マラロン小児用配合錠
添付文書情報2024年08月改定(第3版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 2.1. 〈効能共通〉本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 〈予防〉重度腎障害のある患者〔9.2.2、16.6.3参照〕。
- 効能・効果
- マラリア。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈治療〉本剤はヒプノゾイト(マラリア原虫の休眠体)には効果がない。
5.2. 〈治療〉意識障害や臓器不全を伴う重症マラリア患者においては、本剤の効果が十分に得られない可能性があるため、他の治療を考慮すること。
5.3. 〈治療〉三日熱マラリアに対しアトバコン及びプログアニルを単独投与したとき、再発がしばしば報告されているため、三日熱マラリア又は卵形マラリアに曝露された旅行者及びこれらの原虫によるマラリア発症者の治療に用いる場合には、再発に注意し、マラリア原虫の休眠体に対する活性を示す薬剤による治療を考慮すること。
5.4. 〈治療〉下痢又は嘔吐が認められている急性マラリアの患者では、代替治療を検討すべきであるが、本剤を用いる場合には、血液中のマラリア原虫数を慎重にモニターすること〔7.3参照〕。
5.5. 〈予防〉渡航先のマラリア汚染状況も踏まえて、本剤の必要性を慎重に検討すること〔8.4参照〕。
- 用法・用量
- 治療:
成人
通常、1日1回アトバコン/プログアニル塩酸塩として1000mg/400mgを3日間、食後に経口投与する。
小児
通常、体重に応じアトバコン/プログアニル塩酸塩として次記の投与量を1日1回3日間、食後に経口投与する。
5~8kg:125mg/50mg。
9~10kg:187.5mg/75mg。
11~20kg:250mg/100mg。
21~30kg:500mg/200mg。
31~40kg:750mg/300mg。
>40kg:1000mg/400mg。
予防:
成人
通常、1日1回アトバコン/プログアニル塩酸塩として250mg/100mgを、マラリア流行地域到着24~48時間前より開始し、流行地域滞在中及び流行地域を離れた後7日間、毎日食後に経口投与する。
小児
通常、体重に応じアトバコン/プログアニル塩酸塩として次記の投与量を1日1回、マラリア流行地域到着24~48時間前より開始し、流行地域滞在中及び流行地域を離れた後7日間、毎日食後に経口投与する。
11~20kg:62.5mg/25mg。
21~30kg:125mg/50mg。
31~40kg:187.5mg/75mg。
>40kg:250mg/100mg。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 投与量に応じて錠数が最も少なくなる製剤を選択すること。
7.2. 本剤の配合成分であるアトバコンは絶食下では吸収量が低下するため、食後又は乳飲料とともに1日1回毎日定められた時刻に投与させること〔16.2.1参照〕。
7.3. 下痢又は嘔吐を来している患者ではアトバコンの吸収が低下する可能性があるため、本剤の投与後1時間以内に嘔吐した場合には、再投与させること〔5.4参照〕。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 〈効能共通〉本剤の使用に際しては、マラリアに関して十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。
8.2. 〈効能共通〉本剤の投与後にマラリア再燃した場合、又は予防的化学療法失敗した場合には、マラリアの赤血球期に有効な別の薬剤の投与を考慮すること。
8.3. 〈効能共通〉重度肝機能障害、肝炎、胆汁うっ滞があらわれることがあるので、必要に応じ肝機能検査を行うこと〔11.1.2参照〕。
8.4. 〈予防〉マラリア流行地域への渡航者が本剤を予防に使用する際には、予防の基本はマラリア媒介蚊による刺咬を防ぐことであるため、他の予防手段(防虫スプレー、蚊帳の使用など)も必要であることを説明し、注意を促すこと〔5.5参照〕。
9.2.1. 〈治療〉重度腎障害のある患者:他剤の投与を考慮するなど投与の可否を慎重に判断し、治療による有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇することで副作用
が発現する危険性が高い)〔16.6.3参照〕。
9.2.2. 〈予防〉重度腎障害のある患者:投与しないこと(本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇することで副作用が発現する危険性が高い)〔2.2、16.6.3参照〕。
9.2.3. 〈効能共通〉腎障害<重度腎障害を除く>のある患者:本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇する可能性がある。
出産可能年齢の女性は、本剤投与中も神経管欠損の予防のために葉酸サプリメントを継続して良い。本剤の配合成分であるプログアニルは、マラリア原虫のジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)を阻害することにより効果を発現する。葉酸サプリメントにより本剤の効果が減弱することを示すデータはない。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). クマリン系抗凝固剤(ワルファリンカリウム等)[プログアニルはこれらの薬剤の抗凝固作用を増強する可能性があるので、これらの薬剤を継続している患者においてマラリアの予防及び治療に対し本剤を開始又は中止する場合には、注意すること(機序は不明である)]。
2). リファンピシン〔16.7.2参照〕[リファンピシンとの併用によりアトバコンの血漿中濃度が約53%低下しt1/2は約33時間短縮したので、併用する場合には、血液中のマラリア原虫数を慎重にモニターすること(機序は不明である)]。
3). リファブチン〔16.7.3参照〕[リファブチンとの併用によりアトバコンの血漿中濃度が約34%低下しt1/2は約14時間短縮したので、併用する場合には、血液中のマラリア原虫数を慎重にモニターすること(機序は不明である)]。
4). テトラサイクリン塩酸塩〔16.7.6参照〕[テトラサイクリンの併用でアトバコンの血漿中濃度は約40%低下したので、併用する場合には、血液中のマラリア原虫数を慎重にモニターすること(機序は不明である)]。
5). メトクロプラミド〔16.7.6参照〕[メトクロプラミドの併用でアトバコンの血漿中濃度は約58%低下したので、併用する場合には、血液中のマラリア原虫数を慎重にモニターすること(機序は不明である)]。
6). ジドブジン〔16.7.5参照〕[アトバコンとの併用によりジドブジンのみかけの経口クリアランスは約25%低下しAUCは約33%増加した(機序は不明である)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)。
11.1.2. 重度肝機能障害、肝炎、胆汁うっ滞(いずれも頻度不明)〔8.3参照〕。
11.1.3. アナフィラキシー(頻度不明)。
11.1.4. 汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少(いずれも頻度不明)。
- 11.2. その他の副作用
1). 血液:(頻度不明)貧血。
2). 過敏症:(頻度不明)血管性浮腫、血管炎。
3). 精神神経系:(頻度不明)幻覚、頭痛、不眠症、浮動性めまい。
4). 消化器:(頻度不明)腹痛、悪心、嘔吐、下痢、口内炎、胃障害、口腔内潰瘍形成。
5). 皮膚:(頻度不明)発疹、脱毛、蕁麻疹。
6). その他:(頻度不明)低ナトリウム血症、食欲不振、アミラーゼ上昇、肝酵素上昇、発熱、咳嗽。
- 高齢者
- 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に、肝・腎機能等の生理機能が低下している、本剤の薬物動態試験において、高齢者の全身曝露量増加した)〔16.6.2参照〕。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.5.1. アトバコン:ラットに投与したところ、ヒトに本剤を投与したときの血漿中濃度の約6.5倍の曝露量において生殖発生毒性はみられなかったが、ウサギでは、ヒトでの血漿中濃度の約1.4倍の曝露量において母動物毒性(母動物体重低値及び母動物摂餌量低値)に関連すると考えられる流産及び軽度な胎仔体長低値・胎仔体重低値がみられ、また、ラット及びウサギでは単回経口投与により胎盤を通過して胎仔に分布することが報告されている。
9.5.2. プログアニル:ラット及びウサギの胚・胎仔発生に関する試験では、最高用量のそれぞれ20及び40mg/kg/日(ヒト全身曝露量の約1/25及び1倍に相当)の投与によっても悪影響は認められなかった。ラットの出生前・後の発生及び母体機能に関する試験では、最高16mg/kg/日(ヒト全身曝露量の約1/50に相当)の投与により悪影響は認められなかった。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.6.1. アトバコン:動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.6.2. プログアニル:わずかにヒト乳汁中に移行することが報告されている。
- 小児等
- 低出生体重児、新生児又は体重5kg未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- その他の注意
- 15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. アトバコン及びプログアニル塩酸塩のイヌにおける6ヵ月間併用投与試験において、プログアニル塩酸塩投与群に心臓<右心房>線維性血管組織増殖及び間質性肺炎増悪がみられた。
15.2.2. アトバコンのマウスのがん原性試験において、種特異的と考えられる肝薬物代謝酵素の誘導に関連した肝臓腫瘍増加がみられた。
15.2.3. プログアニルの活性代謝物であるcycloguanil(DHFR阻害作用を有す)は細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性であったが、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験陽性及びマウスを用いた小核試験陽性を示した。しかしながら、cycloguanilによるこれらの影響は、フォリン酸の添加によって著しく消失又は減弱した。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)健康成人10例を対象に本剤4錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩として1000mg・400mg)を食後に単回経口投与した時の血漿中アトバコン、プログアニル及びcycloguanil濃度推移を添付文書の図1に、薬物動態パラメータを表1に示す。
図1 健康成人に本剤4錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩として1000mg・400mg)を食後に単回経口投与した時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差、10例)
アトバコン
図1 健康成人に本剤4錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩として1000mg・400mg)を食後に単回経口投与した時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差、10例)
プログアニル及びcycloguanil
表1 健康成人に本剤4錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩として1000mg・400mg)を食後に単回経口投与した時の血漿中の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
(2)健康成人5例にアトバコン錠25~450mgをそれぞれ絶食下に単回経口投与した時の血漿中アトバコンのCmax及びAUCは投与量増加に比例して増加したが、750mgでは投与量増加の割合を下回って増加した(外国人データ)。
(3)健康成人9例にプログアニル塩酸塩200mgを単回経口投与した時の血漿中プログアニルのtmaxは2~4時間であり、吸収は速やかであった(外国人データ)。
(4)健康成人3例にプログアニル塩酸塩50~500mgを単回経口投与した時の曝露量は投与量の範囲で比例性を示した(外国人データ)。
(5)アトバコン及びプログアニルを併用投与した際のアトバコン、プログアニル及びcycloguanilの薬物動態は単独投与と比べて明らかな変化はみられていない。
16.1.2 生物学的同等性
健康成人43例に、マラロン配合錠2錠及びマラロン小児用配合錠8錠をそれぞれ食後に単回経口投与した結果を表2に示す(外国人データ)。
表2 健康成人にマラロン配合錠及びマラロン小児用配合錠を食後に単回経口投与した時のPKパラメータ
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
(1)健康成人16例にアトバコン内用懸濁液750mgを単回経口投与した時のCmax及びAUC0-∞は摂食で約2.5~3.5倍に増加した(表3)。また、血漿中アトバコンのt1/2は約69~75時間であった(外国人データ)。[7.2参照]
表3 健康成人男性にアトバコン内用懸濁液750mgを絶食下及び食後に単回経口投与した時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
(2)プログアニルの吸収に食事の影響はないと考えられた(外国人データ)。
16.2.2 バイオアベイラビリティ
HIV患者9例にアトバコン錠750mgを食後に単回経口投与した時の絶対的バイオアベイラビリティは23±11%であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
HIV患者9例にアトバコンの約37mgを単回静脈内投与した時の分布容積は0.62±0.19L/kgであった(外国人データ)。
16.3.2 血漿蛋白結合率
(1)In vitroで、アトバコンのヒト血漿蛋白結合率は99%超であり、約1~90μg/mLの範囲で一定であった。
(2)プログアニルのヒト血漿蛋白結合率は75%である。
(3)ヒト血漿において、アトバコン及びプログアニルはそれぞれの結合に影響を及ぼさなかった。
16.3.3 血球移行
健康成人9例にプログアニル塩酸塩200mgを単回経口投与した時、プログアニルは血球と結合し、血液中濃度は血漿中濃度の約5倍となった(外国人データ)。
16.4 代謝
16.4.1 代謝酵素
In vitroで、プログアニルは肝臓でcycloguanilに代謝され、代謝には主にCYP2C19が関与する。
16.4.2 遺伝子多型
(1)健康成人でのCYP2C19のpoor metabolizer(4例)に本剤1錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩として250mg・100mg)を1日1回13日間経口投与した時の血漿中cycloguanil濃度はextensive metabolizer(9例)よりも低く、プログアニル濃度はわずかに高かった(外国人データ)。
(2)In vitroにおいて、プログアニル代謝の遺伝子多型はプログアニルとアトバコンの併用投与による抗マラリア効果に影響を及ぼさないことが確認されている。
16.5 排泄
16.5.1 HIV患者9例にアトバコンの約37mgを単回静脈内投与した時のCLは10.4±5.5mL/min、t1/2は62.5±35.3時間であった(外国人データ)。
16.5.2 健康成人4例に[14C]標識体750mgを単回経口投与した試験において、ほとんどの被験者で投与21日間以内に投与量の94%以上が糞中に未変化体として排泄されており、尿中にはほとんど排泄されなかった(0.6%未満)(外国人データ)。
16.5.3 健康成人6例にプログアニル塩酸塩200mgを1日1回7日間経口投与した時、最終投与後24時間までにプログアニルは投与量の24.4±7.5%、cycloguanilは11.2±4.2%が尿中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 小児
(1)急性熱帯熱マラリアの小児患者(5~12歳)9例を対象にアトバコン(約17mg/kg)及びプログアニル塩酸塩(約7mg/kg)注)を食後に1日1回3日間併用投与した時の血漿中には、アトバコン、プログアニル及びcycloguanilが検出された(表4)(外国人データ)。
表4 急性熱帯熱マラリアの小児患者(5~12歳)にアトバコン(約17mg/kg)及びプログアニル塩酸塩(約7mg/kg)を食後に1日1回3日間併用投与した時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
(2)熱帯熱マラリアの高流行地域に在住する小児にアトバコンとプログアニル塩酸塩を含有する錠剤を6又は12週経口投与した時の血漿中にも、アトバコン、プログアニル及びcycloguanilが検出された(表5)(外国人データ)。
表5 熱帯熱マラリアの高流行地域に在住する小児にアトバコンとプログアニル塩酸塩を含有する錠剤を6又は12週間経口投与した時の血漿中濃度
→図表を見る(PDF)
(3)急性熱帯熱マラリアの治療又は熱帯熱マラリアの予防における成人及び小児の血漿中アトバコン及びプログアニルの母集団薬物動態解析の結果から、体重がアトバコン及びプログアニルの経口クリアランス(CL/F)に大きく影響を及ぼした。アトバコンのCL/Fに対しては体重、人種、性別及びテトラサイクリンとの併用、アトバコンの分布容積(V/F)に対しては体重、プログアニルのCL/Fに対しては体重及び人種、プログアニルのV/Fに対しては体重及び年齢(15歳超及び15歳以下)が、それぞれ共変量として選択された(外国人データ)。
表6 成人及び小児の用法及び用量に従いアトバコン・プログアニル塩酸塩を投与した時の予測PKパラメータ
→図表を見る(PDF)
16.6.2 高齢者
健康高齢者(65~79歳)13例及び健康若年者(30~45歳)13例を対象に本剤2錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩として500mg・200mg)注)をそれぞれ食後に単回経口投与した際に高齢者での血漿中アトバコンのAUC0-∞は若年者と比べて約29%高く、t1/2は約1.8倍となった。高齢者での血漿中プログアニルのAUC0-∞は若年者と比べ約23%、Cmaxは若年者と比べ約31%増加し、血漿中cycloguanilのCmax及びAUC0-∞はそれぞれ約83及び136%増加した(外国人データ)。[9.8参照]
16.6.3 腎機能低下者
重度の腎機能低下者(CLcr:<30mL/分)13例及び健康成人13例を対象に本剤2錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩として500mg・200mg)注)をそれぞれ食後に単回経口投与した際に、腎機能低下者では健康成人と比べてアトバコンの曝露量は有意に低下した。また、重度の腎機能低下者での血漿中プログアニル及びcycloguanilのAUC0-∞は有意に増加し、t1/2も延長した(外国人データ)。[2.2、9.2.1、9.2.2参照]
16.6.4 肝機能低下者
軽度(Child Pugh分類:5~6)~中等度(Child Pugh分類:7~9)の肝機能低下者13例及び健康成人13例を対象に本剤2錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩として500mg・200mg)注)をそれぞれ食後に単回経口投与した時の血漿中アトバコンの曝露量に明らかな変化は認められなかった。また、肝機能低下者での血漿中プログアニルのAUC0-∞は健康成人に比べて約85%増加したが、Cmax及びt1/2に明らかな変化は認められなかった。なお、重度の肝機能低下者のデータは得られていない(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 フェニトイン
健康成人12例にアトバコン懸濁液1000mgをフェニトイン600mgと単回併用投与した時のフェニトインの薬物動態にアトバコンは影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.2 リファンピシン
HIV患者13例にアトバコン懸濁液750mgを12時間ごと、リファンピシン600mgを24時間ごとに併用経口投与した時の血漿中アトバコンのCavg,ssは併用で約53%低下し、t1/2は約33時間短縮した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 リファブチン
健康成人24例にアトバコン懸濁液750mgを1日2回及びリファブチン300mgを食後に1日1回14日間併用経口投与した時の血漿中アトバコンのAUCssは併用で約34%低下し、t1/2は約14時間短縮した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 スルファメトキサゾール・トリメトプリム
軽度~中等度のニューモシスチス肺炎を発症したAIDS患者19例にアトバコン懸濁液1000mgを1日1回、スルファメトキサゾール・トリメトプリム(1600mg・320mg)を1日3回併用投与した時の血漿中アトバコンのCavg,ssは単独群では10.7±5.9μg/mL、併用群では10.6±7.7μg/mLであった(外国人データ)。
16.7.5 ジドブジン
HIV患者14例にアトバコン錠750mgを12時間ごと、ジドブジン200mgを8時間ごとに併用投与した時のアトバコンのCmax,ss、Cmin,ss及びCavg,ssはいずれも併用による影響はみられなかった。一方、ジドブジンのみかけの経口クリアランスは併用により約25%低下し、AUCは約33%増加した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.6 テトラサイクリン及びメトクロプラミド
血漿中アトバコン濃度はテトラサイクリンの併用で約40%低下した。また、血漿中アトバコンのCssは、メトクロプラミドの併用で約58%低下した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.7 その他の薬剤(血漿蛋白結合率が高く治療域の狭い薬剤)
アトバコンは、高い血漿蛋白結合率(99%超)を示すことから、血漿蛋白結合率が高く治療域の狭い他の薬剤と併用する場合には慎重に行うこと。なお、アトバコンはキニーネ、フェニトイン、ワルファリン、スルファメトキサゾール、インドメタシン、ジアゼパムのin vitro血漿蛋白結合に影響を及ぼさないことから、蛋白結合の結合置換により著しい薬物相互作用が発現する可能性は低いと考えられる。
注)本剤を治療に用いる場合の承認用量は、成人には1日1回アトバコン・プログアニル塩酸塩として1000mg・400mgである。本剤を予防に用いる場合の承認用量は、成人には1日1回アトバコン・プログアニル塩酸塩として250mg・100mgである。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈治療〉
17.1.1 海外第III相試験
ザンビアにて、合併症のない急性熱帯熱マラリア成人患者を対象として、アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mgを1日1回3日間投与した結果を次に示す(表1)。
表1 治療成績(治癒例数)
→図表を見る(PDF)
アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mg投与群における副作用発現頻度は、78.0%(64/82例)であった。主な副作用は、頭痛28.0%(23/82例)、腹痛28.0%(23/82例)、無力症24.4%(20/82例)であった。
17.1.2 海外第III相試験
タイにて、合併症のない急性熱帯熱マラリア成人患者を対象として、アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mgを1日1回3日間投与した結果を次に示す(表2)。
表2 治療成績(治癒例数)
→図表を見る(PDF)
アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mg投与群における副作用発現頻度は、2.2%(2/91例)であった。その内訳は、脾腫、悪心、肝腫大各1.1%(1/91例)であった。
17.1.3 海外第III相試験
ブラジルにて、合併症のない急性熱帯熱マラリア成人患者を対象として、アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mgを1日1回3日間投与した結果を次に示す(表3)。
表3 治療成績(治癒例数)
→図表を見る(PDF)
アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mg投与群における副作用発現頻度は、65.5%(57/87例)であった。主な副作用は、腹痛29.9%(26/87例)、頭痛21.8%(19/87例)であった。
17.1.4 海外第III相試験
ガボンにて、合併症のない急性熱帯熱マラリア成人患者を対象として、アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mgを1日1回3日間投与した結果を次に示す(表4)。
表4 治療成績(治癒例数)
→図表を見る(PDF)
アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mg投与群における副作用発現頻度は、56.6%(43/76例)であった。主な副作用は、悪心28.9%(22/76例)、嘔吐26.3%(20/76例)、腹痛21.1%(16/76例)であった。
17.1.5 海外第III相試験
フランスにて、合併症のない急性熱帯熱マラリア成人患者を対象として、アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mgを1日1回3日間投与した結果を次に示す(表5)。
表5 治療成績(治癒例数)
→図表を見る(PDF)
アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mg投与群における副作用発現頻度は、60.0%(15/25例)であった。主な副作用は、嘔吐44.0%(11/25例)、悪心16.0%(4/25例)、下痢12.0%(3/25例)であった。
17.1.6 海外第III相試験
フィリピンにて、合併症のない急性熱帯熱マラリア成人患者(12歳以上の小児を含む)を対象として、アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mgを1日1回3日間投与した結果を次に示す(表6)。
表6 治療成績(治癒例数)
→図表を見る(PDF)
アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mg投与群における副作用発現頻度は、23.6%(13/55例)であった。その内訳は、腹痛10.9%(6/55例)、嘔吐9.1%(5/55例)、悪心5.5%(3/55例)、食欲減退5.5%(3/55例)であった。
17.1.7 海外第III相試験
ペルーにて、合併症のない急性熱帯熱マラリア成人患者(12歳以上の小児を含む)を対象として、本剤配合錠(1錠中アトバコン250mg、プログアニル塩酸塩100mgを含む)4錠(アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mg)を1日1回3日間投与した結果を次に示す(表7)。
表7 治療成績(治癒例数)
→図表を見る(PDF)
本剤投与群における副作用発現頻度は、45.0%(9/20例)であった。その内訳は、悪心20.0%(4/20例)、嘔吐15.0%(3/20例)、腹痛10.0%(2/20例)、下痢5.0%(1/20例)であった。
17.1.8 海外第III相試験
タイにて、合併症のない急性熱帯熱マラリア小児患者(5~12歳)を対象として、アトバコン20mg/kg、プログアニル塩酸塩8mg/kgを1日1回3日間投与した結果を次に示す(表8)。
表8 治療成績(治癒例数)
→図表を見る(PDF)
アトバコン20mg/kg、プログアニル塩酸塩8mg/kg投与群における副作用発現頻度は、16.1%(5/31例)であった。主な副作用は、脾腫12.9%(4/31例)であった。
17.1.9 海外第III相試験
ケニアにて、合併症のない急性熱帯熱マラリア小児患者(3~12歳)を対象として、アトバコン20mg/kg、プログアニル塩酸塩8mg/kgを1日1回3日間投与した結果を次に示す(表9)。
表9 治療成績(治癒例数)
→図表を見る(PDF)
アトバコン20mg/kg、プログアニル塩酸塩8mg/kg投与群における副作用発現頻度は、26.2%(22/84例)であった。主な副作用は、嘔吐13.1%(11/84例)、そう痒症8.3%(7/84例)、発疹3.6%(3/84例)であった。
17.1.10 海外第III相試験
ガボンにて、合併症のない急性熱帯熱マラリア小児患者(体重5kg以上11kg未満)を対象として、本剤小児用配合錠(1錠中アトバコン62.5mg、プログアニル塩酸塩25mgを含む)を体重5kg以上9kg未満の小児患者には1回2錠(アトバコン125mg、プログアニル塩酸塩50mg)、体重9kg以上11kg未満の小児患者には1回3錠(アトバコン187.5mg、プログアニル塩酸塩75mg)を1日1回3日間投与した結果を次に示す(表10)。なお、錠剤は粉砕され、コンデンスミルクと共に投与された。
表10 治療成績(治癒例数)
→図表を見る(PDF)
本剤投与群(アトバコン125mg、プログアニル塩酸塩50mgあるいはアトバコン187.5mg、プログアニル塩酸塩75mg)における副作用発現頻度は、11.0%(11/100例)であった。主な副作用は、下痢6.0%(6/100例)、嘔吐2.0%(2/100例)であった。
17.1.11 海外第III相試験
タイにて、三日熱マラリア成人患者を対象として、アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mgを1日1回3日間投与した。23例のうち、投与7日後に21例で原虫の消失が認められたが、投与28日後までに13例で再発が確認された。
17.1.12 海外第III相試験
ガボンにて、卵形マラリアあるいは四日熱マラリア成人患者を対象として、アトバコン1000mg、プログアニル塩酸塩400mgを1日1回3日間投与した。治癒率評価対象6例(3例が四日熱マラリア、2例が卵形マラリア、1例が熱帯熱マラリアと卵形マラリアの混合感染)の全例が治癒した。
〈予防〉
17.1.13 海外第III相試験
Chloroquine耐性が知られているマラリア流行地域(ザンビア)の健康成人272例を対象とした二重盲検比較試験(本剤配合錠(1錠中アトバコン250mg、プログアニル塩酸塩100mgを含む)1錠を1日1回10週間投与)における予防効果を次に示す(表11)。
表11 予防成功例数、失敗例数及び内訳(ITT)
→図表を見る(PDF)
本剤投与群における副作用発現頻度は、13.2%(18/136例)であった。主な副作用は、頭痛4.4%(6/136例)、腹痛3.7%(5/136例)、下痢1.5%(2/136例)、浮動性めまい1.5%(2/136例)、咳嗽1.5%(2/136例)であった。
17.1.14 海外第III相試験
ガボンにて、熱帯熱マラリア感染の危険性がある4~16歳の健康小児264例を対象とした二重盲検比較試験(1日1回12週間投与)における予防効果を次に示す(表12)。本試験の予防期では、本剤小児用配合錠(1錠中アトバコン62.5mg、プログアニル塩酸塩25mgを含む)を体重11kg以上20kg以下の被験者には1回1錠、体重20kg超30kg以下の被験者には1回2錠(アトバコン125mg、プログアニル塩酸塩50mg)、体重30kg超40kg以下の被験者には1回3錠(アトバコン187.5mg、プログアニル塩酸塩75mg)、体重40kg超の被験者には本剤配合錠(1錠中アトバコン250mg、プログアニル塩酸塩100mgを含む)を1回1錠投与した。
表12 予防成功例数、失敗例数及び内訳(ITT)
→図表を見る(PDF)
本剤投与群における副作用発現頻度は、41.6%(52/125例)であった。主な副作用は、腹痛31.2%(39/125例)、頭痛13.6%(17/125例)、嘔吐7.2%(9/125例)であった。
17.1.15 海外第III相試験
南アフリカにて、マラリアに対して免疫を有しない健康成人175例を対象とした非対照非盲検試験(本剤配合錠(1錠中アトバコン250mg、プログアニル塩酸塩100mgを含む)1錠を1日1回10週間投与)における予防効果を次に示す(表13)。1名が原虫血症を発症したが、その1名は服薬遵守率が低かった。
表13 予防成功例数、失敗例数及び内訳(ITT)
→図表を見る(PDF)
本剤投与群における副作用発現頻度は、16.6%(29/175例)であった。主な副作用は、頭痛6.9%(12/175例)、腹痛2.3%(4/175例)、咳嗽1.7%(3/175例)、皮膚障害1.7%(3/175例)であった。
17.1.16 海外第IV相試験
ガボンにて、熱帯熱マラリア感染の危険性がある健康小児330例を対象とした二重盲検比較試験(1日1回12週間投与)における予防効果を次に示す(表14)。本試験の予防期では、本剤小児用配合錠(1錠中アトバコン62.5mg、プログアニル塩酸塩25mgを含む)を体重11kg以上20kg以下の被験者には1回1錠、体重21kg以上30kg以下の被験者には1回2錠(アトバコン125mg、プログアニル塩酸塩50mg)、体重31kg以上40kg以下の被験者には1回3錠(アトバコン187.5mg、プログアニル塩酸塩75mg)を投与した。
表14 予防成功例数、失敗例数及び内訳(ITT)
→図表を見る(PDF)
本剤投与群における副作用発現頻度は、1%未満(1/165例)であり、悪心1例であった。
17.1.17 海外第III相試験
マラリア非流行地域からマラリア流行地域に渡航したマラリアに対して免疫を有しない健康小児(3歳以上)及び成人を対象に、本剤とメフロキンとの二重盲検実薬対照比較試験が実施された。976例が本剤及びメフロキンの投与を受け、平均投与期間はそれぞれ28日及び53日であった。両群とも原虫血症を発症しなかった。有効性評価対象となった951例の最小・最大有効率を示す(表15)。本剤群では、本剤小児用配合錠(1錠中アトバコン62.5mg、プログアニル塩酸塩25mgを含む)を体重11kg以上20kg以下の被験者には1回1錠、体重21kg以上30kg以下の被験者には1回2錠(アトバコン125mg、プログアニル塩酸塩50mg)、体重31kg以上40kg以下の被験者には1回3錠(アトバコン187.5mg、プログアニル塩酸塩75mg)、体重40kg超の被験者には本剤配合錠(1錠中アトバコン250mg、プログアニル塩酸塩100mgを含む)を1回1錠、流行地に到着する1日又は2日前から流行地を去った後7日まで1日1回投与した。
表15 最小・最大有効率(ITT)
→図表を見る(PDF)
本剤投与群における副作用発現頻度は、30.2%(149/493例)であった。主な副作用は、下痢7.5%(37/493例)、異常な夢6.7%(33/493例)、口腔内潰瘍形成5.9%(29/493例)、腹痛5.3%(26/493例)であった。
17.1.18 海外第III相試験
マラリア非流行地域からマラリア流行地域に渡航したマラリアに対して免疫を有しない健康小児(14歳以上)及び成人を対象に、本剤とchloroquine+プログアニルとの二重盲検実薬対照比較試験が実施された。1022例が本剤及びchloroquine+プログアニルの投与を受け、平均投与期間はそれぞれ26日及び47日であった。本剤群では1例が原虫血症を発症し、卵形マラリアによるものであった。Chloroquine+プログアニル群では3例が原虫血症を発症した。有効性評価対象となった1013例の最小・最大有効率を示す(表16)。本剤群では、本剤配合錠(1錠中アトバコン250mg、プログアニル塩酸塩100mgを含む)を1回1錠、流行地に到着する1日又は2日前から流行地を去った後7日まで1日1回投与した。
表16 最小・最大有効率(ITT)
→図表を見る(PDF)
本剤投与群における副作用発現頻度は、21.5%(110/511例)であった。主な副作用は、下痢4.7%(24/511例)、頭痛4.1%(21/511例)、異常な夢3.7%(19/511例)、口腔内潰瘍形成3.5%(18/511例)であった。
17.1.19 海外第III相試験
マラリア非流行地域からマラリア流行地域に渡航したマラリアに対して免疫を有しない3~16歳の健康小児(体重11~50kg)221例を対象に、本剤とchloroquine+プログアニル塩酸塩との実薬対照非盲検試験が実施された。本剤群110例、chloroquine+プログアニル塩酸塩群111例とも原虫血症を発症しなかった。本剤群では、本剤小児用配合錠(1錠中アトバコン62.5mg、プログアニル塩酸塩25mgを含む)を体重11kg以上20kg以下の被験者には1回1錠、体重21kg以上30kg以下の被験者には1回2錠(アトバコン125mg、プログアニル塩酸塩50mg)、体重31kg以上40kg以下の被験者には1回3錠(アトバコン187.5mg、プログアニル塩酸塩75mg)、体重40kg超の被験者には本剤配合錠(1錠中アトバコン250mg、プログアニル塩酸塩100mgを含む)を1回1錠、流行地に到着する1日又は2日前から流行地を去った後7日まで1日1回投与した。
本剤投与群における副作用発現頻度は、8.2%(9/110例)であった。主な副作用は下痢3.6%(4/110例)であった。
18.1 作用機序
アトバコンの作用機序はマラリア原虫ミトコンドリアの電子伝達系複合体III(チトクロームbc1、complexIII)の選択的阻害であり、熱帯熱マラリア原虫から分離したミトコンドリアのチトクロームcレダクターゼ活性を約1nMのEC50で阻害した。この阻害作用を介してミトコンドリア電子伝達系とリンクしたジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼを阻害し、ピリミジンのde novo合成を阻害することにより抗マラリア原虫活性を示す。プログアニルの作用機序はジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)阻害であり、活性代謝物であるcycloguanilは0.78nMのKiで阻害作用を示した。プログアニルはDHFR阻害作用によりdTMP合成などに必要な補酵素であるテトラヒドロ葉酸の産生を低下させ、DNA合成を阻害することで抗マラリア原虫活性を示す。このように、本剤は2種類の異なる作用機序に基づき抗マラリア原虫活性を示す。
18.2 抗マラリア原虫活性
アトバコン及びcycloguanilはマラリア患者の血液から分離された熱帯熱マラリア原虫株に対して、in vitroでそれぞれ約1~2及び約18~36nMのIC50で抗マラリア原虫活性を示した。種々の薬剤耐性熱帯熱マラリア原虫株に対するアトバコン及びプログアニルのin vitroでの抗マラリア原虫活性は、併用により相乗的に増大した。
18.3 薬剤耐性
本剤の治療後にマラリアが再燃した2名の患者から本剤に対する耐性熱帯熱マラリア原虫株が分離されており、いずれの原虫株もチトクロームb遺伝子にアトバコン耐性変異(Y268N及びY268S)が検出され、1株ではさらにcycloguanil耐性のDHFR遺伝子変異も検出された。
アトバコンの単独治療後の再燃患者からアトバコンに対する感受性が顕著に低下し、チトクロームb遺伝子のアトバコン結合領域に単一の変異(Y268S)を持つアトバコン耐性熱帯熱マラリア原虫株が検出された。プログアニルに関しては、DHFR遺伝子にcycloguanil耐性の遺伝子変異を持つ臨床分離熱帯熱マラリア原虫株が増加しており、S108Nの単一変異を持つ株は中等度耐性を示し、その変異にN51I、C59R又はI164Lの変異が1種類以上加わると高度耐性の傾向を示した。
- 一包可:不明
バラ包装
- 分割:可能
- 粉砕:可能
- 製造販売会社
- GSK
- 販売会社
おくすりのQ&A
保険審査の内容で恐縮ですが、先日の業界紙において、「社会保険診療報酬支払基金は31日、高血圧症に対して初回から第一選択薬として「配合剤」を投与することは、...
Cost of Concerta (methylphenidate)?
I am curious to find the cost of a month's supply of methylphenidate for ADHD...
わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!
このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。