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アボネックス筋注30μgペン

販売名
アボネックス筋注30μgペン
薬価
30μg0.5mL1キット 32847.00円
製造メーカー
バイオジェン・ジャパン

添付文書情報2022年04月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されない生物学的製剤
一般名
インターフェロン ベータ-1a(遺伝子組換え)キット
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 本剤又は他のインターフェロン製剤の投与によりうつ病や自殺企図が報告されているので、投与にあたっては、うつ病、自殺企図の症状又は他の精神神経症状があらわれた場合には直ちに医師に連絡するように注意を与えること〔2.2、8.8、9.1.1、11.1.1参照〕。
1.2. 間質性肺炎があらわれることがあるので、投与にあたっては、患者の状態を十分に観察し、呼吸困難等があらわれた場合には、直ちに医師に連絡するように注意を与えること〔8.10、11.1.8参照〕。
禁忌
2.1. 本剤の成分又は他のインターフェロン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者〔8.2、11.1.2、11.1.15参照〕。
2.2. 重度うつ病又は自殺念慮のある患者又はその既往歴のある患者[うつ病や自殺企図があらわれることがある]〔1.1、9.1.1、11.1.1参照〕。
2.3. 非代償性肝疾患の患者〔9.3.1、11.1.7参照〕。
2.4. 自己免疫性肝炎の患者〔9.3.2、11.1.6参照〕。
2.5. 治療による管理が十分なされていないてんかん患者[症状が悪化するおそれがある]〔9.1.2、11.1.4参照〕。
2.6. 小柴胡湯投与中の患者〔10.1参照〕。
2.7. ワクチン等生物学的製剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
多発性硬化症の再発予防。
(効能又は効果に関連する注意)
進行型多発性硬化症に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
用法・用量
通常、成人にはインターフェロン ベータ-1a(遺伝子組換え)として1回30μgを週一回筋肉内投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 投与部位は大腿上部外側とすること。
7.2. 注射部位反応(注射部位発赤、注射部位発疹等)が報告されているので、投与ごとに注射部位を変えること。
肝機能障害患者
8.1. 本剤の投与初期においてインフルエンザ様症状(発熱、悪寒、頭痛、筋痛、無力症、疲労、悪心及び嘔吐等)があらわれるので、その旨を患者にあらかじめ説明しておくこと。投与数時間~数日後にインフルエンザ様症状(発熱、悪寒、頭痛、筋痛、無力症、疲労、悪心及び嘔吐等)があらわれることもあるので、投与後数日間は慎重に観察するとともに、異常が認められた場合には、解熱消炎鎮痛薬の併用等適切な処置を行うこと。
8.2. 過敏症等の反応を予測するため、使用に際しては十分な問診を行うとともに、あらかじめ本剤によるプリック試験を行うことが望ましい〔2.1、11.1.2、11.1.15参照〕。
8.3. 劇症肝炎等の重篤な肝障害があらわれることがあるので、投与開始前及び投与中は肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP等)を定期的に(1~3ヵ月に1回)行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。肝機能障害の既往のある患者では、投与開始1~2週間後にも肝機能検査をすることが望ましい。また、肝機能障害が報告されている薬剤やアルコールなどと本剤の併用により肝障害が発現する可能性があるので、それらと併用する際には十分注意すること。また、本剤投与後に悪心・嘔吐、倦怠感、食欲不振、尿濃染、眼球結膜黄染等の症状があらわれた場合には、医師等に連絡するよう患者に指導すること〔9.3.1、9.3.3、11.1.7参照〕。
8.4. 汎血球減少症、白血球減少又は血小板減少等の血球数減少を起こすことがあるので、白血球分画及び血小板数を含む血液検査を定期的に行い、患者の状態を十分に観察すること〔9.1.4、11.1.3参照〕。
8.5. 本剤投与中は尿検査(尿蛋白)を定期的に行うこと〔9.2.1、11.1.13、11.1.17参照〕。
8.6. 自己投与の適用については、医師がその妥当性を検討し、患者に対し十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法を理解させ、患者自らが筋肉内に確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。また、自己投与適用後、感染等本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。
使用済みの注射針あるいは注射器を再使用しないように患者に注意を促し、安全な廃棄方法について指導を徹底すること。すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの針及び注射器を廃棄する容器を提供すること。
8.7. 本剤投与により中和抗体が出現することがある。In vitroの試験において、中和抗体が本剤の生物活性を減弱させることが知られており、また、中和抗体が、本剤の臨床効果を減弱させる可能性がある〔15.1.1参照〕。
8.8. 本剤の投与にあたっては、抑うつ、自殺企図をはじめ、躁状態、攻撃的行動、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等の精神神経症状発現の可能性について患者及びその家族に十分理解させ、これらの症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう注意を与えること〔1.1、9.1.1、11.1.1参照〕。
8.9. 投与を一時中止し再投与する場合、ショック等の過敏症があらわれることがあるので、慎重に投与すること〔11.1.2、11.1.15参照〕。
8.10. 間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽又は呼吸困難等があらわれた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与えること〔1.2、11.1.8参照〕。
8.11. 溶血性尿毒症症候群(HUS)があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査及び血液学的検査(血小板、赤血球等)を行うこと〔11.1.12参照〕。
8.12. 糖尿病があらわれることがあるので、定期的に検査(血糖値、尿糖等)を行うこと〔9.1.7、11.1.14参照〕。
8.13. 急性腎不全があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うこと〔9.2.1、11.1.17参照〕。
9.1.1. うつ病<重度のうつ病又は自殺念慮を除く>又は他の精神神経症状<重度のうつ病又は自殺念慮を除く>のある患者又はその既往歴のある患者:症状が悪化するおそれがある〔1.1、2.2、8.8、11.1.1参照〕。
9.1.2. てんかん<治療による管理が十分なされていないてんかんを除く>等のけいれん性疾患<治療による管理が十分なされていないてんかんを除く>又はこれらの既往歴のある患者:症状が悪化するおそれがある〔2.5、11.1.4参照〕。
9.1.3. 心疾患(狭心症、うっ血性心不全及び不整脈等)のある患者又はその既往歴のある患者:症状が悪化するおそれがある〔11.1.5参照〕。
9.1.4. 骨髄抑制、貧血又は血小板減少症のある患者:症状が悪化するおそれがある〔8.4、11.1.3参照〕。
9.1.5. アレルギー素因のある患者:症状が悪化するおそれがある〔11.1.2、11.1.15参照〕。
9.1.6. 高血圧症を有する患者:脳出血等があらわれるおそれがある〔11.1.18参照〕。
9.1.7. 糖尿病患者又はその既往歴、家族歴、耐糖能障害のある患者:症状が悪化するおそれがある〔8.12、11.1.14参照〕。
9.1.8. 多発性硬化症以外の自己免疫疾患<自己免疫性肝炎を除く>のある患者又は多発性硬化症以外の自己免疫疾患<自己免疫性肝炎を除く>素因のある患者:症状が悪化するおそれがある〔9.3.2、11.1.6参照〕。
9.1.9. 薬物過敏症の既往歴のある患者:ショック等の過敏症があらわれることがある〔11.1.2、11.1.15参照〕。
9.2.1. 重篤な腎障害のある患者:症状が悪化するおそれがある〔8.5、8.13、11.1.13、11.1.17参照〕。
9.3.1. 非代償性肝疾患の患者:投与しないこと(症状が悪化するおそれがある)〔2.3、8.3、11.1.7参照〕。
9.3.2. 自己免疫性肝炎の患者:投与しないこと(肝炎が悪化するおそれがある)〔2.4、9.1.8、11.1.6参照〕。
9.3.3. 重篤な肝障害<非代償性肝疾患又は自己免疫性肝炎を除く>のある患者又はその既往歴のある患者:症状が悪化するおそれがある〔8.3、11.1.7参照〕。
相互作用
10.1. 併用禁忌:小柴胡湯〔2.6、11.1.8参照〕[間質性肺炎があらわれるおそれがあり、なお、類薬(インターフェロンアルファ製剤)と小柴胡湯との併用で間質性肺炎があらわれたとの報告がある(機序は不明である)]。
10.2. 併用注意:1). 抗てんかん剤(フェニトイン等)[抗てんかん剤の作用を増強するおそれがある(インターフェロン類は、動物において肝チトクロームP450分子種2C9及び2C19の活性を低下させるとの報告がある)]。
2). アンチピリン[本剤の投与量増加に伴い血漿中アンチピリンの消失が遅延することが報告されている(インターフェロン類は、ヒトにおいて肝チトクロームP450分子種1A2の量及び活性を低下させるとの報告がある)]。
3). ワルファリン[ワルファリンの作用を増強するおそれがあるので用量を調節するなど注意すること(インターフェロン類は、ヒトにおいて肝チトクロームP450分子種1A2の量及び活性を低下させるとの報告がある)]。
4). テオフィリン[テオフィリンの血中濃度を高めるおそれがある(インターフェロン類は、ヒトにおいて肝チトクロームP450分子種1A2の量及び活性を低下させるとの報告がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. うつ病(頻度不明)、自殺企図(頻度不明)、躁状態(頻度不明)、攻撃的行動(頻度不明):抑うつ、自殺企図があらわれることがあり、また、躁状態、攻撃的行動があらわれ、他害行為に至ることがあるので、患者の精神状態に十分注意し、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等があらわれた場合には投与を中止するなど、投与継続の可否について慎重に検討し、また、これらの症状が認められた場合には、投与終了後も観察を継続することが望ましい〔1.1、2.2、8.8、9.1.1参照〕。
11.1.2. アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー(呼吸困難、気管支けいれん、舌浮腫、発疹及び蕁麻疹等)があらわれることがある〔2.1、8.2、8.9、9.1.5、9.1.9参照〕。
11.1.3. 白血球減少(頻度不明)、血小板減少(頻度不明)、汎血球減少(頻度不明):白血球減少、血小板減少<10000個/μL未満>及び汎血球減少等があらわれることがある〔8.4、9.1.4参照〕。
11.1.4. てんかん等のけいれん性疾患(てんかん発作又はけいれん発作)(頻度不明):発作の既往のない患者でも本剤投与に伴い発作(てんかん発作又はけいれん発作)があらわれることがある〔2.5、9.1.2参照〕。
11.1.5. 心疾患(頻度不明):うっ血性心不全、心筋症又はうっ血性心不全を伴う心筋症が報告されている〔9.1.3参照〕。
11.1.6. 自己免疫障害:特発性血小板減少症増悪又は特発性血小板減少症の発症(頻度不明)、甲状腺機能亢進症増悪又は甲状腺機能亢進症の発症(頻度不明)、甲状腺機能低下症増悪又は甲状腺機能低下症の発症(頻度不明)、自己免疫性肝炎増悪又は自己免疫性肝炎の発症(頻度不明)、溶血性貧血増悪又は溶血性貧血の発症(頻度不明)及び1型糖尿病増悪又は1型糖尿病の発症等(頻度不明)が報告されている〔2.4、9.1.8、9.3.2参照〕。
11.1.7. 劇症肝炎、肝炎、肝機能障害(頻度不明):劇症肝炎、肝炎及び肝機能障害等の重篤な肝障害があらわれることがある〔2.3、8.3、9.3.1、9.3.3参照〕。
11.1.8. 間質性肺炎(頻度不明):必要に応じてX線等の検査を実施し、異常が認められた場合には投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと〔1.2、8.10、10.1参照〕。
11.1.9. 敗血症(頻度不明):易感染性となり、敗血症があらわれることがある。
11.1.10. 甲状腺機能異常(甲状腺機能亢進症又は甲状腺機能低下症)(頻度不明)。
11.1.11. 注射部位壊死(頻度不明):瘢痕が形成されることがあり、重度の場合、壊死組織の切除及び重度の場合、皮膚移植が必要になる場合があるので、患者に複数の病変があれば、本剤投与は治癒が見られるまで中止すること。
11.1.12. 溶血性尿毒症症候群(HUS)(頻度不明):溶血性尿毒症症候群(血小板減少、溶血性貧血又は腎不全を主徴とする)があらわれることがある〔8.11参照〕。
11.1.13. ネフローゼ症候群(頻度不明):総蛋白減少又は血清アルブミン減少を伴う重篤な蛋白尿があらわれることがある〔8.5、9.2.1参照〕。
11.1.14. 糖尿病(1型糖尿病及び2型糖尿病)(頻度不明):糖尿病増悪又は発症することがあり、昏睡に至ることがある〔8.12、9.1.7参照〕。
11.1.15. ショック(頻度不明)〔2.1、8.2、8.9、9.1.5、9.1.9参照〕。
11.1.16. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)。
11.1.17. 急性腎不全(頻度不明)〔8.5、8.13、9.2.1参照〕。
11.1.18. 脳出血(頻度不明)、消化管出血(頻度不明)〔9.1.6参照〕。
11.1.19. 認知症(特に高齢者)(頻度不明)、麻痺(頻度不明)、心不全(頻度不明)、狭心症(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 感染症および寄生虫症:(5%以上)咽頭炎、(5%未満)中耳炎、(頻度不明)気管支炎、感染、注射部位膿瘍、副鼻腔炎、上気道感染、注射部位蜂巣炎、尿路感染。
2). 血液およびリンパ系障害:(5%未満)低色素性貧血、(頻度不明)貧血。
3). 代謝および栄養障害:(5%以上)食欲減退。
4). 精神障害:(頻度不明)錯乱状態、不安、知覚障害、睡眠困難、感情不安定、不眠症。
5). 神経系障害:(5%以上)頭痛(28%)、(5%未満)感覚鈍麻、知覚過敏、筋緊張亢進、(頻度不明)浮動性めまい、錯感覚、片頭痛、筋痙直。
6). 眼障害:(頻度不明)眼障害。
7). 耳および迷路障害:(5%未満)聴覚障害、耳痛。
8). 心臓障害:(頻度不明)不整脈、頻脈、動悸、失神。
9). 血管障害:(頻度不明)血管拡張。
10). 呼吸器、胸郭および縦隔障害:(頻度不明)鼻漏。
11). 胃腸障害:(5%以上)悪心、(5%未満)嘔吐、下痢、腹痛、(頻度不明)歯痛。
12). 皮膚および皮下組織障害:(5%未満)皮膚そう痒症、皮膚炎、(頻度不明)脱毛症、薬疹、多汗症、寝汗。
13). 筋骨格系および結合組織障害:(5%以上)関節痛、筋力低下、背部痛、(5%未満)筋肉痛、(頻度不明)関節炎、四肢痛、筋骨格硬直。
14). 生殖系および乳房障害:(5%未満)月経困難症、(頻度不明)不正子宮出血、月経過多。
15). 一般・全身障害および投与部位の状態:(5%以上)発熱(44%)[解熱剤の投与等、適切な処置を行うこと]、インフルエンザ様症状(80%)、倦怠感、注射部位反応、嚢胞、(5%未満)悪寒、疲労、注射部位疼痛、(頻度不明)注射部位紅斑、注射部位内出血、注射部位斑状出血、注射部位炎症、注射部位硬結、疼痛、胸痛、無力症。
16). 臨床検査:(5%未満)体重減少、ALT増加、(頻度不明)AST増加、γ-GTP増加、CRP増加、血中CK増加、肝機能検査異常、尿検査異常。
高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に高齢者では生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物試験(サル)において本剤の高用量の投与で流産が認められたとの報告がある)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行が報告されている)。
小児等
臨床試験において除外されている。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 投与経路:筋肉内にのみ投与すること。
14.1.2. 投与部位(1). 投与部位は大腿上部外側とし、神経への影響を避けるため、神経走行部位を避けること。
(2). 本剤は、医師の指導の下、添付の注射針(長さ16mm)を使用し、適切な皮下脂肪厚の患者にのみ使用すること。
(3). 同一部位への反復投与を避けること。
(4). 本剤の注入器のボタンを押したとき、激痛を訴えた場合は直ちに針を抜き、適切な処置を行うこと。
(5). 本品の詳細な操作方法又は使用方法については、付属の患者用取扱説明書を参照すること。
20.1. 本剤は2~8℃の冷蔵庫に保存し、凍結しないこと。
20.2. 光を避けて保存すること。
20.3. 使用時には、包装箱に入れたまま室温に戻し、7日間以内に使用すること。
20.4. 製品の箱に入っている専用の注射針以外は使用しないこと。
20.5. 本剤に破損等が認められるときは使用しないこと。
20.6. 本剤の先端キャップを外した後は速やかに使用すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 1年以上インターフェロン ベータ-1a製剤を投与した多発性硬化症患者の5%で中和抗体が産生したとの報告がある(中和抗体は潜在的に臨床効果の減弱につながる可能性がある)。本剤を1年以上投与し、臨床効果が不十分である場合には、血中の中和抗体価を測定し、その後の治療継続について検討することが推奨される〔8.7参照〕。
15.1.2. がん原性試験は行われていない。
15.1.3. 海外で行われた外国人多発性硬化症患者を対象としたインターフェロンベータ-1a製剤とnatalizumab(α4インテグリン拮抗薬)との併用試験において、2例の進行性多巣性白質脳症(PML)が認められた。この2例は、いずれもnatalizumabとインターフェロン ベータ-1a製剤(30μg)の併用開始後2年以上経過した後にPMLを発症し、このうち1例は死亡し、他の1例は重度障害を残した。
15.1.4. 海外で行われた外国人健康成人を対象とした試験において、インターフェロン ベータ-1a製剤の投与を開始する際に、承認用量の1/4量から開始し、毎週1/4量ずつ漸増して承認用量(30μg/週)まで到達する漸増投与を行った場合、漸増投与を行わなかった場合に比べて、インフルエンザ様症状の程度及び頻度が軽減したとの報告がある。なお、インターフェロン ベータ-1a製剤の漸増投与時における有効性評価は実施されていない。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. 動物試験(サル)において、33μg/kg(体表面積で臨床用量の100倍)の投与で、月経不順、無排卵及び血清プロゲステロン濃度減少が認められたとの報告がある。

16.1 血中濃度
外国人健康成人にインターフェロン ベータ‐1a製剤(60μg)を単回筋肉内投与した際の薬物動態パラメータ及び薬力学的パラメータは次のとおりであった。
〔薬物動態パラメータ:血清中IFNβ‐1a濃度〕
→図表を見る(PDF)

〔薬力学的パラメータ:血清中β2‐MG濃度〕
→図表を見る(PDF)

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相試験
日本人再発型多発性硬化症患者(25例)を対象とし、非盲検非対照試験を実施した。インターフェロン ベータ‐1a製剤30μgを週1回24週間筋肉内投与し、投与前(-12、-8、-4及び0週)と投与後(12、16、20及び24週)それぞれ4回の脳MRI検査の平均ガドリニウム(Gd)増強病巣数を比較した結果、有効性解析対象症例(23例)において5.9個から2.8個へ有意に減少した。また、インターフェロン ベータ‐1a製剤の投与により、血清中のネオプテリンが誘導された。
〔脳MRI検査1回あたりのGd増強病巣数の変化〕
→図表を見る(PDF)

インターフェロン ベータ‐1a製剤を投与された25例中25例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、インフルエンザ様症状20例(80%)、発熱11例(44%)及び頭痛7例(28%)であった。
17.1.2 海外第III相臨床試験
(1)外国人再発型多発性硬化症患者を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。インターフェロン ベータ‐1a製剤30μg(158例)又はプラセボ(143例)を週1回筋肉内投与したところ、身体機能障害の持続的進行注1)開始までの期間は、Kaplan‐Meier生存曲線から、プラセボ群と比較しインターフェロン ベータ‐1a製剤群で有意に長く、投与開始後2年以内に身体機能障害の持続的進行が開始する割合は、プラセボ群34.9%、インターフェロン ベータ‐1a製剤群21.9%と推定された。また、年間再発率はプラセボ群(0.90回/例)に比較し、インターフェロン ベータ‐1a製剤群(0.61回/例)で有意に低かった。さらに、脳MRI検査におけるガドリニウム(Gd)増強病巣数及びGd増強病巣容積は、プラセボ群と比較しインターフェロン ベータ‐1a製剤群で有意に低かった。
注1)拡張身体機能障害評価スケールの1.0以上の悪化が6ヵ月以上持続した場合
〔Gd増強病巣数の変化〕
→図表を見る(PDF)

(2)外国人早期多発性硬化症患者注2)を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。インターフェロン ベータ‐1a製剤30μg(193例)又はプラセボ(190例)を週1回筋肉内投与したところ、臨床的に診断確実な多発性硬化症発症までの期間は、Kaplan‐Meier生存曲線からプラセボ群と比較しインターフェロン ベータ‐1a製剤群で有意に長く(ハザード比0.56)、投与開始後2年以内に臨床的に診断確実な多発性硬化症が発症する割合は、プラセボ群で38.6%、インターフェロン ベータ‐1a製剤群で21.1%と推定された。また、脳MRI検査におけるガドリニウム(Gd)病巣数及びGd増強病巣容積は、プラセボ群と比較しインターフェロン ベータ‐1a製剤群で有意に低かった。さらに、新規又は拡大T2病巣数及びT2病巣容積については、プラセボ群と比較しインターフェロン ベータ‐1a製剤群で有意に少なかった。
注2)初発の脱髄症状を呈し脳MRIで脱髄性の病巣を認めた患者
〔Gd増強病巣数の変化〕
→図表を見る(PDF)

17.2 製造販売後調査等
17.2.1 使用成績調査における副作用
使用成績調査での調査例1486例中594例(40%)に副作用が認められた。主な副作用は発熱284例(19%)、頭痛65例(4%)、倦怠感64例(4%)であった。
17.2.2 製造販売後臨床試験における副作用
製造販売後臨床試験の安全性解析対象症例100例中100例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、インフルエンザ様疾患92例(92%)、注射部位反応30例(30%)、発熱25例(25%)、鼻咽頭炎23例(23%)であった。

18.1 作用機序
インターフェロン ベータが多発性硬化症に対して臨床効果を発揮する正確な機序は不明であるが、次記のような作用が多発性硬化症の再発予防に関与するものと考えられる。
18.1.1 免疫調節作用
A549細胞(ヒト肺がん細胞株)にインターフェロン ベータ‐1aを加えて培養した後、間接的FACS解析を行った結果、A549細胞表面にクラスI主要組織適合性抗原を誘発した。
18.1.2 抗ウイルス作用
A549細胞(ヒト肺がん細胞株)にインターフェロン ベータ‐1aを加えて培養した後、脳心筋炎ウイルスを接種し、細胞変性効果(CPE)測定法を用いて細胞生存率を測定した結果、抗ウイルス作用が認められた。
18.1.3 細胞増殖抑制作用
Daudi細胞(ヒトBリンパ腫細胞株)にインターフェロン ベータ‐1aを加えて培養した後、3H‐チミジン1μCiを加えて標識し、液体シンチレーション計数法によりチミジンの量を測定した結果、細胞増殖抑制作用が認められた。

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