)であった。
16.5 排泄
健康成人男性5例を対象に、0.15、0.50、1.0、2.0mg/kg注)を1時間点滴静注したとき、いずれの投与量においてもトシリズマブは尿中に排泄されず、トシリズマブの主消失クリアランスは腎外クリアランスであることが示された。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈関節リウマチ〉
17.1.1 国内第III相二重盲検比較試験
メトトレキサートに効果不十分な関節リウマチ患者を対象とし、メトトレキサート8mg/週+トシリズマブプラセボ(プラセボ群)及びメトトレキサートプラセボ+トシリズマブ8mg/kg/4週(本剤投与群)を24週間投与した二重盲検比較試験を実施した。成績は次のとおりであった。
・症状の緩和
最終観察時のACR基準#1 20%改善頻度は、プラセボ群25.0%に対し、本剤投与群で80.3%と有意に高かった(P<0.001)。
#1:アメリカリウマチ学会(ACR)の臨床的改善の評価基準
表1 ACR基準20%改善頻度
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・日常生活動作(ADL)の改善
投与前から最終観察時までの日常生活動作(ADL)の改善をMHAQスコア(活動制限と介護の必要性等を評価する指標)で評価した結果、プラセボ群0.01に対し、本剤投与群で0.32と有意に改善した(P<0.001)。なお、MCID(minimum clinically important differences)として定義される0.22を超えて改善を示した症例は、プラセボ群34.4%に対し、本剤投与群で67.2%であり、本剤投与群で有意に多かった(P<0.001)。
副作用発現頻度は、61例中50例(82.0%)であった。主な副作用は、血中コレステロール増加22例(36.1%)、LDL増加17例(27.9%)、血中トリグリセリド増加10例(16.4%)、鼻咽頭炎7例(11.5%)、口内炎5例(8.2%)、LDH増加4例(6.6%)、HDL増加4例(6.6%)、高脂血症4例(6.6%)であった。
17.1.2 国内第III相無作為割付群間比較試験
DMARDあるいは免疫抑制剤に効果不十分な関節リウマチ患者を対象とし、トシリズマブ8mg/kg/4週投与又は既存治療(DMARDあるいは免疫抑制剤の治療)を52週間継続する無作為割付群間比較試験を実施した。成績は次のとおりであった。
・関節の構造的損傷の防止
投与前から52週までの関節破壊進展を手及び足のX線スコア(Modified Sharp Score)で評価した結果を次表に示す。Totalスコアにおいて、既存治療で6.12悪化したのに対して、本剤投与群は2.34であり、有意に関節破壊の進行が抑制された(P=0.001)。
表2 投与52週後のModified Sharp法による各スコアの変化量
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副作用発現頻度は、157例中139例(88.5%)であった。主な副作用は、血中コレステロール増加60例(38.2%)、鼻咽頭炎47例(29.9%)、LDL増加41例(26.1%)、血中トリグリセリド増加20例(12.7%)、ALT増加17例(10.8%)、AST増加14例(8.9%)、下痢11例(7.0%)、γ‐GTP増加11例(7.0%)、好中球数減少10例(6.4%)、白血球数減少10例(6.4%)、発疹9例(5.7%)、爪囲炎9例(5.7%)であった。
〈多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎〉
17.1.3 国内第III相試験
多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者19例を対象に、トシリズマブ8mg/kgを4週間隔で3回投与した。最終観察時のJIA基準#2 30%、50%、70%改善頻度はそれぞれ、94.7%、94.7%、57.9%であり、原疾患の著明な改善が認められた。
#2:Giannini等により提唱された若年性特発性関節炎(JIA)に対する薬効評価であり標準的な評価基準
副作用発現頻度は、19例中13例(68.4%)であった。副作用は、上気道感染5例(26.3%)、鼻咽頭炎4例(21.1%)、下痢2例(10.5%)、扁桃炎、上気道の炎症、口唇炎、悪心、口内炎、湿疹、発疹、蕁麻疹、尿中血陽性、リンパ球数減少がそれぞれ1例(5.3%)であった。
〈全身型若年性特発性関節炎〉
17.1.4 国内第III相試験
全身型若年性特発性関節炎患者56例を対象としてトシリズマブ8mg/kgを2週間隔で3回反復投与するオープン期間にて、JIA基準#2 30%以上の改善を示し、かつCRPが0.5mg/dL未満に改善した解析対象患者43例を対象に、二重盲検比較試験にてトシリズマブ群20例あるいはプラセボ群23例として2週間隔で6回投与し、JIA基準30%以上の改善、かつCRPが1.5mg/dL未満の改善の維持率及び維持期間を比較した。その結果、トシリズマブ群の効果維持率は80.0%であり、プラセボ群(17.4%)に比べて有意に高かった(P<0.001)。また、効果維持期間もトシリズマブ群の方がプラセボ群に比べて有意に長かった(P<0.001)。
図 効果維持率の推移(Kaplan‐Meier曲線)

副作用発現頻度は、56例中53例(94.6%)であった。主な副作用は、鼻咽頭炎15例(26.8%)、ALT増加13例(23.2%)、上気道感染が11例(19.6%)、AST増加8例(14.3%)、血中コレステロール増加8例(14.3%)、咽頭炎7例(12.5%)、胃腸炎6例(10.7%)、嘔吐6例(10.7%)、リンパ球数減少6例(10.7%)であった。
〈キャッスルマン病〉
17.1.5 国内第II相試験
(1)第一段階
キャッスルマン病患者7例を対象として同一患者内での漸増法にて2、4、8mg/kg注2)と増量し(各用量ともに2週間隔にて3回反復投与)、各用量での有効性を検討した。その結果、CRP等の炎症マーカーは、2、4mg/kgでは各投与1週後で低下したものの2週後には再び上昇した症例もみられた。8mg/kgではほとんどの症例は投与期間を通じて低下傾向が持続した。
注2)本剤の承認用量は、1回8mg/kgである。
(2)第二段階
キャッスルマン病患者28例を対象として8mg/kgを2週間隔で8回反復投与した。その結果、炎症マーカー(CRP、フィブリノーゲン、ESR)、全身倦怠感(Visual Analog Scaleによる評価)、貧血状態(Hb)、低アルブミン血症等が、初回投与後より投与期間を通じて有意に改善した。
表3 有効性評価項目の推移(第二段階)
→図表を見る(PDF)

(3)継続投与試験
第一段階、第二段階において検討されたキャッスルマン病患者のうち33例を対象として、原則8mg/kgを2週間隔で長期継続投与(最長1568日、平均1191日)した結果、炎症マーカーをはじめとして治療効果が維持された。
なお、治療効果の維持が不十分であった7例では、投与間隔の短縮(最短1週間隔まで)により炎症マーカーの改善が認められた。
副作用発現頻度は、35例中33例(94.3%)であった。主な副作用は、鼻咽頭炎28例(80.0%)、発疹11例(31.4%)、そう痒症10例(28.6%)、好中球数減少9例(25.7%)、口腔咽頭痛8例(22.9%)、下痢7例(20.0%)、背部痛7例(20.0%)、倦怠感7例(20.0%)、血中トロンビン異常7例(20.0%)、血中トリグリセリド増加7例(20.0%)であった。
〈成人スチル病〉
17.1.6 国内第III相二重盲検比較試験
(1)二重盲検期間(12週間)
副腎皮質ステロイドに対して効果不十分な成人発症スチル病患者26例を対象としてトシリズマブ8mg/kg又はプラセボを2週間隔で投与した。4週時のACR基準50%改善頻度はトシリズマブ投与群で61.5%(8/13例)、プラセボ群で30.8%(4/13例)であった(P=0.238、Fisherの正確検定)。また、12週時のステロイド20%減量達成率(ACR基準50%改善かつ発熱が認められず、かつ副腎皮質ステロイドの投与量をベースラインから20%以上減量できた被験者の割合)はトシリズマブ投与群61.5%(8/13例)、プラセボ群23.1%(3/13例)であった。
(2)非盲検期間(40週間)
二重盲検期間終了後、非盲検下で全例にトシリズマブ8mg/kgを原則2週間隔で投与した。非盲検期間終了時のステロイド5mg/日以下達成率(ACR基準50%改善かつ発熱が認められず、かつ副腎皮質ステロイドの投与量が5mg/日以下の被験者の割合)はトシリズマブ投与群で45.5%(5/11例)、プラセボからトシリズマブに切り替えた群で81.8%(9/11例)であった。二重盲検期間開始時及び非盲検期間終了時の副腎皮質ステロイド投与量(平均値±標準偏差、例数)は、トシリズマブ群では23.0±16.2mg/日(13例)及び6.4±5.1mg/日(11例)、プラセボからトシリズマブに切り替えた群では32.5±20.4mg/日(13例)及び3.3±2.4mg/日(11例)であり、それぞれ減少した。
副作用発現頻度は、安全性解析対象症例27例中23例(85.2%)であった。主な副作用は、上気道感染13例(48.1%)、白癬5例(18.5%)、発疹3例(11.1%)、脂質異常症3例(11.1%)、胃腸炎3例(11.1%)、歯周病3例(11.1%)、肝機能異常3例(11.1%)等であった。
〈サイトカイン放出症候群〉
17.1.7 国際共同第II相試験
3歳(スクリーニング時)~21歳(初診時)の再発又は難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病患者に対して、チサゲンレクルユーセルを投与する非盲検非対照試験を実施した。チサゲンレクルユーセルの輸注を受けた75例のうち、重症度が高いサイトカイン放出症候群(CRS)を発症した28例(日本人1例)に、体重30kg未満の患者にはトシリズマブ12mg/kg、体重30kg以上の患者にはトシリズマブ8mg/kg(最大800mgまで)を単剤又は副腎皮質ステロイド等との併用で投与し、症状の改善が認められない場合は、最大3回まで反復投与した。その結果、トシリズマブが投与された28例全例(100.0%)が回復した。トシリズマブ投与からCRS回復判断時点までの期間の中央値[95%信頼区間(CI)]は、5.0(4.0、7.0)日(最小値~最大値:2~29日)であった。CRSの回復は、24時間以上平熱が持続し、昇圧薬服用の必要がないと判断した期間が24時間以上持続した時点と定義した。
28例におけるトシリズマブ投与日以降に認められた主な有害事象は、CRS#3 22例(78.6%)、発熱、AST増加、好中球数減少、低カリウム血症各8例(28.6%)、ALT増加、急性腎障害、低酸素症、高血圧各7例(25.0%)、貧血、腹痛、嘔吐、血中ビリルビン増加、白血球数減少、高血糖、低カルシウム血症、頭痛、低血圧各6例(21.4%)等であった。
17.1.8 国際共同第II相試験
18歳以上の再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫成人患者に対して、チサゲンレクルユーセルを投与する非盲検非対照試験を実施した。チサゲンレクルユーセルの輸注を受けた111例のうち、重症度が高いCRSを発症した16例にトシリズマブ8mg/kg(最大800mgまで)#4を単剤又は副腎皮質ステロイド等との併用で投与し、症状の改善が認められない場合は、最大2回まで反復投与した。その結果、トシリズマブが投与された16例のうち、15例(93.8%)が回復、1例が疾患進行による死亡のための評価打ち切りであった。トシリズマブ投与からCRS回復判断時点までの期間の中央値(95%CI)は、6.0(3.0、7.0)日(最小値~最大値:2~14日)であった。
16例におけるトシリズマブ投与日以降に認められた主な有害事象は、CRS#3、低血圧各9例(56.3%)、血小板数減少8例(50.0%)、急性腎障害、貧血各6例(37.5%)、下痢、白血球数減少各5例(31.3%)、血中クレアチニン増加、高血糖、低リン酸血症、全身性浮腫、末梢性浮腫、血中フィブリノゲン減少、好中球数減少各4例(25.0%)等であった。
#3:有害事象のCRSは、再発又は難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病の国際共同第II相試験の1例を除き、トシリズマブ初回投与日前に発現したCRSが継続している中で重症度の変化により有害事象として報告された事象及びトシリズマブ初回投与日のトシリズマブ投与前に発現した事象であった。
#4:トシリズマブの用量について、体重30kg以上は1回8mg/kg、体重30kg未満は1回12mg/kgを投与することと規定されていたが、試験に組み入れられた患者はいずれも体重30kg以上の患者であり、1回8mg/kgが投与された。

18.1 作用機序
本薬はin vitroにおいて、可溶性及び膜結合性IL‐6レセプターに結合してそれらを介したIL‐6の生物活性の発現を抑制した。また、本薬は、カニクイザルに投与されたヒトIL‐6の活性発現を抑制した。
18.2 関節炎抑制・改善作用
本薬は、カニクイザルコラーゲン誘発関節炎において、関節炎発症前からの投与により関節腫脹の発現を抑制するとともに、関節炎発症後の投与により関節の腫脹を改善した。
18.3 IL‐6トランスジェニックマウスでの病態発現抑制作用
抗マウスIL‐6レセプター抗体は、IL‐6トランスジェニックマウスでの貧血状態、蛋白尿、高γグロブリン血症等の所見の発現を抑制し、生存日数を延長させた。

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