アドベイト静注用キット3000
添付文書情報2020年10月改定(第3版)
商品情報
-
- 効能・効果
- 血液凝固第8因子欠乏患者に対し、血漿中の血液凝固第8因子を補い、その出血傾向を抑制する。
- 用法・用量
- 本剤を添付の溶解液5mLで溶解し、緩徐に静脈内注射又は点滴注入する。なお、10mL/分を超えない速度で注入すること。用量は、通常、1回体重1kg当たり10~30国際単位を投与するが、症状に応じて適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)
輸注速度が速すぎるとチアノーゼ、動悸を起こすことがあるので、1分間に10mLを超えない速度で緩徐に静脈内に注射すること。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 患者の血中に血液凝固第8因子に対するインヒビター発生するおそれがある。
特に、血液凝固第8因子製剤による補充療法開始後、投与回数が少ない時期(補充療法開始後の比較的早期)や短期間に集中して補充療法を受けた時期にインヒビター発生しやすいことが知られている。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビター発生を疑い、血液凝固第8因子回収率や血液凝固第8因子に対するインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。
9.1.1. 本剤の成分に対し、過敏症の既往歴のある患者。
9.1.2. マウスモノクローナル抗体により精製した生物学的製剤に過敏症又はハムスター細胞由来の生物学的製剤に過敏症の既往歴のある患者。
9.1.3. 第8因子製剤に過敏症の既往歴のある患者。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシー(頻度不明):呼吸困難、チアノーゼ、蒼白等を起こすことがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 胃腸障害:(1%未満)上腹部痛、下痢、悪心。
2). 一般・全身障害および投与部位の状態:(1%未満)胸痛、異常感、発熱、悪寒、(頻度不明)疲労、倦怠感、注射部位反応。
3). 肝胆道系障害:(頻度不明)ALT上昇。
4). 感染症および寄生虫症:(頻度不明)鼻咽頭炎。
5). 傷害、中毒および処置合併症:(1%未満)処置後局所反応、処置後出血、処置後合併症。
6). 臨床検査:(1%未満)凝固第8因子量減少、ヘマトクリット減少、単球数増加、臨床検査異常、(頻度不明)抗リン脂質抗体陽性、抗第8因子抗体陽性。
7). 神経系障害:(1%以上)浮動性めまい、頭痛、(1%未満)味覚異常、片頭痛、記憶障害、振戦。
8). 呼吸器、胸郭および縦隔障害:(1%未満)呼吸困難。
9). 皮膚および皮下組織障害:(1%以上)皮膚そう痒症、(1%未満)多汗症、(頻度不明)じん麻疹、紅斑、斑状皮疹。
10). 血管障害:(1%以上)ほてり、(1%未満)血腫、リンパ管炎、蒼白、(頻度不明)潮紅。
- 高齢者
- 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に高齢者では生理機能が低下している)。
- 妊婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(生殖発生毒性試験は実施していない)。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 調製前に、室温に戻しておくこと。
14.1.2. 装着されている溶解液以外は使用しないこと。本剤に溶解液全量を加えた後、静かに円を描くように回して溶解する(激しく振とうしない)。
14.1.3. 他の製剤と混合しないこと。
14.1.4. 使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 溶解した液は、無色澄明である(沈殿の認められるもの又は混濁しているものは使用しない)。
14.2.2. 溶解後は冷蔵せず、室温にて3時間以内に使用する(3時間以内に使用
されない場合は、廃棄する)。
14.3. 薬剤交付時の注意14.3.1. 患者が家庭で保存する場合においては、冷蔵庫内で保存することが望ましいが、室温で保存することもでき、室温で保存した場合には、使用期限を超えない範囲で6ヵ月以内に使用し、再び冷蔵庫に戻さないように指導すること。
14.3.2. 子供による誤用等を避けるため、薬剤の保管には十分注意すること。
14.3.3. 使用済みの医療機器等の処理については、主治医の指示に従うこと。
本剤は特定生物由来製品ではないが血液製剤代替医薬品であることから本剤投与又は処方した場合は医薬品名(販売名)、製造番号、投与又は処方した日、投与又は処方を受けた患者氏名、住所等を記録し少なくとも20年間保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報本剤はvon Willebrand因子を含んでいない。
16.1 血中濃度
16.1.1 国内第II/III相試験(成人及び小児)
10歳以上の血友病A患者11例を対象に本剤50IU/kgを静脈内単回投与したとき、AUC0-48は1408±497(IU・h/dL)注1)、補正回収率注2)は2.24±0.45[(IU/dL)/(IU/kg)]及び血中半減期は13.00±3.70(h)であった。
16.1.2 海外第II/III相試験(成人及び小児)
10歳以上の血友病A患者37例を対象に本剤50IU/kgを静脈内単回投与したとき、AUC0-48は1494±400(IU・h/dL)、補正回収率は2.46±0.45[(IU/dL)/(IU/kg)]及び血中半減期は11.72±2.15(h)であった(外国人データ)。また、6歳未満の血友病A患者47例を対象に本剤50IU/kgを静脈内単回投与したとき、AUC0-48は1236±401(IU・h/dL)、補正回収率は1.90±0.43[(IU/dL)/(IU/kg)]及び血中半減期は9.88±1.89(h)であった(外国人データ)。
→図表を見る(PDF)
注1)IU:国際単位
注2)補正回収率=[Cmax(IU/dL)-投与前の血漿中第VIII因子活性(IU/dL)]/投与量(IU/kg)
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II/III相試験(成人及び小児)
10歳以上の血友病A患者15例を対象とした非盲検試験で、出血時に10~50IU/kg、出血が予測される場合に25~40IU/kgの用量で本剤を6ヵ月間静脈内投与し、本剤の止血効果を検討した。止血効果の評価対象13例に認められた合計170件の出血のうち、120件(70.6%)が「著効」、45件(26.5%)が「有効」、5件(2.9%)が「やや有効」と判定され、「無効」例はなかった。著効と有効を合わせた有効率は97.1%であった。
副作用は15例中3例(20%)に4件発現し、その内訳は異常感、頭痛、ほてり及び単球数増加であった。
→図表を見る(PDF)
18.1 作用機序
本剤は活性化血液凝固第IX因子、リン脂質、カルシウムとともに血液凝固第X因子を活性化することにより内因性凝固に寄与する。
- 製造販売会社
- 武田薬品
- 販売会社
おくすりのQ&A
低用量アスピリン投与時に、逆流性食道炎の予防目的でのタケプロンの投与が保険適用になったと存じますが、摘要欄には予防投与である旨は記載するべきでしょうか?
低用量アスピリン投与時に、逆流性食道炎の予防目的でのタケプロンの投与が保険適用になったと存じますが、摘要欄には予防投与である旨は記載するべきでしょうか?
アンプルの計算の仕方は(例として)0.5A使っていても1Aとして算定と習っているのですが、たまに0.5Aのままなどで算定してる時があり、それの違いが知りた...
わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!
このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。