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ベネクレクスタ錠50mg

販売名
ベネクレクスタ錠50mg
識別コード
50 V
薬価
50mg1錠 3956.60円
製造メーカー
アッヴィ

添付文書情報2023年09月改定(第6版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗悪性腫瘍用剤
一般名
ベネトクラクス錠
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与を開始すること。
1.2. 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあり、特に本剤投与開始及び増量後1~2日に多く認められているので、本剤の投与開始前及び休薬後の再開前に腫瘍量に基づく腫瘍崩壊症候群のリスク評価を行い、リスクに応じた予防措置を適切に行うこと(また、本剤投与開始前及び投与中は、血液検査(カリウム、カルシウム、リン、尿酸、クレアチニン)を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること)〔7.3、8.2、8.3、11.1.1参照〕。
禁忌
2.1. 〈効能共通〉本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉用
量漸増期における強いCYP3A阻害剤投与中の慢性リンパ性白血病(強いCYP3A阻害剤投与中の小リンパ球性リンパ腫を含む)(リトナビル、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、コビシスタット含有製剤)の患者〔7.4、10.1、16.7.2、16.7.7、16.7.8参照〕。
効能・効果
1). 再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(再発又は難治性の小リンパ球性リンパ腫を含む)。
2). 急性骨髄性白血病。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈急性骨髄性白血病〉強力な寛解導入療法の適応となる急性骨髄性白血病患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.2. 〈急性骨髄性白血病〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.3、17.1.4参照〕。
用法・用量
〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉
通常、成人にはベネトクラクスとして、用量漸増期は第1週目に20mg、第2週目に50mg、第3週目に100mg、第4週目に200mg、第5週目に400mgをそれぞれ1日1回、7日間食後に経口投与する。その後の維持投与期は、400mgを1日1回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈急性骨髄性白血病〉
アザシチジン併用の場合:
通常、成人にはベネトクラクスとして、用量漸増期は1日目に100mg、2日目に200mg、3日目に400mgをそれぞれ1日1回、食後に経口投与する。その後の維持投与期は、400mgを1日1回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
シタラビン少量療法併用の場合:
通常、成人にはベネトクラクスとして、用量漸増期は1日目に100mg、2日目に200mg、3日目に400mg、4日目に600mgをそれぞれ1日1回、食後に経口投与する。その後の維持投与期は、600mgを1日1回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉リツキシマブ(遺伝子組換え)の投与が困難な場合を除き、維持投与期の開始からリツキシマブ(遺伝子組換え)と併用投与すること。
7.2. 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉リツキシマブ<遺伝子組換え>以外の抗悪性腫瘍剤との併用による有効性及び安全性は確立していない。
7.3. 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉本剤の投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に、本剤を休薬、減量、中止すること(なお、一定期間休薬後に再開する場合には、腫瘍崩壊症候群のリスク評価を行い、本剤の投与量を決定すること)〔1.2、8.1、8.2、11.1.1、11.1.2参照〕。
[副作用発現時の休薬等の目安]
1). 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉Grade4の血液毒性<好中球減少・血小板減少及びリンパ球減少を除く>:Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量レベルで投与を再開する(再開した後に再び発現した場合、Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後は休薬前より1段階低い用量レベルで投与を再開する)。
2). 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉Grade3の好中球減少又はGrade4の好中球減少:Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量レベルで投与を再開し、感染を伴う場合、感染が消失した後に再開する(再開した後に再び発現した場合、Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後は休薬前より1段階低い用量レベルで投与を再開する)。
3). 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉Grade3の血小板減少又はGrade4の血小板減少:Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量レベルで投与を再開する(再開した後に再び発現した場合、Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後は休薬前より1段階低い用量レベルで投与を再開する)。
4). 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉腫瘍崩壊症候群:腫瘍崩壊症候群が消失するまで休薬し、消失後は休薬前と同じ用量レベル又は1段階低い用量レベルで投与を再開する(2週間以上の休薬を要した場合、休薬前より1段階低い用量レベルで投与を再開する)。
5). 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉Grade3の非血液毒性<腫瘍崩壊症候群を除く>又はGrade4の非血液毒性<腫瘍崩壊症候群を除く>:Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量レベルで投与を再開する(再開した後に再び発現した場合、Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後は休薬前より1段階低い用量レベルで投与を再開する)。
NCI-CTCAE v4.0に基づく。
[用量レベル]
1). 用量レベル5:本剤の1日用量400mg。
2). 用量レベル4:本剤の1日用量300mg。
3). 用量レベル3:本剤の1日用量200mg。
4). 用量レベル2:本剤の1日用量100mg。
5). 用量レベル1:本剤の1日用量50mg。
6). 用量レベル0:本剤の1日用量20mg。
7). 用量レベル-1:本剤の1日用量10mg。
7.4. 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉中程度以上のCYP3A阻害剤と併用する場合には、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、次の基準を参考に、本剤の投与を検討すること〔2.2、10.1、10.2、16.7.2、16.7.7、16.7.8参照〕。
[CYP3A阻害剤との併用時の用量調節基準]
1). 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉中程度のCYP3A阻害剤:慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期、慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、本剤を半量以下に減量すること。
2). 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉強いCYP3A阻害剤:慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期、本剤を併用しないこと。
3). 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉強いCYP3A阻害剤:慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、本剤を100mg以下に減量すること。
7.5. 〈急性骨髄性白血病〉本剤と併用する抗悪性腫瘍剤等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で選択すること〔17.1.3、17.1.4参照〕。
7.6. 〈急性骨髄性白血病〉本剤の投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に、本剤を休薬、中止すること〔8.1、11.1.2参照〕。
[副作用発現時の休薬等の目安]
1). 〈急性骨髄性白血病〉Grade4の好中球減少:
①. 〈急性骨髄性白血病〉Grade4の好中球減少<寛解達成後初回発現時>:Grade3以下に回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量で投与を再開する。
②. 〈急性骨髄性白血病〉Grade4の好中球減少<寛解達成後2回目以降の発現時>:Grade3以下に回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量で投与を再開するが、21日間投与した後、7日間休薬すること。
2). 〈急性骨髄性白血病〉Grade4の血小板減少:
①. 〈急性骨髄性白血病〉Grade4の血小板減少<寛解達成後初回発現時>:Grade2以下に回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量で投与を再開する。
②. 〈急性骨髄性白血病〉Grade4の血小板減少<寛解達成後2回目以降の発現時>:Grade2以下に回復するまで休薬し、回復後は休薬前と同じ用量で投与を再開するが、21日間投与した後、7日間休薬すること。
NCI-CTCAE v4.0に基づく。
7.7. 〈急性骨髄性白血病〉中程度以上のCYP3A阻害剤と併用する場合には、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、次の基準を参考に、本剤の投与を検討すること〔10.2、16.7.2、16.7.7、16.7.8参照〕。
[CYP3A阻害剤との併用時の用量調節基準]
1). 〈急性骨髄性白血病〉中程度のCYP3A阻害剤:急性骨髄性白血病の用量漸増期、急性骨髄性白血病の維持投与期、本剤を半量以下に減量すること。
2). 〈急性骨髄性白血病〉強いCYP3A阻害剤:急性骨髄性白血病の用量漸増期、本剤を1日目は10mg、2日目は20mg、3日目以降は50mgに減量すること。
3). 〈急性骨髄性白血病〉強いCYP3A阻害剤:急性骨髄性白血病の維持投与期、本剤を50mgに減量すること。
生殖能を有する者
8.1. 〈効能共通〉骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと〔7.3、7.6、11.1.2参照〕。
8.2. 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるため、次の点に注意すること〔1.2、7.3、11.1.1参照〕。
・ 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるため、本剤投与開始前に血液検査(カリウム、カルシウム、リン、尿酸、クレアチニン)を行い、電解質異常のある場合は本剤投与開始に先立ち補正を行うこと。
・ 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるため、本剤投与開始前から、高尿酸血症治療剤の投与を行うこと。
・ 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるため、本剤投与開始前に、X線(CT検査)等による腫瘍量の評価により、腫瘍崩壊症候群のリスク評価を行い、本剤投与開始前及び用量漸増期には、腫瘍量に応じて、次の[低腫瘍量(全てのリンパ節が5cm未満かつリンパ球絶対数[ALC]25×10の3乗/μL未満)又は中腫瘍量(いずれかのリンパ節が5~10cm未満又はALC25×10の3乗/μL以上)の場合]及び[高腫瘍量(いずれかのリンパ節が10cm以上、又はいずれかのリンパ節が5cm以上かつALC25×10の3乗/μL以上)の場合]を参考に対応すること(なお、具体的な方法、検査頻度等は患者の状態を考慮して判断すること)。
[低腫瘍量(全てのリンパ節が5cm未満かつリンパ球絶対数[ALC]25×10の3乗/μL未満)又は中腫瘍量(いずれかのリンパ節が5~10cm未満又はALC25×10の3乗/μL以上)の場合]1). 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉低腫瘍量の慢性リンパ性白血病(低腫瘍量の小リンパ球性リンパ腫を含む)(全てのリンパ節が5cm未満かつリンパ球絶対数[ALC]25×10の3乗/μL未満)又は中腫瘍量の慢性リンパ性白血病(中腫瘍量の小リンパ球性リンパ腫を含む)(いずれかのリンパ節が5~10cm未満又はALC25×10の3乗/μL以上)の場合、水分補給は本剤による治療開始の2日前から開始し、用量漸増期を通じて1.5~2L/日を摂取する(経口摂取困難な場合は補液投与を行うこと)。
2). 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉低腫瘍量の慢性リンパ性白血病(低腫瘍量の小リンパ球性リンパ腫を含む)(全てのリンパ節が5cm未満かつリンパ球絶対数[ALC]25×10の3乗/μL未満)又は中腫瘍量の慢性リンパ性白血病(中腫瘍量の小リンパ球性リンパ腫を含む)(いずれかのリンパ節が5~10cm未満又はALC25×10の3乗/μL以上)の場合、*血液検査頻度は20mg及び50mgの各初回投与時:投与前、投与6~8時間後、投与24時間後、その後の各漸増用量の初回投与時:投与前。
*:クレアチニンクリアランス80mL/分未満の中腫瘍量の慢性リンパ性白血病(クレアチニンクリアランス80mL/分未満の中腫瘍量の小リンパ球性リンパ腫を含む)の患者では、血液検査頻度は20mg及び50mgの各初回投与時:投与前及び投与4、8、12、24時間後、その後の各漸増用量の初回投与時:投与前。
[高腫瘍量(いずれかのリンパ節が10cm以上、又はいずれかのリンパ節が5cm以上かつALC25×10の3乗/μL以上)の場合]1). 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉高腫瘍量の慢性リンパ性白血病(高腫瘍量の小リンパ球性リンパ腫を含む)(いずれかのリンパ節が10cm以上、又はいずれかのリンパ節が5cm以上かつALC25×10の3乗/μL以上)の場合、水分補給は本剤による治療開始の2日前から開始し、用量漸増期を通じて1.5~2L/日摂取に加え、補液投与(可能であれば150~200mL/時)を行う(経口摂取困難な場合は補液投与を行うこと)。
2). 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉高腫瘍量の慢性リンパ性白血病(高腫瘍量の小リンパ球性リンパ腫を含む)(いずれかのリンパ節が10cm以上、又はいずれかのリンパ節が5cm以上かつALC25×10の3乗/μL以上)の場合、血液検査頻度は20mg及び50mgの各初回投与時:投与前及び投与4、8、12、24時間後、その後の各漸増用量の初回投与時:投与前、投与6~8時間後、投与24時間後。
・ 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるため、本剤投与開始後、2週間以上休薬した後に再開する場合には、本剤投与開始前及び用量漸増期と同様の腫瘍崩壊症候群のリスク評価及び予防措置を行うこと。
・ 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるため、維持投与期においては、定期的に血液検査(カリウム、カルシウム、リン、尿酸、クレアチニン)を行うこと。
8.3. 〈急性骨髄性白血病〉腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるため、次の点に注意すること〔1.2、11.1.1参照〕。
・ 〈急性骨髄性白血病〉腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるため、白血球数が25×10の3乗/μL未満となるよう、本剤開始前に調整を行うこと。
・ 〈急性骨髄性白血病〉腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるため、本剤投与開始前に血液検査(カリウム、カルシウム、リン、尿酸、クレアチニン)を行い、電解質異常のある場合は本剤投与開始に先立ち補正を行うこと。
・ 〈急性骨髄性白血病〉腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるため、本剤投与開始前から、高尿酸血症治療剤の投与を行うこと。
・ 〈急性骨髄性白血病〉腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるため、本剤投与開始前及び用量漸増期には、次の[腫瘍崩壊症候群の予防措置]を参考に対応すること(また、本剤投与開始前に、腫瘍崩壊症候群のリスク評価を行い、腫瘍崩壊症候群の危険因子を有する急性骨髄性白血病患者の場合、頻回な検査の実施や本剤を減量して開始するなど、追加の予防策を考慮すること、なお、具体的な方法、検査頻度等は患者の状態を考慮して判断すること)。
[腫瘍崩壊症候群の予防措置]1). 〈急性骨髄性白血病〉水分補給は本剤による治療開始前から用量漸増期を通じて1.5~2L/日を摂取する(経口摂取困難な場合は補液投与を行うこと)。
2). 〈急性骨髄性白血病〉血液検査頻度は用量漸増期:投与前、投与6~8時間後、用量漸増期最終日(アザシチジン併用の場合400mg到達時、シタラビン少量療法併用
の場合600mg到達時):投与前、投与6~8時間後に加え、投与24時間後。
・ 〈急性骨髄性白血病〉腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるため、維持投与期においては、定期的に血液検査(カリウム、カルシウム、リン、尿酸、クレアチニン)を行うこと。
9.3.1. 重度肝機能障害<Child-Pugh分類C>の患者:減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること(血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある)〔16.6.1参照〕。
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後30日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.2. 生殖可能な年齢の男性に本剤を投与する場合には、性腺に対する影響を考慮すること(動物実験(イヌ)において、本剤1日1回400mg投与した時の臨床曝露量の約0.5倍の曝露に相当する用量で精原細胞を標的とした精巣毒性が認められており、回復性は確認されていない)。
相互作用
本剤は主にCYP3Aにより代謝される。また、本剤はP-糖タンパク(P-gp)の基質であり、P-gpを阻害する〔16.4参照〕。
10.1. 併用禁忌:〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期〉強いCYP3A阻害剤(リトナビル<ノービア>、クラリスロマイシン<クラリス>、イトラコナゾール<イトリゾール>、ボリコナゾール<ブイフェンド>、ポサコナゾール<ノクサフィル>、コビシスタット含有製剤<スタリビルド>)〔2.2、7.4、10.2、16.7.2、16.7.7、16.7.8参照〕[腫瘍崩壊症候群の発現が増強されるおそれがある(これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
10.2. 併用注意:1). 〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病〉強いCYP3A阻害剤(クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール等)〔7.4、7.7、10.1、16.7.2、16.7.7、16.7.8参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
2). 中程度のCYP3A阻害剤(エリスロマイシン、ジルチアゼム、フルコナゾール等)〔7.4、7.7、16.7.8参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
3). グレープフルーツ含有食品[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、摂取しないよう注意すること(これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
4). 強いCYP3A誘導剤又は中程度のCYP3A誘導剤(カルバマゼピン、リファンピシン、エファビレンツ等)、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)〔16.7.3、16.7.8参照〕[本剤の効果が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること(これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
5). 生ワクチン又は弱毒生ワクチン[接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行うこと(ワクチン接種に対する応答が不明であり、また、生ワクチンによる二次感染が否定できない)]。
6). ワルファリン〔16.7.5参照〕[ワルファリンの作用が増強されるおそれがあるので、プロトロンビン時間国際標準比(INR)値等の血液凝固能の変動に十分注意すること(機序は不明であるが、ワルファリンの血中濃度が上昇する可能性がある)]。
7). P-gp阻害剤(シクロスポリン、タクロリムス、リファンピシン等)〔16.7.3参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(これらの薬剤がP-gpを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
8). 治療域の狭いP-gpの基質となる薬剤(ジゴキシン、エベロリムス、シロリムス等)〔16.7.6参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
9). アジスロマイシン〔16.7.4参照〕[本剤の効果が減弱するおそれがあるので、併用を避けることが望ましい(機序は不明であるが、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 腫瘍崩壊症候群(2.7%):異常が認められた場合は、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔1.2、7.3、8.2、8.3参照〕。
11.1.2. 骨髄抑制:好中球減少(44.2%)、貧血(15.7%)、血小板減少(27.7%)、発熱性好中球減少症(17.6%)等があらわれることがある〔7.3、7.6、8.1参照〕。
11.1.3. 感染症(29.3%):肺炎(11.0%)、敗血症(4.5%)等があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(10%以上)悪心(24.0%)、下痢(20.8%)、嘔吐(11.2%)、(10%未満)便秘、口内炎、腹痛。
2). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(10%未満)疲労、無力症。
3). 肝胆道系障害:(10%未満)血中ビリルビン増加、胆嚢炎/胆石症。
4). 代謝及び栄養障害:(10%以上)食欲減退(10.1%)、(10%未満)体重減少、低カリウム血症。
5). 筋骨格系及び結合組織障害:(10%未満)関節痛。
6). 神経系障害:(10%未満)浮動性めまい/失神、頭痛。
7). 腎及び尿路障害:(10%未満)血中クレアチニン増加。
8). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(10%未満)呼吸困難。
9). 血管障害:(10%未満)出血、低血圧。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(胚・胎仔発生試験(マウス)において、本剤1日1回400mg投与した時の臨床曝露量の約1.2倍の曝露に相当する用量で着床後胚損失率上昇及び胎仔体重減少が報告されている)〔9.4.1参照〕。
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)において乳汁中への移行が認められている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報海外臨床試験において、皮膚有棘細胞癌、扁平上皮癌、基底細胞癌等の二次性悪性腫瘍が発現したとの報告がある。

16.1 血中濃度
〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉
16.1.1 単回投与
再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)患者に本剤20~200mgを食後に単回経口投与したときの薬物動態パラメータを次に示す(外国人データ)。
表1:慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)患者に本剤を単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.2 反復投与
日本人の再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)患者に本剤を、用量漸増期は第1週目に20mg、第2週目に50mg、第3週目に100mg、第4週目に200mg、第5週目に400mgをそれぞれ1日1回、7日間食後に経口投与し、その後の維持投与期に400mgを1日1回、食後に経口投与したときのベネトクラクスの平均血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを次に示す。
表2:慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)患者に本剤を反復経口投与したときの定常状態における薬物動態パラメータ
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図1:慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)患者に本剤を反復経口投与したときの血漿中濃度推移(平均値+標準偏差)

〈急性骨髄性白血病〉
16.1.3 反復投与
強力な寛解導入療法の適応とならない未治療の急性骨髄性白血病患者に、シタラビン少量療法を1~10日目に投与するとともに本剤を、用量漸増期は2日目に50mg、3日目に100mg、4日目に200mg、5日目に400mg、6日目に600mgをそれぞれ1日1回、食後に経口投与し、その後の維持投与期に600mgを1日1回、食後に経口投与したときのベネトクラクスの平均血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを次に示す(外国人データ)。
表3:急性骨髄性白血病患者に本剤を反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
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図2:急性骨髄性白血病患者に本剤を反復経口投与したときの血漿中濃度推移(平均値+標準偏差)

16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康被験者24例に本剤100mg注)を低脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時投与と比較してベネトクラクスのCmax及びAUC∞はいずれも3.4倍に増加した。また、高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時投与と比較してベネトクラクスのCmaxは5.3倍、AUC∞は5.1倍に増加した(外国人データ)。
16.3 分布
ベネトクラクスのヒト血漿タンパク非結合型分率は0.01未満であり、ヒト血液/血漿中濃度比は0.57であった(in vitro)。
16.4 代謝
ベネトクラクスは主にCYP3Aにより代謝される(in vitro)。健康被験者4例に14C‐ベネトクラクス200mg注)を食後に単回経口投与したとき、投与48時間後までの血漿中には主に未変化体及びM27(酸化体)が検出された(血漿中総放射能の72.6及び12.0%)(外国人データ)。[10.参照]
16.5 排泄
健康被験者4例に14C‐ベネトクラクス200mg注)を食後に単回経口投与したとき、投与後9日までに投与量の99.9%超が糞中に回収され、尿中排泄は0.1%未満であった。糞中において未変化のベネトクラクスが占める割合は20.8%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
本剤50mg注)を食後に単回経口投与したとき、肝機能正常被験者(6例)と比較して、軽度の肝機能障害患者(Child‐Pugh分類A、6例)及び中等度の肝機能障害患者(Child‐Pugh分類B、6例)ではベネトクラクスのAUC∞はそれぞれ1.3及び1.4倍に増加し、重度の肝機能障害患者(Child‐Pugh分類C、5例)ではベネトクラクスのAUC∞は2.7倍に増加した(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ケトコナゾール
非ホジキンリンパ腫患者11例にケトコナゾール(強いCYP3A阻害剤、経口剤:国内未承認)400mgを1日1回7日間投与時に本剤50mg注)を食後に併用投与したとき、ベネトクラクスのCmaxは2.3倍、AUC∞は6.4倍に増加した(外国人データ)。
16.7.2 リトナビル
健康被験者6例にリトナビル(P‐gp及び強いCYP3A阻害薬)100mgを単回投与時に本剤10mg注)を食後に併用投与したとき、ベネトクラクスのCmaxは2.3倍、AUC∞は8.1倍に増加した(外国人データ)。[2.2、7.4、7.7、10.1、10.2参照]
16.7.3 リファンピシン
単回投与
健康被験者11例にリファンピシン(P‐gp阻害剤)600mgを単回投与時に本剤200mg注)を食後に併用投与したとき、ベネトクラクスのCmaxは2.1倍、AUC∞は1.8倍に増加した(外国人データ)。
反復投与
健康被験者10例にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回13日間投与時に本剤200mg注)を食後に併用投与したとき、ベネトクラクスのCmaxは42%、AUC∞は71%減少した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 アジスロマイシン
健康被験者12例に初日にアジスロマイシン500mg、その後アジスロマイシン250mgを4日間投与時に本剤100mg注)を食後に併用投与したとき、ベネトクラクスのCmaxは25%、AUC∞は35%減少した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.5 ワルファリン
健康被験者3例に本剤400mg注)とワルファリン5mgを食後に単回併用投与したとき、ワルファリン単独投与時(8例)と比較してR‐ワルファリンのCmax及びAUC∞はいずれも1.2倍に増加し、S‐ワルファリンのCmaxは1.2倍、AUC∞は1.3倍に増加した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.6 ジゴキシン
健康被験者10例に本剤100mg注)とジゴキシン0.5mgを食後に単回併用投与したとき、ジゴキシンのCmaxは1.4倍、AUC∞は1.1倍に増加した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.7 ポサコナゾール
急性骨髄性白血病患者に本剤50mg及び100mgとポサコナゾール300mgを併用したとき、本剤400mg単独投与時と比較してベネトクラクスのCmaxはそれぞれ61%及び86%増加し、AUC24は90%及び144%増加した(外国人データ)。[2.2、7.4、7.7、10.1、10.2参照]
16.7.8 イトラコナゾール、エリスロマイシン、フルコナゾール、エファビレンツ(生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション)
イトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)、エリスロマイシン及びフルコナゾール(中程度のCYP3A阻害剤)と本剤400mg注)を併用投与したとき、ベネトクラクスのAUC∞はそれぞれ5.8、4.9及び2.7倍増加すると推定された。
エファビレンツ(中程度のCYP3A誘導剤)と本剤400mg注)を併用投与したとき、ベネトクラクスのAUC∞は61%減少すると推定された。[2.2、7.4、7.7、10.1、10.2参照]
16.7.9 その他
生理学的薬物動態モデルによるシミュレーションから、フルボキサミン(弱いCYP3A阻害剤)及びプレドニゾン(弱いCYP3A誘導剤、国内未承認)と本剤400mg注)を併用投与したとき、ベネトクラクスのAUC∞に明確な影響を及ぼさないことが推定された。
ベネトクラクスは乳癌耐性タンパク(BCRP)の基質であり、BCRP及び有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)1B1を阻害した(in vitro)。
注)本剤の承認用法・用量は、再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)に対し「用量漸増期は第1週目に20mg、第2週目に50mg、第3週目に100mg、第4週目に200mg、第5週目に400mgをそれぞれ1日1回7日間投与、その後の維持投与期は、400mgを1日1回投与する。」又は急性骨髄性白血病に対しアザシチジンとの併用の場合は「用量漸増期は1日目に100mg、2日目に200mg、3日目に400mgをそれぞれ1日1回投与、その後の維持投与期は、400mgを1日1回投与する。」又はシタラビン少量療法併用の場合は「用量漸増期は1日目に100mg、2日目に200mg、3日目に400mg、4日目に600mgをそれぞれ1日1回投与、その後の維持投与期は、600mgを1日1回投与する。」である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉
17.1.1 海外第III相試験(MURANO試験)
1レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性の慢性リンパ性白血病患者389例を対象とし、本剤及びリツキシマブの併用療法(V+R)をベンダムスチン及びリツキシマブの併用療法(BR)と比較するランダム化非盲検第III相試験である。V+R群では本剤の用量漸増期注1)完了後、本剤を1日1回400mgで病態の悪化等が認められるまで最大2年間継続投与した。リツキシマブ注2)は28日を1サイクルとし、最大投与回数は6サイクルとして投与した。BR群ではベンダムスチンを1回量70mg/m2で2日間投与した。28日を1サイクルとし、最大投与回数は6サイクルとした。主要評価項目である治験責任医師判定の無増悪生存期間において、V+R群はBR群に対して統計学的に有意な延長を認めた(データカットオフ日:2017年5月8日)。
注1)本剤の漸増方法(用量漸増期):第1週目に20mg、第2週目に50mg、第3週目に100mg、第4週目に200mg、第5週目に400mgをそれぞれ1日1回、7日間食後に経口投与する。
注2)リツキシマブは初回に1回量375mg/m2、2回目以降は1回量500mg/m2を28日ごとに投与した。V+R群では本剤の用量漸増期完了後にリツキシマブの投与を開始し、BR群ではベンダムスチンの投与開始時にリツキシマブの投与を開始した。
表1:海外第III相試験(MURANO試験)における成績
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図1:無増悪生存期間のKaplan‐Meier曲線

V+R群194例のうち、160例(82.5%)にベネトクラクスとの因果関係のある副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症104例(53.6%)、下痢43例(22.2%)、悪心29例(14.9%)等であった。
17.1.2 国内第I/II相試験(M13‐834試験Arm D)
再発又は難治性の慢性リンパ性白血病患者6例を対象として本剤とリツキシマブを併用投与した単群非盲検第II相試験である。本剤は20mgより投与を開始し400mg1日1回まで漸増を行った後、400mg1日1回投与を病態の悪化等が認められるまで継続した。リツキシマブは本剤の漸増期間完了後に投与を開始し、初回に1回量375mg/m2、2回目以降は1回量500mg/m2を28日ごとに投与した。28日を1サイクルとし、最大投与回数は6サイクルとした。主要評価項目である奏効率は66.7%(4/6例)(95%CI:22.3-95.7%)であった。
本剤を投与された6例のうち、6例(100%)にベネトクラクスとの因果関係のある副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症4例(66.7%)、悪心4例(66.7%)、白血球減少症3例(50.0%)、リンパ球減少症3例(50.0%)等であった。
〈急性骨髄性白血病〉
17.1.3 国際共同第III相試験(Viale‐A[M15‐656]試験)
強力な寛解導入療法の適応とならない未治療の急性骨髄性白血病患者433例(無作為割付例;日本人患者37例を含む)を対象とし、本剤及びアザシチジンの併用療法(V+AZA)をプラセボ及びアザシチジンの併用療法(P+AZA)と比較するランダム化二重盲検第III相試験である。第1、2及び3日目にそれぞれ本剤100、200及び400mg又はプラセボを1日1回食後に経口投与した後、本剤400mg又はプラセボを1日1回継続投与した。アザシチジンは28日を1サイクルとし、各サイクルの1~7日目に75mg/m2を1日1回静脈内又は皮下投与した。主要評価項目の1つである全生存期間(OS)において、V+AZA群はP+AZA群に対して統計学的に有意な延長を認めた(データカットオフ日:2020年1月4日)。もう1つの主要評価項目である治験責任医師判定の複合的完全寛解(完全寛解[CR]+血球数回復が不完全な完全寛解[CRi])率において、V+AZA群はP+AZA群に対して統計学的に有意に高値であった(データカットオフ日:2018年10月1日)。
表2:国際共同第III相試験(Viale‐A試験)における成績
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図2:全生存期間のKaplan‐Meier曲線

本剤を投与されたV+AZA群283例のうち、241例(85.2%)にベネトクラクスとの因果関係のある副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症101例(35.7%)、血小板減少症96例(33.9%)、発熱性好中球減少症79例(27.9%)等であった(データカットオフ日:2020年1月4日)。[5.2、7.5参照]
17.1.4 国際共同第III相試験(Viale‐C[M16‐043]試験)
強力な寛解導入療法の適応とならない未治療の急性骨髄性白血病患者211例(日本人患者27例を含む)を対象とし、本剤及び低用量シタラビンの併用療法(V+LDAC)をプラセボ及び低用量シタラビンの併用療法(P+LDAC)と比較するランダム化二重盲検第III相試験である。第1、2、3及び4日目にそれぞれ本剤100、200、400及び600mg又はプラセボを1日1回経口投与した後、本剤600mg又はプラセボを1日1回継続投与した。低用量シタラビンは28日を1サイクルとし、各サイクルの1~10日目に20mg/m2を1日1回皮下投与した。主要評価項目である全生存期間(OS)において、V+LDAC群はP+LDAC群に対して統計学的に有意な延長を示さなかった(データカットオフ日:2019年2月15日)。なお、治験責任医師判定の複合的完全寛解(完全寛解[CR]+血球数回復が不完全な完全寛解[CRi])率は、V+LDAC群では47.6%(68/143例)(95%信頼区間:39.1-56.1%)、P+LDAC群では13.2%(9/68例)(95%信頼区間:6.2-23.6%)であった。
表3:国際共同第III相試験(Viale‐C試験)における成績
→図表を見る(PDF)

図3:全生存期間のKaplan‐Meier曲線

本剤を投与されたV+LDAC群142例のうち、106例(74.6%)にベネトクラクスとの因果関係のある副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症49例(34.5%)、血小板減少症45例(31.7%)、悪心39例(27.5%)等であった(データカットオフ日:2019年8月15日)。[5.2、7.5参照]

18.1 作用機序
ベネトクラクスは抗アポトーシス作用を有するBcl‐2に結合し、抗アポトーシス作用を阻害することによりアポトーシスを誘導すると考えられる。
18.2 抗腫瘍作用
ベネトクラクスは慢性リンパ性白血病(CLL)患者由来CLL細胞に対して増殖抑制作用を示した。

一包可:不可

抗悪性腫瘍剤

分割:不可
粉砕:不明

抗悪性腫瘍剤

製造販売会社
アッヴィ
販売会社
 

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