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ドウベイト配合錠

販売名
ドウベイト配合錠
識別コード
SV137
薬価
1錠 4795.40円
製造メーカー
ヴィーブヘルスケア

添付文書情報2021年05月改定(第4版)

商品情報

薬効分類名
抗ウイルス剤
一般名
ドルテグラビルナトリウム・ラミブジン錠
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 膵炎を発症する可能性のある小児の患者(膵炎の既往歴のある小児、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法中の小児)では、本剤の適用を考える場合には、他に十分な効果の認められる治療法がない場合にのみ十分注意して行うこと(これらの患者で膵炎を疑わせる重度腹痛、悪心・嘔吐等又は血清アミラーゼ上昇、血清リパーゼ上昇、トリグリセリド上昇等があらわれた場合は、本剤の投与を直ちに中止すること)〔8.4、9.1.1、9.7.2、11.1.3参照〕。
1.2. B型慢性肝炎を合併している患者では、ラミブジンの投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。
特に非代償性B型慢性肝炎の場合、ラミブジンの投与中止により、重症化するおそれがあるので注意すること〔9.1.2参照〕。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
HIV感染症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 次のいずれかのヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症患者に使用すること。
・ 抗HIV薬による治療経験のない患者に使用すること(なお、臨床試験は、主要な耐性変異を有しない患者を対象に実施された)〔17.1.1、17.1.2参照〕。
・ ウイルス学的失敗の経験がなく、切り替え前6ヵ月間以上においてウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量が50copies/mL未満)が得られており、本剤の有効成分に対する耐性関連変異を持たず、本剤への切り替えが適切と判断される抗HIV薬既治療患者に使用すること〔17.1.3参照〕。
5.2. 本剤による治療にあたっては、可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。
5.3. 本剤はドルテグラビル及びラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、ラミブジンの用量調節が必要な腎機能障害(クレアチニンクリアランスが50mL/分未満)を有する患者には、個別のドルテグラビル製剤(テビケイ錠)又はラミブジン製剤(エピビル錠)を用いること〔9.2.1、16.6.1参照〕。
用法・用量
通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、1回1錠(ドルテグラビルとして50mg及びラミブジンとして300mg)を食事の有無に関わらず1日1回経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤は、HIV感染症に対して1剤で治療を行うものであるため、他の抗HIV薬<ドルテグラビルを追加投与する必要がある場合を除く>と併用しないこと(ただし、ドルテグラビルを追加投与する必要がある場合を除く)〔7.2、10.2参照〕。
7.2. 本剤とカルバマゼピン、リファンピシン、フェニトイン、ホスフェニトイン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品を併用する場合は、ドルテグラビルとして50mgを本剤投与の約12時間後に投与する〔7.1、10.2、16.7.1参照〕。
7.3. 本剤はラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、本剤に加えてラミブジン製剤を併用投与しないこと。
腎機能障害患者
8.1. 本剤による治療は、抗HIV療法に十分な経験を持つ医師のもとで開始すること。
8.2. 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
・ 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
・ 本剤は併用薬と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤等(サプリメントを含む)を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤等を服用
する場合には、事前に担当医に報告すること。
・ 担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。
・ 本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
・ 抗HIV療法による効果的なウイルス抑制は、性的接触による他者へのHIV感染の危険性を低下させることが示されているが、その危険性を完全に排除することはできないこと。
・ 抗HIV療法が、血液等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていないこと。
8.3. 抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築炎症反応症候群が報告されている(投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染症に対する炎症反応(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等が発現することがあり、また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること)。
8.4. 膵炎が発症する可能性があるので、血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等の生化学的検査を定期的に行うこと〔1.1、9.1.1、9.7.2、11.1.3参照〕。
8.5. 肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行う等、観察を十分に行うこと〔9.1.3、11.1.8参照〕。
8.6. 重篤な血液障害、乳酸アシドーシス、脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)、横紋筋融解症、ニューロパチー、錯乱状態、痙攣、心不全があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.2、11.1.4-11.1.7参照〕。
9.1.1. 膵炎を発症する可能性のある患者(膵炎の既往歴のある患者、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている患者):膵炎を再発又は発症するおそれがあるので、本剤の適用を考える場合には、他に十分な効果の認められる治療法がない場合にのみ十分注意して行うこと〔1.1、8.4、9.7.2、11.1.3参照〕。
9.1.2. B型慢性肝炎を合併している患者:本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性B型慢性肝炎の場合、本剤の投与中止により、重症化するおそれがある〔1.2参照〕。
9.1.3. B型又はC型肝炎ウイルス感染患者:肝機能の悪化(トランスアミナーゼ上昇又は増悪)のおそれがある(ドルテグラビル単剤の臨床試験において、B型肝炎ウイルス重複感染又はC型肝炎ウイルス重複感染患者では、ドルテグラビルの投与によりトランスアミナーゼ上昇又は増悪の発現頻度が非重複感染患者より高かった)〔8.5、11.1.8参照〕。
9.2.1. 腎機能障害(クレアチニンクリアランスが50mL/分未満)を有する患者:ラミブジンの高い血中濃度が持続するおそれがある〔5.3、16.6.1参照〕。
相互作用
ドルテグラビルは主にUGT1A1で代謝され、一部CYP3A4でも代謝される。また、ドルテグラビルは有機カチオントランスポーター2(OCT2)及びMultidrug and Toxin Extrusion 1(MATE1)を阻害する。ラミブジンはOCT2、MATE1及びMATE2-Kの基質である〔7.用法及び用量に関連する注意の項、16.4.1、16.7.1、16.7.2参照〕。
10.2. 併用注意:1). ピルシカイニド塩酸塩水和物[ピルシカイニドの血漿中濃度を上昇させる可能性があり、併用により、ピルシカイニドで重大な副作用として報告されている心室頻拍・洞停止及び心室細動等の発現及び重篤化があらわれるおそれがあるので、併用中は注意深く観察すること(ドルテグラビルのOCT2及びMATE1の阻害作用により、ピルシカイニドの排出が阻害される可能性がある)]。
2). カルバマゼピン〔7.1、7.2、16.7.1参照〕[ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで33%・Cτで73%低下させたとの報告がある(カルバマゼピンがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、ドルテグラビルの代謝が促進される)]。
3). フェニトイン、ホスフェニトイン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)〔7.1、7.2参照〕[ドルテグラビルの血漿中濃度を低下させる可能性がある(これらの薬剤並びにセイヨウオトギリソウがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、ドルテグラビルの代謝が促進される)]。
4). リファンピシン〔7.1、7.2、16.7.1参照〕[ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで43%・Cτで72%低下させたとの報告がある(リファンピシンがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、ドルテグラビルの代謝が促進される)]。
5). 多価カチオン含有製剤<経口>(Mg含有製剤<経口>、Al含有製剤<経口>等)〔16.7.1参照〕[ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで72%・C24で74%低下させるので、本剤は多価カチオン含有製剤の投与2時間前又は6時間後の投与が推奨される(これらの多価カチオンと錯体を形成することにより、ドルテグラビルの吸収が阻害される)]。
6). 鉄剤<経口>、カルシウム含有製剤<経口>(鉄サプリメント<経口>、カルシウム含有サプリメント<経口>等)〔16.7.1参照〕[ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで35%・C24で32%低下させるので、食事と同時に摂取する場合を除き、本剤は鉄剤、カルシウム含有製剤の投与2時間前又は6時間後の投与が推奨される(鉄、カルシウムと錯体を形成することにより、ドルテグラビルの吸収が阻害される)]。
7). メトホルミン塩酸塩:①. メトホルミン塩酸塩〔16.7.1参照〕[ドルテグラビル50mg1日1回投与時でメトホルミンの血漿中濃度をCmaxで66%上昇させるので、注意深く観察し、必要に応じてメトホルミンを減量する等慎重に投与すること(ドルテグラビルのOCT2及びMATE1の阻害作用により、メトホルミンの排出が阻害される可能性がある)]。
②. メトホルミン塩酸塩〔16.7.1参照〕[ドルテグラビル50mg1日2回投与時でメトホルミンの血漿中濃度をCmaxで111%上昇させるので、注意深く観察し、必要に応じてメトホルミンを減量する等慎重に投与すること(ドルテグラビルのOCT2及びMATE1の阻害作用により、メトホルミンの排出が阻害される可能性がある)]。
8). スルファメトキサゾール・トリメトプリム〔16.7.2参照〕[ラミブジンのAUCが43%増加し、ラミブジンの全身クリアランスが30%・腎クリアランスが35%減少したとの報告がある(トリメトプリムのOCT2、MATE1及びMATE2-Kの阻害作用により、ラミブジンの腎排泄が阻害されると考えられている)]。
9). ソルビトール[経口ソルビトール溶液(ソルビトールとして3.2g、10.2g、13.4g)とラミブジンの併用により、ラミブジンのAUCが減少<それぞれ18%・36%・42%減少>したとの報告がある(ソルビトールによりラミブジンの吸収が抑制されると考えられている)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、さらに肝機能障害、リンパ節腫脹、好酸球増多等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある(なお、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。
11.1.2. 重篤な血液障害:赤芽球癆(頻度不明)、汎血球減少(頻度不明)、貧血(頻度不明)、白血球減少(頻度不明)、好中球減少(頻度不明)、血小板減少(0.1%)〔8.6参照〕。
11.1.3. 膵炎(頻度不明):血清アミラーゼ上昇、血清リパーゼ上昇、トリグリセリド上昇等の検査値の上昇がみられた場合には、直ちに本剤の投与を中止すること。また、重度腹痛、悪心・嘔吐等の症状がみられた場合にも直ちに本剤の投与を中止し、生化学的検査(血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等)及び画像診断等による観察を十分行うこと〔1.1、8.4、9.1.1、9.7.2参照〕。
11.1.4. 乳酸アシドーシス(頻度不明)及び脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)(0.1%):乳酸アシドーシス又は肝毒性が疑われる臨床症状や肝毒性が疑われる検査値異常が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること(特に、肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること)。ラミブジンを含むヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)の単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身倦怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸等)、肝毒性(脂肪沈着による重度肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されている〔8.6参照〕。
11.1.5. 横紋筋融解症(頻度不明)〔8.6参照〕。
11.1.6. ニューロパチー(頻度不明)、錯乱状態(頻度不明)、痙攣(頻度不明)〔8.6参照〕。
11.1.7. 心不全(頻度不明)〔8.6参照〕。
11.1.8. 肝機能障害(0.1%)、黄疸(頻度不明):AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.5、9.1.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 免疫系:(頻度不明)免疫再構築炎症反応症候群。
2). 精神・神経系:(1%以上)頭痛、不眠症、不安、めまい、傾眠、(1%未満)異常な夢、自殺念慮、うつ病、(頻度不明)自殺企図、錯感覚、末梢神経障害。
3). 消化器:(1%以上)悪心、下痢、(1%未満)嘔吐、鼓腸、腹痛、上腹部痛、(頻度不明)腹部不快感。
4). 肝臓:(頻度不明)肝炎、肝機能検査値異常(AST上昇、ALT上昇等)。
5). 皮膚:(1%未満)皮膚そう痒、脱毛、(頻度不明)発疹。
6). 全身症状:(1%以上)疲労、(頻度不明)倦怠感、発熱。
7). 代謝及び栄養障害:(1%未満)体脂肪再分布/体脂肪蓄積(胸部脂肪増加、体幹部脂肪増加、末梢部脂肪減少、顔面脂肪減少、野牛肩、血清脂質増加、血糖増加)、(頻度不明)高乳酸塩血症、アミラーゼ上昇。
8). 筋骨格:(1%未満)関節痛、筋肉痛、(頻度不明)筋障害。
9). 臨床検査:(1%未満)体重増加、血清クレアチニン増加、(頻度不明)総ビリルビン増加、クレアチンホスホキナーゼ増加。
高齢者
患者の状態を観察しながら注意して投与すること(一般に、高齢者では生理機能(肝機能、腎機能、心機能等)が低下しており、合併症を有している又は他の薬剤を併用している場合が多い、ラミブジンは、主として未変化体として腎から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
海外の観察研究において、無脳症や二分脊椎などの神経管閉鎖障害が、受胎前からドルテグラビル含有製剤を服用していた妊婦から生まれた児3591例中7例(0.19%、95%信頼区間0.09-0.40)に報告されており、ドルテグラビルを含まない抗HIV薬を服用していた妊婦から生まれた児19361例中21例(0.11%、95%信頼区間0.07-0.17)、HIV陰性の妊婦から生まれた児119630例中87例(0.07%、95%信頼区間0.06-0.09)に報告されている。
9.5.1. ドルテグラビル:動物試験(ラット)で胎盤移行が認められている。
9.5.2. ラミブジン:ヒト胎盤を通過し、出生児の血清中ラミブジン濃度は、分娩時の母親の血清中及び臍帯血中の濃度と同じであることが報告されている(外国人データ)、動物実験(ウサギ)で胎仔毒性(早期胚死亡数増加)が報告されている。NRTIを子宮内曝露又は周産期曝露された新生児及び乳児において、ミトコンドリア障害によると考えられる軽微で一過性血清乳酸値上昇が報告されており、また、非常にまれに発育遅延、てんかん様発作、他の神経疾患も報告されている。しかしながら、これら事象とNRTIの子宮内曝露、周産期曝露との関連性は確立していない。
本剤投与中は授乳を避けさせること(一般に、HIVの乳児への移行を避けるため、あらゆる状況下においてHIVに感染した女性は授乳すべきでない)。
9.6.1. ドルテグラビル:ラットにおいてドルテグラビルは乳汁中に移行することが報告されており、ヒトにおいても乳汁中に移行することが予想される。
9.6.2. ラミブジン:経口投与されたラミブジンはヒト乳汁中に排泄されることが報告されている(乳汁中濃度:<0.5-8.2μg/mL)(外国人データ)。ラミブジンの母体血漿中濃度に対する乳汁中濃度の比は0.6~3.3であることが報告されている(外国人データ)。乳児の血清中のラミブジン濃度は18~28ng/mLであったとの報告がある(外国人データ)。
小児等
9.7.1. 小児等を対象とした本剤の臨床試験は実施していない。
9.7.2. 膵炎を発症する可能性のある小児の患者(膵炎の既往歴のある小児、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法中の小児)では、本剤の適用を考える場合には、他に十分な効果の認められる治療法がない場合にのみ十分注意して行うこと〔1.1、8.4、9.1.1、11.1.3参照〕。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報ラミブジンについては、遺伝毒性試験において弱い染色体異常誘発作用を示したとの報告があり、また、長期のがん原性試験において発がん性を認めなかったとの報告がある(ヒト末梢血リンパ球を用いた染色体異常試験では300μg/mL以上で染色体異常試験陽性、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験では2000μg/mL以上で遺伝子突然変異試験陽性を示した。マウス及びラットを用いた長期のがん原性試験では、臨床用量におけるヒト全身曝露量(AUC)の10倍(マウス)及び58倍(ラット)までの曝露量において、発がん性は認められなかった)。

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人
健康成人76例に本剤(ドルテグラビル・ラミブジン 50mg・300mg)を空腹時に単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビル及びラミブジンの濃度推移を添付文書の図‐1及び図‐2に、薬物動態パラメータを表‐1及び表‐2に示す(外国人データ)。
表‐1 健康成人に本剤を単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

図‐1 健康成人に本剤を単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビル濃度推移(平均値+標準偏差)

表‐2 健康成人に本剤を単回経口投与した時の血漿中ラミブジンの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

図‐2 健康成人に本剤を単回経口投与した時の血漿中ラミブジン濃度推移(平均値+標準偏差)

16.1.2 成人HIV感染症患者
成人HIV感染症患者に本剤(ドルテグラビル・ラミブジン50mg・300mg)を反復経口投与した時の曝露量の推定値(母集団薬物動態解析)を表‐3に示す。
表‐3 成人HIV感染症患者に本剤を反復経口投与した時の血漿中のドルテグラビル及びラミブジンの曝露量(母集団薬物動態解析による推定値)
→図表を見る(PDF)

16.1.3 本剤投与時と各単剤投与時の曝露量の比較
健康成人76例に本剤(ドルテグラビル・ラミブジン50mg・300mg)とドルテグラビル(50mg)及びラミブジン(300mg)を空腹時に単回経口投与し、単剤併用投与時と本剤投与時の曝露量を比較した。本剤投与時のドルテグラビルのAUC0-t及びCmaxの比(90%信頼区間)は、単剤投与時と比べてそれぞれ1.1578(1.0718、1.2507)及び1.1410(1.0533、1.2361)、ラミブジンのAUC0-t及びCmaxの比は、それぞれ1.0702(1.0464、1.0946)及び1.3176(1.2616、1.3760)であった(外国人データ)。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人16例に本剤(ドルテグラビル・ラミブジン50mg・300mg)を食後(高脂肪食)に単回経口投与した時、空腹時と比べて高脂肪食摂取後では、ドルテグラビルのAUC0-t及びCmaxはそれぞれ約32%及び約21%増加し、ラミブジンのAUC0-t及びCmaxはそれぞれ約10%及び約32%低下した(外国人データ)。
16.2.2 バイオアベイラビリティ
成人HIV感染症患者にラミブジンのカプセル製剤0.25~8mg/kg注)を単回経口投与した時の生物学的利用率は約82%であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 ドルテグラビル
(1)血漿蛋白結合率
In vitroでの、ドルテグラビルのヒト血漿蛋白結合率は約99.3%であった。
(2)分布容積
健康成人男性にドルテグラビル20mg(懸濁液)注)を単回経口投与した時の見かけの分布容積は12.5Lであった(外国人データ)。
(3)血球移行性
ヒトでの血液/血漿比(平均値)は0.441~0.535であり、ドルテグラビルの血球移行性は低かった(5%未満)。
(4)非結合型薬物
血漿中ドルテグラビルの遊離分画は健康成人で約0.2~1.1%、中等度の肝機能障害患者で約0.4~0.5%、重度の腎機能障害患者で約0.8~1.0%、成人HIV感染症患者で0.5%であった(外国人データ)。
(5)脳脊髄液への移行
ドルテグラビルは脳脊髄液中にも分布する。ドルテグラビル50mg及びアバカビル・ラミブジン(600mg・300mg)が併用投与された抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者11例において、ドルテグラビルの脳脊髄液中濃度(中央値)は18ng/mLであり、血漿中濃度の0.11~0.66%であった(外国人データ)。
(6)組織内分布
ドルテグラビルは女性及び男性の生殖器に分布する。健康成人女性にドルテグラビル50mg/日を5~7日間経口投与した時の子宮頸膣液、子宮頸部組織及び膣組織におけるドルテグラビルのAUCは定常状態での血漿中ドルテグラビルのAUCの6~10%であった(外国人データ)。また、健康成人男性にドルテグラビル50mg/日を8日間経口投与した時の精液及び直腸組織におけるドルテグラビルAUCは定常状態での血漿中ドルテグラビルのAUCの7及び17%であった(外国人データ)。
16.3.2 ラミブジン
成人HIV感染症患者に4~10mg/kg注)を1日2回2週間以上反復経口投与した時、投与2時間後の脳脊髄液中濃度は血中濃度の約6%であった(外国人データ)。
16.4 代謝
16.4.1 ドルテグラビル
(1)代謝酵素
In vitro試験で、ドルテグラビルは主にUGT1A1で、一部UGT1A3、UGT1A9でグルクロン酸抱合された。また、ドルテグラビルはCYP3A4でも一部代謝された。[10.参照]
16.4.2 ラミブジン
ヒトでの主代謝物はトランス‐スルホキシド体(1‐[(2R,5S)‐trans‐2‐hydroxymethyl‐1,3‐oxathiolan‐3‐oxide‐5‐yl]cytosine)であった。
16.5 排泄
16.5.1 ドルテグラビル
健康成人にドルテグラビル20mg注)を単回経口投与した時の主な排泄経路は糞であり、経口投与量の53%が未変化体として糞中に排泄された。また、尿中には経口投与量の31%が排泄され、その内訳は18.9%がエーテル型グルクロン酸抱合体、3.6%がN‐脱アルキル体、3.0%がベンジル位の酸化体であり、未変化体は1%未満であった(外国人データ)。健康成人に14C‐ドルテグラビル20mg(懸濁液)注)を単回経口投与した時の総投与量の約9.7%が酸化的代謝物として尿糞中に回収された(外国人データ)。
16.5.2 ラミブジン
成人HIV感染症患者に2mg/kg注)を経口投与した時、投与後12時間尿中にトランス‐スルホキシド体が投与量の5.2%存在した。また、血中濃度が定常状態での未変化体排泄率は約73%であり、腎排泄がラミブジンの体内からの除去の主要な経路であることが示された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
(1)ドルテグラビル
重度の腎機能障害(8例、クレアチニンクリアランス:30mL/min未満)を有する患者にドルテグラビル50mgを単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータを表‐4に示す(外国人データ)。重度の腎機能障害患者における薬物動態は健康成人との間に臨床的に重要である差はみられなかったことから、腎機能障害患者に対してドルテグラビルの用量調節を行う必要はない。[5.3参照]
表‐4 重度の腎機能障害患者及び健康成人にドルテグラビル50mgを単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

(2)ラミブジン
腎機能の低下した成人HIV患者にラミブジンを300mg単回経口投与した時、クレアチニンクリアランスの低下につれてAUC及び最高血中濃度が増加し、半減期が延長し、見かけの全身クリアランスが減少した(外国人データ)。[5.3、9.2.1参照]
16.6.2 肝機能障害患者
(1)ドルテグラビル
ドルテグラビルは主に肝臓で代謝されて排泄される。中等度の肝機能障害(8例、Child‐Pugh分類:B)を有する患者にドルテグラビル50mgを単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータを表‐5に示す(外国人データ)。中等度の肝機能障害患者における薬物動態は健康成人と同様であったことから、中等度の肝機能障害に対してドルテグラビルの用量調節の必要はない。なお、重度の肝機能障害患者でのドルテグラビルの薬物動態に及ぼす影響については検討していない。
表‐5 中等度の肝機能障害患者及び健康成人にドルテグラビル50mgを単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

(2)ラミブジン
中等度及び重度の肝障害を有する患者における成績より、ラミブジンの薬物動態は、肝障害によって重大な影響を受けないことが示されている。
16.6.3 小児
(1)ドルテグラビル
抗HIV薬による治療経験のある小児HIV感染症患者(12歳以上18歳未満、10例)にドルテグラビル50mgを1日1回経口投与した時の薬物動態は成人と同様であった。小児患者での血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータを表‐6に示す(外国人データ)。
表‐6 抗HIV薬による治療経験のある小児HIV感染症患者(12歳以上18歳未満、10例)にドルテグラビル50mgを1日1回経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータ
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(2)ラミブジン
12歳以上の小児HIV‐1感染症患者(114例)にラミブジン300mg/日(150mg1日2回又は300mg1日1回)を反復経口投与した時のPKパラメータは表‐7のとおりであった(外国人データ)。
表‐7 12歳以上の小児HIV‐1感染症患者にラミブジンを反復経口投与した時の薬物動態パラメータ
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小児及び成人のHIV感染症患者を対象にラミブジンを投与した時、年齢とCL/Fの関係は添付文書の図‐3のとおりであり、成人と12歳以上の小児においてラミブジンのCL/Fは同程度であった。12歳以上の小児患者及び成人患者におけるラミブジンの曝露量に臨床的に意味のある差異は認められなかった。
図‐3 小児及び成人HIV‐1感染症患者におけるラミブジンのCL/F(L/hr)と年齢の関係

小児HIV感染症患者に4mg/kg注)を単回経口投与した時、生物学的利用率は約66%であり、成人HIV感染症患者の生物学的利用率(約82%)より低い値を示した。小児で生物学的利用率が減少する機序は不明である。また、脳脊髄液中のラミブジンの濃度は血中濃度の約13%であった(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、1回1錠(ドルテグラビルとして50mg及びラミブジンとして300mg)を食事の有無に関わらず1日1回経口投与する。」である。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ドルテグラビル
(1)In vitro
In vitroにおいて、ドルテグラビルはヒトPgp及びBCRPの基質であり、ヒトOAT1、OAT3、OCT2、MATE1及びMATE2‐Kを介した輸送を阻害した(IC50:それぞれ2.12、1.97、1.93、6.34及び24.8μM)。[10.参照]
(2)In vivo
ドルテグラビル製剤を併用薬と投与した時の薬物動態パラメータの変化を表‐8及び表‐9に示す(外国人データ)。[7.2、10.2参照]
表‐8 併用薬の薬物動態に及ぼすドルテグラビルの影響
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表‐9 ドルテグラビルの薬物動態に及ぼす併用薬の影響
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16.7.2 ラミブジン
In vitroにおいて、ラミブジンはOCT2、MATE1及びMATE2‐Kの基質である。[10.参照]
ラミブジンの薬物動態に及ぼす併用薬の影響を表‐10に示す(外国人データ)。[10.2参照]
表‐10 ラミブジンの薬物動態に及ぼす併用薬の影響
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17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 海外第III相試験(GEMINI‐1:204861試験)
主要な耐性変異(IAS‐USA定義)を有さず、抗HIV薬による治療経験のない成人HIV‐1感染症患者714例を対象とした二重盲検比較試験において、ドルテグラビル(50mg)とラミブジン(300mg)の1日1回併用投与群(DTG+3TC群)に356例、ドルテグラビルとテノホビルジソプロキシルフマル酸塩・エムトリシタビン配合剤の1日1回併用投与群(DTG+TDF・FTC群)に358例が無作為に割り付けられた。その結果、主要評価項目である投与48週時のHIV‐1 RNA量が50copies/mL未満であった被験者の割合は、DTG+3TC群の90%に対して、DTG+TDF・FTC群は93%であり、調整した群間差の95%信頼区間の下限値(-6.7%)は、非劣性マージン(-10%)より大きく、DTG+TDF・FTCレジメンに対するDTG+3TCレジメンの非劣性が検証された。[5.1参照]
なお、本試験における試験成績の要約を表‐1に示した。
表‐1 試験成績の要約
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表‐2 被験者背景(ベースライン時のHIV‐1 RNA量、ベースライン時のCD4陽性細胞数)別のHIV‐1 RNA量が50copies/mL未満の被験者の割合
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副作用発現頻度は、DTG+3TC群で20%(71/356例)であった。主な副作用は、頭痛4%(14/356例)、悪心2%(8/356例)、不眠症2%(7/356例)、傾眠2%(7/356例)、下痢2%(6/356例)及び疲労2%(6/356例)であった。(投与48週時)
17.1.2 海外第III相試験(GEMINI‐2:205543試験)
主要な耐性変異(IAS‐USA定義)を有さず、抗HIV薬による治療経験のない成人HIV‐1感染症患者719例を対象とした二重盲検比較試験において、ドルテグラビル(50mg)とラミブジン(300mg)の1日1回併用投与群(DTG+3TC群)に360例、ドルテグラビルとテノホビルジソプロキシルフマル酸塩・エムトリシタビン配合剤の1日1回併用投与群(DTG+TDF・FTC群)に359例が無作為に割り付けられた。その結果、主要評価項目である投与48週時のHIV‐1 RNA量が50copies/mL未満であった被験者の割合は、DTG+3TC群の93%に対して、DTG+TDF・FTC群は94%であり、調整した群間差の95%信頼区間の下限値(-4.3%)は、非劣性マージン(-10%)より大きく、DTG+TDF・FTCレジメンに対するDTG+3TCレジメンの非劣性が検証された。[5.1参照]
なお、本試験における試験成績の要約を表‐3に示した。
表‐3 試験成績の要約
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表‐4 被験者背景(ベースライン時のHIV‐1 RNA量、ベースライン時のCD4陽性細胞数)別のHIV‐1 RNA量が50copies/mL未満の被験者の割合
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副作用発現頻度は、DTG+3TC群で15%(55/360例)であった。主な副作用は、下痢2%(8/360例)、頭痛2%(7/360例)、悪心2%(6/360例)及び不眠症2%(6/360例)であった。(投与48週時)
17.1.3 国際共同第III相試験(TANGO:204862試験)
主要なNRTI耐性変異又は主要なINSTI耐性変異(IAS‐USA定義)を有さず、抗レトロウイルス療法(TAF・FTCとINSTI、NNRTI又はPIのいずれか1剤)によりウイルス学的に抑制されている成人HIV‐1感染症患者741例(日本人患者11例を含む)を対象とした非盲検比較試験において、本剤1日1回投与群に369例、現行のレジメンを継続する群(継続投与群)に372例が無作為に割り付けられた。その結果、主要評価項目である投与48週時のウイルス学的な治療失敗であった被験者の割合は、本剤群の0.3%に対して、継続投与群は0.5%であり、調整した群間差の95%信頼区間の上限値(0.7%)は、非劣性マージン(4%)より小さく、継続投与レジメンに対する本剤の非劣性が検証された。[5.1参照]
なお、日本人11例(本剤群5例、継続投与群6例)における48週時のウイルス学的な治療失敗であった被験者の割合は、本剤群及び継続投与群ともに0%であった。
本試験における試験成績の要約を表‐5に示した。
表‐5 試験成績の要約
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副作用発現頻度は、本剤群で12%(45/369例)であった。主な副作用は、不眠症2%(6/369例)、悪心1%(5/369例)、下痢1%(4/369例)及び不安1%(4/369例)であった。(投与48週時)

18.1 作用機序
18.1.1 ドルテグラビル
ドルテグラビルはレトロウイルスの複製に必要な酵素であるHIVインテグラーゼの活性部位に結合することによってその活性を阻害し、ウイルスDNAの宿主DNAへの組込みを抑制する。
18.1.2 ラミブジン
ラミブジンは細胞内でリン酸化され、HIVを感染させた細胞内での半減期が約12時間の活性化型の三リン酸化体に変換される。ラミブジン三リン酸化体はHIVの逆転写酵素によりデオキシシチジン三リン酸の代わりにウイルスDNA鎖に取り込まれ、DNA鎖の伸長を停止させることによりHIVの複製を阻害する。また、ラミブジン三リン酸化体はHIVの逆転写酵素を競合的に阻害する。一方、in vitroで、ヒト末梢血リンパ球、リンパ球系・単球-マクロファージ系の株化細胞及び種々のヒト骨髄前駆細胞に対するラミブジンの細胞毒性は弱かった。
18.2 抗ウイルス作用
18.2.1 ドルテグラビル
HIV‐1 BaL株及びHIV‐1 NL432株に感染させた末梢血単核球を用いた時のドルテグラビルのウイルス複製に対する50%阻害濃度(IC50)は、それぞれ0.51及び0.53nMであり、HIV‐1 IIIB株に感染させたMT‐4細胞を用いた時のIC50は2.1nMであった。
13種のHIV‐1臨床分離株(サブタイプB)のインテグラーゼコード領域を導入した組換えウイルスに対するドルテグラビルのIC50(平均値)は0.52nMであり、その活性は実験室株に対する抗ウイルス活性と同程度であった。24種のHIV‐1臨床分離株[グループM(サブタイプA、B、C、D、E、F、G)及びグループO]並びに3種のHIV‐2臨床分離株からなるパネル株を感染させた末梢血単核球を用いた時のドルテグラビルのIC50(幾何平均)はHIV‐1株及びHIV‐2株でそれぞれ0.20nM(範囲は0.02~2.14nM)及び0.18nM(範囲は0.09~0.61nM)であった。
18.2.2 ラミブジン
ラミブジンのHIV‐1(RF、GB8、U455及びIIIB株)に対するIC50は670nM以下であり、HIV‐2 ROD株に対するIC50は40nMであった。
26種のHIV‐1臨床分離株[グループM(サブタイプA、B、C、D、E、F、G)]並びに3種類のHIV‐2臨床分離株に対するラミブジンのIC50(平均値)はHIV‐1株及びHIV‐2株でそれぞれ40nM(範囲は1~120nM)及び42nM(範囲は2~120nM)であった。
18.3 薬剤耐性
18.3.1 ドルテグラビル
HIV‐1 IIIB株及びHIV‐1 NL432株をそれぞれ112及び56日間継代培養した試験でみられたインテグラーゼ領域のアミノ酸変異はS153Y、S153F、E92Q及びG193Eであり、FC(各種分離株に対するIC50/野生型HIV‐1株に対するIC50)の最大値は4.1であった。また、HIV‐1臨床分離株(サブタイプB、C及びA/G)を更に長期間継代培養した試験でみられた変異はG118R(FC=10)、S153T及びR263K(FC=1.5)であった。
18.3.2 ラミブジン
ラミブジンを含む抗HIV薬で治療を受けたHIV‐1感染症患者で発現するラミブジン耐性HIV‐1には、HIV逆転写酵素の活性部位に近い逆転写酵素領域の184番目のアミノ酸のメチオニンからバリンへの変異(M184V)がみられる。このM184V変異の結果、ウイルスのラミブジンに対する感受性は著明に低下し、ウイルスの複製能力は低下する。
18.3.3 ドルテグラビル及びラミブジン併用
抗HIV薬による治療経験のないHIV‐1感染症患者:海外第III相試験(GEMINI‐1:204861試験及びGEMINI‐2:205543試験)において、投与48週までにウイルス学的中止基準を満たした症例は全体で10例(ドルテグラビル及びラミブジン併用投与群で6例)であったが、いずれの被験者においてもINSTI及びNRTI耐性変異は認められなかった。
18.4 交差耐性
18.4.1 ドルテグラビル
部位特異的変異を有する60種のINSTI耐性HIV‐1ウイルスパネル株(28種は単一アミノ酸変異、32種は二重又は多重変異)を用いてドルテグラビルの抗ウイルス活性を検討した。単一のINSTI耐性関連アミノ酸変異(T66K、I151L及びS153Y)を有するウイルスでは、ドルテグラビルに対する感受性が2倍以上(2.3~3.6倍)低下した。複数の変異(T66K/L74M、E92Q/N155H、G140C/Q148R、G140S/Q148H、G140S/Q148R、G140S/Q148K、Q148R/N155H、T97A/G140S/Q148、及びE138/G140/Q148)を有するウイルスでは、ドルテグラビルに対する感受性が2倍以上(2.5~21倍)低下した。705種のラルテグラビル耐性臨床分離株のうち93.9%の株に対するFCは10以下であった。
18.4.2 ラミブジン
ジドブジン及びサニルブジンは、ラミブジン耐性HIV‐1に対し抗ウイルス活性を維持する。アバカビルは逆転写酵素領域のM184V変異のみが認められているウイルスに対しては、抗ウイルス活性を維持する。また、ジダノシン及びザルシタビンは、M184V変異ウイルスに対して感受性が低下するという報告があるが、これらの感受性の低下と臨床効果の関係は明らかにされていない。

一包可:不明

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