リスティーゴ皮下注280mg
添付文書情報2024年06月改定(第3版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)。
- 用法・用量
- 通常、成人にはロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)として次に示す用量を1週間間隔で6回皮下注射する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。
1). 体重50kg未満:投与量280mg。
2). 体重50kg以上70kg未満:投与量420mg。
3). 体重70kg以上100kg未満:投与量560mg。
4). 体重100kg以上:投与量840mg。
(用法及び用量に関連する注意)
次サイクル投与の必要性は、臨床症状等に基づき、判断すること〔17.1.1、17.1.2参照〕。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 本剤の投与により、血中IgG濃度低下し、感染症が生じる又は感染症悪化するおそれがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、感染症の自他覚症状に注意し、異常が認められた場合には、速やかに医療機関に相談するよう患者に指導すること〔9.1.1、11.1.1、16.8.1参照〕。
9.1.1. 感染症を合併している患者:感染症を合併している場合は、感染症の治療を優先すること(感染症が増悪するおそれがある)〔8.重要な基本的注意の項、11.1.1参照〕。
9.1.2. 肝炎ウイルスキャリアの患者:肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化やC型肝炎悪化の徴候や症状の発現に注意すること。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). 人免疫グロブリン製剤(ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン等)、モノクローナル抗体製剤(エクリズマブ<遺伝子組換え>、ラブリズマブ<遺伝子組換え>等)、Fc領域融合タンパク質製剤(エフガルチギモド アルファ<遺伝子組換え>等)[これらの薬剤の治療効果が減弱する可能性があるので、これらの薬剤による治療を開始する場合、本剤のサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい(本剤がこれらの薬剤の血清濃度を低下させる可能性がある)]。
2). 血液浄化療法[本剤の治療効果が減弱する可能性があるため、併用を避けることが望ましい(本剤による治療中に施行することにより本剤の血中濃度を低下させる可能性がある)]。
3). 生ワクチン及び弱毒生ワクチン[ワクチンの病原に基づく症状が発現する可能性があるため、本剤による治療中の接種を避けることが望ましく、本剤による治療中の場合、本剤のサイクル投与における最終投与から2週間後以降に接種することが望ましい(生ワクチン又は弱毒生ワクチンによる感染症発現のリスクが増大するおそれがある)]。
4). 生ワクチン及び弱毒生ワクチン以外のワクチン[ワクチンの効果が減弱する可能性があるので、ワクチンは本剤投与開始の少なくとも4週間前までに接種することが望ましく、本剤による治療中の場合、本剤のサイクル投与における最終投与から2週間後以降に接種することが望ましい(本剤の作用機序により、ワクチンに対する免疫応答が得られない可能性がある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な感染症(0.5%):肺炎等の重篤な感染症があらわれることがある〔8.重要な基本的注意の項、9.1.1参照〕。
11.1.2. 無菌性髄膜炎(0.5%):頭痛、発熱、頚部硬直、吐き気、嘔吐などの症状を伴う薬剤性無菌性髄膜炎があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 感染症及び寄生虫症:(5%未満)上気道感染、単純ヘルペス感染(単純ヘルペス、口腔ヘルペス)。
2). 胃腸障害:(10%以上)下痢(20.7%)、(5~10%未満)悪心、(5%未満)嘔吐。
3). 神経系障害:(10%以上)頭痛(頭痛、片頭痛)(36.7%)。
4). 皮膚及び皮下組織障害:(5%未満)皮疹(皮疹、紅斑性皮疹、丘疹性皮疹)。
5). 筋骨格系及び結合組織系障害:(5%未満)関節痛、筋肉痛。
6). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(10%以上)発熱(12.8%)、(5~10%未満)注射部位反応/注入部位反応。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(IgG抗体は胎盤通過性があることが知られており、本剤は妊娠カニクイザルにおいて、胎仔に移行することが確認されたが、新生仔に有害な影響は認められなかった、また、本剤の投与を受けた患者からの出生児においては、母体から移行するIgGが低下し、感染のリスクが高まる可能性がある)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒト免疫グロブリンは乳汁中に移行することが知られている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤投与前に冷蔵庫から取り出し、30分以上置き、室温に戻してから調製すること(本剤を温めないこと)。
14.1.2. 調製前に内容物を目視により確認すること(内容物中に明らかな粒子、混濁又は変色が認められる場合には使用しないこと)、保護キャップがない場合、又は保護キャップに不具合がある場合も使用しないこと。
14.1.3. 調製方法(1). バイアルの保護キャップを外し、アルコール綿でバイアルの栓を消毒し、乾燥させる。
(2). バイアルの内容物をすべてシリンジに抜き取る。バイアルに残った残液は、廃棄すること。また、2本目のバイアルを使用した際は新しい注射針を使用すること。
(3). シリンジから針を外し、薬液の入ったシリンジを輸液セットに取り付ける。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. バイアルには余剰量が含まれているため、投与量をあらかじめ設定できるポンプを使用することが推奨される。
14.2.2. 薬物注入の中断を避けるために、次の基準を考慮すること。
・ シリンジポンプの閉塞アラームは最大に設定する。
・ 投与チューブの長さは61cm以下が望ましい。
・ 26G以上の針が付いた輸液セットを使用すること。
14.2.3. シリンジポンプを用いて20mL/hr以下の一定の速度で投与すること。
14.2.4. 独立したラインにより投与するものとし、他の注射剤・輸液等と混合しないこと。
14.2.5. 注射部位は右又は左の下腹部とする。皮膚に圧痛・打撲・発赤・硬結・瘢痕・皮膚線条がある部位には投与しないこと。
20.1. 凍結を避けて、冷蔵庫で保存すること(25℃以下で保存する場合には、30日以内に使用すること)。
20.2. 本剤は外箱にいれた状態で遮光保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報国際共同第3相試験(MG0003試験)において本剤皮下投与後に本剤に対する抗体が認められた被験者は7mg/kg相当群で26例(42.6%)、10mg/kg相当*群で22例(32.4%)であり、このうち中和抗体は7mg/kg相当群で18例、10mg/kg相当群で8例に認められた。
*)本剤の承認された用量は7mg/kg相当である。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人に、本剤7mg/kg及び10mg/kg注)を単回皮下投与した時の血漿中ロザノリキシズマブ濃度推移及び薬物動態パラメータを添付文書の図1及び表1に示す。
図1 日本人健康成人に単回皮下投与時の血漿中ロザノリキシズマブ濃度推移(算術平均±標準偏差)(PK‐PPS)
表1 日本人健康成人に単回皮下投与時の血漿中ロザノリキシズマブの薬物動態パラメータ(PK‐PPS)
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16.1.2 反復投与
全身型重症筋無力症患者に本剤7mg/kg相当又は10mg/kg相当注)(表2)を1週間隔で6回皮下投与した時(MG0003試験)の血漿中ロザノリキシズマブ濃度は表3のとおりであった。
表2 MG0003試験での体重層別投与量
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表3 全身型重症筋無力症患者に反復皮下投与した時の血漿中ロザノリキシズマブ濃度(μg/mL)(MG0003試験;PK‐PPS)
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16.2 吸収
ロザノリキシズマブ皮下投与の絶対的バイオアベイラビリティは、母集団薬物動態解析から約70%と推定された。
16.3 分布
ロザノリキシズマブの見かけの分布容積は、母集団薬物動態解析から約7Lと推定された。
16.4 代謝
ロザノリキシズマブは、内因性IgGと同様の異化経路によりペプチド及びアミノ酸に代謝されると予想される。
16.5 排泄
遊離型ロザノリキシズマブの見かけのクリアランスは、母集団薬物動態解析から約0.9L/日と推定された。
16.8 その他
16.8.1 薬力学
全身型重症筋無力症患者に本剤7mg/kg相当又は10mg/kg相当注)を1週間隔で6回皮下投与した時の血清中総IgG濃度の推移は添付文書の図2のとおりであった。総IgG濃度のベースラインからの平均最大減少率は、7mg/kg相当群で71.1%、10mg/kg相当群で77.7%であった。投与中止後、総IgG濃度は約9週間以内にベースラインレベルに回復した。[8.参照]
図2 血清中総IgG濃度のベースラインからの平均変化率(±標準偏差)(MG0003試験:Safety Set)
注)本剤の承認された用量は7mg/kg相当である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第III相試験(MG0003試験)
抗アセチルコリン受容体抗体(抗AChR抗体)陽性あるいは抗筋特異的受容体型チロシンキナーゼ抗体(抗MuSK抗体)陽性の18歳以上の全身型重症筋無力症患者200例(日本人患者13例を含む)を対象にプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。用法・用量は、プラセボ又は本剤(7mg/kg相当又は10mg/kg相当注)(表1))を1週間隔で6回皮下投与することとされた。なお、標準治療であるステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤は併用可とされ、種類及び用法・用量の変更は不可とされた。
表1 MG0003試験での体重層別投与量
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主要評価項目である治療期間終了時(投与開始から43日後)のMG‐ADL総スコアのベースラインからの変化量は表2のとおりであり、本剤7mg/kg相当群及び10mg/kg相当群の両群とプラセボ群との間で統計学的に有意な差が認められた。また、副次評価項目である治療期間終了時(投与開始から43日後)のQMG総スコアのベースラインからの変化量は表2のとおりであった。
表2 治療期間終了時のMG‐ADL総スコア及びQMG総スコアのベースラインからの変化量
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副作用発現頻度は、本剤7mg/kg相当群で50.0%(32/64例)、本剤10mg/kg相当群で56.5%(39/69例)であった。主な副作用は本剤7mg/kg相当群では頭痛32.8%(21/64例)、下痢18.8%(12/64例)、発熱7.8%(5/64例)、本剤10mg/kg相当群では頭痛31.9%(22/69例)、発熱13.0%(9/69例)、下痢、悪心が各10.1%(7/69例)であった。[7.参照]
17.1.2 国際共同長期継続投与試験(MG0007試験)
国際共同第III相試験(MG0003試験)に参加した被験者のうち、165例(日本人患者12例を含む)が登録され、本剤の反復投与の長期の安全性、忍容性及び有効性が評価された。本剤7mg/kg相当又は10mg/kg相当注)(表2)を1週間隔で6回皮下投与を行う治療サイクルの後、4週間毎に経過観察を行った。本剤投与終了後、臨床症状の悪化があり追加治療が必要と医師が判断し、血清総IgG濃度が2g/L以上の場合に次サイクル投与を可とした。最初の4サイクルにおける治療期間終了時(各サイクルの投与開始から43日後)のMG‐ADL総スコア及びQMG総スコアのベースラインからの変化量は表3のとおりであった。最初の4サイクルまでの無治療間隔(先行治療サイクルの最終投与から次のサイクルの初回投与)の中央値は、約5~9週間であった。
表3 各サイクルにおける治療期間終了時のMG‐ADL総スコア及びQMG総スコアのベースラインからの変化量
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副作用発現頻度は、本剤7mg/kg相当投与時で33.7%(33/98例)、本剤10mg/kg相当投与時で59.4%(57/96例)であった。主な副作用は本剤7mg/kg相当投与時では頭痛19.4%(19/98例)、下痢11.2%(11/98例)、悪心、血中免疫グロブリンG減少が各6.1%(6/98例)、本剤10mg/kg相当投与時では頭痛31.3%(30/96例)、下痢17.7%(17/96例)、血中免疫グロブリンG減少14.6%(14/96例)であった。[7.参照]
注)本剤の承認された用量は7mg/kg相当である。
18.1 作用機序
本剤は、IgGのFcRnへの結合阻害により、IgGのリサイクリング及びトランスサイトーシスを阻害し、血清総IgG濃度を低下させる。
18.2 FcRnに対する結合親和性
本剤のヒトFcRnに対するKDはpH7.4の条件下で55pmol/L、pH6.0の条件下で44pmol/Lであった。また、ヒトFcRn遺伝子導入細胞において、ヒトFcRnに対するKD値はpH7.4及びpH6.0の条件下でいずれも約0.4nmol/Lであった。
18.3 In vivo IgG低下作用
ヒトFcRn遺伝子導入マウスにおいて、10~100mg/kgで用量依存的で有意なヒトIgGクリアランスの促進が認められた。
- 製造販売会社
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- 販売会社
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