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ラスビック点滴静注キット150mg

販売名
ラスビック点滴静注キット150mg
薬価
150mg1キット(希釈液付) 3962.00円
製造メーカー
杏林製薬

添付文書情報2022年03月改定(第4版)

商品情報

薬効分類名
ピリドンカルボン酸系製剤
一般名
ラスクフロキサシン塩酸塩キット
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤の成分又は他のキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)〔8.3、9.1.2、11.1.4参照〕。
2.3. 低カリウム血症のある患者〔9.1.2、11.1.4参照〕。
2.4. クラス1A抗不整脈薬投与中(キニジン、プロカインアミド等)又はクラス3抗不整脈薬投与中(アミオダロン、ソタロール等)の患者〔10.1参照〕。
2.5. 重度肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.6. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.7. 小児等〔9.7小児等の項参照〕。
効能・効果
肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染。
用法・用量
通常、成人にはラスクフロキサシンとして、投与初日に300mgを、投与2日目以降は150mgを1日1回点滴静注する。
肝機能障害患者
8.1. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2. 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること〔11.1.1参照〕。
・ 事前に既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認する)。
・ 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
・ 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行う(特に投与開始直後は注意深く観察する)。
8.3. 本剤投与によりQT間隔延長するおそれがあるため、本剤の投与開始前及び投与中は患者の状態を十分に観察し、必要に応じて心電図検査等を実施すること〔2.2、9.1.2、11.1.4参照〕。
8.4. 大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること〔9.1.4、11.1.13参照〕。
9.1.1. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣を起こすおそれがある〔11.1.10参照〕。
9.1.2. 重度徐脈等の不整脈、虚血性心疾患、心不全等の心疾患のある患者:心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある〔2.2、2.3、8.3、11.1.4参照〕。
9.1.3. 重症筋無力症の患者:症状を悪化させるおそれがある〔11.1.12参照〕。
9.1.4. 大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくは大動脈瘤のリスク因子を有する又は大動脈解離のリスク因子を有する患者(マルファン症候群等):必要に応じて画像検査の実施を考慮すること(海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌剤投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある)〔8.4、11.1.13参照〕。
9.3.1. 重度肝機能障害のある患者:投与しないこと(血漿中濃度上昇のおそれがある)〔2.5参照〕。
9.3.2. 中等度肝機能障害のある患者:血漿中濃度上昇のおそれがある〔16.6.2参照〕。
相互作用
ラスクフロキサシンはCYP3A4の基質であり、CYP2C8に対し阻害作用を示す〔16.4、16.7.1参照〕。
10.1. 併用禁忌:クラス1A抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド<アミサリン>等)、クラス3抗不整脈薬(アミオダロン<アンカロン>、ソタロール<ソタコール>等)〔2.4参照〕[本剤を併用した場合、相加的なQT延長がみられるおそれがあり、心室頻拍<Torsades de pointesを含む>、QT延長を起こすことがある(これらの抗不整脈薬は単独投与でもQT延長作用がみられている)]。
10.2. 併用注意:1). チアジド系利尿剤、ループ系利尿剤、糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH、グリチルリチン製剤[低カリウム血症のある患者に本剤を投与した場合、心室頻拍<Torsades de pointesを含む>、QT延長を起こすことがある(これらの薬剤が有するカリウム排泄作用により、低カリウム血症を発現することがある)]。
2). フェニル酢酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤、プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤(フルルビプロフェン等)[痙攣を起こすおそれがあるので、症状が認められた場合、両剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと(中枢神経におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている)]。
3). リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン[本剤の作用が減弱する可能性がある(CYP3A4を誘導する薬物と併用することにより本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
4). テオフィリン、アミノフィリン水和物〔16.7.2参照〕[テオフィリンの作用を増強させるおそれがあるので、併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行うこと(機序は不明であるが、本剤との併用によりテオフィリンの血中濃度が上昇する)]。
5). レパグリニド[レパグリニドの血中濃度が上昇しレパグリニドの副作用が発現するおそれがある(CYP2C8を阻害することにより、レパグリニドの血中濃度を上昇させる)]。
6). 副腎皮質ホルモン剤<経口剤及び注射剤>(プレドニゾロン<経口剤及び注射剤>、ヒドロコルチゾン<経口剤及び注射剤>等)[腱障害のリスクが増大するとの報告があるので、これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること(機序不明)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):呼吸困難、血圧低下、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.2参照〕。
11.1.2. 白血球減少症(頻度不明)。
11.1.3. 間質性肺炎(0.3%):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.4. QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)(いずれも頻度不明)〔2.2、2.3、8.3、9.1.2参照〕。
11.1.5. 低血糖(頻度不明)。
11.1.6. 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明):腹痛、頻回の下痢等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.7. アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害(頻度不明):腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔9.8.1参照〕。
11.1.8. 肝機能障害(頻度不明):肝機能障害(AST上昇、ALT上昇等)があらわれるおそれがある。
11.1.9. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれるおそれがある。
11.1.10. 痙攣(頻度不明)〔9.1.1参照〕。
11.1.11. 錯乱、せん妄等の精神症状(頻度不明)。
11.1.12. 重症筋無力症悪化(頻度不明)〔9.1.3参照〕。
11.1.13. 大動脈瘤、大動脈解離(いずれも頻度不明)〔8.4、9.1.4参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(1%未満)めまい。
2). 消化器:(1~5%未満)下痢、(1%未満)便秘、悪心、嘔吐。
3). 循環器:(1%未満)不整脈。
4). 血液:(1~5%未満)好酸球数増加、白血球数減少。
5). 皮膚:(1~5%未満)発疹。
6). 肝臓:(1~5%未満)ALT上昇。
7). 腎臓:(1%未満)腎機能障害。
8). 血管障害:(1%未満)静脈炎。
9). 投与部位:(5~10%未満)注射部位紅斑、(1~5%未満)注射部位静脈炎、注射部位疼痛、注射部位反応、(1%未満)注射部位硬結、注射部位腫脹。
高齢者
9.8.1. 腱障害があらわれやすいとの報告がある〔11.1.7参照〕。
9.8.2. 患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に高齢者では生理機能が低下している)。本剤の臨床試験成績では、高齢者(65~91歳)において認められた副作用の種類及びその発現率は、非高齢者(16~64歳)と同様であった。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ラット)で胎仔への移行が報告されており、器官形成期に本剤を経口投与した群に胎仔発育遅延及び胎仔骨格異常(胎仔肋骨短小)が認められている)〔2.6参照〕。
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)。
小児等
投与しないこと(動物実験(若齢イヌ)で関節軟骨障害が認められている)〔2.7参照〕。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤は必ず薬液を専用希釈液で希釈(混合)して使用すること。
14.1.2. 調製方法:薬液1本に対して、専用希釈液1本で希釈(混合)すること。
(1). 薬液バイアルのキャップを外し、専用希釈液ボトルの支持筒上部のフィルムをはがす。
(2). 支持筒上部を上に向けて薬液バイアルのゴム栓中央部に注入針をまっすぐ刺し、挿入完了位置まで一気に押し込む。
(3). 接続操作にあたっては、支持筒等の固く安定する部分を持って行い、専用希釈液ボトルの胴部を持ったり、押さえたりしないこと。
(4). 注入針が完全に奥まで刺し込まれていることを確認する。
(5). 薬液バイアルを専用希釈液ボトルに接続後、薬液が専用希釈液ボトル側に落下しない場合は、ポンピングを行う。
(6). 薬液がバイアルから専用希釈液ボトル側に全て流れたことを確認し、転倒混和する。薬液と専用希釈液を混合した後は室温で保管し、24時間以内に使用すること。
(7). 栓体(排出口)への針刺しは、ゴム栓面に垂直にゆっくり行うこと(斜めに刺すと、ゴム片が薬剤中に混入したり、ポート部を傷つけ液漏れを起こすおそれがある)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 本剤は150mgあたり約60分間かけて点滴静注すること(30分以内は避けること)。
14.2.2. 他剤及び輸液と配合した場合に、配合変化が認められているものがあるため、本剤を他剤及び輸液と配合しないこと(なお、同一の点滴ラインによる他剤及び輸液との同時投与は避けること)。
14.2.3. 本剤はヘパリンナトリウムと配合変化が認められているため、静脈内カテーテル留置を行う際、ヘパリンナトリウムによる血液凝固防止(ヘパリンロック)前後は、ルート内を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で洗浄(フラッシング)すること。
14.2.4. 本剤と他の薬剤を同一の輸液チューブにより連続注入する場合には、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液を本剤の投与前後に輸液チューブ内に流すこと。
14.2.5. 薬液バイアルは、薬剤の投与が終わるまで支持筒から抜き取らないこと。
14.2.6. 使用後の残液は使用しないこと。
14.2.7. 通気針は不要である。
14.2.8. 専用希釈液ボトルの目盛りはおよその目安として使用すること。
20.1. 外箱を開封後、酸素検知剤を正常に働かせるため直射日光にさらさないこと。
20.2. 内袋は使用するときまで開封しないこと。また、開封後は速やかに使用すること。
20.3. 内袋開封前に酸素検知剤(ピンクの錠剤)の色を確認し、青紫~青色に変色している場合は、使用しないこと。
20.4. 専用希釈液ボトルの支持筒上部及び栓体(排出口)をシールしているフィルムが万一はがれている時は使用しないこと。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人12例(各投与群6例)に本剤150及び300mgを単回点滴静注したときの、血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは添付文書の図1及び表1のとおりであった。
図1 本剤単回点滴静注後の血漿中ラスクフロキサシン濃度推移
点滴時間:150mgは1時間、300mgは2時間

表1 本剤単回点滴静注後のラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ
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16.1.2 反復投与
健康成人に本剤を1日目は300mgを2時間かけて、2日目~7日目は150mgを1時間かけて、1日1回7日間反復点滴静注したときの薬物動態パラメータは表2のとおりであった。
表2 本剤反復点滴静注後のラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ
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16.1.3 患者血中濃度
母集団薬物動態モデルから予測した、呼吸器感染症患者に本剤150mg(投与開始日は300mg)を1日1回反復点滴静注したときの、投与1日目及び最終投与日の薬物動態パラメータは表3のとおりであった。
表3 本剤投与時の患者でのラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ
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16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
ラスクフロキサシン1~10μg/mLのin vitroでのヒト血漿蛋白結合率は71.2%~74.0%であった。
16.3.2 組織移行性
健康成人30例(各時間6例)にラスクフロキサシン75mg注)を単回経口投与後1~24時間での対血漿中濃度比は、肺胞上皮被覆液で平均15.0~22.4、肺胞マクロファージで平均18.5~56.4であった。
呼吸器感染症患者36例にラスクフロキサシン75mg注)を経口投与後1~3時間での対血漿中濃度比は喀痰で0.613±0.289(平均値±標準偏差)であった。
16.4 代謝
In vitroにおいてラスクフロキサシンはCYP3A4により脱シクロプロピル体に代謝された。
健康成人にラスクフロキサシン75mg注)を単回経口投与したとき、血漿中には主に未変化体が検出され、その他に脱シクロプロピル体が検出された。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人にラスクフロキサシン75mg注)を単回経口投与したとき、投与後144時間までの未変化体の排泄率は、尿中に8.38%、糞中に16.0%であった。未変化体と脱シクロプロピル体の排泄率の合計は、尿中に39.9%、糞中に24.9%であった。
健康成人に本剤150及び300mgを単回点滴静注したとき、投与開始後72時間の未変化体の尿中排泄率は、それぞれ12.2%及び14.2%であった。代謝物である脱シクロプロピル体ではそれぞれ34.3%及び28.3%、これら未変化体と脱シクロプロピル体の合計はそれぞれ46.4%及び42.5%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
腎機能障害者にラスクフロキサシン75mg注)を単回経口投与したとき、血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表4のとおりであった。
表4 腎機能障害者でのラスクフロキサシンの体内動態パラメータ
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16.6.2 肝機能障害者
肝機能障害が軽度及び中等度の被験者にラスクフロキサシン75mg注)を単回経口投与したとき、血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表5のとおりであった。[9.3.2参照]
表5 肝機能障害者でのラスクフロキサシンの体内動態パラメータ
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16.6.3 高齢者
高齢者(6例:66~79歳)及び非高齢者(6例:32~36歳)にラスクフロキサシン200mg注)を単回経口投与したときの血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表6のとおりであった。
表6 高齢者でのラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ
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16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験成績
ヒト肝ミクロソームを用いてCYP分子種の代謝活性に対するラスクフロキサシンの阻害効果を検討したところ、ラスクフロキサシンはCYP3A4及びCYP2C8を時間依存的に阻害した。ヒト凍結肝細胞を用いてCYP分子種に対するラスクフロキサシンの誘導能を検討したところ、CYP1A2及びCYP3A4に対する誘導作用が認められた。また、各種トランスポータ発現細胞を用いてラスクフロキサシンの基質性を検討したところ、ラスクフロキサシンはP‐糖タンパクの基質であった。同様にラスクフロキサシンの各種トランスポータに対する阻害効果を検討したところ、ラスクフロキサシンはMATE1及びMATE2‐K発現細胞の基質輸送を阻害した。[10.参照]
16.7.2 臨床試験成績
(1)イトラコナゾールとの併用
健康成人5例にイトラコナゾール200mgとラスクフロキサシン75mg注)を経口にて併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastはそれぞれ1.16倍及び1.46倍に増加した。
(2)フェロジピンとの併用
健康成人12例にフェロジピン2.5mgとラスクフロキサシン200mg注)を経口にて併用投与したとき、フェロジピンのCmax及びAUClastはそれぞれ1.15倍及び1.62倍に増加した。
(3)テオフィリンとの併用
健康成人6例にテオフィリン200mgとラスクフロキサシン150mg注)を経口にて併用投与したとき、テオフィリンのCmax及びAUC0-10はそれぞれ1.17倍及び1.18倍に増加した。[10.2参照]
(4)モンテルカストとの併用
健康成人10例にモンテルカスト5mgとラスクフロキサシン150mg注)を経口にて併用投与したとき、モンテルカストのCmax及びAUClastはそれぞれ1.41倍及び1.94倍に増加した。
(5)メトホルミンとの併用
健康成人8例にメトホルミン250mgとラスクフロキサシン150mg注)を経口にて併用投与したとき、メトホルミンのCmax及びAUClastに変化はなかった。
注)承認された用法・用量は150mg(投与開始日は300mg)を1日1回点滴静注である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈肺炎〉
17.1.1 国内第III相二重盲検比較試験
市中肺炎患者286例を対象に、本剤(150mg[投与開始日は300mg]1日1回7~14日間点滴静注)の有効性及び安全性の検討を目的として、レボフロキサシン注射剤(500mg1日1回7~14日間点滴静注)を対照とした無作為化二重盲検並行群間試験を実施した。
治癒判定時(投与終了7日後)の臨床効果は表1のとおりであり、レボフロキサシン注射剤500mgに対する本剤150mgの非劣性が検証された。
表1 投与終了7日後の臨床効果(PPS)
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度は、本剤150mg投与群で25.9%(37/143例)及びレボフロキサシン投与群で36.4%(52/143例)であった。主な副作用は、本剤150mg投与群で下痢が4.9%(7/143例)、注射部位静脈炎が3.5%(5/143例)、注射部位紅斑が2.8%(4/143例)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加が2.1%(3/143例)であった。
〈肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染〉
17.1.2 国内第III相非盲検非対照試験
呼吸器感染症患者(慢性呼吸器病変の二次感染49例、誤嚥性肺炎注)17例、肺化膿症・肺膿瘍11例)を対象に、本剤150mg(投与開始日は300mg)を1日1回7~14日間点滴静注した非盲検非対照試験を実施した。
慢性呼吸器病変の二次感染の投与終了7日後の臨床効果、並びに誤嚥性肺炎注)及び肺化膿症・肺膿瘍の投与終了時の臨床効果は表2及び表3のとおりであった。
表2 投与終了7日後の臨床効果(PPS)
→図表を見る(PDF)

表3 投与終了時の臨床効果(PPS)
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副作用発現頻度は、33.3%(26/78例)であった。主な副作用は、注射部位紅斑が7.7%(6/78例)、下痢及び好酸球数増加が各3.8%(3/78例)、発疹及び静脈炎が各2.6%(2/78例)であった。
注)誤嚥の関与が疑われる市中肺炎
〈効能共通〉
17.1.3 菌種別菌消失率
市中肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、誤嚥性肺炎注)及び肺化膿症・肺膿瘍を対象とした国内第III相臨床試験における本剤150mg(投与開始日は300mg)1日1回投与時の原因菌別の菌消失率は表4のとおりであった。
注)誤嚥の関与が疑われる市中肺炎
表4 臨床分離株の菌属・菌種別の微生物学的効果(MFAS)a)
→図表を見る(PDF)

17.3 その他
17.3.1 QT/QTc間隔延長に対する作用
健康成人のべ172例を対象とした無作為化二重盲検クロスオーバー試験において、ラスクフロキサシン225mg注)(57例)、450mg注)(57例)、750mg注)(58例)単回経口投与時のQT/QTc延長をQTcF(Fridericia法による心拍数補正QT)を用いて評価した結果、225mg投与群が陰性、450mg投与群以上で陽性と判定された。なお、健康成人に450mg経口投与時のCmax(3.44±0.65μg/mL)は、呼吸器感染症患者に本剤の用法・用量投与時のCmax(投与初日4.19±1.11μg/mL、定常状態3.19±0.929μg/mL)と同程度である。
注)承認された用法・用量は150mg(投与開始日は300mg)を1日1回点滴静注である。

18.1 作用機序
本剤は細菌のDNAジャイレース及びトポイソメレースIVを阻害し、殺菌的に作用する。
18.2 抗菌作用
好気性又は嫌気性のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、非定型病原体に対して抗菌スペクトルを示し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌(ぺニシリン耐性肺炎球菌を含む)、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌(BLNAR及びBLPARを含む)、レジオネラ・ニューモフィラ、ペプトストレプトコッカス属、ベイヨネラ属、バクテロイデス属、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリウム属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)に対して抗菌活性を示した。

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