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マヴィレット配合錠

販売名
マヴィレット配合錠
識別コード
NXT
薬価
1錠 17422.80円
製造メーカー
アッヴィ

添付文書情報2022年06月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
抗ウイルス剤
一般名
グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル錠
警告
1.1. 本剤は、ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対してのみ投与すること。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重度<Child-Pugh分類C>の肝機能障害のある患者〔9.3.1、16.6.1参照〕。
2.3. アタザナビル硫酸塩投与中、アトルバスタチンカルシウム水和物投与中、リファンピシン投与中の患者〔10.1、16.7.2参照〕。
効能・効果
C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤の使用に際しては、HCV RNAが陽性であることを確認すること。また、肝予備能、臨床症状等により、非代償性肝硬変でないことを確認すること。
用法・用量
〈セログループ1(ジェノタイプ1)又はセログループ2(ジェノタイプ2)のC型慢性肝炎の場合〉
通常、成人、12歳以上の小児及び3歳以上12歳未満かつ体重45kg以上の小児には1回3錠(グレカプレビルとして300mg及びピブレンタスビルとして120mg)を1日1回、食後に経口投与する。投与期間は8週間とする。なお、C型慢性肝炎に対する前治療歴に応じて投与期間は12週間とすることができる。
〈セログループ1(ジェノタイプ1)又はセログループ2(ジェノタイプ2)のC型代償性肝硬変の場合〉
〈セログループ1(ジェノタイプ1)又はセログループ2(ジェノタイプ2)のいずれにも該当しないC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変の場合〉
通常、成人、12歳以上の小児及び3歳以上12歳未満かつ体重45kg以上の小児には1回3錠(グレカプレビルとして300mg及びピブレンタスビルとして120mg)を1日1回、食後に経口投与する。投与期間は12週間とする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. セログループ1又はセログループ2のC型慢性肝炎(セログループ1:ジェノタイプ1、セログループ2:ジェノタイプ2)患者に対しては、前治療の有無により投与期間を考慮すること(国内臨床試験において、NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤、NS5A阻害剤又はNS5Bポリメラーゼ阻害剤の前治療歴を有する患者に対する本剤の投与期間は12週間であった)〔17.1.1参照〕。
7.2. 本剤とグレカプレビル・ピブレンタスビル配合顆粒小児用の生物学的同等性は示されていないため、互換使用を行わないこと。
肝機能障害患者
8.1. B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性)において、C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルス再活性化が報告されているので、本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること〔9.1.1参照〕。
8.2. 肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと〔11.1参照〕。
8.3. C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、ワルファリンやタクロリムスの増量、低血糖によりインスリン等の糖尿病治療薬の減量が必要となった症例が報告されており、本剤による抗ウイルス治療に伴い、使用中の併用薬の用量調節が必要になる可能性があるので、特にワルファリン、タクロリムス等の肝臓で代謝される治療域の狭い薬剤や糖尿病治療薬を使用している患者に本剤を開始する場合には、原則、処方医に連絡するとともに、頻回にPT-INRや頻回に血中薬物濃度、頻回に血糖値のモニタリングを行うなど患者の状態を十分に観察すること。
9.1.1. B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者:B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性)に本剤を投与する場合は、HBV DNA量等のB型肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。
C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与後、C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている〔8.1参照〕。
9.3.1. 重度<Child-Pugh分類C>の肝機能障害のある患者:投与しないこと(本剤の曝露量が増加するおそれがある)〔2.2、16.6.1参照〕。
相互作用
グレカプレビルはP糖蛋白(P-gp)、乳癌耐性蛋白(BCRP)、有機アニオントランスポーター(OATP)1B1/1B3の基質であり、阻害剤である。ピブレンタスビルはP-gpの基質であり、P-gp、BCRP、OATP1B1の阻害剤である〔16.7.1、16.7.2参照〕。
10.1. 併用禁忌:1). アタザナビル硫酸塩:①. アタザナビル硫酸塩<レイアタッツ>〔2.3、16.7.2参照〕[グレカプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある(アタザナビルのOATP1B阻害作用によるものと考えられる)]。
②. アタザナビル硫酸塩<レイアタッツ>〔2.3、16.7.2参照〕[ALT上昇のリスクが増加するおそれがある(ALT上昇の機序は不明)]。
2). アトルバスタチンカルシウム水和物<リピトール>〔2.3、16.7.2参照〕[アトルバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがあり、アトルバスタチンによる副作用の発現リスクが高くなるおそれがある(グレカプレビル及びピブレンタスビルのOATP1B及びBCRP阻害作用による)]。
3). リファンピシン<リファジン>〔2.3、16.7.2参照〕[グレカプレビル及びピブレンタスビルの血中濃度が低下し効果が減弱するおそれがある(リファンピシンのP-gp誘導作用による)]。
10.2. 併用注意:1). ジゴキシン、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩〔16.7.2参照〕[これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある(グレカプレビル及びピブレンタスビルのP-gp阻害作用による)]。
2). カルバマゼピン、エファビレンツ、フェニトイン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)〔16.7.2参照〕[グレカプレビル及びピブレンタスビルの血中濃度が低下し効果が減弱するおそれがある(これら薬剤のP-gp誘導作用による)]。
3). エチニルエストラジオール[ALT上昇のリスクが増加するおそれがある(機序不明)]。
4). ロスバスタチンカルシウム〔16.7.2参照〕[ロスバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがあり、ロスバスタチンによる副作用の発現リスクが高くなるおそれがある(グレカプレビル及びピブレンタスビルのOATP1B及びBCRP阻害作用による)]。
5). シンバスタチン〔16.7.2参照〕[シンバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがあり、シンバスタチンによる副作用の発現リスクが高くなるおそれがある(グレカプレビル及びピブレンタスビルのOATP1B及びBCRP阻害作用による)]。
6). プラバスタチンナトリウム〔16.7.2参照〕[プラバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがあり、プラバスタチンによる副作用の発現リスクが高くなるおそれがある(グレカプレビル及びピブレンタスビルのOATP1B阻害作用による)]。
7). フルバスタチンナトリウム、ピタバスタチンカルシウム水和物[これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、これらスタチンによる副作用の発現リスクが高くなるおそれがある(グレカプレビル及びピブレンタスビルのOATP1B阻害作用による)]。
8). シクロスポリン〔16.7.2参照〕[グレカプレビル及びピブレンタスビルの血中濃度が上昇するおそれがある(シクロスポリンのOATP1B、P-gp及びBCRP阻害作用によるものと考えられる)]。
9). ロピナビル・リトナビル〔16.7.2参照〕[グレカプレビル及びピブレンタスビルの血中濃度が上昇するおそれがある(これら薬剤のOATP1B、P-gp又はBCRP阻害作用によるものと考えられる)]。
10). ダルナビルエタノール付加物/リトナビル、ダルナビルエタノール付加物・コビシスタット〔16.7.2参照〕[グレカプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある(これら薬剤のOATP1B、P-gp又はBCRP阻害作用によるものと考えられる)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.2参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(5%未満)悪心、腹痛、腹部膨満、(頻度不明)嘔吐、上腹部痛。
2). 代謝・栄養:(5%未満)食欲減退。
3). 精神神経:(5%未満)頭痛、傾眠。
4). 皮膚:(5%未満)皮膚そう痒、発疹、薬疹、血管炎性皮疹、(頻度不明)血管性浮腫。
5). 泌尿器・生殖器:(5%未満)蛋白尿。
6). 全身症状:(5%未満)倦怠感、疲労、悪寒、活動性低下、(頻度不明)無力症。
7). 臨床検査:(5%未満)血中ビリルビン増加、ALT増加、尿中結晶陽性。
授乳婦
妊娠又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で本剤成分が乳汁中へ移行することが確認されている)。
小児等
12歳未満の小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人(23例)に本剤(300mg/120mg)を単回経口投与したときの薬物動態パラメータを次表に示す(外国人データ)。
表1.健康成人における単回投与時のグレカプレビル及びピブレンタスビルの薬物動態パラメータ
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16.1.2 反復投与(健康成人)
健康成人(18例)に食後にグレカプレビル300mg又はピブレンタスビル120mgを1日1回、7日間反復経口投与し、引き続きグレカプレビル300mg及びピブレンタスビル120mgを1日1回、7日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータを次表に示す。
表2.健康成人における反復経口投与14日目のグレカプレビル及びピブレンタスビルの薬物動態パラメータ
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16.1.3 反復投与(C型慢性肝炎患者)
本剤(300mg/120mg1日1回)を投与した日本人C型慢性肝炎成人患者(8週間投与)又はC型代償性肝硬変患者(12週間投与)計332例について、母集団薬物動態解析で推定された慢性肝炎患者のグレカプレビルの定常状態曝露量Cmax,ss及びAUC24,ssはそれぞれ1170ng/mL及び11600ng・h/mLであり、ピブレンタスビルではそれぞれ165ng/mL及び2560ng・h/mLであった。慢性肝炎患者との比較では代償性肝硬変患者のグレカプレビルのAUC24,ssは160%高かったが、ピブレンタスビルのAUC24,ssは21%以下の差であった。
本剤(300mg/120mg1日1回)を8週間又は16週間投与した12歳以上18歳未満のC型慢性肝炎患者47例(4例の日本人患者を含む)を対象とした母集団薬物動態解析により推定したところ、4例の非肝硬変日本人患者におけるグレカプレビルの定常状態曝露量Cmax,ss及びAUC24,ssはそれぞれ1120ng/mL及び7750ng・h/mLであり、ピブレンタスビルではそれぞれ161ng/mL及び1910ng・h/mLであった。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人(23例)に本剤(300mg/120mg)を単回経口投与し、グレカプレビル及びピブレンタスビルの吸収に及ぼす食事の影響を検討した。食事摂取によりグレカプレビル及びピブレンタスビルの曝露量は増加した(外国人データ)。
表3.健康成人における空腹時投与に対する中脂肪及び高脂肪食後の薬物動態パラメータ
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16.3 分布
ヒト血漿蛋白結合率はグレカプレビルで97.5%、ピブレンタスビルで99.9%を上回った。ヒト血液/血漿中濃度比はグレカプレビルで0.57、ピブレンタスビルで0.62であった(外国人データ)。
16.4 代謝
血漿中には未変化のグレカプレビル及びピブレンタスビルのみが検出された。糞中にはグレカプレビルの代謝物が数種類同定された。グレカプレビルはCYP3Aで副次的に代謝される。ピブレンタスビルは代謝されなかった(外国人データ)。
16.5 排泄
グレカプレビル及びピブレンタスビルの主たる排泄経路はいずれも胆汁-糞であった。健康成人に14C‐グレカプレビルを単回経口投与後、糞中及び尿中にそれぞれ投与量の92.1%及び0.7%の放射能が排泄された。健康成人に14C‐ピブレンタスビルを単回経口投与後、糞中に投与量の96.6%の放射能が排泄され、尿中には検出されなかった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
HCV非感染の肝機能正常被験者と比較し、軽度肝機能障害患者(Child‐Pugh分類A)においてグレカプレビル300mg及びピブレンタスビル120mg単回経口投与後のグレカプレビルのAUCは1.33倍になり、中等度肝機能障害患者(Child‐Pugh分類B)で2倍になり、重度肝機能障害患者(Child‐Pugh分類C)では11倍となった。軽度肝機能障害患者においてピブレンタスビルのAUCの増加は0.80倍未満であり、中等度肝機能障害患者で1.26倍であり、重度肝機能障害患者では2.14倍であった(外国人データ)。[2.2、9.3.1参照]
表4.肝機能正常被験者に対する肝機能障害被験者の薬物動態パラメータ比
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16.6.2 腎機能障害患者
HCV非感染の腎機能正常被験者と比較し、軽度(eGFR:60~89mL/min/1.73m2)、中等度(eGFR:30~59mL/min/1.73m2)、重度(eGFR:15~29mL/min/1.73m2)又は透析を要する末期腎不全(eGFR:<15mL/min/1.73m2)患者において、グレカプレビル300mg及びピブレンタスビル120mg単回経口投与後のグレカプレビル及びピブレンタスビルの曝露量は56%以下の増加率を示した。末期腎不全におけるグレカプレビル及びピブレンタスビルの曝露量に及ぼす透析の影響は18%以下の差であった(外国人データ)。
表5.腎機能正常被験者に対する腎機能障害被験者の薬物動態パラメータ比
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16.7 薬物相互作用
16.7.1 in vitro試験
グレカプレビルはP‐gp、BCRP及びOATP1B1/1B3の阻害剤である。ピブレンタスビルはP‐gp、BCRP及びOATP1B1の阻害剤である。グレカプレビルはP‐gp、BCRP及びOATP1B1/1B3の基質である。ピブレンタスビルはP‐gpの基質である。[10.参照]
16.7.2 薬物相互作用臨床試験
[2.3、10.、10.1、10.2参照]
表6.併用薬がグレカプレビルの薬物動態に及ぼす影響(外国人データ)
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表7.併用薬がピブレンタスビルの薬物動態に及ぼす影響(外国人データ)
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表8.本剤が併用薬の薬物動態に及ぼす影響(外国人データ)
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17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
M15‐594試験(CERTAIN‐1)
C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変患者(ジェノタイプ1、2、3、4、5、6)における本剤の有効性及び安全性を検討するために、第III相試験を実施した。
DAA未治療のC型慢性肝炎患者(ジェノタイプ1、eGFR30mL/min/1.73m2以上かつY93H変異なし)における投与終了12週後にHCV RNA量が定量限界未満であった患者の割合(SVR12率)は、本剤8週投与99.1%(105/106例)及び対照薬(オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル配合剤)12週投与100%(52/52例)であり、群間差[95%信頼区間]は-0.9[-2.8、0.9]%であり、95%信頼区間の下限値が事前に設定された非劣性マージン(-10%)を上回ったことから、対照薬に対する本剤の非劣性が示された。
背景因子別のSVR12率は次表のとおりであった。なお、本試験では、ジェノタイプ4、5、6の患者は組み入れられなかった。
表1.背景因子別のSVR12率
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本剤投与群(242例)において副作用は64例(26.4%)で発現した。主な副作用はそう痒症14例(5.8%)等であった。[7.参照]
17.1.2 国内第III相試験
M15‐828試験(CERTAIN‐2)
ジェノタイプ2慢性肝炎患者における本剤の有効性及び安全性を検討するために、第III相無作為化非盲検並行群間比較試験を実施した。
SVR12率は、本剤8週投与群で97.8%(88/90例)、対照薬(ソホスブビル/リバビリン併用)12週投与で93.5%(43/46例)であり、群間差[95%信頼区間]は4.3[-3.5、12.1]%であり、95%信頼区間の下限値が事前に設定された非劣性マージン(-10%)を上回ったことから、対照薬に対する本剤の非劣性が示された。本剤投与群(90例)において副作用は16例(17.8%)で発現した。主な副作用は頭痛、倦怠感各4例(4.4%)等であった。
17.1.3 海外第II相試験
M15‐410試験
DAAを含む既治療のジェノタイプ1、4、5、6に感染した患者(代償性肝硬変あり又は慢性肝炎)を対象とした第II相無作為化非盲検多施設共同試験を実施した。本剤12週投与群のSVR12率はジェノタイプ1で88.4%(38/43例)、ジェノタイプ4で100%(1/1例)であった。(ジェノタイプ5、6は組み入れられなかった。)背景因子別のSVR12率は次のとおりであった。
表2.背景因子別のSVR12率
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本剤12週投与群(44例)において副作用は22例(50.0%)で発現した。主な副作用は、頭痛、悪心各4例(9.1%)等であった。
17.1.4 海外第III相試験
M13‐590試験(ENDURANCE‐1)
HCV未治療又は既治療(インターフェロン、ペグインターフェロン(リバビリン併用あり又はなし)、ソホスブビル(NS5Bポリメラーゼ阻害剤)+リバビリン併用(ペグインターフェロン併用あり又はなし))のジェノタイプ1に感染した慢性肝炎の患者703例を対象とした第III相無作為化非盲検多施設共同試験を実施した。本剤8週間又は12週間投与によるSVR12率は8週間投与で99.1%(332/335例)、12週間投与で99.7%(331/332例)であった。NS5Bポリメラーゼ阻害剤既治療患者における12週間投与時のSVR12率は100%(2/2例)であった。
副作用は259例(36.8%)で発現した。主な副作用は頭痛84例(11.9%)、疲労54例(7.7%)、悪心38例(5.4%)等であった。
17.1.5 海外第III相試験
M14‐172試験(EXPEDITION‐1)
HCV未治療又は既治療(インターフェロン、ペグインターフェロン(リバビリン併用あり又はなし)、ソホスブビル+リバビリン併用(ペグインターフェロン併用あり又はなし))のジェノタイプ1、2、4、5、6に感染した代償性肝硬変の患者146例を対象とした第III相非盲検多施設共同試験を実施した。本剤12週間投与したときのSVR12率は99.3%(145/146例)であった。ジェノタイプ別のSVR12率は、ジェノタイプ1で98.9%(89/90例)、ジェノタイプ2で100%(31/31例)、ジェノタイプ4で100%(16/16例)、ジェノタイプ5で100%(2/2例)、ジェノタイプ6で100%(7/7例)であった。NS5Bポリメラーゼ阻害剤既治療患者のSVR12率は100%(11/11例)であった。
副作用は60例(41.1%)で発現した。主な副作用は疲労23例(15.8%)、頭痛17例(11.6%)、そう痒症13例(8.9%)、悪心12例(8.2%)、下痢8例(5.5%)等であった。
17.1.6 海外第III相試験
M15‐462試験(EXPEDITION‐4)
HCV未治療又は既治療(インターフェロン、ペグインターフェロン(リバビリン併用あり又はなし)、ペグインターフェロン+リバビリン+ソホスブビル(NS5Bポリメラーゼ阻害剤)併用、ソホスブビル+リバビリン併用)の重度の腎機能障害又は末期腎疾患を有するジェノタイプ1、2、3、4、5、6に感染した慢性肝炎又は代償性肝硬変の患者104例を対象とした第III相非盲検多施設共同試験を実施した。本剤12週間投与によるSVR12率は98.1%(102/104例)であった。背景因子別のSVR12率は次のとおりであった。
表3.背景因子別のSVR12率
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副作用は51例(49.0%)で発現した。主な副作用はそう痒症18例(17.3%)、疲労12例(11.5%)、悪心9例(8.7%)、無力症7例(6.7%)、頭痛6例(5.8%)等であった。
17.1.7 海外第III相試験
M15‐464試験(ENDURANCE‐2)
HCV未治療又は既治療(インターフェロン、ペグインターフェロン(リバビリン併用あり又はなし)、ソホスブビル(NS5Bポリメラーゼ阻害剤)+リバビリン併用(ペグインターフェロン併用あり又はなし))のジェノタイプ2に感染した慢性肝炎の患者302例を対象とした第III相無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験を実施した。本剤12週間投与群のSVR12率は99.5%(195/196例)であった。NS5Bポリメラーゼ阻害剤既治療患者のSVR12率は100%(6/6例)であった。
本剤12週間投与群(202例)において副作用は64例(31.7%)で発現した。主な副作用は頭痛18例(8.9%)、疲労17例(8.4%)、無力症14例(6.9%)、悪心13例(6.4%)、下痢10例(5.0%)等であった。
17.1.8 国際共同第II/III相試験
M16‐123試験
未治療又はインターフェロン製剤既治療の12歳以上18歳未満のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変患者(ジェノタイプ1、2、3、4、5又は6)を対象とした非盲検非対照試験を実施した。SVR12率は100%(47/47例)であった。各部分集団におけるSVR12率は次記のとおりであった。DAA既治療患者、C型代償性肝硬変患者、ジェノタイプ5又は6の患者は組み入れられなかった。
表4.背景因子別のSVR12率
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副作用は47例中9例(19.1%)で発現した。主な副作用は疲労3例(6.4%)等であった。
17.3 その他
17.3.1 QT間隔に対する影響
健康成人(48例)を対象に、グレカプレビル(600mgまで)及びピブレンタスビル(240mgまで)注)のQTc間隔に及ぼす影響をモキシフロキサシン(400mg)陽性対照のTQT試験で検討した。グレカプレビル及びピブレンタスビルはQTc間隔を延長しなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認用量はグレカプレビル300mg及びピブレンタスビル120mgを1日1回である。

18.1 作用機序
グレカプレビルは、HCV遺伝子にコードされる複合タンパク質のプロセシング及びウイルス複製に必須なHCV NS3/4Aプロテアーゼを阻害する。ピブレンタスビルは、ウイルス複製に必須なHCV NS5Aを阻害する(in vitro)。
18.2 抗ウイルス活性
グレカプレビルは、遺伝子組換えHCVジェノタイプ1a、1b、2a、2b、3a、4a、5a及び6aのNS3/4Aプロテアーゼを阻害した(IC50値は3.5~11.3nmol/L)。グレカプレビルは、HCVジェノタイプ1a、1b、2a、2b、3a、4a及び6aのHCVレプリコン細胞においてRNA複製を阻害した(EC50値は0.85~4.6nmol/L)。グレカプレビルは臨床分離株由来のHCVジェノタイプ1a、1b、2a、2b、3a、4a、4d及び5aのHCV NS3領域含有HCVレプリコン細胞において、RNA複製を阻害した(EC50値は0.05~3.8nmol/L)。
ピブレンタスビルは、HCVジェノタイプ1a、1b、2a、2b、3a、4a、5a、6a及び3bのHCVレプリコン細胞においてRNA複製を阻害した(EC50値は1.4~4.3及び15.6pmol/L)。ピブレンタスビルは、臨床分離株由来のHCVジェノタイプ1a、1b、2a、2b、3a、4a、4b、4d、5a、6a、6e及び6pのHCV NS5A領域含有HCVレプリコン細胞においてRNA複製を阻害した(EC50値は0.27~3.5pmol/L)。
グレカプレビル及びピブレンタスビルは、HCVジェノタイプ1a又は1bレプリコン細胞に対して、相加又は相乗的な抗ウイルス活性を示した(in vitro)。
18.3 薬剤耐性
NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤の抗ウイルス活性に影響するアミノ酸変異を組み込んだHCVレプリコン細胞を用いた検討において、グレカプレビルの抗ウイルス活性が1/5以下となったアミノ酸変異は、HCVジェノタイプ1a、1b、2a、2b、3a及び4aにおける156位の変異、HCVジェノタイプ3aにおける80位の変異、並びにHCVジェノタイプ1a、1b、3a、4a及び6aにおける168位の変異であった。HCVジェノタイプ5におけるグレカプレビルに対する耐性変異については、未検討である。
NS5A阻害剤の抗ウイルス活性に影響するアミノ酸変異を組み込んだHCVレプリコン細胞を用いた検討において、ピブレンタスビルの抗ウイルス活性が1/5以下となったアミノ酸変異は、HCVジェノタイプ1aにおける28位、30位、62位及び93位の変異、及びHCVジェノタイプ1bにおける32位の欠損であった(in vitro)。
国内第III相試験で本剤を投与されたDAA未治療のC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者(HCVジェノタイプ1又は2)において、ウイルス学的治療不成功例はみられなかった。DAA未治療のHCVジェノタイプ3のC型慢性肝炎患者において、ウイルス学的治療不成功例が2例認められ、NS3領域の解析はできなかったが、NS5A領域の解析で、1例は、投与前後にG92E、投与後にL28F及びY93Hが認められ、もう1例は、投与前後にV31M、投与後にY93Hが認められた。DAA既治療のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変患者(HCVジェノタイプ1b)において、ウイルス学的治療不成功例2例のうち1例は、投与前にNS3領域のY56F及びS122G、投与前後にNS3領域のD168V及びNS5A領域のP32L及びP32欠損、投与後にNS3領域のA156D/A156Vが認められ、もう1例は、投与前後にNS3領域のY56F、Q80L及びV170I並びにNS5A領域のL31F及びP32欠損が認められた。
海外試験の併合解析の結果、HCVジェノタイプ3の患者においてNS5A領域のA30Kに関連するSVR12率の低下が認められ、HCVジェノタイプ4、5又は6の患者においては、ウイルス学的治療不成功例はみられなかった。
18.4 交差耐性
他のNS3/4Aプロテアーゼ阻害剤と同様にNS3/4領域の80、156又は168位のアミノ酸変異に対して、グレカプレビルの抗ウイルス活性の低下が認められた。他のNS5A阻害剤に耐性を示すNS5A領域の24、28、30、31又は58位のアミノ酸変異に対して、ピブレンタスビルの抗ウイルス活性を保持していた。グレカプレビルは、NS5A阻害剤の耐性に関連したアミノ酸変異及びNS5Bポリメラーゼ阻害剤の耐性に関連したアミノ酸変異に対して、抗ウイルス活性を保持していた。ピブレンタスビルは、NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤の耐性に関連したアミノ酸変異及びNS5Bポリメラーゼ阻害剤の耐性に関連したアミノ酸変異に対して、抗ウイルス活性を保持していた(in vitro)。

一包可:不可
分割:不可
粉砕:不明

粉砕後試験(分包包装):重量変化は8日後で平均5.5%であった。粉砕した粉が分包フィルムに固着した。

製造販売会社
アッヴィ
販売会社
 

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