チニダゾール錠500mg「F」
添付文書情報2023年09月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 血液疾患のある患者[血液疾患を悪化させるおそれがある]。
2.3. 脳器質的疾患、脊髄器質的疾患のある患者[類似化合物の長期投与により、脳波異常等を認めたとの報告がある]。
2.4. 妊婦<3ヵ月以内>又は妊娠している可能性のある患者〔9.5.1参照〕。
- 効能・効果
- トリコモナス症(腟トリコモナスによる感染症)。
- 用法・用量
- チニダゾールとして、通常成人2000mgを1回経口投与する。
投薬終了後、腟トリコモナスを検出した場合は、投薬終了時より少なくとも1週間ぐらいの間隔を置いて再投与する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:アルコール[腹部の疝痛、嘔吐、潮紅があらわれることがあるので、投与期間中及び投与後3日間はアルコールの摂取を避けること(機序は不明である)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹。
2). 消化器:(頻度不明)食欲不振、悪心・嘔吐、胃部不快感、舌苔、腹痛、下痢。
3). 血液:(頻度不明)白血球減少。
4). 泌尿・生殖器:(頻度不明)治療実施中にCandida albicans出現。
5). その他:(頻度不明)頭痛・頭重、口渇、けん怠感、尿着色。
- 高齢者
- 用量又は投与間隔に留意するなど慎重に投与すること(本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある)。
- 授乳婦
- 9.5.1. 妊婦<3ヵ月以内>又は妊娠している可能性のある女性:投与しないこと(経口投与により胎盤関門を通過して胎児へ移行することが知られている)〔2.4参照〕。
9.5.2. 妊婦<妊娠3ヵ月以内の女性を除く>:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳しないことが望ましい(乳汁中への移行が報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- その他の注意
- 15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. 大量長期間投与(600mg/kg/日、6ヵ月)でラットに精巣萎縮が報告されている。
15.2.2. 細菌を用いた復帰突然変異試験陽性及びヒトリンパ球を用いたin vitro染色体異常試験陽性を示したとの報告がある。また、チニダゾールのがん原性試験は実施されていないが、チニダゾールと化学構造が類似しているメトロニダゾールを動物に長期経口投与した場合、マウスでは肺腫瘍が、ラットでは乳房腫瘍の発生が報告されている。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与(200mg)
チニダゾールを健康成人7例に200mg1回経口投与したときの最高血中濃度は3~7μg/ml(1.5~4.5時間後)で、以後漸減して24時間後に検出限界値(1μg/ml)以下となった。血中濃度半減期は平均5.4時間であった。
16.1.2 連続投与
チニダゾールを健康成人3例に1回200mg1日2回7日間連続経口投与したとき、投与開始後2~7日の血中濃度は5~12μg/mlで、蓄積傾向は認められていない。
16.1.3 単回投与(2,000mg)
チニダゾールを健康成人6例に2,000mg1回経口投与したときの血中濃度は最高値50~70μg/ml(2~3時間後)を示し、以後漸減して24時間後で最高値の1/2~1/3となり、72時間後にはほぼ検出限界値(1μg/ml)以下となっている。
16.1.4 生物学的同等性試験
(1)チニダゾール錠200mg「F」
チニダゾール錠200mg「F」とファシジン錠200mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(チニダゾールとして200mg)健康成人男子に単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ(単回経口投与)
→図表を見る(PDF)
※血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
(2)チニダゾール錠500mg「F」
チニダゾール錠500mg「F」とファシジン錠500mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(チニダゾールとして500mg)健康成人男子に単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ(単回経口投与)
→図表を見る(PDF)
※血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
チニダゾールを健康成人又はトリコモナス腟炎の患者に2,000mg1回経口投与した試験では、投与後48時間以上にわたり、Trichomonas vaginalisの殺虫濃度以上のチニダゾールが腟内分泌液中に認められた。
16.5 排泄
チニダゾール200mg又は2,000mgを健康成人に1回経口投与したときの尿中総排泄率はそれぞれ21%、23~48%であった。尿中にはチニダゾールの他に2‐hydroxymethyl体とそのグルクロン酸抱合体が確認されている。
18.1 作用機序
明確な機序は不明である。
18.2 抗原虫作用及び抗菌作用
18.2.1 Trichomonas vaginalisに対し、in vitro、ラット及びマウスを用いた試験において殺虫的に作用する。
18.2.2 チニダゾールは、Bacteroides、Peptococcus、Peptostreptococcus、Clostridiumなどの嫌気性菌に対して抗菌力を示す(in vitro)。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
- 製造販売会社
- 富士製薬
- 販売会社
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保険審査の内容で恐縮ですが、先日の業界紙において、「社会保険診療報酬支払基金は31日、高血圧症に対して初回から第一選択薬として「配合剤」を投与することは、...
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